唯「どうしてくれようか」

まずは家事全般を憂に押し付けてストレスを溜めてやろう。
憂はそのストレスで老けて、髪も薄くなり、果ては鬱病とか何かそんな病気的なものにかかるのだ。
ざまあみろ。

さーて、手始めに料理中の憂の横でゴロゴロしてやるか。

唯「ごろごろ~♪」

憂「お姉ちゃん、料理の邪魔だよ」

くくく、イライラするといい。
ストレスよ、溜まれ。

唯「ごろごろ~♪」

憂「もう!お姉ちゃんたら手伝いもしないでふざけてばっかり!」

憂(そんなところが可愛いんだけど///)

憂「ふんふんふーん♪」トントントン

鼻歌まじりに料理だと?
本当はイライラしているくせに、強がりやがって。

唯「ごろご・・・ろ・・・」

くっ、ゴロゴロするのも疲れてきた。
台所から撤退する。

唯「憂の良妻賢母ー!お料理上手ー!」

憂「ありがとうお姉ちゃん///」

捨て台詞で憂を貶してやった。
ざまあみろ。

ところで良妻賢母ってどういう意味?

せんべいを食べながらどうやって憂に嫌がらせをするか考える。

唯「うい~!」

憂「なあにお姉ちゃん」

唯「アイス~アイス~」

憂「もう!アイスはご飯食べてから!」

バカめ。
そういうと思っていた。
だが、ここで引き下がるわけにはいかない。

唯「わかったよ~・・・」

なんてことだ、何も思いつかなかった。
ちくしょう。

憂の正論にはいつもイライラする。
時々は間違ったことを言って欲しいものだ。

憂「お姉ちゃん、ご飯できたから運んでー」

唯「ぐー・・・zzz」

寝たフリをして仕事を全部憂に押し付けてやる。
こんな作戦を咄嗟に思いつくなんて、
私天才。

憂(ふふ、なんでかしらないけどお姉ちゃんたら寝たふりしてる。かわいい///)

唯「くかー・・・」チラ

ニヤニヤしてる。
きっとイライラして頭がおかしくなったに違いない。
ざまあみろ。

憂「ほら、お姉ちゃん起きて」ダッコ

唯「あうー・・・」

妹なら妹らしく姉のためにキリキリ働け。

憂「お姉ちゃんはご飯よそってね」

ピコーン。
電球が頭の上で光った。
くくく、憂のご飯を少なくよそってやる。
栄養失調で倒れるといい。
ざまあみろ。

憂「あれ?私のご飯これだけ?」

唯(くく)「そうだよー少なかった?」

憂「んーん。そんなことないよ」

憂(昨日、ダイエットしてるって言ったから気を使ってくれたのかな。
ありがとお姉ちゃん///)

憂「お姉ちゃーん。お風呂沸いたよー」

唯「はーい。すぐはい・・・」

唯「!」

またまた電球が光った。
やはり私は天才だ。

唯「ういー、たまには一緒にお風呂入ろうよー」

憂「えー、私達もう子供じゃないんだよー」

唯「いいじゃーん、憂の背中流してあげるからさ!」

憂「本当!?じゃあ、一緒に入っちゃおうかな・・・///」

くくく。

今回の作戦はこうだ。
憂の背中をこれでもかというほど擦り、まっかっかにしてやるのだ!
きっと、服を着るとさらに痛みが増すことだろう。
ざまあみろ。

唯「ういー、早く早く!」

憂「お姉ちゃんたら張り切っちゃって」

唯「はやくタオルどけて!」

ズルル

憂「あんっ・・・恥ずかしいよぅ///」

可愛いなあもう!

唯「ほらほらー、背中向けて。ごしごししてあげるから」

憂「ふふ、じゃあお願いしようかな」

憂の白くて綺麗な背中が向けられる。
女の私でも嫉妬してしまうほどスベスベもちもちだ。

しかし数分後、この綺麗な背中は私の手とアカスリによって蹂躙され、無残な姿を晒すことになるだろう。
ざまあみろ。

唯「じゃ、じゃあ行くよ」

憂「お願いね、お姉ちゃん」

唯「ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ」

憂「あ~、そこそこ。気持ちいい・・・んっ」

唯「ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ」

くくく・・・。
アカスリに醜く犯されるがいい。

憂「お姉ちゃん、そこもうちょっと強く」

唯「えっ?わ、わかったよー」

くっ・・・
これ以上強く擦れだと?
このままでは私の腕が持たない。

唯「ゴシゴシ・・・ゴシ・・・」

憂「お姉ちゃん疲れちゃったの?変わろうっか?」

ちくしょう。

憂「はい、背中向けてー」

唯「はーい」

憂「ゴシゴシ」

ふん、なかなか気持ちいいではないか。
褒めてやろう。

憂「かゆいところない?」

唯「ん~、真ん中当たりかな」

憂「ここ?」ゴシゴシ

唯「んふふ、くすぐったいよういー」

憂「ふふ、えいえい///」ゴシゴシコチョコチョ

唯「ひゃあん!」

憂の野郎、私になんの恨みがあるというのか。
この恨み、晴らさでおくべきか。


唯「ひどいよ、ういー」

憂「ふふ、ごめんごめん」

何がごめん、だ。
心にもないことを言いやがって。

憂「ほらお姉ちゃん、背中だけじゃなくて全部洗ってあげるから。バンザーイして」

くっ・・・
子供扱いして。

憂「ほらほら、バンザーイ」

唯「バンザーイ」

私に嫌がらせをしようと言うのか。
望むところだ。

憂「ゴシゴシ」

唯「くっ・・・」

くすぐったいが、ここは我慢。
笑ってしまうと憂を喜ばせることになるからだ。

憂「お姉ちゃんの肌綺麗だねー」

お世辞を言って私を油断させる気か?
腹黒い妹である。
だがその手には乗らない。

唯「そんなことないよー。憂のほうが綺麗だよ?」

憂「ありがと、お姉ちゃん///」

憂「ゴシゴシ」

唯「い、痛い痛い!」

憂「お姉ちゃん!?」

唯「強く擦りすぎだよ、うい~・・・」

憂「ご、ごめんね。私いつもこれくらいの強さで擦るから・・・」

赤くなった。
ヒリヒリする。
ちくしょう。

まさか、初めからこのつもりで・・・?
とてつもない妹である。

唯「うー・・・」

憂「お姉ちゃん大丈夫・・・?本当にごめんね・・・」

服が擦れて余計に痛い。
まさか私が立てた作戦を憂に逆手にとられるとは・・・
どこで情報が漏れたのか。

憂「お詫びにお風呂上りのアイス2つ食べていいよ。私の分もあげるね」

唯「本当!?2つ食べていいの!?」

憂「ふふ、特別だよ」

唯「わーい、憂太っ腹ー」

終わりよければなんとやら。


唯「ペロペロ」

憂「ジー」

唯「・・・」

憂が私を睨んでくる。
一体、なんのつもりだ。
私を石化しようと言うのか。

憂「お姉ちゃん、アイスおいしい?」

唯「おいしいよ、うい~」

憂「そ。良かった」

憂(アイス舐めてるお姉ちゃんかわいいなぁ///)

唯「ペロペロ」

とてつもない作戦を思いついた。
やはり私は天才だった。
頭脳とギターの才能、天は私に二物を与えたのだ。

唯「ういー、一緒に寝てもいい?」

憂「一緒に?別にいいけど、今日はどうしたの?」

唯「何が~?」

憂「お風呂も一緒だったし、今日のお姉ちゃんは甘えんぼさんだねっ」

唯「えへへ~」

能天気な妹だ。
この先、地獄のような苦しみが待っているとも知らずに・・・
くく。



今回の作戦はこうだ。
憂が寝静まったころ、憂の布団を剥ぎ取る。
するとどうだろう。
次の日、目が覚めた憂は晴れて風邪を引いているわけである。
ざまあみろ。

唯「・・・」

ダメだ!
お母さんもお父さんも旅行で外出中なのに憂が風邪を引いたら、一体誰が家事をするのだ。
風邪を引いた憂はずっと休んでいられるわけだし、
損をするのは私ではないか。

唯「・・・」ゴソゴソ

憂「ちょっとお姉ちゃん。くっつきすぎだよ~」

唯「・・・」ダキッ

憂に抱きついて寝苦しい夜を過ごさせることにした。
ざまあみろ。

憂「もう///甘えんぼさん」

唯「ぷにぷに~」

憂「ひゃん!お姉ちゃんどこ触って・・・!」

くっ・・・
妹のくせに姉の私よりおっぱいが大きいなんて・・・
羨ま・・・いや、むかつく。

憂「お返しだよ~!えいっ」

唯「ふぁ!?」

憂「ぺたぺた~」

唯「ひ、ひどいよ憂!」

憂「ふふふ。お姉ちゃん知ってる?おっぱいて誰かに揉まれると大きくな」


~省略されました~


憂「お姉ちゃん朝だよー」

唯「んん・・・ふぁ~い・・・」

昨日は夜中までじゃれ合っていたせいで、若干寝不足だ。
体が重い。
でも、なぜか憂は元気いっぱいだ。
ちくしょう。

今日は放課後部活がある。
りっちゃんと憂への嫌がらせの方法を考えよう。
くくく。

憂「お姉ちゃーん、早くしないと遅刻するよー?」

唯「はーい、今行くよー」


放課後、音楽室

律「憂ちゃんに嫌がらせをしたいって?」

唯「うん!」ふんす

澪「それは穏やかじゃないな。憂ちゃんと何かあったの?」

唯「実は・・・私、毎日憂に嫌がらせを受けてるんだ・・・だから復讐したいんだ!」

梓「まさか。唯先輩大好きっ子の憂に限ってそんなことあるわけないですよ」

紬「具体的にはどんなことをされるの?」

唯「えーっと、えーっと・・・」

咄嗟に思いつかない。
ちくしょう。


唯「だからえっと・・・そうだ!憂に家事全般の実権を握られてるんだよ!」

律「はい?」

唯「お姉ちゃんは危なっかしくて包丁持たせられないとかわけのわからない理由で料理もさえてくれないんだ!」

澪(まあ、かなり正論だけど)

唯「私いつもご飯よそうだけなんだよ!?これってひどいよね!」

梓(憂は相変わらず姉想いだな)

唯「それと昨日、憂と一緒にお風呂に入って背中流してもらったんだけど、
  憂ったらすごい力で擦ってくるんだよ!
  いや~あれは私に対する憎しみがこもっていたね」

紬「仲いいね」

律「つまり・・・一体何なんだ?」

唯「うう・・・」ポロポロ

唯「だってだって、憂ったら私の妹なのにすごくしっかりしてて、いい子であんなに可愛くて・・・これじゃあ私の立場がないんだよ~・・・」ポロポロ

澪「い、意味がわからない・・・」

唯「うわーん!」ポロポロ

律「なるほどな、話は大体わかった。私にいい考えがある」

唯「本当!?」ペカー

律「今日一日、憂ちゃんの仕事を全て奪ってやるんだ」

唯「奪う?それに何の意味があるの?」

律「唯はバカだな。憂ちゃんが家事の実権を握ってるってことは、家事が大好きってことだろ?」

唯「ふむふむ、なるほど」メモメモ

律「家事を奪われた憂ちゃんはどうなる?きっと何もやる気が起きずゴロゴロするしかないだろう。働き者の憂ちゃんには相当な苦痛になるはずだ」

唯「た、確かに・・・!」

律「後はまた一緒に風呂に入って背中流した後熱いお湯をぶっかけてやるとか、マッサージして強く揉むとか、憂ちゃんが嫌がりそうなことをしてやれ」

唯「り、りっちゃんすげー!さすが桜高一のワル!」

律「なっはっは。褒めるな褒めるな」

梓「それって・・・」

紬「結局憂ちゃんの手伝いをしてるだけじゃあ・・・」

律「しっ!いいんだよ。豚もおだてれりゃ木に登るって言うだろ?」

澪「なるほど・・・」

律「それに本人はえらく乗り気だしな」


……

唯「ふっふっふ、憂の泣き顔が目に浮かぶ~!」

唯「それじゃあさっそく、夕飯の材料でも買ってこようっと!みんな、また明日ね!」ダダダ

梓「ええ!?唯先輩練習は!?」

梓「行っちゃった・・・」

律「まあ、今日くらいいいだろ」

澪「明日には仲のいい姉妹に戻ってればいいな」

律「元から仲いいだろ。今よりもっと仲良くなればいいんだよ」

紬「そうね」

「・・・」

梓(もう出番終わりか)

澪(早かったな)


くくく。
スーパーに来てやった。
今日は憂が嫌いな料理をご馳走してやる。
ざまあみろ。

憂が嫌いな料理、憂が嫌いな料理・・・
ちくしょう、わからない。

とりあえず、憂がカレーを嫌いなことを願ってカレーを作ることにした。
簡単だしね。

憂「あれー?お姉ちゃんこんなところでどうしたの?」

唯「!」

ラスボスとのエンカウントはまだ早いよー!

唯「うい~、今日は私が夕飯作るよー」

憂「ええ!?お姉ちゃんには無理だよぉ・・・包丁とか危ないし・・・」

ほらきた。
憂は今までそうやって家事を独り占めしてきたのだ。
絶対に許さない。

唯「大丈夫大丈夫!調理実習の時、先生に褒められたんだよ!
  唯ちゃんが包丁を持ったら目を離せないねーって。
  それほどすごい包丁捌きなんだよー」

憂「そうなんだすごいね!」

憂(先生、心中お察しします)

憂「じゃあ今回は私が夕飯を作るから、お姉ちゃんには3年後くらいにお願いしようかな」

唯「ぶー、今日作るの!」

憂「じゃあ2年後!それまで私がお料理教えるから。ね、いいでしょ?」

唯「今日ったら今日!」

憂「じゃあせめて来年から本気出そう?ね?」

なんということだ。
りっちゃんの言う通りだ。
憂から家事を奪ったら相当な苦痛になるようだ。

唯「今日は私がカレーを作ります!憂はゴロゴロしてていいから」

憂(心配でゴロゴロどころじゃないよ~・・・)

唯「ふんふんふーん♪」

唯「にんじーん」

憂「オッケー」

唯「じゃがいもー」

憂「はいはーい」

唯「お肉ー」

憂「うんうん」

唯「レーズンパンー」

憂「?」(夜食?)


2
最終更新:2010年01月06日 03:52