澪『しかしこれだけの美人に生まれたのに恥ずかしがり屋だなんて勿体無いな』
梓『はいはい自画自賛ですねぇ♪おめでたいですぅ☆』
唯「それはりっちゃんもよく言ってるよ!」
律『…え、私?』
唯「うん、”澪はせっかく美人なのに勿体無い”って」
律『へぇ…鏡の向こうの私…どんな子なのかな…」
唯「りっちゃんはね!かっこいい!」
律『かっこいい…!』 パァア
唯「おでこが!」
律『えっ』
律《おでこがかっこいいの…??》ハテナ
唯「りっちゃんは元気印の明るい女の子だよー」
律『そうなんだ…』
律《私は根暗って言われてるみたいだよ…うぅ》シュン
唯「うん!勢い良く皆を引っ張ってくれて
あ、でも細かい所とかにも凄い気付くんだよ!
私、この前 取れかけてたボタン付けて貰っちゃったぁ
やっぱり部長だからかな!凄いよね!」
律《凄く立派な人だ……それに比べて私は》
律《全然駄目で…私も部長なのに…澪や紬ちゃんに頼りきりで…》
律『はぁ…羨ましいな…』
澪『…』
澪『お~い 部長』
律『ふぇ…』
澪『よしよし そんな泣きそうな顔するなよ』 ナデナデ
律『うぅ…だって…私…不甲斐ないよ』 メソメソ
澪『律は誰にだって優しいだろ、しっかりしてるし…それに約束は絶対に破らない
私が思慮が足りない分、一歩引いた所でちゃんとブレーキかけてくれる』
律『えっ…』
澪『私は 律の良いところたくさん知ってるよ』
律『うん…』
澪『だから、これからもよろしく頼むな、部長』
律『みお~…!ありがとう…』
澪『よしよし』 ナデナデ
唯「…」 ジーッ
澪『うわっ な、何!?』 アセアセ
唯「ううん、変わらないんだなって思って」
澪律『?』
唯「澪ちゃんとりっちゃんが仲良しなのは!」
澪律『!』
澪『へ、へぇ そ、そうなのか?』
律『なんだか照れくさいね…』
唯「うん!りっちゃん、いつも澪ちゃんを脅かしたり怖がらせたりしてるよ」
澪『律が?私を? て言うかそれは仲がいいのか?』
律『それは凄くうらやましい…』
澪『えっ』
律『私もおでこ出せばいいのかなぁ…』
澪『なんだそれ…』
紬『…』
紬『唯!』
唯「は、はい!」
紬『嫌に返事がいいな…』
唯「…えっと何だか逆らっちゃいけないような気がして」
紬『むっ……私はそんなに恐ろしいだろうか?』
梓《自覚ねぇのかよ…》ボ゙ソッ
紬『…』ギロッ
梓『なんでもないですニャン☆』
梓《うわ、こえぇ》
紬『…まあいい …唯、向こうの私はどんな人間だ?』
唯「えっ!」
唯「あ、ムギちゃんはね、おっとりぽわぽわのお嬢様!って感じかな!」
梓『あぁ、丁度私みたいな感じですねぇ』キャピッ
澪『何処がだよ、腹の中まっくろくろすけ』
紬『ふむ…なるほどな…』
律『…紬ちゃんも気になるんだね、向こうの自分』 クスッ
紬『ああ』
紬『私は優秀な血統たる琴吹家の一人娘として生まれ、
幼少の頃より英才教育を受け育ってきた…』
澪『いきなり何の話だよ…』
紬『己の才覚に奢る事は無く、血の滲む様な鍛錬にも根をあげず努力してきたつもりだ…
その甲斐あってか、まぁそこそこの人間にはなれたと自分では思っている…』
唯「…」ゴクリ
紬『だが私はいずれ父から琴吹家の後を継ぎ、その背に負う責任ある立場となるだろう
それは今の私程度の人間には到底勤まりはしない…私は琴吹の名に恥じぬ立派な人間になるつもりだ』
唯「すごいね!ムギちゃん!」
紬『…ただの目標だ、口にすれば夢が叶うなんて程世の中は甘くない』
紬『…鏡の向こうの私は、私とは真逆だ…』
紬『なら今の未熟な私に何が足りないのか きっと彼女が知っている』
唯「えっとこっちのムギちゃんの欠点をムギちゃんが知ってるの…?」
紬『そのままの意味じゃない、私には無い良さを彼女は持っている
それを見習えたらいいと思った』
紬『だから彼女の事をもっと教えてくれないか?』
唯「うん!任せといて、ムギちゃん!!」パァア
唯「ムギちゃんはいつもニコニコしてて、皆の事見守ってくれてて」
紬『ふむ』
唯「後ね、とっても力持ちなんだー」
紬『ふむ』
唯「あ、私たちのお菓子はいつもムギちゃんが持ってきてくれるの!」
律『優しそうな人だねー』
唯「うん!ムギちゃんは優しくて暖かくて…あ、お母さんみたいな人だよ!」
紬『…』
澪『傍から聞いてても見習って欲しい所は多々あるな』
梓『澪先輩には言われたくないと思いますぅ』
紬『私としては…コレでも優しいつもりなのだがな』
澪『何処が!?』
紬『ありがとう唯、 なんとなく私に足りない物がわかった気がするよ』
唯「いえいえ、どういたしましてだよ!」
澪『よし、まずは皆にお菓子持ってきてもらおうか!』
唯「あれ、こっちのお菓子は誰が持ってきてるの?」
梓『各自持参なのです♪』
紬『澪…お仕置きが足りないのか?』
澪『…めっそうもない!』
律『うーん…とりあえずニコニコから始めたらいいんじゃないかな…
紬ちゃんいつもムスッって感じだから』
紬『ニコニコ…難しいな…』
紬『こうか?』 ニヤリ
唯澪律梓(《こわっ》)
律『あ、もうすぐ別れ道だね』
紬『今日は唯のおかげで興味深い話が聞けたな』
澪『ああ!唯、また明日も聞かせてくれよな!』
唯「うん、また明日ねー」
梓『ちょっとぉおおおおおお!!』 ブチッ
澪『…なんだよ』
梓『なんで私の話を聞かないんだよ!!!!! この流れはどう考えても次は私だろうが!!!
つか主役だろうが!!!メインディッシュだろうが!!!! 飛ばしていいような脇役でもモブでもないんだよ!!!
華麗に解散しようとしてんじゃねぇえええええ!!!!』
唯「あ、あずにゃん…!」
澪『地が出てるぞ…』
梓『はっ…ニャン☆ニャン♥』キャピッ
澪『別に聞かなくてもわかるだろ
向こうの梓ちゃんは正直で純粋な可愛い娘だよ?』 ヤレヤレ
梓『ななっ くそっ ババァ いいやがりますねっ!』 クッ
澪『もうキャラ作る気無しかよ…』
梓『ずっとやってたから結構疲れてんだよ!!』
澪『いいけど 唯、引いてるぞ…』
律『えっと…』
唯「………」 ササッ
梓『うっ じょ、冗談ですよぅ!!ア、アメリカンジョークって奴です!ニャン♪』
澪律《苦しい…》
唯「…あめりかん?なんだ、そっかー びっくりしたよ、もう」
澪《納得したぁ!? こいつマジもんの天然か!》
澪《いや、こいつも実は計算なのか!?これだから女は恐ろしい!!》
梓『ニャン☆ニャン!』
梓『それでそれで向こうの私はどんな美少女なのですかニャン!』
唯「うん、あずにゃんはねぇ、ちっちゃくて可愛いんだぁ」
…略中…
唯「それでね、私がギー太に話しかけてたら あずにゃんが嫉妬しちゃって」
梓『へぇ』
唯「もうそれが可愛くて可愛くて!」 ニヘラー
梓『そうなんですかぁ、すごいですねぇ(棒)』
《くそっ、もう他の先輩達とも別れたって言うのに…こいつ 向こうの梓の話止めやがらねぇ…!》
《どんだけ大好きなんだよ! 百合か! 百合なのか!》
《ああ でも 鏡の向こうとは言え 私だもんな…むしろ私みたいな美少女放っとくとか逆に有り得ないもんな》
《そんな美少女あんな冷めた目で見る唯先輩とかマジありえねぇ…そう考えるとおかしいのはこっちか、こっちの世界か》
梓『ちくしょー 向こうの梓になりてぇ』
唯「ん?あずにゃん?」
梓『こっちの話です☆ニャンニャン!』
梓『それじゃあここでお別れですにゃん』
唯「あ、そっかー…ちぇ…せっかくこれから盛り上がる所だったのに!」
梓《結局梓の話しかしてなかったなコイツ》
唯「今日はいろいろあって疲れたやぁ 憂の晩御飯楽しみだなー」
梓《ん、あ?》
梓『唯先輩、鏡の世界の話は憂にしたのですかニャン?』
唯「…あ」
唯「忘れてた!」
梓『あちゃー それは結構まずくね』
梓『ぇですかニャン』
唯「うーん、大丈夫だよーきっと」 エヘヘ
梓『まぁ唯先輩がいいならいいですけどー(めんどうだし) それじゃあ、また明日ですのニャン!』
唯「じゃあねー」
!家の唯
ガチャ
唯「ただいまー」
シーン
唯「あれ?帰ってないのかなぁ…」
唯「って靴はあるから帰ってるよね?寝てるのかな?」
憂『…』 ジーッ
唯(あ、いた!テレビ見てたんだね!)
唯「憂ー!ただいまー!」
テレビ どっ!
憂『…ゲラゲラ』
唯「ただいま!」
憂『…』 ジーッ
唯「…うい?」
憂『…』 ジーッ
唯「ね、ねぇ うい ういったら」
憂『…』
唯「…お、お姉ちゃん帰ってきたよ!」
憂『…』
唯「うい…?」
憂『…』
憂『…チッ』
唯「!!」
唯(し、舌打ちされた!?) ウルウル
唯「…う、うい?」
憂『はいはい おかえりおかえり』
憂『これでいいでしょ?いいから黙っててよ 今テレビ良いところなんだから』
唯「…!」
憂『…』
唯「えっと…その…晩御飯は…」
憂『…』ムカッ
憂『別に私いらないし、作りたいなら勝手に作れば』
唯「う…憂…?」
憂『…』 プイッ
唯「わ、わかったよ!私頑張って作るからね!」
憂『は?頑張らなくていいし』
唯「……うん」 シュン
グツグツ
トントン
唯「…」
グサ
唯「いたっ!うぅ…また失敗しちゃった…」 グスン
唯「えっと絆創膏、絆創膏…どこだっけ?」
唯「憂ー、絆創膏何処ー!?」
憂『私が知るわけ無いじゃん!いい加減にしてよね!』
唯「うぅ…」
唯(鏡の世界だから…)
唯(憂は私の事嫌いなのかな…)
唯「うっ…えっぐ」 シクシク
……
テレビ 来週もまた見てくださいね!
憂『あ、終わった』
憂『…てかもうこんな時間じゃん』
憂『…ご飯作るのにどれだけ時間かけてるんだか』
憂『お姉ちゃん!』
シーン
憂『ねー』
シーン
憂『…チッ はいはい、だんまりね』
憂『よっこらせっと』
憂『ったく…何してんだか』
憂『お姉ちゃん、何してんの!?…って』
唯「えっぐ…えっぐ…」グスグス
憂『な、ななんで泣いてるの』
唯「…えっぐ…だっで」 グスッ
唯「りょうり…うまぐいがなぐて…」 グスッ
唯「ういも…わたじのごときらいで…」 グスッ
唯「うわ~ん…!」
憂『っ なんでそんな事で泣くの!?』
憂《…何時もは私の事なんか興味なさそうに!文句の一言も言わない癖に…!なんで…!》
グツグツ
憂『あ、な…鍋焦がしてるし!もう!』
カチッ シュゥ…
憂『…良し』
憂『……これ、カレー?』
唯「グスッ…」 コク
憂『何時まで泣いてんの…』
憂『…』ペロッ
憂『わっ まずっ』
唯「……うぅ」 グスグス
憂『あぁあ!もう!!今日だけだから!』
唯「ふぇ…?」
憂『今日だけ私が作ってあげるって言ってんの!感謝してよね!』
唯「…うい!」パァア
憂『ふんっ』
唯「いただきます!」
憂『いただきます…』
唯「はむっ!」 ペロリ
憂『…どう』
唯「ふぇ?」 モグモグ
憂『味はどうなのって!二回言わせないで!』
唯「…ん」 ゴクリ
唯「あんまりうまくないね!」
憂《バッサリだぁあ!!》 ガーン
憂『…じゃあもう食べなくていい!』
唯「でも…2人で食べるとおいしいね!」 ニコッ
憂『…!』
憂『なにそれ…』
唯「ほぇ?」パクパク
憂『自分は旨くできるからって…!馬鹿にして…』
唯「そんな事無いよ~、今日だって失敗しちゃったし」 テヘヘ
憂『今日は今日でしょ!いつもは……!』
憂『って あれ?』
憂『お姉ちゃん なんで右でスプーン持って…』
唯「…えっ?」 モグモグ
唯「あ、そうだ! ちゃんと言っておかないと!」
憂『???』
最終更新:2010年05月25日 23:19