私、真鍋和は変わった力を持っています。
それは人生に3回だけタイムスリップができるという事です。
1回使うと自分が生きている期間中なら任意の時間に飛べます。
あ、1回というのは往復です。1回使うとちゃんと行って帰っこれます。て
今、人生で2回目のタイムスリップをしようと思います。


2年前のあの時に。



2008-04-16-9:00 桜高

唯「なにか始めないと・・・」

和(いたいた・・・)

和(とりあえずあの時が来るまで待たなきゃね)




9:10 掲示板前

和(・・・)

唯「けいおん部か・・・」

唯「うん、いいかも~」

和「あら、何してるの唯」

唯「和ちゃん!えっとねぇ、ちょうど今ね、とりあえずけいおん部ってとこに入ろうかなって思ったところなの」

和「けいおん部って・・・唯大丈夫なの?」

唯「だって軽い音楽でしょ?」

和「何言ってるのよ唯」

唯「ほえ?」

唯「えええ、そんなの全然知らなかったよ!」

和「入る時はちゃんと調べてから入りなさい。」

唯「そうだね~。私勝手にカスタネットとか想像してたよ~わかりにくいなあもう!」

和「まぁ、入たとしても案外上手くやってけるんじゃない?」

唯「そんな~!バンドなんて私には絶対に無理だったよ~」

和「まったく、唯ったら。」

唯「やっぱり部活やめようかな~」

和「・・・」

唯「もう帰宅部でいいかな~なんて。ってあれ?和ちゃん?どこいくの?」

和「もう、トイレよトイレ!」

唯「ごゆっくり~」

スタタタ

和「上手くいったわ。これで唯はけいおん部には入らないはず。」

和「長くいても仕方ないしもう帰った方がいいかもね」


唯「和ちゃん遅いなー」

和「あら?唯どうしたの一人でそんなところに」

唯「あ、和ちゃん遅かったねー」

和「?」




2008-05-20-15:30


キーンコーン

唯「やっと終わったよ~和ちゃん、一緒に帰ろ~」

和「ごめん、唯。私今日も・・・」

唯「・・・生徒会だね。わかった。じゃあ私先に帰るね。」

唯(・・・)

律「おっしゃあ!放課後だー!!部活♪部活♪」

澪「まったく・・・はしゃぎ過ぎだぞ律!」

紬「まあまあ。でも澪ちゃんも部活楽しみでしょ?」

律「そーだそーだ!」

澪「部活ってお茶してるだけだろっ!!」

唯(あの人たち楽しそうだな・・・)

澪「それに最近は楽器にすら触ってないじゃないか!」

律「まだ始まったばっかじゃんかよー」ブー

唯(楽器?吹奏楽部か何かかな?)

澪「お前がバンドやりたいっていいだしたんじゃないかー!」

唯(バンド・・・?あぁ、もしかして和ちゃんが言ってたけいおん部ってやつかな?)

澪ムギ律「ワイワイ」

唯(さて、帰りますか・・・)

唯「あの・・・」

澪「え?」

唯「そこ通りたいんですけど・・・」

律「後ろから出たらー?」

澪「お、おい、律!」

唯「えっと・・・後ろの方今掃除してて邪魔になるし・・・」

ムギ「はい、どうぞ」

唯「あ、すみませ~ん・・・」

トコトコ

律「・・・なんかぼーっとしたやつだったな」

ムギ「たしか一緒のクラスの平沢さんだったっけ?」

澪「よし!音楽室行って練習するぞ!」


唯(う~。やっぱけいおん部ってバンドとかやってる人たちだから不良多いのかな?)

唯(あのでこの人怖かったよ~)



16:10 家

唯「ただいま~」

憂「おかえり!おねえちゃん!」

唯「疲れた~うい~アイス~」

憂「はいはい。今持ってくるね」

唯「おいし~」

憂「おねえちゃん、新しいお友達とかできた?」

唯「えっとそれがですね~」

憂「だめだよおねえちゃん!和さん以外のクラスのお友達も作らないと!」

唯「え~和ちゃんだけでいいよ~」

憂「和さんだって新しい友達作ってくよ!そんな事言ってたらおねえちゃんぼっちになっちゃうよ!」

唯「憂・・・あ、今日クラスの人とお話ししたよ。」

憂「どんな人だったの?」

唯「なんかけいおん部ってトコの人。扉の前にいたからそこどいてって。」

憂「・・・他は?」

唯「それだけ。」

憂「それってお話したって言わないんじゃ・・・」

唯「・・・」

唯「だ、だって今から部活みたいだったしさ・・・!」

憂「おねえちゃんも部活入った方が良かったんじゃない?」

唯「そんな~部活なんて面倒くさいだけだよ~。もし入っても楽な部活じゃなきゃヤダ!」

憂「・・・」



2008-05-21


唯「はぁ。和ちゃん今日は風邪で休みかぁ・・・」

唯「暇だなぁ・・・桜はこんなにきれいなのに・・・」

唯「そうだ、暇だしお外で桜の枝でも拾いにいきますか!」


唯「綺麗だな~桜。心まで和むよ~」

唯「~♪」

律「ははは!でさー・・・って、おい、あそこ。桜の木の下。」

ムギ「えっと・・・平沢さん?それがどうしたのりっちゃん?」

律「いやぁ、1人で何してんのかなーって思ってさ。」

澪「しゃがんで何か探してるみたいだな」

律「聞いてみるか」

澪「おい律!あんま人にちょっかいだすなよ・・・」

律「ただ聞くだけだって!」

澪「まったく・・・」

唯「~♪」


唯「~♪」

律「おーい」

唯「ん?あ・・・確か同じクラスの・・・」

律「田井中律だよ。1人で何してんのかなーって思ってさ。」

唯「えっとねー、桜の枝集めてるの!」

澪「え?枝・・・?」

唯「うん!きれいな形のを選んで探してるんだー。あと1本で1ダースになるんだよ~」

律「1ダース・・・」

ムギ「ブフッwwwwwwwwwwww」

唯「でもあと1つが見つからないんだよ~」ムー

澪「1ダースって・・・」


澪(律、もう教室もどろ!この子変わってるよ)

ムギ(1ダースwwwwwwwwやべwwwツボったwwwwwwwwwwww)

律(まーもうちょっとだけ)

律「あのさー唯。」

唯「なーに?」

律「友達いないの?」

澪(っ!)

ムギ(!!)

唯「え・・・えっと・・・い、うん。いるよ!和ちゃんとかあとえっと・・・」

ムギ「そ、そう!」

澪「じ、じゃーな唯!」

唯「ばいばーい」


澪「律!そういうイジメみたいなことはやめろ!」

律「なっ!イジメじゃねないよ!コミュニケーションとっただけじゃん!?」

ムギ「1wwwダースwwwwwwww」

澪「相手の気持ちも考えてやれって・・・」

律「へいへい。それにしてもあの唯ってやつさ」

ムギ「変わってる子だったわね」

澪「確かになんか不思議な雰囲気だしな」

律「でもさ、ああいう奴見るとさ・・・」

澪「見ると?」

律「いやwwなんでもないwwww」

澪「な、なんだよ!教えろよ~!!」

ムギ「ふふふ」



数日後


モブ「和おはよー」

和「あ、モブちゃんおはよう」

唯「・・・」



和ちゃんも高校の友達をいっぱい作っていました。
生徒会役員つながりで色んな部活の人しりあったみたいです。
あいかわらず私の友達は和ちゃんだけです。
最近は和ちゃんも新しい友達と遊ぶことも多くなってきました。



2008-06-13-12:40

キーンコーン

律「昼休みだー!!」

ムギ「いっしょに食べましょ!」

ヨセヨセ

唯「さて、昼飯にしますか」

和「えっと・・・唯もくる?」

唯「・・・ううん。こっちで食べるからいいよー」



和ちゃんの友達グループ入れてもらっても気まずくなるだけ。
私は自分から和ちゃんの誘いを断るようになってきました。
こういうときは後ろの席が落ち着きます。



律「ゆーいっ!」


落ち着き・・・ます・・・


ガヤ(また律かwwww)

ガヤ(聞き耳聞き耳)

律「何聞いてるんだ?」

唯「え、えっとね~、ウォークマンだよ」

律「そんなの聞いてねえよ。ウォークマンで何聞いてんのかって聞いたんだよ。」

唯「そ、そだよね。はは・・・」

律「まったくwほんっとに  馬  鹿  だよな!唯はww!!」

教室中のいたるところからくすくすと笑い声がもれる。

唯「は、ははは」

律「またな唯!」

唯「ばいばーい」

律「ばいばーいってwwwノリいいなおいwwwwwはい、ばいばいww」

「クスクス」

唯「・・・」

唯「いただきます・・・」パクパク



15:50 放課後 音楽室

澪「まったく!ほんとに律は・・・」

律「なんだよ澪!スキンシップだよスキンシップ!!」

澪「スキンシップっておまえ・・・」

律「だって唯は私の友達だからな」キリッ

ムギ「ププwwwwwwwww」

澪「唯から見てイジメだと思われたらイジメだぞ・・・」

律「だからー、スキンシップだって!」

ムギ「スキンシップね!」

律「おお!ムギはわかってくれるかー!」



16:10 平沢家

唯「ただいまー」

憂「おかえりおねえちゃん。最近早いね。」

唯「ふ~疲れたよ~。うい~あいす~」

憂「―――――また一人で帰ってきたの?」

唯「―――えっとね、和ちゃんが生徒会の仕事で忙しくてさ・・・」

憂「この時期に生徒会の仕事・・・?」

唯「う、うん。」

憂「おねえちゃん、やっぱり部活入った方がよかったんじゃない?」

唯「え・・・」

憂「だっておねえちゃん、最近すごくつまらなさそうだよ?」

唯「そ、そんなことないよ!毎日学校楽しいよ!」

憂「でも毎日ウォークマン充電してるでしょ?毎日電池使いきるほど聞いてるんでしょ?」

唯「それは・・・鞄の中とかでつけっぱなしで・・・」

憂「・・・」


憂「そういえば4月に話したって言ってたけいおん部の人とはどうなの?」

唯「・・・」


唯「えっと・・・最近はあんまりしゃべってないかな」

憂「じゃあ誰と話してるの?」

唯「和ちゃん・・・って憂には関係ないじゃん!」

そう言うと唯は勢いよく立ちあがり階段をバタバタと上がっていった。

憂「あ!おねえちゃん!」

唯は自室に戻り、部屋に入ってすぐに普段は締めない鍵をかけた。

唯(けいおん部の人たちなんて嫌いだ・・・いつも私にちょっかいばっかり・・・)

唯(もう放っておいてほしいよ・・・)


2
最終更新:2010年05月06日 23:09