憂「ご飯出来たよー」
唯「今行くー」
唯(食器とかが、二人分しかない……料理は三人分あるのに……)
梓「早く座って下さい」
唯「う、うん」
唯(私の上に……)
梓「重いですか?」
唯「んーん、あずにゃん軽すぎるくらいだよ」
梓「それはよかったです……早く食べましょう」
唯「じゃあ。……いただきまーす!」
憂「いただきます」
梓「いただきます」
唯「……」
梓「どうしたんですか」
唯「お箸、一つしかないよ」
梓「食べさせて下さい」
唯「……あ、あーん」
梓「あーん」モグモグ
憂「どうかな、梓ちゃん?」
梓「うん、とってもおいしい」
憂「よかった」モグモグ
唯「……」
梓「食べないんですか?」
唯「え、食べるよ!むむっ……」
唯「んん、やっぱり食べにくい……取りにくいよ」
梓「じゃあ私が取ってあげます」
唯「じゃああのシューマイ!」
梓「……」ヒョイパク
唯「あーん……あれ?んむうっ!」
梓「……」ペロッ
憂「どう?お姉ちゃん」
唯「………えっ?あ、うん、おいしいよ!とっても!」
(ギモンは無いの!?目の前で口うつしされたのに!)
梓「次はどれがいいですか?」
唯「いやっ!自分で取るッス、大丈夫ッス!」
梓「そうですか」
唯「それじゃあお箸を……んんっー!」
梓「ゴハンでよかったですか?」
唯「いや、だから自分で……うむう!」
梓「……?ああ、お茶ですね」
唯「ちが……んっー!!」
唯「じ、自分で……むうーっ!」
梓「答え方が違いますね」
梓「私は食べたい物を聞いているんです」
唯「う、みゅう……」
憂「デザートいるー?」
憂「ごちそうさま」
梓「ごちそうさま」
唯「……ご、ちそうさま……」
(結局全部口移しで食べさせられちゃった……)
憂「はい、お待ちかねのアイスだよ」
唯「おお、アイス!私はこの時を待っていたァッ!!……あっ」
梓「……」サッ
梓「……」ヒョイパク
唯「あのお、あずにゃん、それ私のアイス……」
梓「……」チョイチョイ
梓「……」ジーッ
唯(自分の口元を指差して……私に?)
唯(……あずにゃんの口から取れってこと!?)
梓「……」
唯「う、うーむむむ……」
唯(ええい、もう何度もキスされてるんだし)
唯(いったれ!平沢唯!)
憂「あ、お姉ちゃんお風呂が」
唯「ひゃあーわわわー!」
憂「わいてるよ~って……もう、そんなところで転がってちゃ危ないよ?」
唯「ううっ、はーい……」
憂「あれ?梓ちゃん、アイス口にくわえてどうしたの?」
梓「……」チョイチョイ
憂「ああ、なるほど……頑張ってね?」
梓「……」コクリ
唯「うー、何のはなしー?」
梓「……」サッサッヒュンサッ
唯(やっぱり唯先輩は)
梓「……」ヒョンパックルクルパー
唯(こんな時にはまったくどうしようもないヘタレですね)
梓「……」パパンテーレッテレー
唯(というわけでこれまでどおりにいくのであしからず)
梓「……」ガバッ
唯「ガバッ……?ひゃあ!うむーっ!」
唯「アイスも全部口移しで……うう、なんかマヒしてきた……」
梓「……さて、お風呂に入りましょうか」
唯「……一緒に?」
梓「当然です」
唯「あの、そのまえにちょっとおトイレ……」
梓「わかりました」
唯「……」
梓「……」
唯「……あの、ここでもくっつくの……?」
梓「ええ」
唯「流石にそれは、ちょっと……いや、かなり恥ずかしいよ……」
梓「……驚きです」
唯「え?」
梓「唯先輩に羞恥心なんてものがあったなんて……」
唯「私、今日恥ずかしい思いしっぱなしだよ!?」
梓「じゃあここだけは勘弁してあげますが……」
梓「その分だけ抱きつき期間は延長されますので」
唯「え?減らないだけじゃなくて延長されるの?……うん、わかったよ……」
ジャー……
唯「お待たせー」
梓「今ので」
梓「残りは42時間45分5秒になりました」
唯「……え?あれ?え?」
梓「私の体感時間では」
梓「それくらいだったってことです」
唯「いや、一分も経ってないような」
梓「あくまで私の体感時間では」
梓「それくらいだったってことです」
唯「えーと、うん、わかったよ……」
梓「それじゃあお風呂に入りましょう」
唯「……」モジモジ
梓「早く脱いで下さい、抱きつけないじゃないですか」
唯「そうだけどぉー、でもぉー」クネクネ
梓「合宿の時一緒に温泉入ったでしょう」
唯「だけど、なんか恥ずかしいんだよぉー!」テレテレ
梓「じゃあ、私が脱がしてあげますよ」
唯「え?」
わあー、無理矢理はだめー!
ヒトギキの悪い事言わないでください
憂「……」
憂「ふふ、私も早く姉離れしなきゃね」
へんなとこさわらないでぇー!
暴れないでください、ほんとに押し倒しますよ?
憂「……でも、梓ちゃんに任せて大丈夫かなぁー?心配だよ……」
唯「……」
梓「……」
唯「あずにゃん、お風呂でもずっとくっついたままなの……?」
梓「そうですけど」
唯(は、ハダカで……)
唯(うう、当たってる……いや、あんまり当たるの無いけど、当たってる……)
梓「……今」
唯「えっ!?」
梓「シツレイな事を考えましたね?」
唯「そ、そんなことないよぉ!」
梓「……」ペロッ
唯「ひゃあ!」
梓「この味は……ウソをついている味ですね……」
唯「そんなことわかるの!?」
梓「いえ、ただ舐めたかっただけです、先輩のうなじ」
唯「ううーっ……」
唯「あの、髪を洗いたい……」
梓「私が洗ってあげます」
梓「……」ゴシゴシ
唯(おお、結構キモチイイ……)
梓「流しますよ」
唯「~♪」サバーッ
唯「ありがと、あずにゃん!」
梓「いえいえ」
唯「あ、じゃあ身体洗うから……」
梓「私が洗ってあげます」
唯「いや、それは……」
梓「私が」
梓「洗ってあげますよ」
唯「いやいや、それは自分でっ!」
梓「質問しているんじゃなく……ただ確認しているだけです」
梓「洗います、いいですね?」
唯「ま、まって……っ!」
………
唯「……あれ?」
梓「はい、背中流し終えましたよ」
唯「う、ん?ありがと、あずにゃん」
梓「……それとも、他に何か」
梓「期待していた事でもあるんですか?」
唯「な、無いよ!全然!」
梓「ええ、それならいいんです」
唯(うう……あずにゃんが何考えてるのか、ぜんぜんわかんないや……)
梓「そうだ、今度は唯先輩が洗ってくれますか?私の髪を」
唯「よおし、じゃあ背中を向けてー」
唯(……髪の毛、ながいなあ……肩、脇腹、おしり……おっとっとっと)
唯(そういえば、今日は抱きつかれてばっかりだったなあー……)
唯「いや、ほら、今日は私からあずにゃん抱いてなかったでしょー?」
梓「またカウント増えちゃいますよ?」
唯「いいよ、そんなの。……もっと増やしちゃえ」
梓「……」
唯「もうちょっとだけ、ね?あ、こっちは見ないで!」
(うう、恥ずかしい。恥ずかしいよ、これ!)
梓「ええ、あとちょっとだけ、ですね」
(鏡……唯先輩、真っ赤だ)
………
憂「あ、あがったんだ。……顔赤いよ、二人とも?」
唯「ちょっとのぼせちゃって。ね?あずにゃん」
梓「ええ、ちょっと」
憂「ふうん?えへへ。あ、梓ちゃん、着替えはどう?」
梓「うん、大丈夫」
唯「……あれ、そのパジャマって、そういえば……」
憂「お姉ちゃんのだよ?」
唯「ま、まさか」
梓「かわいい下着ですね、ブラを付けられないのが悔しいですが」
唯「うわああああ!」
憂「あ、お姉ちゃん!アイスがあるよ!」
唯「え!ほんとー?どこにー?」
憂(誤魔化せた……)
梓「また食べるんですか?」
唯「食後にアイス、入浴後にアイス、朝にもアイス、昼にもアイス……これが平沢家の流儀なのだーぁ!」
梓「ふと……らないんでした。先輩は」
唯「ふふふ、羨ましいかね!?」
梓「いえ、別に……」
唯「拗ねることはなーいよ、あずにゃん!……やあ、お待ちかねのアイス!」
梓「……」サッ
唯「あっ」
梓「……さて、どっちが食べます?」
唯「む!……リベンジ!」
梓「そうこなくっちゃ。……」パク
唯「……むむっ……むーむむ……」
梓「……」
唯「…………駄目っ、やっぱり恥ずかしいよぉ!」
梓「……」ピッ
唯「こ」
梓「……」チラッ
唯「の」
梓「……」キラッ
唯「ド」
梓「……」キリッ
唯「ヘ」
梓「……」スパンッ
唯「タ」
梓「……」ェ…
唯「レ」
梓「……」メメタァ
唯「が」
梓「……」ジョジョォ
唯「ァーーッ!」
梓「……」ガバッ
唯「ガバッ……きゃわわあ!」
唯「また全部口移しで食べさせられた……」
梓「先輩がとろとろしてるからでしょう」
唯「でも、でも、恥ずかしいんだもん!」
梓「さて、そろそろ歯を磨きましょうか」
唯「流さないでぇ!」
最終更新:2010年05月10日 00:56