梓「……」
律「……」パクパクモグモグ
澪「……」ミエナイ、ナニモミエナーイ
紬「……」wkwktktk
唯「……あのう、あずにゃん?」
梓「何ですか」
唯「そろそろはなれてくれないかなー、なーんて……」
梓「嫌です」
唯「……」
唯「……あのー、あずにゃん?」
梓「何ですか」
唯「えっと……どうしてずっと私にくっついてるのかなー、と……」
梓「いつもくっついてくるのは唯先輩じゃないですか」
唯「えーと、うん、それはそうなんだけど……」
梓「嫌ですか?」
唯「うーん、いや、別にいやでは……」
梓「ああ、答えは聞いてないです」
唯「え、あ、そう……」
唯「でもさ、ほら、私でもこんなにずっとくっついてるわけじゃ……」
梓「32時間45分10秒」
唯「……えーと……?」
梓「唯先輩がこれまで私に抱きついていた時間の合計です」
唯「…………!?」
梓「手つなぎ、膝枕、
その他もろもろのスキンシップを加味するならプラス5~6時間といったところでしょうか」
律(数えてたんだ……)
澪(数えてたんだ……)
紬(数えてたんだ……)
唯「そ、そんなに……?」
梓「そんなにです」
唯「えーと、でも、それとこれと何の関係が……」
梓「つまり、私はこれだけ唯先輩に抱きつく権利があるというわけです」
唯「さ、さんじゅうじかんも……?」
梓「33時間50分20秒です」
律(増やした……)
澪(増やした……)
紬(増やした……)
唯「さんじゅうさんじかん……」
梓「34時間5分30秒です、間違えないでください」
唯「え?でも、さっき……」
梓「とにかく、これから35時間10分45秒の間、片時も離れず唯先輩に抱きつくのでそのつもりで」
律(離れない気だ……)
澪(離さない気だ……)
紬(離せないのね……)
紬「お菓子、無くなった……」
澪「あー、それじゃあ、練習するか。まずは音合わせから……」
唯「……」
梓「……」
唯「えーと。……あずにゃん?」
梓「なんですか」
唯「ギター、持てないんじゃ……」
梓「問題ありません」
唯「私も持てないんだけど……」
梓「問題ありません」
唯「いや、でも……」
梓「とにかく」
唯「……」
梓「問題ありません」
澪「じゃあ……唯、今日はボーカルに専念してくれ」
唯「えーと、……うん」
澪「梓は……」
梓「私は」
梓「今日はやむにやまれぬ事情があるので」
梓「見学、させてもらいます」
澪「あー……うん、わかった」
唯(わかっちゃった……)
澪「じゃ、早速いこう。『GO!GO!MANIAC』」
律「わーん、つー、すりー、ふぉー」
~♪~♪
澪(そういえば……)
律(ギターいないじゃん……)
唯「やばーい、とまれにゃひいっ!?」
律「!?」
澪「ど、どうした唯!?」
唯「あ、あずにゃんが。あずにゃんが、ふーって!耳にふーって!」
澪「梓……?」
梓「これも練習の一環ですよ」
唯「……えーと?」
梓「唯先輩は確かにハマった時の集中力は目を見張るものがありますが、他の物に気を取られやすいですからね。
トレーニングです、トレーニング」
唯「と、とれーにんぐ」
梓「そう、トレーニングです。気持ちを落ち着けて、どんな時も平静を保つようにしてください」
唯「でも、今日はあずにゃんは見学……」
梓「先輩」
唯「は、はい!?」
梓「トレーニングです」
唯「は、はい……」
澪「じゃあ、改めてもう一回……」
律「わーん、つー、すりー、ふぉー」
唯「ミスったらあっ…!リハってことにして、もっかい!!」
澪(頑張ってる……)
律(頑張ってる……)
紬(頑張ってる……)
梓(……ふむ)
唯「ごめん、ゆずれないー、ゆずらにゃあんっ!?」
律「!!?」
紬「!?!?」
澪「ど……どうした、唯!?」
唯「あ、あずにゃんが。あずにゃんが、はむって!耳をはむって噛んだあ!」
澪「……こらっ!梓!」
梓「ノーノー。トレーニングです、トレーニンング」
唯「とれいにんぐ……」
梓「イエス、トレィニング」
唯「いや、でも……」
梓「先輩」
唯「ひゃいっ!」
梓「よくなってきてますよ」
唯「え?そ、そう?いやあ、褒められるほどじゃないよぉ」
梓「ええ、もう少しだけ頑張りましょう」
唯「む……よーし、頑張っちゃうよぉ」
澪(誤魔化した……)
律(扱いを心得てやがる……)
紬(飴と鞭……?)
澪「えー、じゃあ、もう一回……」
律「わーん、つー、すりー、ふぉー」
唯「おっとっなたちはいうけっど!好きにゃ…ことばっかしちゃ!」
澪(頑張ってる……)
律(頑張ってる……)
紬(頑張ってる……)
梓(……むう)
唯「Shout Shout 伝えよう!気・持・ち・いいからああっ…!!」
紬「」
律「なんつータイミングだ!!」
澪「唯!どうした唯!」
唯「にゃめ……舐められたあ!……耳をぺろって!ぺろって!」
澪「こ……こら梓!こら梓!」
梓「ト・レ・イ・ニ・ン・グです」
唯「で、でもぉ……」
梓「あと少しです、頑張ってください」
唯「ううーっ、もう負けないもん!」
律(今までにないくらいのやる気だ……)
澪(勝ち負けあったんだ……)
紬(そもそもなんでこんなことに……)
澪「これで最後にしようか……」
律「わーん、つー、すりー、ふぉー」
唯「のーのーみゅーじくのーすまーいるおまがっ!のーのーふれんずのーらーいふ」
澪(もう多少の事には動じてないぞ……)
律(なんかこっちが恥ずかしくなってきた)
紬(外から見たらどんな絵に……)
梓(……うん)
唯「ぼでぃそうあらんむぅっ!?」ズキュウウウン
律「や、やったッ!」
澪「み、みてない。私は何も見てない!」
紬「見たわ!しかと焼きつけたわ!」
唯「にゃ、あずにゃにゃにゃ」
梓「よくできました。御褒美です」
澪「……」プシュウ
紬「(・З・)ピュイピュイピュイピュイピュイピューイ」
律「お、お前ら。元々そんな関係で」
唯「ちがうよ!?」
梓「これはまあ。自分へのご褒美といいますか」
唯「何もしてないのに!?」
律「あーあ、茹で蛸並みに真っ赤になっちゃって……」
紬「澪ちゃん、大丈夫……?」
澪「」
律「だめだこりゃ。今日はもうおひらきかな」
梓「だそうです。帰りましょう、先輩」
唯「そんな律っちゃん!私を一人にしないでくだせぇーっ!」
律「梓がいるじゃないか、このこの、お熱いこって!ひゅーひゅー!」
唯「今一人にされたら、何か大事なものを失う気がぁー!」
律「おおっ、ムギは力持ちだなあ」
紬「平気よ?澪ちゃん軽いもの」
律「いや、これとかさ……プニプニ……柔らかい!ちくしょう!」
澪「」ゴチッ!
律「あいてっ!くそう、気絶していても手をあげるとは……侮れん奴!」
唯「おおう……行ってしまわれた……」
帰り道!
唯「えーと、あずにゃん?」
梓「何ですか」
唯「あの、歩きにくい……」
梓「これくらい我慢してください」
唯「いや、だって……せめて手を繋ぐくらいに……」
梓「繋いでるじゃないですか」
唯「そうだけど……抱きついて、手も繋いで、私のギー太も持って……重くないの?」
梓「重いですけど?」
唯「……そ、そう……」
…………………
唯「あ、私こっちだから……」
梓「……」
唯「あの、あずにゃんの家、あっち……」
梓「……」
唯「えーと……あーっと……」
唯「結局家の前まで来てしまいました……」
梓「ほら、早く開けてください」
唯「うん……」
ガチャ
唯「ただいまー」
憂「おかえりお姉ちゃん、いらっしゃい梓ちゃん」
梓「お邪魔します」
唯「……」
憂「……?」
唯「……!?」
(な、何も言わない……)
梓「どうしたんですか?重いんですから、早く上がりましょう」
唯「う、うん」
梓「ふう、肩が痛いです」
唯「……あのう、あずにゃん?」
梓「何ですか」
唯「えーと、着替えたいから……」
梓「部屋は出ませんよ」
唯「う、うん、少し離れてもらいたいなー、と」
梓「……」
唯「……ありがと、う……」
(近い……しかも今度は真正面だ……)
梓「どうしたんですか?」
唯「いや、どうもしてないよー……」
(うう、さっきのキス思い出した……恥ずかしい)
唯「……」スタスタ
梓「……」スススッ
唯「……」タタッ
梓「……」ススッ
唯「……」ゴソゴソ
梓「……」
唯(着替え、ずっと見られてた……)
梓「着替え」
唯「ふぁいっ!?」
梓「私にも、貸してくれますか?」
唯「え、あ、うん。これでいい?」
梓「どうも」ゴソゴソ
唯「……」
梓「……」ダキッ
唯「えーと……あずにゃん」
梓「何ですか」
唯「今日は、ここに泊ってくんだよね?」
梓「はい」
唯「一度帰って、荷物とか……」
梓「いえ」
梓「いいです」
唯「そ、そう……あ、お母さんに連絡とか」
梓「それも」
梓「大丈夫です」
唯「あ、うん……でも、明日も学校だし、教科書とか」
梓「全く」
梓「問題ありません」
唯「うん、それなら……よかったよ、あはは……」
最終更新:2010年05月10日 00:55