唯「あれ、憂、何で私の部屋に……」

憂「お、おお姉ちゃん、いや、これは、その……」

憂「へ、部屋が散らかってたから、ちょっと掃除を……」

唯「……」ジー

憂(こ、今度こそもう駄目だ……)

―なでなで

憂「……え?」

唯「憂ありがと……こんな妹を持って私は幸せ者だよ!」

憂「……お、お姉ちゃん」ドキドキ

憂(ま、全く疑われてないのは良かったけど……)

唯「……よしよし」ナデナデ

憂(……さ、さすがにちょっと心が痛む……)


……

澪「そういえば、梓、こないだのテストどうだった?」

梓「わ、私ですか?……ま、まぁまぁでしたけど……」

律「何だよ、まぁまぁって!」

梓「あ、いや、その……」

梓「そ、そういえば、憂はすごくいい点数でしたよ」

唯「えー、憂、私にはあんまり出来なかったって言ってたのに……」

律「お姉ちゃんの点数聞いた後だったから、いいにくかったんじゃないのか?」

唯「むう……」


……

―ガララ

憂「あ、お姉ちゃん、お帰りなさい///」

唯「憂、ちょっと来なさい!」

憂「……?」

唯「何か私に隠してることない?」

憂「……え?」

憂(お姉ちゃん……怒ってる?)

唯「ほら、正直に」

憂「……か、隠し事?」

唯(全く、憂ったら、良い点とったのに誤魔化すなんて……)イライラ

憂(か、隠し事かくしごと……)

憂(こ、心当たりが多すぎて……)ドキドキ

憂(な、何がバレたんだろう……)ドキドキ

憂「え、えっと、ごめんなさい」

唯「……よし」

満足気な顔をして自分の部屋に行く唯

憂「……え、え?」

憂(い、意味が分からないけど……)

憂(……何かがバレたのよね)

―タタタ

―ゴソゴソ

憂「……あった」

憂(私の部屋にお姉ちゃんの下着を隠し持ってたのがバレた訳じゃなかったのね……)

憂(……じゃあ後は)

―タタタ

―ガララ

―ガチャ(お風呂の排水溝をあさる憂)

憂「……違う、ここでもない」

憂(うーん、あとは……)

唯「―♪」(リビングで紅茶を飲んでいる)


……

―ガララ

梓「お邪魔します」

唯「あ、あずにゃん、どうしたの?」

梓「忘れものです、はい」

唯「おー、わざわざありがとぉ!」

―なでなで

梓「つ、ついでだから届けただけです///」

憂(お姉ちゃん、行っちゃった……)

憂「……」

憂(い、今だ……)

―カチャ

憂「お、お姉ちゃんの使ったカップ……ハァハァ」ペロペロ

憂「……はっ!」

憂(こ、こういうのがバレたんじゃないわよね……)

憂「……」チラッ

憂(で、でも、お姉ちゃん、全然警戒してないし……)

憂「……」

憂「お姉ちゃん……」ペロペロ


……

唯「まあ、上がってきなよ、あずにゃん」

梓「ちょ、ちょっとだけですよ///」

唯「じゃあ先リビング行ってて」

―ガララ

梓(唯先輩の家……)ドキドキ

憂「お姉ちゃん……お姉ちゃん……」ペロペロ

梓「う、憂……何やってるの?」

憂「あ、あああずさちゃん、どうして!?」

憂「あ、あああのこれはね、ちょっとカップが汚れてたから綺麗にしようと……」

梓「嘘!そんな掃除の仕方があるわけないじゃない!」

憂「う……」

憂(さ、さすがにお姉ちゃんとは違って、簡単に誤魔化されてくれない……)

梓「……もしかして、これ唯先輩が使ったカップ?」

憂「う、ううん、これは私が飲んでる途中だったもので……」

梓「……」ジー

憂(う、うう……)


―次の日、部活にて―

―ガチャ

梓「こんにちは」

唯「あ、あずにゃん、遅かったねー」

梓「ちょ、ちょっとクラスの用事で……ってまたお茶会してるんですか?」

唯「ち、ちが……今から練習しようと……ね、律っちゃん」

律「うん、そうそう、これから練習しようと……」

梓「そ、そんなこと言って、全然動こうとしてないじゃないですか!」

―カチャカチャ

梓「ほら、片付けますよ」

唯「あぁ、あずにゃん……」

澪「梓の言うとおりだよ、ほら、みんな練習しよ!」

唯「……あ、私ギー太教室に置きっぱなしだった」

―タタタ

澪「全く、何しにきてるんだか……」

澪「……今のうちにトイレいっとこうかな」

律「あ、私も行く!」

―ガララ

梓(ひ、一人になっちゃった……)

―カチャカチャ

梓「……」

梓(それにしても、憂があんな人だったなんて……)

梓(唯先輩の使ったカップを舐めまわすなんて……あんなの、あんなの……)

―カチャカチャ

梓「……あ」

梓(唯先輩の使ったカップ……)

梓「……」ドキドキ

―カチャ

梓(唯先輩の使った……)ドキドキ

カップをそろっと自分の口元へ近づけていく梓

梓「……」ドキドキ

梓「……はっ!」

梓(な、何やってんのよ、私)

梓(ち、違う、これじゃ憂と一緒じゃない)

梓(わ、私はもっと正々堂々と……)

梓「……」ドキドキ

梓(わ、私は……私はもっと……)

梓「……」ドキドキ

梓(せ、正々堂々と……)ドキドキ

またもカップを口元に近づけていく梓

―ガチャ

梓「……!!」


律「わ、梓、何やってんだ!」

梓「い、いや、これはその……」

梓「の、飲み残しがあったので、もったいないと思って……」ドキドキ

律「何だ、結構いやしいんだなー、梓」

梓「あ、あはは……」

梓「……」ホッ

梓(な、何やってるんだろ、私///)

梓(い、今まであんなこと考えた事もないのに……)

梓「……」ドキドキ


―その日の帰り―

律「うーん、やっぱり練習あとのソフトクリームは美味しいな」

唯「美味しぃ♪」

梓「……」

律「なあ、梓は食べないのか?」

梓「あ、当たり前です!大体、校則違反じゃないですか、帰りにこんな店に寄って……」

律「でもいつも付いてはくるんだよなー……」

梓「う……」

唯「あずにゃん、一口あげるよ」

梓「……え?」ドキッ

唯「はい、あーん」

梓「……え、え?」ドキドキ

梓(こ、これって、間接……)ドキドキ

梓(う、ううん、先輩はただ好意でやってるだけ、別に変な意味じゃ……)

梓「……」ドキドキ

梓(だ、だめよ、意識しちゃ、このくらい誰でもやってるじゃない)

梓(お、落ち着くのよ、私、もっと冷静に……)

唯「ほら、あーん♪」

梓「……」ドキドキドキ

梓(れ、冷静に……)

―パクッ

唯「どお、美味しい?」

梓「ま、まあまあですね……」ドキドキドキ

梓(せ、先輩と、間接……間接……)ドキドキ

梓(ち、違う、私はアイスを一口貰っただけで、別にそんなこと考えてなんか……)ドキドキ

梓(い、意識しちゃダメ……別におかしなことなんて……)

―ペロペロ

梓(ああ、私が食べた後を、何の躊躇もなく舐めて……)

梓(い、いや、だからそういうの考えちゃダメよ)

唯「うーん、美味しい」

梓「……」ドキドキ


澪「なあ、梓、何一人で百面相してるんだ?」ボソッ

律「……さぁ」ボソッ

梓(ち、違うの、私はただ……)ドキドキ



―休日、マックにて―

憂「それでね、昨日もお姉ちゃんが可愛くてね」

梓「……」

憂「それからね、お姉ちゃんが……」

梓(なんとか憂と仲直りできたのはいいけど……)

憂「その時のお姉ちゃんがまた可愛くて♪」

梓「そういえば憂、いつも唯先輩の話ばっかりだな……いままで意識してなかったから」

―ウイイン

唯「二人共、こんなところにいたんだ」

梓「せ、先輩?」ドキッ

憂「お、お姉ちゃん、どうして……」ドキッ

唯「えへへ、外歩いてたら二人が見えたから、入ってきちゃった」

唯「あ、私も何か食べよっと♪」

憂「お、お姉ちゃん……」ドキドキ

梓「せ、先輩……」ドキドキ

ちゅー

梓「……」ジー

唯がジュースを飲んでいるのを凝視してしまう梓

憂「……」

唯「……ん?何だ、しょうかないなぁ、あずにゃんは……」

―サッ

唯「はい、一口だけだよ!」

梓「……え!?」ドキッ

憂「……!!」

梓(ゆ、唯先輩が口をつけたストロー……唯先輩が……)ドキドキ

梓(い、いや、違……そんなこと考えちゃダメ……)

梓(わ、私ったら、せっかくの先輩の好意になんてことを考えて……)ドキドキ

梓「せ、せっかくですけど、私は自分のがあるので……」

唯「何だぁ、飲みたかったんじゃなかったんだ」

憂「……」ホッ

梓(ダ、ダメ……こんなところで飲んでしまったら、また変な気分に……)ドキドキ

憂(お、お姉ちゃんが口をつけたストロー……)ドキドキ

唯「ふー、ごちそうさま」

憂「あ、お姉ちゃん、私が片付けるよ」

―サッ

唯「あ、ありがと、憂」

梓「……」

―ガタタン

梓「……ん?」

梓(憂ったら、あんな影で何を……)

憂「―ちゅうぅぅぅ」

憂(お姉ちゃんの……お姉ちゃんのつかったストロー……)チュパチュパ

梓「何やってんだろ?……まあいっか」

唯「さて……と」


唯「これからどうしよっか?」

梓「……え?」ドキッ

梓「こ、これから……?」ドキドキ

唯「うん、二人は何か予定とかある?」

憂「えっと、これから二人で買い物に行く予定だったんだけど……」

唯「えー、いいないいな、どこ行くの?私も行っていい?」

憂「……え?」ドキッ

梓「しょ、しょうがないですね、いいですよ///」

唯「わーい、行こいこ!」

憂「う、うん……」ドキドキ

梓(ち、近い……近いです先輩……)ドキドキ


唯「あー、この服可愛い!」

梓「そ、そうですね……」ドキドキ

唯「ちょっと試着してこよっと」

梓(し、試着……?)ドキドキ

―もぞもぞ

梓(い、今頃、このカーテンの向こうでは、先輩が……)ドキドキ

梓(ち、違っ、何考えてるのよ、私)

梓(た、ただ試着してるだけじゃない、別におかしいことなんて……///)

憂「……」

―カチャ

憂(これは今スカートをおろした音……)ドキドキ

梓(ダ、ダメ、変なこと考えちゃ……)ドキドキ

なぜか試着室のそばから離れない二人

唯「じゃーん、どう、これ、似合う?」

梓「……!!」ドキッ

梓「ちょ、ちょっと派手すぎませんか///」

唯「えー、そうかなぁ?」

梓(て、てっきり、天使が現れたのかと……)ドキドキ

―カシャ

憂「わ、私は、すごく可愛いと思う……///」

唯「えへへ、そう?」

―カシャカシャ

梓「……?」

梓「う、憂、何で写メールなんか撮って……」

憂「あ、いや、これは……」

唯「憂はいつも、自分の参考のために、私が着た服を撮ってるんだよ」

梓「え……な……」

憂「えへへ、そうそう」

梓(参考にって……そんなわけないじゃない……)

梓「ちょっと憂、そんなこと言って……」

憂「ほら見て、これなんか、すごく良いと思わない?」

そう言って、唯の改心の一枚を梓に見せる

梓「……!!」ドキッ

梓「……」ドキドキ

見とれてしまう梓

梓「……す、すごくいいことだと思う」ドキドキ

梓「お、おじゃまします……」

唯「上がってあがって!」

梓「い、いいんですか、お邪魔しちゃって……」

唯「うん、今日は楽しかったし、夕飯食べていきなよ!」

梓「……え、夕飯!?」ドキッ

唯「憂の作るご飯は美味しいよぉ」

憂「え、えへへ……///」

梓「う、憂が……?」

梓(ふ、不安だ……ものすごく不安……)

―グイグイ

唯「ほら、食べてきなよぉ♪」

梓「え、ええ、それじゃあ……///」

―トントントン

憂「―♪」

唯「じゃあ、憂が料理してる間、何かして遊んでよっか」

梓「何かって……何するんですか?」

唯「うーん、それじゃあね……」

梓(憂が料理作ってる真後ろでこんなことを……さすがに手伝った方が……)

唯「お、お嫁さんゴッコとか(笑)」


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最終更新:2010年01月03日 00:58