山中先生は私に全力で近いて全力で私を抱きしめた。

唯「ちょっ…先生っ!」

山中「お前は人見知りな奴だと思っていた…だけど私は間違っていた」

唯「苦しいっ…!」

山中「お前がバンドをやりたい何て…そんな情熱的な奴とは知らなかったごめん!」

バンドをやりたいと言った人間が情熱的な奴かどうかは知らない。
ただ一つ言える事はコイツ私を殺す気だ。

さわ子「平沢ぁっ!ごめん…ごめん」

あぁ…どんどん強くなってく。
今までの憂との思い出が走馬灯のように蘇る。
憂…ごめん…私先に行くね。

唯「……………」

紬「平沢さん…?」

さわ子「平沢ぁっ…大丈夫か!……気絶してる」

唯「うぅ………」

さわ子「目が覚めたか…いきなり気絶するからびっくりしたぞ」

いやいや…お前のせいだよ。
これを教育委員会に言ったら問題になるぞ。

さわ子「急に気絶するんだもん…栄養取ってる?」

しかも自分が気絶させた事に気が付いて無い。

唯「アハハハ……」

さわ子「あ……そうだ…軽音部の事で話しがあったんだ」

唯「軽音部の事で?」

さわ子「お前らが軽音部でバンドをやりたい事を秋山と田井中に頼まれてな」

唯「そ、そーですか」

さわ子「しかし…軽音部は廃部になってる!」

唯「あ、知ってます」


さわ子「私が何とか復活させて見せる…お前らの友情に誓って」

唯「ありがとうございます…」

よし…私を気絶させた事をチャラにしてあげよう。

さわ子「じゃあ私は職員室に行く平沢は放課後まで休め栄養はちゃんと取れ」

やっぱチャラにした事やめようかな…。

さわ子「じゃあな…真鍋後は頼んだぞ」

和「は、はい…」

唯「真鍋……?」


和「平沢さん…先生から頼まれたんだ平沢を見ろって」

唯「そっかー…」

和「えーと…小学生の時にも確かこんな事あったよね」

唯「小学生の時?」

和「一緒の小学校だったじゃない中学校も一緒」

唯「ごめん…覚えて無い」

和「そっか…アメ食べる?」

唯「いらない…」

和「そっか…」

会話続かない…。

和「あ…軽音部やるんでしょう?」

唯「うん…」

梓「軽音部やるんですか!」

唯「うわぁっ!」

和「びっくりした…」

梓「アハハすみませんすみません」

唯「何でいるの?」

梓「授業出たく無いから仮病使ったんですよ!け・びょ・う!」

梓「いいなー軽音部いいなー」

何この私も誘って欲しいなぁ…みたいな眼差し。

梓「いいなー」

和「入れて貰えばいいじゃない?」

梓「ですよねー!そうですよねー!私も調度それ思ってたんですけど中々言えなくてーでも言ってくれた先輩に感謝感謝」

うわぁ…うるさいなぁ。


梓「と言う分けで入れて下さい!」

唯「えーと…まだ軽音部が出来るって決まった分けじゃないし…」

梓「そうですか…残念」

和「アナタお名前は?」

梓「中野梓でーす」

和「何だか猫耳とか似合いそうね」

唯「…………は?」

和「ここに猫耳があるから付けて見て」

いや…真鍋さん何でポケットにそんな物入れてんの?

梓「はーい!」

和「似合うわね…」

真鍋さんの唾を飲む音を私は確かに聞いた。


和「にゃーって言ってみて」

梓「にゃー!」

和「いいわ…とっても」

唯「…………アハハ」

誰かコイツらを何とかしろ。
私じゃ手に負えない。

和「平沢さんもどう?」

唯「慎んでお断り」

放課後のチャイムが鳴る。
私はすぐに保険室から飛び出した。
まだ、真鍋さんと梓ちゃんは楽しそうに話している。
これは私の直感だけど真鍋和アイツは変態だ。

澪「あ…平沢、大丈夫か?」

唯「う、うん」

澪「軽音部の話しだけど…聞いたか?」

唯「うん」

澪「これ鞄忘れてるぞ、今日は帰るんだろう?」

唯「うん」

澪「琴吹が校門の前で待ってるらしいから」

唯「わかったありがとう…じゃあね」

澪「さよなら」

唯「うん」


……

紬「あ………」

唯「ごめんまたせた?」

紬「ううん今来た所だから…」

私達はデートの待ち合わせでもしてるのか?ってぐらいの会話の内容。

唯「じゃあ行こうか私今日はバイトだから急いで帰ろう」

紬「うん……」

唯「琴吹さん近い…」

紬「ごめん……」

前から思ってたんだけど彼女と一緒に帰る時は決まって私の体にピタッとくっついてくる。
癖なのかな?

紬「今日は大丈夫だった?」

唯「うん、おかげさまで授業を受けなくて済んだよ」

本当にありがたかった。
おかげで授業を二時間も聞き逃したんだからね。

唯「じゃあ私はここでさようならだから」

紬「うん…バイバイ」

唯「じゃあね琴吹さん」

紬「うん…また明日ね」

唯「また明日…」

はぁ……今からバイトだと思うと憂鬱だ。


家に帰りバイトで着る制服を持ってバイト先に向かう。

唯「お疲れ様でーす」

働いている人達が私に挨拶をする。

はぁ…これから6時間地獄だ。
一年働いているが未だにこのバイトの忙しさには慣れない。

梓「あ…先輩!」

唯「こんにちは」

はぁ…早く制服に着替えなきゃ。
5分前にタイムカード押さないと店長うるさいからなぁ…………え?

梓「今日からここで働く事になったんですけど、まさか先輩がここで働いているとは思いませんでしたよー」

唯「……え?え?」

梓「今日からよろしくお願いしまーす」

唯「………え?」

唯「何でいるの?ここは客は入っちゃダメな所だよ」

梓「だから、今日から此処で働く事になったんですってー」

唯「ハハッ…冗談上手いなぁー」

梓「それにしても凄い偶然ですねーあ、タイムカードの押し方を教えて下さい!」

唯「はぁ…………」


新人研修として6時間…はぁ6時間か…本当に長いよ。
私は6時間、梓ちゃんの相手をしてやった。
悔しい事に彼女は凄く物覚えがいい。

唯「お疲れ様でした」

梓「お疲れ様でしたー」

私達は何故か一緒に帰る事になった。
いや…梓ちゃんが勝手に着いて来たんだった。

梓「今日は楽しかったですねー簡単でしたねー」

唯「はいはいそうだね」

梓「バイトとバンドって何か文字似てません?」

唯「はいはいそうだね」

梓「今日、先輩の家に泊まるんですよー」

唯「はいはいそうだね」

梓「よろしくでーす」

唯「………え?泊まるの?」

梓「はい!」

本当にこの子には驚かせて貰ってばかりいる。

唯「本当に泊まるの?」

梓「はい!憂から聞いてませんでした?」

私はケータイを取り出す。
憂からメールが一件届いている。
読んでみると確かに梓ちゃんは今日泊まるみたいだ。
嫌だなぁ…私この子苦手だよ。


抱き着いて来るし…うるさいし抱き着いて来るし抱き着いて来るし。
別に嫌いな分けじゃ無いけど苦手なタイプだ。

梓「先輩聞いてます?」

唯「はいはい聞いてる」

梓「私の話し右耳から左耳に流れてません?」

唯「じゃあ左耳に耳栓しないとダメだね」

梓「ツインテールで鞭打ちますよー!」

うっさいなぁ…。



唯「着いたから鍵開けるね」

梓「はーい」

今日は安眠出来そうに無いなぁ…。

憂「あ!お姉ちゃんおかえり」

唯「ただいま梓ちゃん来てるよ」

梓「やっほー!」

憂「あ!梓ちゃん遅かったね~」

梓「バイトしてたー」

憂「バイトしてるの?」

梓「そうそう、先輩と一緒のファミレスでバイトしてるよ」

唯「本当にびっくりしたよ」

憂「そーなんだーあ…入ってよ梓ちゃん」

梓「お邪魔しまーす」

憂「あ…お姉ちゃん」

唯「なに?」

憂「あのねーお姉ちゃんの部屋にギターがあったから押し入れに直して置いたよ」

あぁ…別に直さなくてよかったんだけどね。

梓「ギターやってるんですか?」

唯「うん…全然出来ないけど」

梓「私はとっっても上手いんですけどね~」

唯「へー…」

梓「教えて欲しいなら教えますよ~」

唯「そっかー…」

梓「仕方ないですね~お金は取らないから教えてあげましょう」

唯「おいちょっと待て…教えて欲しいだなんて言ってないよ」


梓「Cコード!」

唯「は?」

梓「Fコード!」

唯「何それ?」

梓「やっぱり私が教えますよコードも知らないじゃないですか」

唯「独学でするからいいよ」

梓「何言ってるんですか…同じ軽音部のメンバーじゃないですか」

唯「おい!」

憂「お姉ちゃん軽音部に入るの?」

唯「あ…うん…今メンバーは四人いる」

憂「そうなんだぁ!」

梓「私を入れて五人ね」

もう怒った。
梓ちゃんにギター弾かせて多分…って言うか絶対下手くそだと思うからボロクソ文句を言ってやる。

唯「憂ギター持って来て!」

憂「わかったぁ~」

憂「はいお姉ちゃん」

唯「ありがとう!梓ちゃんそんなに自信あるなら弾いてみてよ!」

梓「いいですよいいですよ」

唯「よーし…じゃあ弾いて」

梓「はーい」



梓「はい終わりましたー!」

う、上手い…これは予想外だ凄く上手い。
どうしよう…本当にギター教わろうかな…仕方ないよね、悔しいけど教えて貰おう。

憂「梓ちゃん上手ー!」

唯「わ、私にギター教えてよ」

梓「やっとその気になりましたねー」

梓「でも一つ提案があります」

唯「なに?」

梓「私を軽音部に入れて下さいね」

唯「………わかった、いいよ」

梓「やったー!」

憂「よかったね梓ちゃん!」

これで五人目か…向こうの私のバンドと同じ人数しかも同じメンバー。


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最終更新:2010年06月06日 23:09