澪「やるなぁ、憂ちゃん」
律「澪も押してたけど分かってたのか」
澪「一応な」
律(澪は数学得意だからな…この勝負もらったぜ)
純「凄いなー、憂」
和「……」
純「和先輩?」
和「ふふ。ちょっと面白くなってきたかな」チャッ
純(なんか和先輩からオーラのようなものが)
恵「問題」
恵『金貨のたくさん詰まった袋が10袋あります。
金貨1枚の重さは10gです。
ですがこの10袋のうち1袋だけは、全てニセ金貨が詰まっています。
見かけは分かりませんが、ニセ金貨は本物の金貨よりも1g軽いことは分かっています。
ニセ金貨の袋を見破るためには、量りを最低何回使って量ればよいでしょうか?』
憂「偽者の金貨は1枚9gってことだよね」
唯「金貨がたくさんだって~。一生暮らせるよね」
憂「そうだね~。……これを…こうして」
唯「アイス何本買えるかな?」
憂「う~んどうだろう?……えーと……」ウウ
梓「完全に唯先輩が足かせになってますね」
紬「唯ちゃん…」ハラハラ
澪「うーん、単純に考えたらどれが偽者の袋か分からないから10回以上はかかりそうだけど…」
律「これは……1回だな……!」
澪「!? 分かったのか律!」
律「全然分からん!勘だ!」キリッ
ゴチン
律「……ッてー…何も殴ることないだろぉ」
澪「勘で正解できたら問題の意味ないだろ」
和「今回はみんな苦戦してるわね」
純「そうですね~。私もさっぱりです」
ピンポーン
純「ほぇ!?」
恵「はい、和さんチーム!」
純「せ、先輩分かったんですか?」
和「まあね」
和「まず、はじめに10袋全部に番号を振ります。この場合は1~10が妥当かな?」
和「で、1の袋からは1枚の金貨を、2の袋からは2枚、3の袋からは3枚…とこんな風に書かれた数字と連動した枚数分、袋から金貨を取り出します」
和「取り出した金貨の合計の重さを計測します。で、これで十分。あとはもう必要ないので答えは1回ね」
唯「へ?」
憂「!? あ、そうか」
澪「なるほど……」
律「おい、唯。分かるか?」
唯「分かるように見えますかい?りっちゃん」キリッ
律「うわ、全然見えねぇ」
和「この中にニセ金貨がないと仮定して取り出した金貨の合計値を量ると1枚10gだから1+2+3+4+5+6+7+8+9+10枚、つまり55枚で550g」
和「仮に3の袋がニセ金貨の袋だとしたら、9gの金貨3枚を取り出してるはずだから金貨を量ったとき【550-3×(10-9)=547】」
和「547gと表記されるはずだから、そうなったら3の袋がニセ金貨の袋ってことになるわけね」
和「つまり量るのは1回でいいのよ」
恵「エクセレントよ!和さん」
さわ子「やるわね…」
純(やっぱり和先輩と組んでよかった~)ホッ
----10分後----
和「で、これが答え」
恵「正解!!凄いわ。3連続正解なんて」
和「じゃあ頑張ってね、憂ちゃん、澪」フッ
憂「ピクッ」
澪「ピクッ」
憂(和さん、今笑ったよね?これって私たちのこと笑ったのかな。だとしたら…!)
澪(笑われた……今のは少しカチンときたな)
憂「お姉ちゃん!」
唯「は、はい!」ビクッ
憂「本気でいくから!お姉ちゃんもしっかり考えてね!」
唯「へ、へい!」ビビクッ
澪「なぁ、律」
律「ふぇ~わからんね~。ん?なんだ澪」
澪「私たち友達だよな」
律「は?なんだいきなり…」
澪「協力してくれ」
律「協力って、ちゃんと考えてるじゃん」
澪「違う、もっと真剣になってくれってことだ」
律「なんだ~?そんなにアンプが欲しいのか~」ニヤニヤ
澪「違う」
律「!?」 (おいおい、マジなときの顔じゃねーか。どうしたんだよ澪のやつ)
澪「これはプライドの問題なんだ……!」
----さらに20分後----
恵「凄い白熱してきたわね~。これで両チームとも2ポイントでリーチ。次の問題を答えられた方が最終ステージ進出よ」
さわ子「面白い展開になってきたわね…」
さわ子「曽我部さん悪いんだけど最後の問題こっちにしてくれない?」カサッ
恵「え?いいですけど…この問題はちょっと…」
さわ子「いいのいいの。最終問題くらいはこういうのにしないと盛り上がらないんだから」
さわ子「それに憂ちゃんと澪ちゃんばかりが答えてたんじゃ面白くないしね」
さわ子「頭の固い子には絶対解けない問題をだしてあげないと」
恵「は、はぁ…」
恵「じゃあ最終問題ね」
恵『ある規則によって、数を別の数に変換すると
1→2
5→1
17→5
28→6
532→10
1008→4 …… 』
澪(532が10でそれより多い1008が4?)
憂(28は1008に比べて6と4で多いのに532の10より少ない…)
さわ子(ふふ、悩んでる悩んでる)ニヤニヤ
恵『0.9999→16
0.5→5
1/2→6
3/6→7
となります …… 』
澪(訳が分からない…)ムムム
憂(28と1/2が同じ?どういうことなんだろう)ムムム
唯「…あ」
恵『では問題です。この法則に従うと4829512はいくつになるでしょう?』
澪「ちょw」
憂「うー…桁が多すぎだよぉ」
ピンポーン
唯「……」
憂「お姉ちゃん!?分かったの?」
恵「唯さん、答えをどうぞ」
唯「ふっふっふ」
澪(しまった…!負けたか?)
澪「ゴクリ…」
憂「ゴクリ…」
唯「……」シーン
カッ
唯「すいませんっ!ただ押してみたかっただけです!」キリッ
ドンガラガッシャーン
澪「いたた……おいおい」
梓「唯先輩さすがにそれは空気読めなさすぎです」
唯「だってぇ~。憂ばっかり押しててつまらなかったんだも~ん」ウジウジ
憂「ごめんね、お姉ちゃん。これからはもっと押してもいいから」
唯「ほんと!?」パァ
和「そこら辺でストップしなさい…ハァー」
唯「えへへー」
和「いくら唯でもそこまで頭の悪いことしないでしょ。どういうつもり?」
唯「あはは…。憂がなんか怖い顔して悩んでたから和ませてあげようと」ペコペコ
憂「お姉ちゃん…」
憂(どうしよう。お姉ちゃんを心配させちゃったよ。私のばかばか)
憂(お姉ちゃんは私のことを考えてくれてるのに、私は自分しか解けないと思ってお姉ちゃんを無視して1人で考えて…)
憂「ごめん!お姉ちゃん!一緒にかんがえよ?私なんかじゃこんな問題解けないよ。お姉ちゃんの力が必要なの」
唯「うい~」ダキッ
憂「おねえちゃーん」ダキッ
さわ子「おーい、もどってこーい」
和「無理です、先生。こうなったら当分あの状態ですから…」
梓「ム、ムギ先輩落ち着いて食べてくださいね…」
紬「あらららららら」モグモグモグモグ
澪「唯たちがああなってる今がチャンスなのに…全然分からないなんて」
律「……」
澪「何か分からないか?律」
律「……」
澪「律?」
律「…zzz」
澪「寝るなぁぁああ!」
ゴチン!!
律「冗談だって…私も唯みたいに和ませようとだな…」
澪「完全に寝てたじゃないか」プンプン
律「寝てないって!」
澪「なんども呼んだだろ!あんなに呼んだのに反応しなかったじゃないか」
律「よんだよんだって煩いな、悪かったよ」
律「……ん?よんだ?」
律「よんだ…読む…」
律「…………ッ!!」ピシャーン
---このとき律に圧倒的閃き---
律「……そうかっ…!見つけた……!この問題の解読法……!」
澪「お、おい律…」
澪(突然どうしたんだろう。殴りすぎておかしくなっちゃったのかな)
さわ子「んー。難しすぎたかもね、この子たちにこういう問題は」
恵「普通に考えたらまず答えられませんからね~」
ピンポーン
律「26」
さわ子「!」
恵「!?」
律「26だろ?」
ざわ…ざわ…
さわ子「な……なんだと……?」
律「解き方さえ分かれば至極単純なこと…。っていうか問いがめちゃくちゃな数字すぎてそれが仇になったな…さわちゃん」
さわ子「なにぃ……!?どういうことだ!?」 ←役に入った
律「どうも何も……まるで白雉……。目が曇ったな…さわちゃん。策に溺れているから……」 ←同じく役に入った
唯「何故26なの!?教えて律さん!」 ←同じく(ry
澪「……」 ←ついていけない
律「つまりはこういうこと。1は【いち】と読むだろ?」
律「【いち】はひらがなで2文字だ。つまり2」
憂「!? あ!」
律「5は【ご】で1文字、17は【じゅうなな】で5文字」
律「同じように考えると1008は【せんはち】で4文字、0.5【れいてんご】は5文字、6/7【ろくぶんのなな】は7文字になる」
律「そして……4829512は【よんひゃくはちじゅうにまんきゅうせんごひゃくじゅうに】で26文字……!」
さわ子「ぐっ…ぐぐぅ……」ギリギリ
律「蛇でいてくれてありがとう…」
澪「へ、蛇?」
律「あ、今のは決まり文句みたいなもんだから気にしない方向で」
和(正解にたどり着いたのは見事だけど、みんな何の演技してるのか分からないわ)
純(福本作品読んでるの私だけじゃなかったんだ…)
さわ子「ついにこの時を迎えたわね」
梓「もう外が暗くなってきたですぅ……」
紬「お泊り会みたいでなんか楽しいわね」ワクワク
唯「うぅ~…たくさん頭使ったから疲れて眠くなってきちゃったよ~」
憂(お夕飯の材料買ってかえらないと)
さわ子「はいはい、外野は静かにね」
さわ子「じゃあ最終戦始めるわよ~…と思ってたんだけど」
さわ子「ごめんね~、そろそろ本当に帰らないと私が校長に怒られちゃうから」
さわ子「今日はこの辺で終わりね」
律「ちょ!」ガビーン
澪「ここまでやったのに……」
梓「お金はどうなるんですか?」
唯「じゃあ、澪ちゃん達と和ちゃん達で山分けだね!」
さわ子「? 何言ってるの? あげないわよ」サラッ
澪律「は?」
さわ子「だってあなた達最終問題クリアしてないもの」
全員(これはひどい……)ガーン
最終更新:2010年05月03日 22:08