和「………そりゃ唯との方が長く一緒にいた分思い出もたくさんありますけど」

和「でも思い出なんてこれから作っていけるじゃないですか」

さわ子「………二人だけの?」

和「そうですよ」

さわ子「…」にへー

和「…」クスッ

さわ子「じゃあさっそく二人だけの思い出!」

和「?」

さわ子「…」ンー

和「ちょっと…ここ外ですよ!」

さわ子「暗いから分かんないし誰もいないわよ」

和「でもっ…」

さわ子「和ちゃんからキスしてくれたっていう二人だけの思い出作ろう?」

和「…っ」ドキッ


和(…そんな風に言われたら)

さわ子「…」ンー

和(するしかないじゃないですか…)カァ

さわ子「…」ンー

和(…きれい)

和(まつげ長くて肌が白くて鼻筋もスッとしてて…)

和(お化粧で彩られた顔が大人の女性を演出してる)

和(見とれるってこういうこと言うのかなぁ…)

さわ子「…」ぱちっ

和「あ…」

さわ子「……」ジー

和(……目もきれい)

さわ子(やっぱり急すぎたかしら…)

和「…」スッ

さわ子「えっ…」

和「…」ちゅ

さわ子「……ん」

和「…………」カァァァァ ぎゅっ

さわ子「…ふふっよくできましたー」ぎゅううう

和「………」カァ

さわ子「……」なでなで

和「ん…(さわ子さんに頭撫でてもらえると安心する…)」ぎゅうっ…

さわ子(ああああああん!かわいいいい!!!!)


さわ子「ふふっ…今日は和ちゃんからキスしてくれた記念!」なでなで

和「…やめてください恥ずかしいです」もふっ

さわ子(やぁん!頭埋めちゃってくぁいい!!!!)


唯『お泊りだって私のが先だし』


さわ子「…ねぇ」なでなで

和「はい?」

さわ子「よかったら今日泊まっていかない?」

和「えっ?でも明日学校…」

さわ子「一緒にいけばいいじゃない」

和「えっでもそんな…」アセアセ

さわ子(?………あ)

さわ子「もしかしてえっちなこと考えてる?」

和「えぇ!?」

さわ子「…和ちゃんのえっち~」ニヤニヤ

和「…っ」カァッ

さわ子「ふつうにお泊りよ。唯ちゃんとしてたみたいに」

和「……一緒にお風呂入ったり?」

さわ子「…………そんなことしてたの?」

和「まぁ…」

さわ子「ふ~ん…(あのバカ唯!)」

さわ子「うちのお風呂狭いから二人で入ったらきついわよ」

和「そうですか」ホッ

さわ子(……唯ちゃんだとよくて私だとダメなのかしら)ムー

さわ子(って恋人だからよね!恥ずかしいのよね!あぁん!もう可愛い!!)デヘー

和「一応親に電話して聞いてみますね」

さわ子「あっ平気?いきなり泊まりだなんて…」

和「さわ子さんが泊まればって言ったんじゃないですか」クス

さわ子「うん…あっ唯ちゃんに口裏合わせてもらう?いや今はまずいか…じゃあ澪ちゃん…」ブツブツ

和「大丈夫ですよ」

さわ子「えっでも本当に女友達なのか電話に出せとか言われない?」

和「私ちゃんと親に信頼されてますから」カチカチ

さわ子「ふーん…(私の学生のころと違うわね…って私が信頼されてなかったのかしら?それとも過保護…?)」


和「お母さん?」

さわ子「!」ドキッ

和「和だけど」

さわ子(横で親に電話されるとドキドキするわね…)ドキドキ

和「今日ちょっと友達の家に泊まるから」

さわ子(親に嘘付かしてるんだもんね…)ドキドキ

和「うん大丈夫」

さわ子(あぁ!まさかこんな真面目な子が親に嘘付いて恋人の家に泊まりに行くなんて親御さんも思ってないでしょうに!)

和「うんよろしくね」

さわ子(お父様お母様ごめんなさい!でも何もしません!イヤらしいことは何もしませんからどうかお許しを!!)

和「うん。じゃおやすみ」ピッ

さわ子「あっ終わった?」

和「はい。相手の親御さんによろしくって」

さわ子「………(何故か罪悪感が半端ない)」



さわ子自宅

さわ子「ただいまーっと」

和「お邪魔します」

さわ子「(げっ服脱ぎっぱなし)あーはは!ちょっと散らかってるけどまぁどうぞ!」ササッ

和(……本当にちょっと散らかってる)

さわ子(いやぁ!下着干しっぱなし!)ササッ

和「えーっと…」

さわ子(あぁ!ゴミ袋から大量のカップ麺の容器が!)ササッ

和「……私買い物に行ってきます」

さわ子「へ?」

和「夕飯の材料買ってきますよ」

さわ子「え、あ、じゃあ一緒に…」

和「一人で大丈夫ですよ。すぐ近くにスーパーあるみたいだし」

さわ子「そ…そう?」

和「はい。じゃあいってきます」


さわ子「いってらっしゃーい…」

さわ子「………………」

さわ子(…気遣わしちゃったわね)

さわ子「………それにしてもなんてよく出来た子なのかしら…」

さわ子「!」ハッ

さわ子「いやぁぁぁぁぁ!一緒にスーパーにお買い物に行くチャンスだったのに!!バカ!私のバカ!!」ブンッブンッ

さわ子「スーパーで一緒に夕飯のお買い物なんて新婚さんみたいなシチュエーションなかなかないのに!!!いやぁぁぁぁぁ!!!!!!」ジタバタ

さわ子「くっ…部屋が散らかってなければ……ううっ…」

さわ子「………………」

さわ子(…これからはこまめに片付けよう…)のそのそ…



フワッフワッターイム♪

さわ子「ん?」カパッ

和【夕飯、何が食べたいですか?】

さわ子「…」ニヤッ

さわ子「やーん!こういうのもなんかいいわね!!」ジタバタ

さわ子「あっえーっと…なにがいいかな…」

さわ子(正直和ちゃんの作るものなら何でもいいんだけど…なんでもいいって一番困るのよね)ウーン

さわ子(お弁当ではなかなか食べられないもの…)

さわ子「…カレーとか?」

さわ子「でもカレーって気分でもないわね…」

さわ子「んー……」カチカチ

【和食が食べたいかな】

フワッフワッターイム♪

和【分かりました】

さわ子「(ふふっ何作ってくれるのかしら!)さて、片付けますかね」フンス


ピンポーン

さわ子「!」パァッ

さわ子「はぁーい!」いそいそ

ガチャ

和「ただいま」

さわ子(!ただいまって!ただいまって言ってくれた!)キャー!

さわ子「おかえりなさい!」

和「ふふっ」ニコッ

さわ子(あぁん!かわいい!!!)にへー


さわ子「何買ってきたの?」

和「えーっと…煮魚にしようと思ってブリとあとお浸しにしようと思ってほうれん草とお味噌汁の材料とあと卵とか納豆とか簡単に食べれるものを買ってきました」

さわ子(なんて完璧な和食…魚料理って本当に料理する人じゃないと作れないのよね…)

和「嫌いなものありました?」

さわ子「ううん!平気!(っていうか和食頼んだ時点で難易度高かったかしら?)」

和「よかった。今度は一緒に行きましょうね」ニコッ

さわ子「う、うん!」きゅーん

さわ子(にゃあああああああ!かわいいいいいいい!!!!!)MMQ☆

和「じゃあ作っちゃいますね」

さわ子「手伝おうか?」

和「そうですね…じゃあほうれん草茹でてもらえますか?」

さわ子「はーい」

さわ子「~~~♪」フンフンフーン

さわ子「…私そういえば恋人と一緒に料理って初めてかも」

和「そうなんですか?」

さわ子「うん(っていうか男に料理作ったのなんか数えるぐらいしかないわ)」

和「ふふ…ちょっと嬉しいです」にこ

さわ子(やだどうしようかわいい)

さわ子「あ、ねぇ玉子焼きたべたい!」

和「じゃあ玉子焼きも作りましょうか」

さわ子「和ちゃんの玉子焼き好き~♪」

和(…かわいい)クスッ



―完成―

和「はい、お箸どうぞ」

さわ子「ありがとー」

さわ子「(ブリの煮付け、ほうれん草のおひたし、豆腐とワカメの味噌汁、納豆、玉子焼き!)うーん!おいしそう!」

さわ子「食べていい!?」

和「どうぞ」

さわ子「いっただきまーす!」

和「いただきます」

さわ子「おいしい!おいしいわ和ちゃん!」パクパクッ

和「ふふっ(さわ子さんいつもおいしいって言ってくれるから嬉しい)」ニコ

さわ子「魚ちゃんと染みてるわね」もぐもぐ

和「本当ですか?あんまり時間なかったから薄いかなって思ったんですけど」ぱくっ

さわ子「ううん。全然平気」ぱくっぱくっ

和(…よかった)もぐもぐ

さわ子「あ、最後の玉子焼き食べていい?」

和「どうぞ」ニコッ

さわ子「ふぅ…お腹いっぱい」けぷ


フワッフワッターイム♪

さわ子「んー?誰よもう…」のそのそ

和「それ軽音部の?」

さわ子「ん?うん」カチカチ

和(顧問なんてめんどくさいとか言いながらもちゃんと軽音部のこと大事にしてるのね)クスッ

さわ子「唯ちゃんだ」

和「え?」

唯【さわちゃんのバーカ!】

さわ子「あのバカ唯!」キィー

和「唯なんですって?」

さわ子「…ん」つ携帯

和「…もう。あの子は…」はぁ…

さわ子「…」カチカチ

【唯ちゃんのバーカ!】

さわ子「これ送ってやろ!」

和「やめてください」


さわ子「お風呂お湯入れる?」

和「私シャワーだけでも構いませんよ」

さわ子「私もいつもシャワーだけだわ。着替えどうしましょうか…」

和「洗濯機借りていいですか?ワイシャツと下着ぐらいは乾くと思うんで」

さわ子「そうね」

さわ子「……!」ハッ

さわ子(ってことはうちにいる間は裸!?)

さわ子(だめっ!だめよっ!何もしないって親御さんに誓ったもの!あぁでも!)ぐぬぬ

和「何か着るもの借りていいですか?」

さわ子「……はい(ですよねー)」

さわ子「着替え用意しとくから入ってきていいわよ」

和「じゃあお先に」


さわ子「いってらっしゃーい」

さわ子「…………」

さわ子「……さて」

さわ子(何着せようかしら!)キラキラ

さわ子(メイド?チャイナ?スク水?……いや…お泊まりと言えば…)

さわ子「ダボダボYシャツ!!!!!!!」

さわ子「そうよ!お泊まりと言えばそうじゃない!!」

さわ子「YシャツYシャツ♪」ごそごそ

さわ子「あった!」

さわ子「…………私のだからサイズがそんなに大きくない…」ズーン


和「上がりましたー」ホカホカ

さわ子「うん…」

さわ子(グレーのスウェット上下…色気も何もない)ハァ…

さわ子(今度男物のYシャツ買っとこう…)チラッ

和「?」ホカホカ

さわ子「!」

さわ子(濡れた髪…ほんのり赤い頬…そして外されたメガネ…)

さわ子(やばいなんかドキドキする…)

さわ子(濡れた髪ってえろいわね…)ドキドキ

さわ子(なによりメガネしてないと全然印象違うわね…)ドキドキ

さわ子(普段メガネしてるからこその萌え…!)

さわ子(………ちゅうしたら怒るかしら)ドッキドッキ


さわ子「の」

和「ドライヤー借りていいですか?」

さわ子「…………はい」

さわ子(ちぇー…)ゴソゴソ

さわ子「!」ピーン

さわ子(いいこと思いついた!)

さわ子「はいドライヤー」

和「ありがとうございます」

さわ子「…」スッ

和「?あの…」

さわ子「キスさしてくれたら貸してあげる」ニヤッ

和「えっ…」ドキッ

さわ子「どうするー?ドライヤー使わないと明日髪ボサボサになっちゃうわよー?」ニヤニヤ

和(もー…この人は…)カァッ

和「…いいですよ」

さわ子(やったぁー!!!!!!)

和「……」ソッ

さわ子(かわいい…若いから肌きれいだし…)スリスリ

和「ちょっと…くすぐったいです…」

さわ子(やぁぁぁぁん!くすぐったそうにしてる和ちゃん可愛い!猫みたい!!!!)

さわ子「…」ちゅっ

和「…」カァッ

さわ子「ふふっほっぺやらかーい」ぷにぷに

和(…キスってほっぺだったのね)

さわ子「…」ぺろっ

和「!?」ドキッ

和「なにしてんですか!?」カァァァァッ

さわ子「や、なんか肌きれーだなと思って?」

和「それでどうして舐めるんですか!?」

さわ子「え…な、なんとなく…」

和「なんとなくで舐めないで下さい!」

さわ子「…はい」シュン

和(もうっ…)ドキドキ


さわ子「ドライヤーにございます…」スッ


最終更新:2010年05月23日 22:06