律「あー」
澪「どうした?」
律「もうすぐ新歓ライブだなーって」
紬「うん」
律「4月は新歓でいろいろ忙しいから、すぐ5月になっちゃうよな」
澪「やめろよ・・・その話は」
紬「でも、憂ちゃんが桜高に受かったから新歓で私たちの演奏聴いてもらえるね」
律「だな。悲しんでも仕方ないしな」
澪「唯のいるところでこの話あまりするなよ?」
律「わかってるよ」
ガチャ
唯「みんなー遅れてごめーん!」
ジャーン♪
唯「ふいー」
律「今の良くなかった!?」
紬「うん、息がぴったりだったかも」
澪「でも今回は新曲が3曲もあるからな。まだまだ油断できないぞ」
唯「そうだね!憂のためにも頑張るよ!」
律「だな!でもちょっと休憩~」
紬「お茶淹れるわね~」
澪「まったく・・・」
律「よく考えたら、新歓ライブは新入生獲得のためにやるんだよな」
澪「そりゃそうだろ」
唯「そっかー憂のことばっかり考えちゃってたよ」
紬「どっちにしろ頑張らないとね」
唯「新入生入ってくれるかなあ。そしたら私たち先輩になるんだよね」
律「うん・・・だな」
唯「かわいい後輩が入ってきたらいいなあーでも後輩ならみんなかわいいよね!」
……
唯「ただいまー!」
憂「おかえり~」
唯「明日は入学式だね!」
憂「うん!楽しみ!でもお姉ちゃんたちの新歓ライブはもっと楽しみだよー!」
唯「ありがとー!頑張るからね!」
憂「応援してるよ!」
唯「ねえ憂、お願いがあるんだけど・・・」
憂「なに?」
唯「4月の間、一緒に寝ていいかな?」
憂「え、い、いいけどなんで?」
唯「えへへ、秘密」
……
ガヤガヤ
憂「もうすぐお姉ちゃんたちのライブ・・・相変わらず混んでるなあ」
憂「あ、ここ空いてる。今回は早く来てよかった」
憂「あれ・・・あの子は」
梓「・・・」キョロキョロ
憂「確か同じクラスの・・・中野さん!」
梓「え!?」ビクッ
憂「あの、同じクラスだよね」
梓「えっと、平沢さん、だっけ?」
憂「うん。ここ席空いてるから良かったらどうぞ」
梓「あ、ありがとう!」
憂「(可愛い子だなあ)」
憂「軽音部に興味あるの?」
梓「うん、ギターをやってるから。どこか音楽系の部活に入りたいなって」
憂「へえ、ギターやってるんだ。あのね、私のお姉ちゃんが軽音部でギターやってるんだよ!」
梓「そうなんだ」
ガー
憂「きたー!」
唯「どうもー軽音部でーす!」
梓「あの人がお姉ちゃん?」
憂「そうそう!よくわかったね。やっぱり似てるからかなあ」ニコニコ
梓「(いや、ギター持ってるのあの人だけだし・・・ずいぶんお姉さんが好きなんだなあ)」
唯「というわけで聴いてください!私の恋はホッチキス!」
……
唯「ただいまーーー!ういー!」
憂「いつになく上機嫌だね!お姉ちゃん」
唯「新入部員が入ったんだよ!」
憂「ほんと?良かったね!」
唯「梓ちゃんって言うんだけどね、すごく可愛いんだあ」
憂「へえ!梓ちゃん入ったんだ」
唯「え、知ってるの?」
憂「うん、クラスメイトだよ」
唯「そうなんだ!やったね!」
……
律「というわけで!梓の歓迎会を行う!」
唯「おー!」
紬「おー!」
梓「そんな、いいですよわざわざ」
律「可愛げのない奴だなあ、こういう時は素直になれって」
梓「な・・・!」
唯「場所はうちでいいかな?」
律「そうだな、憂ちゃんもいることだし」
澪「で、いつやるんだ?」
律「今度の土曜だな」
澪「土曜ってことは、えーっと」
紬「4月30日・・・」
唯「あ・・・」
梓「どうしたんですか?」
唯「ううん、なんでもない」
唯「(そうか・・・憂がいなくなる前日だから、みんなで集まってくれるんだね)」
律「みんな大丈夫だな?じゃあけーってーい」
……
唯「ただいまあ・・・」
憂「おかえり、お姉ちゃんどうしたの?」
唯「今度の土曜にあずにゃんの歓迎会やることになったんだ」
憂「そうなんだ!じゃあ私も料理」
唯「ういぃ・・・」ギュ
憂「お姉ちゃん?」
唯「土曜日は思いっきり楽しもうね」
憂「うん」
唯「次の日は私とずっと一緒にいようね」
憂「うん・・・」
……
「おじゃましまーす!」
唯「みんなーいらっしゃい!」
憂「こんにちは。梓ちゃんも♪」
梓「お邪魔します」
唯「あずにゃんは私たちの家はじめてだったね!我が家だと思ってくつろいでね~」
律「ほお、さっそくいい匂いがするな」
澪「食い意地の張ったやつだな・・・」
唯「今回は私も結構頑張って料理作ったんだよ!」
…
唯「はいっ!」
律「よっしゃあ!」
唯「りっちゃん!そんな喜んだら私がババ引いたってばれちゃう!」
梓「自分で言ってるじゃないですか・・・」
唯「あっ」
憂「ふふ、お姉ちゃんったら」
澪「・・・これかな」
唯「やったー!澪ちゃんババ引いたー!」
澪「だから言うなって!」
紬「あら、もうこんな時間」
澪「そろそろ帰らないと・・・」
唯「ええ、もう帰っちゃうの?」
律「しょうがないだろー?」
唯「帰らないでよ・・・」
梓「え?」
唯「みんなが、帰ったら、ぐすっ、明日になっちゃう・・・」
憂「ちょっと、お姉ちゃんなんで泣いてるの?」
唯「うわあああん!」
律「・・・行こうか」
澪「・・・そうだな」
梓「え、ちょっといいんですか?唯先輩が」
紬「いいのよ、行きましょう」
律「唯、それに憂ちゃん。今日は本当に楽しかったよ」
澪「うん。ありがとう」
唯「ひっぐ、わだじも・・・楽しかった」ポロポロ
紬「じゃあ、私たち帰るからね。2人とも明日は仲良く、ね?」
唯「う、うわああぁあん!」
梓「えっと、おじゃましました!」
梓「(唯先輩のあの様子・・・先輩たちもなんか変な感じだし)」
澪「じゃあ・・・また」
憂「今日はありがとうございました!お姉ちゃんどうしたんだろ・・・」
唯「うぅう・・・」
……
律「じゃあ私と澪はこっちだから・・・」
紬「ええ、じゃあまたね」
梓「あの!」
澪「どうした?」
梓「先輩達、何か隠してませんか?」
律「・・・」
梓「帰り際の唯先輩とみんなの雰囲気、なにかおかしかったですよ。尋常じゃないというか」
澪「・・・どうするんだ?」
律「私に振るなよ」
梓「やっぱり何かあるんですね!?教えてください!」
律「梓ってさ、幽霊とか伝説とかオカルトとか信じなさそうだよな」
梓「いきなり何の話です?」
律「私が話すことを絶対に信じるって約束するなら、話すよ」
梓「・・・わかりました。信じます。だから話して下さい!」
律「じゃあまず・・・唯が泣いてた理由から話そうか」
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梓「・・・つまり、憂は唯先輩の願いで生まれた存在で、明日消えてしまうんですね」
律「信じるのか?」
梓「はい、律先輩ならともかく澪先輩やムギ先輩までこんな嘘つくとは思えませんし」
律「おい」
紬「まあまあ」
梓「なんでもっと早く教えてくれなかったんですか!」
澪「ごめんな、こんな話そう信じられるものじゃないからさ」
梓「でも先輩たちも唯先輩から話を聞いただけなんですよね?もしかしたら唯先輩の嘘かもしれないですよ」
紬「・・・」
梓「例えば、両親が離婚して憂と離れ離れになるとか。それで離婚のこと話したくなくて」
澪「梓、違うんだ。唯の言ってることは本当だよ」
梓「だからなんでわかるんですか!?」
澪「それは・・・」
律「澪、私から言うよ」
梓「え・・・?」
最終更新:2010年05月27日 23:48