ぶかつご!!
唯「ムギちゃん!帰ろ!」
紬「ごめんね唯ちゃん、帰りは一緒に帰れないの」
唯「なんで?」
紬「ちょっと用事があって…。」
唯「そっか、じゃあ家で待ってる!」
紬「…うん」
紬「(とにかく仕事を見つけなきゃ…。)」
紬「(いつまでも唯ちゃんちに迷惑はかけられないもの)」
紬「でもどこへ行けば…?」
男「…琴吹…紬さん、だよね?」
紬「…え?」
紬「どうして私の名前を…」
男「いや、君のお父さんと知り合いだったんだよ」
紬「父と?」
男「正確には、君のお父さんの部下、かな?」
紬「はぁ…」
紬「(でもどうして、私の姿を知っているのかしら…)」
男「何をしているんだい?」
紬「仕事を探していて…。」
男「それなら、良い仕事を知ってるよ」
紬「本当ですか?」
男「ああ、紬ちゃんになら簡単に出来る仕事さ」
紬「いくらくらいもらえるんでしょうか…?」
男「そうだなぁ…20万、かな?」
紬「(20万…?どんな仕事なのかしら…?)」
男「それじゃあ、車に乗ってくれるかい?」
紬「え…?」
男「仕事場へ連れていくんだよ、さぁ早く」
紬「(どうしよう…でも断ったら仕事なんてみつからなそうだし…)」
紬「はい…。」
でも、私は後に気付く
この時の私は、どうしようもなく馬鹿だった事に
紬「あの、どこへ行くんでしょうか…」
男「なに、すぐ近くさ」
紬「(…ここは、唯ちゃんちの近く…?)」
男「ここだよ」
紬「…家、ですか?」
男「ああ、私のね」
男「さ、入って」
紬「はい…?」
紬「(普通の家…本当にお父さんの部下だった人かしら…)」
ガチャ
紬「!?」
男「鍵は閉めたよ。これで二人だね」
紬「(何…!?やだ、怖い…!!)」
男「君は世間を知らなさすぎる」
紬「いや…!」
男「怯えてるの?大丈夫、痛くないから…」
紬「やだ…来ないで…」
男「…本当に、あの女に似てるな…」
紬「…あの、女…?」
男「…油断しすぎだよ」ちゅ…
紬「やっ(嫌…気持ち悪い…息、出来ない…)」
紬「…はぁっ、やめて…っ」
男「仕事を探してるんだろ?」
紬「でも…」
男「だったら大人しくしろ」
紬「(逃げたい…でも、唯ちゃん達にまた迷惑をかけちゃう…)」
紬「…。」
男「大人しくなったか」
知らない男に、体をまさぐられる
昨日唯ちゃんが泣きながら抱きしめてくれた体に、舌を這わせられる
怒り、戸惑い、悲しみ、絶望感が私を締め付けた
紬「嫌…嫌…っ」
男「そんなこと言って…ホントは気持ちいいんだろ?」
紬「あっ…」
紬「(嫌…怖い…嫌…嫌…!!)」
男「女子高生とは思えない体付きだな…。」
紬「何…を…?」
男「入るかな…?」
紬「!!」
紬「やっ…お願い、それだけは…!!」
男「良いの?お金、貰えないよ?」
紬「…!」
男「心配しなくていいよ…少し痛いだけだから」
紬「嫌っ、止めて…っ!!」
男「大丈夫…こんなに濡れてるから。」
紬「い…いやあああああっ!!」
私の中に、温かい何かが入ってくる
でも唯ちゃんちで感じた暖かさとも、みんなといる時の暖かさでもない
ただの苦しみでしかない温かさだった
紬「うっ…ひ…く」
男「…はぁっ、君、初めてだったんだ?」
紬「…。」
男「あの女もそうだった…。」
紬「あの…おん、な…?」
男「君のお母さんだよ。」
紬「…え?」
男「君はあの女によく似ている…。姿も、声も、反応も。」
紬「あなたは、母を…」
男「今の君のように、したよ。」
紬「なぜ、あなたと母が…」
男「あの女は、私に体を売ったのさ。」
紬「は、母はそんな人じゃないわ!!」
男「君が言えることかい?君は今、私に体を売ったんだよ」
紬「…っ!!」
男「あの女はほぼ毎日私に体を売った…。金が欲しいために。」
男「ろくに避妊もしないから、子供が出来た。」
男「…それが、君なんだよ」
紬「嘘よっ!!」
男「本当さ。あの女は馬鹿でね。」
男「私が断ったらあの女、怒りだしてね。この子の父親はあなたなのよって言い出して」
男「散々怒った後に、あの女は私に言った。」
男「私、もうじき結婚するのって。だから、あなたがこの子を育ててって」
男「私は断った。そう言われたことに腹が立ったから、言ってやったよ」
男「子供を産むなら、私に金を毎月くれと。」
紬「止めてっ!!」
男「あの女は本当に結婚した。それも金持ちの家と。」
男「あの女は本当に私に金をよこした。」
紬「嫌…もう止めて…」
男「君が生まれた事は知っていた。あの女は丁寧に君の名前も手紙に書いたから。」
紬「嫌…嫌…!!」
男「でも、その結婚相手がこの間死んじゃったそうじゃないか?」
紬「!!」
男「あの女は私の所へ来てね。あの子だけでもいいから引きとってくれと言ったよ」
男「金も無いのにどうするんだ、と聞いてやったよ。」
男「そしたらあの女、泣きながら言ったよ。」
男「あの人から受け継いだ遺産がある。それを全部やるからあの子を引きと取って、と」
紬「母は…」
男「呆れたよ。遺産をもらった後、本当に私が君を引き取ると思っているなんて」
男「それでもあの女、うるさいから…。」
紬「まさ、か」
男「呼び出して、殺してやったよ」
紬「嫌っ!!!」
男「それでも怒りが収まらなかったから…」
男「君を、犯したのさ」
紬「…うっ…。」ボロボロ
男「ほら、20万。あげるから、この事は誰にも言っちゃだめだよ?」
紬「…ぐすっ…。」
紬「(お母さんは私を捨てたんじゃない…守ろうと、してくれたんだ…。)」
男「ほら、出て行きな」
紬「…。」
紬「(どうしよう…もう暗いな…。)」
紬「(唯ちゃんちに、行こう…。)」ふらふら
唯「あ、ムギちゃん!!」
紬「唯ちゃん…」
唯「良かった!!遅かったから心配したんだよ!!」
紬「ごめんね…ごめんね唯ちゃん…。」シクシク
唯「む、ムギちゃん!?」
紬「ごめんなさい…ごめんなさい…!!」
唯「と、とりあえず家に入って!!」おろおろ
紬「ひっく…。」
唯「憂はあずにゃんちにお泊りに行ってるから…私だけなんだ」
紬「うん…。」ひっく
唯「(どうしよう、ムギちゃんまた泣いちゃった…!!)」おろおろ
唯「何があったの?」
紬「うっ…あのね…あのね…」
紬「(言っちゃだめだけど…唯ちゃんなら、きっと大丈夫…)」
紬「私ね、お父さんが、別に、いたの」
唯「え!?死んじゃったお父さんは!?」
紬「私の、本当のお父さんじゃないの…。」
紬「それで…本当の、お父さんに…」
紬「嫌なこと、たくさんさせられて…」
紬「私、汚れちゃった…」
唯「ムギちゃん…。」なでなで
紬「痛かったの。苦しかったの…怖かったの。」
唯「ムギちゃん…ごめんね…私が一緒だったら…。」
紬「違うの…唯ちゃんは良いの…悪いのは私なの」
唯「違うよ!泣くほど怖かったのに、一人ぼっちなんて寂しいよ!」
唯「む、ムギちゃんはおうちがなくて寂しいのに…」
唯「私が、ムギちゃんと一緒だったら二人だったのに…!」
紬「…唯ちゃん…。」
唯「ごめんね…ごめんねムギちゃん…!!」シクシク
紬「唯ちゃん…」
唯「痛かったんだよね…寂しかったんだよね…」ぎゅっ
紬「…うん…」
唯「泣かないで。私が…私が、ずっと、そばにいるよ!」
紬「唯ちゃん…。」
唯「(ムギちゃん…首に赤い跡がある…痛そうだよ…。)」
唯「もうどこも痛くない?」
紬「唯ちゃんが…そばに、いてくれるから痛くない」ひっく
唯「ムギちゃん…。」
唯「よしよしムギちゃん、泣かないで」
紬「唯ちゃん…ありがとう…」
唯「ムギちゃん、目が真っ赤だよ」
紬「うん…ずっと泣いてたから…。」
唯「…。」
紬「ダメね、私…。泣いてばかりで、唯ちゃんに慰めてもらってばかりで。」
唯「ダメじゃないよ」
紬「?」
唯「ムギちゃん、私の近くでくらい、無理しなくていいよ」
唯「知ってるよ。ムギちゃん、悲しい時でも笑ってるの」
唯「泣かないで。でも、無理しないで」
紬「唯ちゃん…。」
唯「ムギちゃん、暖かい?」
紬「…うん、暖かい」
唯「良かった♪」
紬「唯ちゃん、大好き」ぎゅっ
唯「私も大好きだよ!」
唯「ムギちゃん」
紬「ん?」
唯「痩せた?」
紬「どうして?」
唯「なんだか昨日より、小さくなっちゃった気がする」
紬「そんなことないわ」
唯「ムギちゃんがいなくなっちゃいそうで怖いよ」
紬「大丈夫よ…」
唯「ずっと、ずっとそばにいてね」
紬「うん…。」
唯「お風呂に行っておいで」
紬「うん、洗ってくる」とことこ
唯「(…ムギちゃん、大丈夫かな…)」
唯「(本当のお父さんに酷い事されちゃったんだ…。)」
唯「(あんなに泣いてたムギちゃん、初めて見たよ…。)」
唯「(ムギちゃんがずっとうちにいたらいいのにな)」
唯「(そしたら、きっとムギちゃんも寂しくないのに)」
紬「唯ちゃん、出たよ」
唯「じゃあ私が行くよー」トコトコ
最終更新:2010年05月15日 01:21