唯「私の新しいクラスにやって来ました!」

唯「澪ちゃん達と席が近いといいな~」

唯「私の席はーーー」

唯「はうっ、最前列でしかも教卓の目の前・・・?」

唯「ついてないよ・・・」 

梓「・・・」ジー

唯「ん?」

梓「・・・」ジー

唯「あずにゃん?」

梓「はい、唯先輩」

唯「えっと、私のクラスにどうしているの?」

梓「今日から唯先輩と同じ学年になりましたから」

唯「そっか~」

梓「驚かないんですか?」

唯「え?どして?」

梓「・・・唯先輩は相変わらずどこか抜けていますね」

唯「えへへ~」

梓「誉めてません」

唯「でもあずにゃんと同じクラスになれて嬉しいな~」

梓「どうしてです?」

「問題の答えを教えて貰えるし、宿題を忘れても見せて貰えるし!」

梓「一つ下の後輩から勉強を教わるなんて情けないですよ・・・」

唯「期待してるからね!」

梓「全く・・・。けどこれから2年間よろしくです」

唯「ほえ?2年間?」

梓「どうしてそこで首を傾げるんですか」

唯「今日から私は3年生だよ?」

梓「・・・それ本気で言ってますか?」

唯「え?え?」

梓「ああ・・・本当に忘れているみたいですね」


梓「唯先輩はきょねーーー」

唯「そういえば、りっちゃんいないね~どこにいるんだろ」

梓「私の話を聞いて下さい!

唯「はいっ!」

梓「いいですか。去年唯先輩だけが進級出来なくて留年することになったんです」

唯「留年?」

梓「そうです。留年です」

唯「な~んだ、私留年しちゃったんだ」

梓「・・・少し気楽過ぎませんか?」

唯「あずにゃんと同じクラスになれたからいいよ」

梓「なんですかそれ」

唯「嫌なの・・・?」

梓「そういうわけでは・・・」

唯「そうだよね・・・留年なんかした私のことなんか嫌いになっても仕方ないよね・・・」

梓「そんなことありません!留年した唯先輩も含めて私は大好きですから!」

唯「わ~い、いつものあずにゃんだ」ギュウ

梓「みんな見てますって!」

唯「良いではないか、良いではないか~」スリスリ

梓「もうっ」

憂「お姉ちゃん・・・私もいるんだけどな」グスッ


教師「授業始めるぞ。席に着け」

唯「ぶーぶー授業が始まっちゃったよ」

梓「1時限目は日本史みたいですね」

唯「えーと、あれ?」

梓「どうしました?」

唯「教科書忘れちゃった」

梓「唯先輩らしいですね・・・」

唯「えへへ~」

梓「だから誉めてませんってば」

唯「うう・・・どうしよ」

梓「仕方ありませんね。私ので良ければ一緒に見ませんか?」

唯「いいの!?」

梓「もちろんです」

唯「ありがとう、あずにゃん大好き!」ギュウ

梓「ちょ、抱きつかないで下さい!今は授業中なんですよ!」

唯「そんなの関係ないよ~」スリスリ

梓「関係あります!」

唯「いいからいから~」スリスリ

梓「いい加減離して下さい!」

唯「離さないよ~」スリスリ

教師「平沢と中野。後で職員室に来なさい」

唯「はい「

梓「(なんで私まで・・・)」



1時限目終了後

梓「失礼しました」

唯「ました」

梓「全く、唯先輩のせいで私まで怒こられたじゃないですか」

唯「ごめんね~」

梓「本当に悪いと思っていますか?」

唯「もちろん!」

梓「はあ・・・。次は確か移動教室でしたね。急ぎましょう」

唯「うん!」 

教師「授業を始める」

梓「ぎりぎり間に合いましたね」

唯「そだね~」

唯「あっ」

梓「今度はなんですか?」

唯「筆入れ教室に置いてきちゃった」

梓「またですか・・・」

唯「うん」

梓「はあ・・・、私のシャーペン貸してあげますよ」

唯「いいよ~大丈夫だから」

梓「え?それじゃあどうするつもりですか?」

唯「数学は嫌いなので寝てやり過ごすことにしました!」

梓「そうでしたか。先生のすぐ目の前で居眠りするんですね」

唯「はうっ・・・」

梓「きっとすぐにバレてまた職員室行きですよ」

唯「・・・あずにゃん」

梓「何ですか?」

唯「やっばシャーペン貸して下せえ!」

梓「残念ですね、生憎私は1本しか持ち歩いていません」

唯「ええっ!?さっき貸してくれるって言ったのに・・・」

梓「ふふっ、冗談ですよ。どうぞ」

唯「ありがとーーーって、これは赤ペンだよ・・・」

梓「あれ、そうでしたか?」

唯「あずにゃんの意地悪!」

梓「そんなに拗ねないで下さいよ。貸してあげますから」

唯「ふんだ」

梓「唯先輩」

唯「・・・」

梓「唯、先輩・・・」グスッ

唯「・・・ふふん」

梓「・・・?」

唯「冗談だよ~」

梓「本当ですか・・・?」

唯「私があずにゃんのこと嫌いになるわけないじゃん!さっきの仕返しだよ~」

梓「唯先輩~!」ギュウ

唯「あずにゃん~!」ギュウ

教師「平沢と中野、後で職員室に来い」

唯「はい」

梓「(やってしまった・・・)」



2時限目終了後

梓「失礼しました」

唯「ました」

律「おっ、唯と梓じゃん」

唯「あっ、りっちゃんと澪ちゃん!」

梓「こんにちは、先輩方」

律「職員室で何してたんだ?」

唯「先生に怒られていました!」ビシッ

澪「おいおい、新学期早々梓に迷惑かけるなよ」

唯「違うよ~あずにゃんが授業中にふざけたから怒られたんだよっ」

梓「なっーーー!」

律「まさか、唯じゃあるまいし。違うだろ?梓」

梓「・・・(本当のことだから何も言えない・・・)」

唯「ぶー、私のこと信じてないね」

律「わりぃ、わりぃ。けどさ、何だかんだで楽しそうで良かったよ」

澪「そうだな。始めは唯一人で心配だったんだぞ」

唯「あずにゃんのおかげだよ~」

梓「あまり私に頼られても困りますけどね」

澪「それに憂ちゃんもいるんだろ?私らがいなくても大丈夫そうだな」

唯「へ?憂?」

律「同じクラスなんだろ?」

唯「そっか~憂も同じクラスなんだ」

律「おいおい・・・妹のこと忘れてやるなよ」

唯「えへへ~」

律「誉めてねーし」 

律そんじゃ、私らは移動教室だからまたな

澪また部室でな

唯バイバイ~

梓さよならです

唯私たちは教室に戻ろっか

梓はい


廊下の曲がり角

憂「酷いよ、お姉ちゃん・・・」グスッ

憂「私っていらない子なのかな・・・?」シクシク

憂「よしっ、こうなったら」

唯「後少しで授業が始まっちゃうよ~保険室に行こっかな」

梓「ダメです。そんなんだから留年したりするんですよ」

唯「はうっ・・・」 

憂「お姉ちゃーん」ニコニコ

唯「あ、憂~」

憂「ごめんね、梓ちゃん。迷惑かけてない?」

梓「大丈夫だよ。いつものことだから」

唯「うぅー、あずにゃんが私をいじめる」

梓「そういえば、憂の席はどこなの?」

憂「私は窓際最後列の席なんだけど、知らない人ばかりで少し寂しいかな」

梓「そうなんだ。残念だね」

憂「それに比べて梓ちゃんはお姉ちゃんと席が隣でいいなー」

梓「えへへ」

憂「でもあんまり梓ちゃんに迷惑かけるのも悪いよね?」

梓「そんなことないよ」

憂「そうだ、梓ちゃんと私の席を交換しない?」

唯」憂~聞き分けないこと言ったらダメだよっ」

憂「お姉ちゃんは黙ってて」

唯「へい」

憂「梓ちゃん、ダメかな?」

梓「えっと・・・ごめん、憂」

憂「どうしてもダメ?」

梓「うん。私はこの席の方がいいかな」

憂「・・・お姉ちゃんが隣にいるから?」

梓「そうかも」

憂「そっか・・・。急にこんなこと話してごめんね」

憂「お姉ちゃんのこと・・・」グスッ

憂「よろしくね・・・!」タッタッタッ

梓「あ、憂!」

唯「憂どっか行っちゃった」

梓「どうしたんでしょうね」

唯「さあ~」



3時限目終了後

唯「おトイレからただいま~」

梓「おかえりです」

唯「なに見てるの?」

梓「本を発注するためのカタログですよ」

唯「ふ~ん」

梓「特に面白そうなのはありませんね」

唯「私にも見せて~」

梓「唯先輩の分なら机に置いてありますよ」

唯「おおっ、いつの間に!」

梓「先輩がトイレに出かけている間に配られましたからね」

唯「そっか~。どれどれ」

唯「なんだ、小説のカタログか~。紙飛行機にしてぽ~い」

梓「ちょっと、散らかさないで下さい!一体何の本だと思ったんですか?」

唯「漫画~」

梓「唯先輩らしいです・・・」

憂「私に紙飛行機が当たって痛いよ・・・お姉ちゃん」



4時限目

梓「起きて下さい」ユサユサ

唯「んっ・・・」

梓「問題を解く様に指名されましたよ」

唯「むにゃむにゃ・・・」

梓「・・・」スッ

デコピン

唯「いたっ・・・」ヒリヒリ

梓「おはようございます」

唯「うぅ・・・痛いよあずにゃん」サスサス

梓「いくら起こしても起きてくれないからです」

唯「もっと優しく起こしてくれてたっていいのに・・・」

梓「そしたらもっと早く起きてくれましたか?」 

唯「うっ・・・」

梓「わかりましたら、早く問題を解いて下さい」

教師「中野の言う通りだ。早く答えろ」

唯「えっと・・・」

教師「どうした?」

唯「ちょ、ちょっと待って下さい」

教師「それなら早くしろ」

唯「(教科書も開いてなかったからわからないよ~)」オロオロ

梓「・・・(全く・・・)」

梓「(ーーーですよ)」

唯「(え?)」

梓「(答えはーーーです)」

唯「(おおっ!)」

唯「ーーーですっ」

教師「・・・正解だ。次からは寝るなよ」

唯「ごめんなさいっ(あずにゃんありがと~)」

梓「(世話が焼けるんですから)」

憂「(お姉ちゃん口元に涎つけてる)」ニコニコ



4時限目終了後

唯「やっと昼休みだね!」

梓「そうですね」

唯「あずにゃんはお弁当なの?」

梓「はい。毎朝お母さんが用意してくれますから」

唯「私もお弁当だから一緒に食べよう!」

梓「別にいいですけど。お昼になると元気がいいんですね」

唯「むっ、部活の時だって元気いいもん!」

梓「美味しい紅茶とお菓子があるからですか?」

唯「ど、どこで食べようかな。あっ、憂~」

梓「流された」

憂「なに?お姉ちゃん」ニコニコ

唯「憂も一緒にご飯食べようよ~」

憂「ごめんね、今日はお友達と約束してるから」ショボン

唯「そっか~わかったよっ」

憂「本当にごめんね?」

唯「ううん、いいよ~」

唯「じゃああずにゃん!行こっか!」

梓「どこにですかーーーって、引っ張らないで下さい!」

憂「梓ちゃん楽しそうだな・・・」ショボン



音楽室

唯「と、言うわけで音楽室に来てみました!」

梓「もしかして、昼練をするためにここまで来たんですか!?」キラキラ

唯「紅茶飲む?」

梓「ああ・・・少しでも期待をした私が馬鹿でした」ガクッ

唯「飲まないの?」

梓「誰も飲まないとは言ってません。頂きます」

唯「らじゃ~。ちょっと待ってねっ」

唯「・・・」アセアセ

梓「あの、大丈夫ですか?」

唯「だ、大丈夫だよ!私に任せなさいっ」

梓「そう、ですか?」

唯「・・・」アセアセ

梓「・・・」ハラハラ

唯「ーーーよしっ、出来た~」

梓「ほっ」

唯「今から運ぶからねーーーって、あっ」

バタンッ

ガシャーン

梓「大丈夫ですか!?」

唯「ううっ・・・膝擦りむいちゃったよ」

梓「ああ、紬先輩の高級カップが粉々に・・・」

唯「え?」

梓「後で謝らないと・・・。嘘ついたりしたらダメですからね!」

唯「あっ、はい」


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最終更新:2010年05月31日 00:33