おばさん看護士「失礼しまーす」
唯(あ!)
おば看「唯ちゃんそろそろ寝ようか」
唯(はい!)
おば看「それじゃあ…おやすみなさい」
唯(おやすみなさい)
憂「お姉ちゃん朝だよ!」
唯(…………ん)
憂「まだ寝てるかな?」
唯(ん………憂?)
憂「起きてたらおはようお姉ちゃん」
唯(………もう朝なんだぁ)
唯(おはよう憂!)
憂「お姉ちゃんお花にお水あげなきゃね」
唯(ありがとう憂!)
憂「お水取って来るから待っててね」
唯(うん!)
ガラッ
唯(今日もみんな来るって言ってたよね…楽しみ!)
男看「失礼しまーす脈計りに決ましたぁ~」
唯(……またあの人だ)
男看「よいしょっと」
唯(早く憂戻って来ないかなぁ)
男看「うっし終わった帰ろ帰ろ」
唯(よかった…今日は何も言われなかった…)
男看「ん…これギターじゃんカッケー」
男看「どうせ動かねぇーんだし触ってみっか」
唯(やめてよ…ギー太に触らないでよ!)
男看「おーちょーカッケーマジヤベェー」
唯(やめてよ…)
ガラッ
憂「お姉ちゃん!おま………何してるんですか!!!!」
男看「あ………しまった」
男看「すいませんギターが好きだからついつい」
憂「すいませんじゃないでしょ!これはお姉ちゃんの大事な物なの安易に触らないでよ!」
唯(憂…………)
男看「すみません(クソッ少し触っただけじゃねぇーかこんな奴にギターいらねっつの)」
憂「出て行って下さい!!!はやく出て行って下さい!」
男看「すみません(姉と一緒に植物人間になっちまえよ)」
ガラッバタン
憂「ごめんねお姉ちゃん…やっぱギターここに置いてちゃダメだよね」
唯(……………憂が悪いんじゃないよ私が悪いんだよ)
憂「ギター家に持って帰るからね」
唯(………うん)
憂「ごめんね…」
唯(謝ら無いでよ…憂)
憂「本当にごめんね…」
唯(………大丈夫だよってなでなでしてあげたいなぁ)
憂「お花にお水あげないとね」
唯(うん………ありがとう)
憂「よいしょっと」トクトクトクトク
憂「これぐらいで大丈夫だよね!」
唯(ありがとうスーちゃんも喜んでるよ)
憂「あと…あの人がお姉ちゃんに近付か無いように偉い看護士さんに言っておくからね」
唯(…ありがとう)
憂「それじゃあ私学校に行くからね」
唯(うん、バイバイ)
憂「じゃあね」
ガチャバタン
唯(はぁ…憂やみんなにありがとういっぱい言わなきゃなぁ)
唯(………これから、みんなが来るまで何しようかなぁ…)
唯(スーちゃんでも眺めてみんなを待ってようかなぁ~)
唯(…………この病気って私が死ぬまでずっとこのままなのかなぁ)
唯(ダメダメ!もっとポジティブに考えなきゃ!)
唯(きっと治るよ!)
唯(君を見てるといつもハートドキドキ♪)
ガチャ
澪「唯来たぞー!」
律「おまたせ!」
唯(みんな…待ってたよ!)
唯(今日は何があったのかなぁ?)
律「唯、今日はな…聞いて驚ろけよ!」
唯(なんだろ?ワクワクするなぁ~)
梓「今日はですね!」
紬「なんと!」
澪「唯の為にデジカメで私達の演奏を取って来たんだ!」
唯(本当!?やった!!)
和「よかったわね唯」
唯(凄く嬉しいよ!)
澪「それじゃあ再生するからな」
唯(楽しみだな!)
梓「曲はふわふわ時間ですよ」
唯(本当に!やった!)
律「それじゃあ再生っと」ポチッ
ジャカジャカジャーン
律「どうだ唯?」
和「前より上手くなったんじゃないの?」
唯(………………)
澪「きっと喜んでるよ唯は」
梓「はい!」
紬「ウフフそうね」
唯(……………)
澪「律のドラムもちゃんとキープ出来てるしな」
唯(………………)
律「だろ?自分でも思ったんだよなぁ…」
唯(…………凄かった)
澪「まーたすぐ調子にのる」
唯(でも…早くみんなとバンドの練習したいなぁ…)
梓「私思ったんですよ、唯先輩…この花にも名前付けたんじゃないですかね?」
唯(付けてるよ!)
紬「きっと名前はスーちゃんねぇ~」
唯(さすがムギちゃん!)
律「アハハそれっぽいな」
澪「アハハそれでさー」
唯(うん、次は?次は?)
澪「律のカチューシャが外れて…」
律「そ、その先は言うなーー!」
唯(え~聞きたいよ!)
紬「りっちゃんの前髪が長いから目が見え無くなってバナナの皮を踏んで転んだのよね~」
律「ム、ムギィ~」
紬「ウフフ、ごめんなさいねでも唯ちゃんきっと、この話の続きを聞きたいんじゃないから」
律「そ、それなら仕方無いよな」
澪「…あ、もう8時になるのか…」
和「そろそろ帰りましょうか」
唯(うん!暗い道は危ないから早く帰った方がいいよ!)
澪「それじゃあな」
紬「また明日もくるわ♪」
梓「私も来ます!」
律「私も!私も!」
唯(うん、また明日!)
憂「お姉ちゃん今日は遅いから私もみんなと一緒に帰るね」
唯(憂も危ないから早く帰ら無いとダメだよね!)
みんな「さようなら~」
唯(バイバーイ)
ガチャバタン
―――みんなが学校帰りに私の病室に来て私はみんなの話を聞く、時々さわちゃんやお母さんやお父さんも来てくれた。
時々みるギー太、さわちゃんにコスプレさせられて私の病室にお見舞いに来たみんな…あの和ちゃんも警官のコスプレをして来た。
きっと私を元気づける為だったと思う。
みんな高校を卒業して大学に通い始めた日から二年経った。
みんなが揃って私の病室に来るなんて事はほとんど無くなっていた―――
紬「唯ちゃんこんばんわ!」
唯(あ!ムギちゃん)
紬「十日ぶりになるわね最近来れなくてごめんなさいね」
唯(ううん!いいよ私は大丈夫だよ憂も毎日来てくれてるし)
紬「あのね…唯ちゃん今日は大事な話があるの」
唯(大事な話?)
紬「あのね…私は…唯ちゃんとみんなとずっと友達でいたいの」
唯(うん…私も)
紬「私達が大学に行き始めた日から二年が経ったよね…」
唯(そうだね…)
紬「澪ちゃんやりっちゃん梓ちゃん…私は最近会って無いの…みんなに会って無いのよ」
唯(………………)
紬「このままみんなに会わない日が……続いてもうみんなと会え無くなる」
唯(………………)
紬「そんな予感がするの…小学生の時に仲が良かった友達が中学生になったら話す事も無くなる仲になる事ってあるでしょう?」
唯(…………………)
紬「そんな気がして怖いの…ねぇ唯ちゃん私達はずっと友達だよね?」
唯(私達はずっと友達だよ!)
紬「ごめんなさいねこんな暗い話…それじゃあ私は帰るわね」
唯(…………うん)
紬「最近来れ無くてごめんなさい」
唯(ううん…いいよ大丈夫だよ)
紬「それじゃあさようなら…………」
唯(本当に私達はずっと一緒だからねムギちゃん)
紬「…………あ」
唯(どうしたのかな?)
紬「唯ちゃんスノードロップの花言葉知ってる?」
唯(……わかんない)
紬「みんなから聞いてたらごめんね…スノードロップの花言葉は希望よ」
唯(………希望)
紬「私も希望を捨てたらダメね…バイバイ唯ちゃん」
唯(うん!バイバイ)
憂「お姉ちゃん梓を連れて来たわよ!」
梓「おはようございます唯先輩」
唯(あずにゃん!)
憂「えへへ~」
梓「えへへ~」
唯(どうしたのかな?ニコニコして)
梓「今日はサプライズですよ!」
憂「うん!」
唯(サプライズ?)
憂「ほら!」
唯(わ…こ、これは!)
梓「ポータブルDVDレコーダーですよ!」
憂「二人でバイトして買ったんだよ」
唯(う、嬉しい!ありがとう…ありがとう!)
梓「病院の人も特別に許可をくれたんですよ!」
唯(でも…こんな高い物…寝たきりの私なんかにいいのかな?)
憂「きっと喜んでるよお姉ちゃん」
梓「うん!私もそう思う!」
唯(……何だか本当に悪いよ)
憂「ギー太も持って来たよ!」
唯(ありがとう…)
憂「DVDは今は無いけど色々借りてくるね」
唯(…………うん)
梓「今日は日曜日だから色々話せますよ!」
唯(……ありがとうあずにゃん)
憂「私もずっといるからね!」
梓「ふわぁ~もう夜ですね」
唯(早く帰らないと危ないよあずにゃん)
憂「帰るの?」
梓「うん…そうしようかな明日は早いし」
憂「そーだよね…私はまだいるから」
梓「わかった…憂、唯先輩さようなら」
唯(バイバイあずにゃん)
憂「お姉ちゃん…」
唯(なぁに?)
憂「スノードロップの花言葉知ってる?」
唯(希望でしょ?)
憂「希望って言うんだって!」
唯 (知ってる!)
ガチャ
さわ子「こんばんわ~」
さわ子「あら憂ちゃん久しぶりね」
憂「お久しぶりです」
さわ子「唯ちゃんも久しぶりね」
唯(うん!)
さわ子「それより見てよほら!唯ちゃんの為に洋服を作って来たの!」
唯(わぁ~フリフリが付いてて可愛い!)
さわ子「じゃ…じゃあ元気になったらその洋服を着て私に会いに来てね!バイバイ」
ガチャバタン
唯(帰るの早いなぁ…)
憂「顔赤かったね先生」
憂「それじゃあ…私帰ろうかな…」
唯(うん……)
憂「あ、あのね……やっぱり何でも無い」
唯(えー!気になるよ)
憂「バイバイお姉ちゃんまた明日も来るね」
唯(うん!)
唯(また明日も来るって言ってくれるのは憂だけになったなぁ…)
憂「はぁ…言えなかった…」
憂「放課後ティータイムは解散したって事、言えなかった…」
憂「…………言わない方がいいよね…」
憂「やっぱり言った方がいいのかな…」
―――1年経った。
久しぶりにみんな揃って私の病室に顔を出してくれた。
放課後ティータイムのみんなも和ちゃんもみんな揃って来てくれた。
特に澪ちゃんやりっちゃんと会うのは本当に久しぶりだったから嬉しかった―――
澪「久しぶりだな唯それとみんな」
律「こうやってみんなが揃うのは本当に久しぶりだな」
紬「えぇ!私嬉しいわ」
唯(うん!私も嬉しいよ!)
和「せっかく今日はみんな揃ったんだから沢山話しましょうね」
澪「あ…律に彼氏出来たんだぞ」
律「な…な何を急に言ってるんだよ!」
唯(りっちゃんも彼氏出来たんだね!いいな~)
梓「恥ずかしいんですか?」
律「ち、違う恥ずかしく無いぞただビックリしただけだぞ!」
澪「律も大人って事だよ」
紬「おめでとうりっちゃん」
和「おめでとうね」
憂「流石律さんですね!」
律「だ、だああああやめてくれえええ」
梓「やっぱり恥ずかしいんじゃないですか」
唯(私も病気じゃなかったら今頃は彼氏出来てるのかな…)
唯(大学行って…みんなとバンドの練習して彼氏が出来て…いいなみんな)
最終更新:2010年05月11日 23:19