律「ごめんごめん。よし、始めようか」

澪「ま、待って、せめて何処に開けるのかくらい教えてくれ(もう抵抗しても無駄だよな・・・)」

律「・・・何処がいい?」

澪「へ?決まってないのか?」

律「決まってるけど、決まってない」

澪「意味がわからない」

律「よっと」スッ

澪「なんだよ、いきなり自分の耳出して」

律「どれがいい?」

澪「どれって・・・っていうかこうして見るとやっぱりすごい迫力だな、7個だっけ?」

律「あぁ。・・・澪の耳はな、私とお揃いにしたいんだ」

澪「り、律とお揃い・・・?」ピクッ


律「そうだよ。どう?」

澪「・・・」

律「・・・」

澪「いいよ(律とお揃い、律とお揃い・・・)」

律「よし、一日で全部開けるのは酷だからな。何処から開けて欲しい?」

澪「・・・軟骨は痛いんだよな?」

律「まぁ、一般的にそう言われてるな」

澪「違うのか?」

律「開けるときはそんなに痛くないよ」

澪「本当か?」

律「あぁ(上手く開けれればな)。それよりも・・・」

澪「?」

律「軟骨って言っても骨だからな、安定するまでにかなり時間がかかる」


澪「そうなのか・・・」

律「あぁ、それでピアスが引っかかったりすると、猛烈に痛いぞ」

澪「耳たぶがいい」

律「了解」チャッ

澪「ちょちょっちょっと!ちょっと待ってくれ!」

律「なんだよー、ヘタレめ」

澪「そうじゃない!なんで針で開けようとするんだよ!耳たぶはピアッサーでいいって言っただろ!?」

律「へ?『ピアッサーが許されるのは耳たぶだけだ』って言ったつもりだったんだけど」

澪「何が違うんだよ」

律「できれば耳たぶだってニードルで開けた方がいいって言ってんの」

澪「うっ・・・でも・・・」


律「それにピアッサーだったらファーストピアスがダサいぞ?」

澪「ダサくてもいいよ、針はちょっと」

律「なんだよ、ニードルで開けたら自分の好きなピアスをファーストピアスにできるぞ?」

澪「いや、でも・・・」

律「私と同じピアス余ってたからそれをファーストピアスにしたらいいかなと思ったんだけど」

澪「・・・やっぱり針でいい」

律「お?そうか?」

澪「傷の治りが早いんだよな?(律とお揃い・・・)」

律「ま、まぁそうだな」

澪「だったら針でいいよ」

律「そんじゃ、ちょっと耳に髪をかけてくれ」

澪「あ、あぁ・・・」


律「まず消毒するからな」

澪「あ、あぁ。すぐにグサッてワケじゃないんだな」

律「うん、嫌なら消毒しないけど。バイ菌が入って耳が腐っても知らないぞ?」

澪「念入りに。念入りにお願いします」ガタガタ

律「へいへい、了解」フキフキ

澪「ん・・・冷たっ・・・」ブルッ

律「・・・」カプッ

澪「!?」

律「・・・」ハムハム・・・

澪「ちょっ、何してるんだよ!///」

律「・・・あ、ごめん。つい」

澪「つ、ついじゃないだろ///」

律「あんまり綺麗なもんだから」

澪「ま、全く・・・///」


律「よし、開けるぞ」

澪「ちょっと待て。消毒したあとに私の耳噛んだだろ!?もう一回消毒してくれよ」

律「私の口は菌だからけか」

澪「うっ、そういう意味で言ったワケじゃ・・・」

律「もう一回消毒すればいいんだろ?するよ、しますよ」

澪「あー、いいよ。ごめん」

律「おい、冗談だよ。ちゃんとするって」

澪「いや、いいんだ。このまま開けてくれ」

律「?」

澪「律の菌なら、いいんだ・・・」

律「・・・(私もおかしいけど、こいつも相当キてるな)」


律「それじゃ、いくぞ?(ま、可愛いからいいけどね)」

澪「あぁ・・・!」


プスッ


律「はい、貫通したよ」

澪「嘘!?もう開いたのか!?」

律「あぁ、言ったろ?そんなに痛くないって」

澪「・・・なんだか拍子抜けした」ヘナヘナ

律「おい、動くなよ。まだ耳にニードル刺さったまんまなんだから」

澪「あ、ごめん」

律(澪の耳にニードルが・・・綺麗だなぁ)

澪「律?」

律「あ、あぁ。このままニードルをピアスで押し出すように抜くんだよ」


澪「なるほど、そのピアスがそのままファーストピアスになるんだな?」

律「そういうこと。よし、やろうか」


ツツツツ・・・


律(針が肉を通る感触、ゾクゾクする・・・)

澪「んっ、ちょっと、痛いかも・・・」

律「我慢しろよ」

澪「わ、わかってるよ・・・」

律(もう終わっちゃうよ、くそっ・・・)


カラン・・・


澪「!?ニードル、落ちた?」

律「あぁ、もう終わったよ」

澪「そっか・・・なんか、耳が熱いな」


律「ちょっとそのままでいてくれ」

澪「?わかったよ」

律「・・・」フキフキ

澪「何してるんだ?」

律「言っていいのか?」

澪「へ?あ、あぁ」

律「血を拭いてる」

澪「・・・聞かなければよかった」ブルッ

律「だろ?・・・っと、よし」

澪「終わった?」

律「あぁ、ちょっと待ってて。鏡持ってくる」スクッ

澪「わかった」

律(まだ、手に感触が残ってる・・・)


澪(思ったより痛くなかったな)

律(軟骨なんて開けたら・・・どうなっちゃんだろ)

澪(このままの勢いで軟骨も開けてもらおうかなー)

律(考えただけヤバイ。私・・・今、興奮、してるよな、絶対)

澪(早く律とお揃いになりたいし・・・)

律(澪・・・ごめん)

澪「鏡見つからないのかー?」

律(今なら、今ならまだ大丈夫だ。やっぱりこれ以上澪の体に傷をつけるわけには・・・)

澪「りつぅー?」

律「あ、あぁ。ごめん。あったよ」

澪「早く見せてくれよ」

律「あぁ、ほら」

澪「うん」パシッ

律「どう?」


澪「・・・すごい。本当にピアスしてる・・・」

律「あぁ、結構綺麗にできたと思うぞ」

澪「へー」ジー

律「なぁ、澪?とりあえず、今日はもう帰らないか?」

澪「へ?なんで?」

律(これ以上ここにいたらお前が危ないからだよ)

澪「?」

律「だから、もう遅いし。な?」

澪「まだそんな時間じゃないだろ」

律「う、あ、うん・・・」

澪「律?」

律「なに?」

澪「反対の耳、軟骨に開けてくれないか?」


律「」


澪「おーい」

律「」

澪「聞いてるか?反対の耳に」

律「聞いてる、聞いてるよ!」

澪「そっか。それで、どう?駄目?」

律「・・・駄目、じゃない」

澪「よかった。出来ればこのノリのままもう一個くらい開けて欲しくてさ」

律「・・・いいのか?痛いぞ?(頭の中で理性の糸が切れる音がしたけど、気のせいかな)」

澪「でもそんなに痛くなかったし、平気だよ(早く律とお揃いになりたいし)」

律「・・・わかった」ストンッ

澪「なんでそっち側に座るんだよ?反対の耳って言ったろ?」

律「両サイドに開けるのはやめた方がいい」

澪「なんで?」


律「両方に開けると寝るときに困るんだよ」

澪「・・・?」

律「ほら、右側に集中して開けると、左側向いて寝れば痛くないだろ?」

澪「・・・そうか、両方に開けるとどっちかに寝返りうったら」

律「下手すりゃ激痛で目を覚ますな。私も痛いと思って起きたら血だらけになってたことあるし」

澪「ひぃぃ・・・」

律「だから。さっき左側に開けたから、もう一個も左側に開けようぜ?」

澪「わ、わかったよ」

律「で、ヘリックスでいいんだな?」

澪「っていうか律と一緒にするんだから、軟骨しかないだろ」

律「それもそうだな。私、左側は3つ開いてるけど、ロブは一個しか開いてないし」

澪「あとの二つは軟骨だろ?どっちを開けてくれてもいいよ」

律「そうか、じゃあここにするか。こっちの方が開けやすそうだし」


澪「わかった」

律(澪、お前・・・馬鹿だよ)

澪「消毒はしなくていいよ、そっちの耳はさっきしたし」

律(せっかく、私が帰そうとしたのに・・・)

澪「それじゃ、よろしくな」

律「澪」

澪「ん?」

律「怖く、ないのか?」

澪「・・・怖いよ」

律「やっぱり」

澪「でも」

律「?」

澪「私、律と同じがいい」

律「・・・!」


澪「ごめん、変だよな。忘れて」

律「あ、あぁ。あのさ」

澪「なんだよ、早くしてくれよ」

律「私、本当におかしいんだ」

澪「は?」

律「だから、その、澪の耳見てるだけでドキドキするし・・・」

澪「う、うん」

律「さっき、ニードル貫通させた時なんて、ずっと心臓がバクバク鳴ってたし」

澪「それ、ドキドキと大して変わらなくないか?」

律「う、言われてみればそうだな」

澪「またドキドキしちゃうってこと?」

律「いや、だって、軟骨だぞ?」


澪「あぁ、それがどうしたんだ?」

律「こんな言い方したら気持ち悪いかもしれないけど、軟骨なんて開けたら・・・それだけでイっちゃいそうだよ」

澪「ばっ///・・・変態///」

律「そうだよ、私は変態なんだよ」

澪「・・・でも、いいよ」

律「へ?」

澪「いいよ。律の好きにして」

律「み、澪」


澪「その代わり、他の人の耳に見とれないで欲しい、な・・・」

律「そりゃ難しいな、だって」

澪「律。お前、私に何をしたかわかってるか?」

律「へ?」

澪「最終的に私も折れたけど・・・でも、半ば強引に私の体に傷をつけたんだぞ?」

律「・・・あぁ、そうだな」

澪「責任、取ってくれよ」


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最終更新:2010年05月11日 23:43