梓「唯先輩、今なんて言いました?」
唯「だから、憂って邪魔だよね、あずにゃんって言ったんだよ」
梓「はぁ……」
一瞬先輩が何を仰っているのか理解できなくて、ほんの少し考えてようやく
私は唯先輩が妹である憂の悪口を言っているのだと理解しました。
梓「あの……唯先輩、憂と何かあったんですか?」
唯先輩がほっぺを膨らまします。
カワイイ……ではなく、どうやら怒っているみたいです。
唯「ふん、何にもないもんっ」
まもなく先輩と後輩の関係も一年になろうとしている私たちですが、唯先輩が悪口を人の悪口
を言うのを初めて聞いた気がします。
いえ、割かし本人は褒めているつもりで、実はというと悪口を言っているというのなら
今までもあった気はしますが。
それでもこんな風に人の悪口を悪意を持って言うのは初めて聞いた気がします。
ましてや今時天然記念物と言っても過言でもないほどに平沢姉妹は仲良しだと
私は思っていたのに。
梓「何があったんですか?」
梓「まあ、とりあえず姉妹は仲がいいのが一番です。話合うのが一番いいですよ」
唯「えっと……じゃあ、今日頑張って勇気出して言うよ」
梓「何を?」
唯「憂が邪魔って」
梓「私の話聞いてないでしょ?」
唯の家!!
唯「ただいまーう~い~!」
唯「……反応が無いやっぱり今日も私の部屋にいるんだね」
唯の部屋!!
ドア「ぎゃちゃ」
唯「憂~ただいま」
憂「おかえり、お姉ちゃん」
唯「……ところで私のベッドで何してんの?」
憂「『ああああああああお姉ちゃんお姉ちゃんのベッドおおおおおおお姉ちゃんの匂いが
するよおおおおおクンカクンカスーハースーはー』ってしてただけだよ」
唯「憂、邪魔だよ」
おわり
唯「憂って邪魔だよね、あずにゃん」テイク3
唯「憂って邪魔だよね、あずにゃん」
梓「そう言い方ってどうかなとも思いますけど、この状況下においては私もそう
思わざるえませんね」
唯「ほんと、邪魔だよね」
梓「ええ、邪魔の字数並にジャマです」
唯「ていうか、正直に言うと今はあずにゃんもジャマなんだよね」
梓「まったく持って同感です。私も今唯先輩がジャマで仕方ありません」
唯梓「……」
梓「……今この場で争うのはやめましょう」
唯「そうだね、無駄に体力を使うわけにはいかないもんね」
梓「というより、動く余裕もないんですけどね」
唯「ほんとにやんなっちゃうよ」
………………………………………………………………………
唯梓「で、憂はまだー!?」
憂『待って、もうすぐで出そうなのっもうすぐで』
唯「早くしてよ漏れちゃうじゃん!」
梓「つうか漏らせ!そして今すぐトイレから出ろ!」
おわれた?
唯「憂って邪魔だよね、あずにゃん」テイク4
梓「唯先輩、今なんて言いました?」
私、中野梓は思わず聞き返してしまいました。
唯「だから、憂って邪魔だよね、あずにゃんって言ったんだよ」
梓「はぁ……」
唯先輩のベッドでなぜか憂は寝ていました。
唯「もう、私が寝れないじゃん。ていうかまだご飯も食べてないし、あ、あずにゃん」
梓「すみません私帰りますね、今日用事があるんで」
唯「裏切り者~」
唯「あずにゃんが帰ってしまった」
唯「どうしよう?」
唯「ていうか、憂なんで私のベッドで寝てるんだろう?」
唯「あ、ベッドに私の服が畳んであるっ。そっか、そうだよね。憂は毎日私のために
お洗濯からご飯まで全部やってくれてるんだよね」
唯「……憂、ありがとね。たまには私がなんかご飯でも作ろうかな?でも何にもできないや私」
憂「……ン」
唯「あ、布団着てないから寒いよね……そうだ私が暖めてあげよう」ギュー
唯「今日は一緒にお~やーすみっ」
おわってやる
唯「憂って邪魔だおね、あずにゃん」テイク5
梓「唯先輩、今なんて言いました?」
私、中野梓は思わず聞き返してしまいました。
唯「だから、憂って邪魔だよね、あずにゃんって言ったんだよ」
梓「はぁ……」
一瞬先輩が何を仰っているのか理解できなくて、ほんの少し考えてようやく
私は唯先輩が妹である憂の悪口を言っているのだと理解しました。
梓「あの……唯先輩、憂と何かあったんですか?」
唯先輩がほっぺを膨らまします。
カワイイ……ではなく、どうやら怒っているみたいです。
唯「何かあったっていうか毎日何かありまくりだよ」
梓「たとえば?」
唯「つい最近だと修学旅行とか、もうね。憂、私に黙って勝手に荷造りし始めるんだよ」
唯「しかも質の悪いことにこれがまたびっくりの収納術でとんでもない量が旅行バッグに詰め込まれてて
修学旅行の帰りに私、荷物まとめれなくてみんなに笑われたんだよ。もうやんなっちゃうよ。憂がすごすぎる
って言ってもみんな聞いてくれないし」
梓「自業自得でしょう」
唯「だいたい、毎回毎回おいしい料理作りすぎるから修学旅行で憂の料理の方が
おいしいって言ったらみんなに笑われるし」
唯「ついでにもう二年近く前のことだから話すけど、実はというと一年のころの文化祭で焼きそば
を作ってたのも憂なんだよ。私のことが心配だからって私に変装して勝手に焼きそば作り出すし。誰も
気づかないし。しかも憂の作った焼きそばだけニンニク入ってたから私の口臭くなっちゃったし。
憂の作った焼きそばは世界一おいしかったけどね」
唯「この前だってご飯の後、食器使って精神統一してたのに私を叱らないんだよ。もう
高校三年生にもなって食器で遊ぶとか有り得ないのに、叱らないとか優しいっていうか甘すぎだよ」
梓「……実はというと唯先輩、憂のこと大好きでしょ?」
唯「うんっ!」フンス
終わっていいよね
唯「憂って邪魔だよね、あずにゃん」・真
これは最近になって気づいたんだけど、私は、
平沢唯はどうも憂のことが嫌いらしい。
端的に言えば邪魔だ、と思っている。
今まではそんなことはこれっぽちも思わなかったが、ここ何ヶ月かの間に私は妹に
対する嫌悪感が膨れ上がるのをはっきりと感じていた。
憂『お姉ちゃんおはよう。朝ごはんできてるよ』
憂『お姉ちゃんお帰り。お風呂もご飯もできてるけどどうする?』
憂『お姉ちゃんおやすみ。学校の用意はきちんとしてから寝てね』
……ああ、五月蝿い。五月蝿い。本当に五月蝿い。
せっかくだ、今日の帰りあずにゃんに愚痴ってみよう。
梓「唯先輩、今なんて言いました?」
私、中野梓は思わず聞き返してしまいました。
唯「だから、憂って邪魔だよね、あずにゃんって言ったんだよ」
梓「はぁ……」
一瞬先輩が何を仰っているのか理解できなくて、ほんの少し考えてようやく
私は唯先輩が妹である憂の悪口を言っているのだと理解しました。
梓「あの……唯先輩、憂と何かあったんですか?」
唯先輩の大きな目が、まるで猫が獲物に狙いを定めるかのように細くなります。
ここにはいない妹を睨みつけているのか、その瞳に剣呑な匂いを感じて私は思わず
尋ねてしまいました。
唯「なんていうか、憂ってなんでもできるじゃん」
梓「まあ、確かに料理に勉強に運動に、大抵のことはできますね」
唯「別に昔は気にしなかったけど、よく憂はお父さんお母さんにも褒められてたし」
梓「はあ、まあ唯先輩も頑張りましょうよ」
唯「そうだね、憂を見返せれるようになるよ」
梓「戦いはこれからです!」
ごめんシリアスな話とか続けれない
最終更新:2010年05月06日 22:50