――唯の家
紬「みんなに今日唯ちゃんの家に集まってもらったのは私達の今の状況を解決するためなの」
律「どういうことだ?」
紬「唯ちゃん、りっちゃん、澪ちゃん、梓ちゃん、憂ちゃん、あなたたち今好きな人がいるでしょ」
唯律澪憂梓「!!!」
紬「そしてその好きな人はこの中にいる、そうよね」
唯律澪憂梓「!!!」
紬「その反応は当たりね」
紬「でも安心していいわ、私もそうだし、ここにいる人はみんなそうなの」
紬「それでみんなはその人とあんなことやこんなことをしたい、そして私のものにしたいって考えたことはない」
唯律澪憂梓「……」
紬「当然あるわよね」
紬「そこで私はあるゲームをみんなでやりたいと思うの」
梓「ゲームですか?」
紬「えぇ」
澪「テレビゲームか?」
紬「違うわ」
唯「ムギちゃん、そのゲーム楽しいの?」
紬「もちろん、とっても楽しいわよ」
憂「何ですか?そのゲームは?」
紬「それはね……」
紬「王様ゲームよ」
律澪憂梓「!!!」
唯「王様ゲームって何?」
紬「それはね……(以下略」
紬「ってゲームよ」
唯「へぇー、つまり王様が好きなように命令できるってことだね」
紬「そうよ」
澪「いや、ムギ、王様ゲームはちょっと……」
梓「そうですよ……」
紬「あら、ひょっとしたら好きな人とあんなことやこんなことを出来るかもしれないのよ」
唯律澪憂梓「!!!」
紬「まぁ、でもみんなが嫌ならやってもしょうがないわね」
唯「待って、ムギちゃん、私はやりたい」
律「私も!」
紬「そう、澪ちゃんは?」
澪「律や唯がやるっていうんならやるよ」
紬「そう、憂ちゃんと梓ちゃんは?」
憂「やります!」
梓「やってやるです!」
紬「決まりね」
憂「じゃあ、割り箸か何か持ってきますね」
紬「憂ちゃん、必要ないわ」
憂「えっ!?」
紬「私が用意してきてるわ」
―ドンッ
律「でかっ、なんだこの機械は」
紬「今から私達がやる王様ゲームに使うものよ、ここから出てくる棒を取るのよ」
澪「棒を出すだけなの?」
紬「まぁ、そう聞かれたらその通りだと答えるしかないわ」
梓「それだけなのにこんな機械を使う必要があるんですか?」
紬「それに関しては今から説明するわ」
紬「この王様ゲームには特別ルールを付け加えるということがこの機械の存在と大きく関係があるわ」
澪「特別ルール?」
紬「えぇ、まず普通はそうじゃない方が多いと思うんだけど、今回は王様自身を命令内容に入れていいことにするわ」
紬「例えば王様と1番の人がキス……とか」
唯「キ、キス……」ドキドキ
憂「特別ルールはそれだけですか?」
紬「いいえ、他にもっと重要なものがあるわ」
紬「それは名付けてスペシャル棒よ」
律「スペシャル棒?」
紬「えぇ、まぁ、名前はどうでもいいんだけど、内容が重要なの」
紬「まずこの棒にはいくつも種類があるということだけは初めに言っておくわ」
紬「そしてその中でも重要なのが取っ替え棒よ」
梓「取っ替え棒?」
澪「どんな意味があるんだ?」
紬「それを説明する前に取っ替え棒には黄色の記しと青の記しのものの2種類があるってことを言っておくわ」
紬「そして、ランダムで5番の棒の代わりにこの2種類の棒のどちらかが出ることがあるの」
紬「そしてこれらが5番の代わりにに出た場合は棒をみんなが引くまえに機械が教えてくれるわ、こんな風に」
機械「取っ替え棒が含まれています」
唯「すごーい、機械がしゃべったぁ」
紬「だから当然このときは5番に命令することはできないわ」
紬「そしてまず取っ替え棒(黄)について説明するわ」
紬「簡単に言うと……王様の命令を取っ替え棒(黄)を持った人が代わりに受けられるってことよ」
唯律澪憂梓「……?」
唯「ムギちゃんどういうこと?」
紬「そうね、じゃあ例を出して説明するわ」
紬「例えば王様が1番と4番の人がキスをするっていう命令をしたとするわね」
唯「うん」
紬「そして唯ちゃんが取っ替え棒を持ってて、唯ちゃんは4番の人とキスしたいと思ってるとするわね」
唯「……うん」
紬「そしたら唯ちゃんはどう思う?」
唯「1番の人と替わりたい」
紬「そうよね、おめでとう唯ちゃん、取っ替え棒(黄)を持っている唯ちゃんは1番の人と替わることができるの」
紬「つまり1番の人の代わりに王様の命令を受けることができるの」
憂「だから取っ替え棒なんですね」
紬「えぇ、自分と命令を受けた人を入れ替えるってこと」
紬「ただし王様と入れ替わることはできないわ」
唯「どういうこと?」
紬「例えば王様が王様と4番の人がキスっていう命令を出したとするわ」
紬「さっきの例でいくと4番の人とキスしたい唯ちゃんは当然王様と入れ替わりたいと思うわよね」
唯「うん」
紬「でもこの場合王様とは入れ替わることができないの、入れ替われるのは4番の人とだけなの」
唯「なるほどー」
紬「ちなみにこの取っ替え棒は効果を使わなくてもいいわ」
紬「次に取っ替え棒(青)について説明するわ」
紬「取っ替え棒(青)は王様の命令を受けた人と自分以外の命令を受けていない人とを入れ替えることができるの」
澪「つまり2番と4番が王様の命令を受けてたとすると2番の人のかわりに1番や3番の人に命令を受けさせられるってことか?」
紬「その通りよ」
律「でもそれって意味あるのか?自分には関係ないわけじゃん」
紬「りっちゃん、関係大有りよ」
紬「恋に障害はつきものっていう言葉があるけどその通りなの」
紬「この中にも自分と同じ人を好きな人がいるかもしれないのよ」
唯律澪憂梓「!!!」
紬「じゃあ、唯ちゃんに質問です」
紬「唯ちゃんは取っ替え棒(青)を持ってるとします」
紬「王様の命令で1番の人と唯ちゃんの大好きな4番の人がキスをすることになったわ」
紬「しかも1番の人は唯ちゃんと同じように4番の人が好きだとするわ」
唯「ライバルだね」
紬「唯ちゃんはこの2人にキスさせたい?」
唯「絶対にやだ!」
紬「そうね、でも取っ替え棒(黄)じゃないから1番の人と自分が変わることができません」
紬「どうすればいいかわかる?」
唯「4番の人を他の人と入れ替える」
紬「正解よ、唯ちゃん」
唯「やったー」
紬「そうすれば好きな人がライバルまたは他の人とキスするのを防げるわ」
紬「ここまでの話を聞くと黄色の方が使えるように感じるわよね」
紬「でも青はライバルを消すことができるかもしれないの」
唯「どういうこと?」
紬「さっきの例を引き続き使って、4番の人と2番の人を入れ替えたとするわ」
紬「すると王様の命令が実行され1番の人と2番の人がキスすることになるわ」
紬「すると4番の人のことを好きだったはずの1番の人がそのキスによって2番の人を好きになるかもしれないわ」
唯「そうなったら嬉しいね」
律「でもそう簡単に心変わりするかな、少なくとも私はキスくらいじゃしないしない自信があるぞ」
紬「あら、りっちゃん、凄い自信ね」
―チュッ
澪「!!!」
律「……///」カァァ
律「な、何すんだぁ、ムギ」アセッ
紬「これでもさっきと同じことが言える?」
律「それは……」ドキドキ
紬「今、私のことを意識してるでしょ」
紬「思春期においてはね、たった一回の出来事で気持ちが変わるっていうのは珍しいことじゃないわ」
紬「そのたった一回で人を好きになったり、好きだったのに冷めてしまったり、そして他の人に心変わりしたりすることがあるの」
唯「そうなんだー」
紬「まぁ、それは極端な話だけどキスなんてされたら意識してしまっつ、心に迷いは生じると思うわ、今のりっちゃんみたいにね」
律「……」ギクッ
紬「それがこのゲームでは重要なの」
紬「好きな人には自分を意識させるように、ライバルには他の人に意識を向けさせるようにする」
紬「まぁ、そうできればベストだけど、そう上手くはいかないとことがこのゲームの面白さよ」
紬「ここまでの説明で取っ替え棒の威力はわかったわね」
紬「そしたらみんなはこう考えるはずよ、王様なんかより取っ替え棒を持っている人の方が重要だって」
紬「確かにそうかもしれないわ、取っ替え棒は誰が何番なのかをわかった上で行動できるのに、王様は誰が何番かわからない状況で命令するんだものね」
紬「でも取っ替え棒の威力は王様の命令次第なの」
紬「まぁ、これはゲームをやっていけば嫌でもわかるわ」
紬「そしてこのゲームの難しいところは今、現時点で誰が誰を好きなのかわかっていないところね」
紬「だから下手に行動すると危険、まずは誰が誰を好きなのかさぐることが重要なポイントよ」
紬「うふふ、そういえばさっき私がりっちゃんにキスをした時にものすごく反応した人がいたわね」
紬「うふふ、その人は私とりっちゃん、どっちが好きなのかしらね」
紬「こういった風に行動や表情に気持ちは表れるからよく観察することがキーポイントね」
――――
紬「一通り説明は終えたわ、残りのスペシャル棒はゲームの展開しだいで入れるかどうか決めるわ」
紬「ちなみにこのゲームの私の目的はカップル成立よ」
紬「だから一回ゲームが終わるごとに告白したい人は自由に告白していいってことにするわ」
紬「みんなの前でフラれたら恥ずかしいわよね、だからする人はよほど確信がないと難しいと思うかもしれない」
紬「けどよく考えて、たとえフラれたとしてもこれは相手に自分を意識させる最大の方法よ」
憂「でもみんなの前で自分の好きな人を言うわけですから行動しにくくなりませんか」
紬「確かにそうね、ライバルには妨害されやすくなるし、自分のことを好きな人にも妨害されるわ」
紬「それでも告白がこのゲームに与える影響は絶大よ」
紬「まぁ、ゲームをしていけばわかるわ」
紬「ちなみにカップルが成立した場合はその2人はその時点でゲームを抜けてもらうわ」
紬「あと王様の命令で好きな人を言わせる命令も禁止するわ」
紬「そうじゃないと面白くないから」
紬「以上で説明は終わりよ、それじゃあ、始めましょうか」
唯律澪憂梓「おぉー」
―こうして長い、長い説明を終え、ようやく王様ゲームと言う名の戦いが始まった
王様ゲームのルール+
黄色→命令された人の一人と自分入れ替え
青色→命令された人の一人と自分を除く一人入れ替え
機械「それでは一回目のゲームを始めます」
憂「この機械凄いですね」
紬「えぇ、特製なの」
機械「今回は取っ替え棒は含まれていません、それでは棒をお取りください」
紬「じゃあ、みんな取りましょうか、ただし他の人に自分の引いたものを見せないようにね」
―――
唯(1番だぁ)
律(2番か)
澪(3番か)
憂(4番だ)
梓(5番です)
紬(王様だわ)
唯「王様だれー?」
紬「私よ」
律「あれっ、掛け声とかはいらないのか」
紬「必要ないわ、だって盛り上がるためにしてるわけじゃないもの」
澪「ムギ、それで命令は……」
紬「そうね、最初だし……5番の人は猫耳をつけて、にゃあって言いなさい」
唯「5番だーれ?」
梓「私です」
憂(あ、梓ちゃんの猫耳……)ドキドキ
―――
紬「それじゃあ、梓ちゃん始めなさい」
梓「にゃあ」
律「おぉー」
澪「可愛いな」
紬「そうねぇ」
憂「可愛い……」
唯「可愛すぎだよ、さすがあずにゃんだね」
梓「ありがとだにゃん」(可愛いって言ってくれた)
―――
紬「一回目をやってみてどうだった?」
唯「あずにゃんが可愛かった」
紬「そうね、でも唯ちゃん私が言いたいのはそうじゃないの」
唯「ほぇっ?」
紬「ちゃんとみんなを観察してた?」
唯「おおー、すっかり忘れてたよ」
紬「ちなみに私が観察したところ梓ちゃんを好きな人が1人はいるわね」
梓「!!!」
唯「そうなの?だれー?」
紬「うふふ、その唯ちゃんの言葉から唯ちゃんが好きなのは梓ちゃんじゃないってわかるわね」
梓(よかった……唯先輩じゃないってことは……)
紬「言葉は慎重に選らばないと自滅する可能性もあるわ」
唯「わかったよ、ムギちゃん、それで誰なの?」
紬「それは教えられないわ」
唯「けちー」
―――
紬「そういうことでみんな気を抜いたら駄目よ」
機械「それでは2回目を始めます、今回も取っ替え棒は含まれていません、それではお取りください」
―――
唯(やった、王様だぁ)
律(5番か)
澪(1番か)
憂(また4番だ)
梓(2番です)
紬(3番ね)
―――
唯「はーい、私が王様」
律「唯か……」
紬「じゃあ、唯ちゃん早速命令して」
唯「うん、じゃあ4番の人は王様に抱きつきなさい」
律(!!!)
澪「4番誰だ?」
憂「私です」
唯「憂か……いつもと変わらないね」
―――
憂「じゃあ、お姉ちゃんいくよ」
唯「うん!」
―ギュッ
憂(お姉ちゃん、あったかくて気持ちいい)
唯(やっぱり憂とこうしてると落ち着くな)
―――
紬「どうだった、みんな?」
梓「これと言って特には……」
澪「あぁ」
憂(やっぱりお姉ちゃんには誰かと付き合ってほしくないな、でも私は……)
律(憂ちゃんが羨ましいぜ)
―――
機械「それでは3回目を始めます、今回は取っ替え棒(青)が含まれています、それではお取りください」
紬「来たわね、ついに」
―――
唯(3番だぁ)
律(2番か)
澪(4番か)
憂(あっ、取っ替え棒(青)だ)
梓(1番だ)
紬(王様だわ)
最終更新:2010年01月06日 02:01