映画館

和「どれが観たいですか?」

さわ子「んー…そうねぇ…あなたは何か観たいのある?」

和「私ですか?私はだったらこれですね」

さわ子「じゃあそれ観ましょうか」

和「いいんですか?」

さわ子「ええ。面白そうだし」

和「じゃあチケット買ってきますね」

さわ子「うん」

さわ子「………ってだめじゃん!(私が年上なんだから私が行かないと!)」

さわ子「和ちゃん!」

和「はい?」

さわ子「私が行くわ」

和「え…でも」

さわ子「いいからいいから(危なかった…デートなんて男任せが多いからつい任せるところだったわ)」

和「じゃあ一緒に行きましょうよ」

さわ子「え?」

和「ね?」

さわ子「…うん」

さわ子「さすがにチケット代は出すわよ」

和「悪いですよ」

さわ子「高校生に出させる方が悪いわよ」

和「まぁ…それもそれですね…」

さわ子「でしょう?」

和「じゃあ飲み物とか出しますよ。何飲みます?」

さわ子「それも出すわよ」

和「大丈夫ですよ。レジで恥ずかしくないように私だけで買いに行ってきますから」

さわ子「そういう問題じゃ…」

和「アイスコーヒーとポップコーンでいいですか?」

さわ子「いやだから…」

和「じゃあ行ってきちゃいますね。一緒に行くって言っといて悪いんですけど並んどいてください」ひょいっ

さわ子「ちょ…(しっかりし過ぎでしょう…)」

さわ子「(とゆーより私がだめなのかしら?)あ、大人と高校生一枚づつ」

さわ子「え?学生証?………大人二枚ください」


和「ポップコーンM一つしか買わなかったんですけど足りますか?」

さわ子「十分よ」

和「よかった。一人でS一個だと食べきれないんですよね」

さわ子「あー多いものね」

和「はい。だから二人でM一つくらいが丁度よくて」

さわ子「映画よく来るの?」

和「唯とたまに。唯はポップコーンLサイズ一人で食べるから一緒には頼めないんですよ」

さわ子「L!?」

和「はい。それでL食べた後に私のSの残りも食べます」クスクス

さわ子「食べすぎよ…」

和「そうですね」フフッ

さわ子(あー…唯ちゃんの面倒見てたからしっかりしてるのかしら)

さわ子(…って私唯ちゃんと同レベルってこと!?)ガーン

和「?どうかしました?」

さわ子「わ…私って唯ちゃんと同レベル?」

和「はい?」

さわ子「和ちゃんがしっかりしてるのって唯ちゃんのせいよね?」

和「…まぁ唯よりはしっかりしてるつもりですけど」

さわ子「じゃあ唯ちゃんがいない今もしっかりしてるのは私が唯ちゃんと同レベルだからってことでしょ!?」

和「私しっかりしてます?」

さわ子「してるわよ!ポップコーン代出したり…」

和「それは悪いかなって」

さわ子「それよ!それがしっかりしてるって言うのよ!」

和「そうですか?」


さわ子「…もっと楽にしてっていうか…甘えてもいいのよ?こ…恋人なんだし…(なにこれ恥ずかしい!)」かぁっ

和「…」カァ

さわ子(赤くならないでぇぇぇ!)カァァァ

ふっ

さわ子「あっ(電気消えた)」

和「じゃあ…」ぎゅっ

さわ子「!」

和「…ちょっと甘えさせてもらいます」

さわ子「………うん(手…温かい…)」

和「面白かったですね」

さわ子「そうね」

和「えーと…どこ行きましょうか?」

さわ子「そうねぇ…とりあえず隣のビル行ってみましょうか。何か面白いものあるかも」

和「はい」



洋服屋

さわ子「こういうの着ないの?」

和「そんなに短いのはちょっと…」

さわ子「そう…(綺麗な足してるのに…)」

さわ子「あ、これいいな」

和「先生に似合いそうですね」ニコッ

さわ子「…」キュン

さわ子(きゅんって!褒められて笑顔見せられただけできゅんって!)ブンブン

和「せ…せんせい?」

さわ子「ハッ!……あっあったり前じゃない!これ私に似合うわよ!」

和「?」



本屋

さわ子「本屋似合うわね~」

和「それ褒めてます?」

さわ子「さぁ?」

和「もう…」

さわ子「ねぇーそんな参考書なんか見てないでマンガとか読まないの?マンガ!」

和「とても教師のセリフには思えないんですけど…」

さわ子「いいじゃない今日は休みなんだから」

和「マンガですか…ほとんど読まないですね」

さわ子「えーマンガ面白いのに…」

和「唯の家とか行くと読んだりしますけど自分で買ってまでは読まないです」

さわ子「ふーん」


CDショップ

和「先生は今でもヘビメタ聴くんですか?」

さわ子「聴くわよ。やっぱりテンション上がんのよねー」

和「どれが一番好きなんですか?」

さわ子「んーそうね…やっぱりこれね!このグループは最高!特にこのアルバムはもうイっちゃうくらいいいわ!」

和「そうですか。じゃあ私これ買ってきますね」

さわ子「え?和ちゃんもこういうの好きなの?っていうか貸すわよ?」

和「いえ。先生と同じのがほしいのでいいんです」

さわ子「!」キューン

和「買ってきますね」ニコ テテテ…

さわ子「……………」

さわ子「なにあの子可愛い!」

通りすがり「!?」ビクッ



さわ子「もう暗くなってきたわね」

和「6時過ぎてますからね」

さわ子「ご飯どうする?時間まだ平気?」

和「えーと…今日は母がご飯用意しているので…」

さわ子「そっかじゃあ家まで送っていくわよ」

和「え、悪いですよ」

さわ子「いいからいいから」

和「…じゃあお言葉に甘えて」

さわ子「甘えなさい!」フンス

和「…」クスッ



和「この辺で大丈夫です」

さわ子「そう?」

和「ええ、家もすぐそこなんで」

さわ子「そっか」

和「先生、今日はありがとうございました。楽しかったです」

さわ子「……………」

和「先生?」

さわ子「ねぇ…今日ずっと思ってたんだけど、その先生って呼び方どうなのかしら」

和「え…でも先生だし」

さわ子「学校ならまだしもこうやってデ…デートのときはおかしくない?」

和「じゃあ何て呼んだら…」


さわ子「え…えーっと…(しまったそこまで考えてなかった…)…さわちゃんとか?」

和「…それじゃあ唯達と同じじゃないですか」

さわ子「先生だってみんなと同じじゃない」

和「…それはそうですけど」

さわ子「………じゃあ…さわ子…とか」

和「………さわ子…さん…?」カァ

さわ子「っ…」ドキッ

和「さわ子さん…?」

さわ子「…」ぎゅっ

和「え…」ドキッ

さわ子「…」スッ

和「あっ…」

さわ子「………目、閉じて…」

和「……………」ソッ

さわ子「………」





唯「あれ~和ちゃん?」



さわ子・和「!?」バッ

和「ゆ…唯…」

唯「やっぱり和ちゃんだ~あれ?さわちゃん?」

さわ子「こ…こんばんは唯ちゃん…」ドッキドッキ

唯「なんで二人一緒なの?」

和「え…えっと…」

さわ子「偶然よ!ふらふら歩いてたら和ちゃんに会ったの!!!」

唯「そうなんだ~」

さわ子(き…気づかれてない…?)

和「…」どっきどっき

唯「私昼間和ちゃん家に行ったんだよ?そしたら留守だって言われて…」しゅん

和「ご…ごめんね…二年のときのクラスメイトと遊びに行ってたの」

唯「そうなんだ~あ、今日ねぇうちお鍋なんだ!和ちゃん食べに来てよ!」

和「あ、ごめんねお母さんがご飯作ってると思うし…」


唯「え~…憂と二人で寂しいなぁ…」ウルウル

和「……分かったわよ」

唯「わーい!」

唯「あ、さわちゃんも来る?」

さわ子「あ~…今日は帰るわ」

唯「そっか~じゃあまた明日ねさわちゃん!行こっ和ちゃん!」グイッ

和「え…えぇ………それじゃあセンセイまた明日」ペコッ

さわ子「えぇ…じゃあね~…」

さわ子「…………………」

さわ子「…………………」

さわ子「……………バカ唯ぃ~!!!!!!」



さわ子自宅

さわ子「もう!もう少しだったのに!」ジタバタ

さわ子「折角いい雰囲気だったのに~!」ジッタバッタ!

さわ子「バカ唯ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」キィー!

さわ子「和ちゃんも和ちゃんよ全く…私の食事の誘い断って唯ちゃん家に行くってどういうことかしら!」

さわ子「もう!もう!もう!!!」バタバタ!

隣人 オイウルセーゾ! ドンドン!

さわ子「あぁっ!?お前のがうっさいわ!」ダンダン!

ピンポーン 

さわ子「うるさい!」

ピンポーン オイイルンダロ! ドンドン!

さわ子「」イラッ

ガチャッ

隣人「あんたうるさいぞ常識ってもんが…」

さわ子「おめぇに教えられる常識なんぞないわぁぁぁぁぁぁ!うるさかったら引っ越せ!ボケッ!!!」

隣人「なっ…」

さわ子「うるさい喋るな呼吸すんな引っ越せ死ね!!!!!!!!」バタンッ

隣人「……………」グスッ




※この後隣人は引っ越しました。ちなみにさわ子先生は振られる度にこうして隣人を追い出しています。



さわ子「はぁ~………ちょっと大人げなかったかしら」←八つ当たりしてスッキリした

さわ子「そうよね唯ちゃん悪くないもんね」

さわ子「っていうか生徒と道端でキスって!見つかったらやばかったじゃない!」

さわ子「…逆に唯ちゃんに感謝すべきかしら?」

さわ子「……………………」

和『………さわ子…さん?』カァ

さわ子「」きゅん

さわ子「くっ…」カァッ ジタバタ

さわ子「やっぱり惜しかっ…いやいや私は教師…相手は生徒…」

さわ子「しかし…とてつもない破壊力だったわ…」ほぅ…

和『…さわ子さん?』

さわ子「危険!危険ねあの子!」カァッ ジタバタ


さわ子「………」チラッ

さわ子(メールしてみようかなぁ~…)

さわ子(よく考えたら私からメール送ったことないじゃない)

さわ子「んー…でもなぁ…」

さわ子「んーー…」

さわ子「んーーー…」ジーッ

フワッフワターイム♪

さわ子「」ビクッ

さわ子(…もしかして和ちゃん?なーんて…)カチッ

和【和です。さっきは夕飯ご一緒できないでごめんなさい。唯が駄々こねだしたら聞かないのでああしました。今日はさわ子さんと一緒にいられて楽しかったのです。また誘いますね。では、おやすみなさい。】

さわ子「…ほんとに和ちゃんだった」←とか言って実は物凄く期待してた人


さわ子「…ふーんだ。唯ちゃん唯ちゃんって…」

和『さわ子さんと一緒にいられて楽しかったです』

さわ子「……………」ニヤッ

さわ子「…ま、まぁ唯ちゃんは子供みたいなものだしね!気にする事ないわね!」

さわ子「…あ、早く返さないと寝ちゃうかも。えーっと…」カチカチ

さわ子【そんなことで拗ねたりしないから大丈夫よ。唯ちゃんは私にとっても可愛い教え子だもの。私も休日まで和ちゃんと会えて楽しかったわ。おやすみ。いい夢みてね☆】

さわ子「…ま、こんなもんよね」

さわ子(…本当は拗ねまくりだったけど)

さわ子(…バカ唯って叫んでたけど)

さわ子(でもそんなこと言ったら大人気ないものね、うん)

さわ子(さ、お風呂入って寝ようかしら)


……

唯「………今日も教室で食べないの?」

和「う、うん…ごめんね…」

唯「……………」

律「なんだよ唯ー私がいるだろ?そんなに拗ねんなよー!」ぎゅー

唯「………和ちゃんがいい」プイッ

紬「唯ちゃん…?和ちゃんもお仕事だから…ね?」

唯「……………」プイッ

澪「唯?和困ってるぞ?」

唯「……………」プイッ

律「…よーし、分かった唯!りっちゃんに任せろ!和!メガネ貸せ!」

和「え…えぇ…」スッ

律「メガネかけてーカチューシャ外してーあと胸にタオルつめてー♪」バイーン

澪「なっ…」カァ

律「ほい!和の完成!さぁ唯!和だぞっ!」キリッ


唯「………和ちゃんはもっと賢い顔してるもん」プイッ

律「………このくそがきー!」ガバッ

唯「わわっ!?」

律「よしっ!敵の動きは封じた!今だ和!私に構わず行けっ!」

和「え…えーっと…」

唯「はーなーせー!」ジタバタ

律「心配すんな…約束するさ。生きて帰るって…!だからっ…だから行け!走るんだ!生徒会の未来はお前にかかってる!」

和(…どうしたらいいのかしら)オロオロ

澪「…和、大丈夫だから行きなよ。こいつに構ってたら昼休み終わっちゃうよ」ぽんっ

和「う、うん…ごめんね唯」たっ

唯「あー!和ちゃーん!」ジタバタ

律「和…私はお前を信じてるぞっ…!」クッ


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最終更新:2010年05月23日 21:58