唯「今日は疲れたし風呂入って寝ようかな」

梓「一緒に入りましょーよ」

唯「はぁ?」

梓「だから一緒に入りましょーよ」

唯「お断りします」

梓「チッ……」

うわぁ…舌打ちしたよこの子。
悪い子じゃないと思うんだけどね。

憂「梓ちゃん私と入ろうよ」

梓「うん!いいよ」


唯「風呂終わったから次は二人が入ってきなよ」

梓「はーい」

憂「わかったぁ~」

しかし…友達二人でお風呂入るだなんて…考えられないな。
私も幼稚園以来、憂と一緒にお風呂入ってないな。
まぁ…これから入る事も無いと思うけど…体の成長は服の上からでも分かるしね。


二人が風呂上がる前に寝ようかな。
その前に鏡で私と少し話そう。

唯「まだ起きてる?」

唯『あ…私!今ギターの練習してたんだよ』

唯「そっか…あ、バンドやる事になったよ」

唯『わぁ!おめでとう!』

唯「梓ちゃんも入ってそっちの世界と同じメンバーなんだ」

唯『うん!頑張ってね』

唯「うん…えーと、言いたい事があるんだけど」

唯『なーに?』

唯「や、やっぱり何でも無い」

唯『えー!気になるよ』

唯「ん……?」

何処からかガラスを釘で引っ掻いたような音が微かに聞こえた。


唯『どうしたの?』

唯「いや…フレディが窓を引っ掻いてる音が聞こえたから」

唯『ふれでぃ?……あぁぁ!』

唯「うるさいな…いきなりどうしたの?」

唯『鏡に傷が…大事にしてたのに!』

本当だ…前に見た時とは別の傷が出来てる。

唯『そっちの私の鏡にも傷が出来てるの?』

唯「うん出来てる」

唯『何なのかなぁ?』

唯「分かんない多分鞄に入れた時に出来たんじゃない?」

唯『そっか~そーだよね!』

唯「じゃあ私は寝るから…あ!明日も学校に持って行くから急に喋りかけないでね」

唯『大丈夫だよ~わかってるって』

唯「じゃあおやすみ」

唯『うんおやすみ~』



翌日、私は違和感を感じた。
ベッドの隣に誰かいる。

唯「うわぁっ!」

梓「うぅ………」

ちょっと待て待て…何で梓ちゃんが私のベッドで寝てるんだ。

唯「ちょっと!梓ちゃんちょっと!」

梓「うぅ…ふわぁ~」

唯「ちょっと起きて」

梓「な、何ですかこんな朝早くに…」

唯「分かるでしょ!何で私のベッドで寝てるの?」

梓「憂のベッドは二人寝れないからですよー」

唯「せめて何か言ってよ!あーびっくりした」

梓「ごめんなさい…私はまだ少し寝ますねー」

唯「はぁ…わかった、憂の弁当作らなきゃ…梓ちゃんはいらないよね?」

梓「パン買いますから大丈夫ですよーおやすみなさい」

何と言うマイペースな子なんだろう。
将来が不安だよ憂より不安だね。



二人分の弁当を作り終えた私は朝のワイドショーを見る。

憂「お姉ちゃんおはよう…」

唯「あ…憂おはよう梓ちゃんは?」

憂「まだ寝てるよ~」

唯「そっかー梓ちゃん私のベッドで寝てたんだよ」

憂「ご、ごめん私のベッド小さいから…」

憂が来たらよかったのに。


梓「おはよう……」

憂「おはよう梓ちゃん」

唯「おはよう…私達もうすぐ学校に行くから梓ちゃん制服に着替えて」

梓「もうですか?わかりました着替えて来まーす」

唯「うん…私達も着替えようか」

憂「うん!」


何時ものように制服に着替えて鏡を鞄の中に入れる。
向こうの私がおはようと挨拶して来たけど無視して鞄の中に突っ込んだ。

唯「みんな着替え終わったみたいだね…行こっか」

梓「はーい!」

憂「うん!」

梓「今日はいい天気だー私は脳天気だけど!」

唯「よくわかってるね」

梓「先輩ひどーい!」

憂「でも梓ちゃん面白いよ~」

梓「ありがとー」

唯「あ、あの後ろ姿…琴吹さんだ」

唯「琴吹さん!」

紬「え…あ、平沢さん…おはよう」

唯「おはよう」

梓「誰ですかー綺麗な人ですねー」

唯「あー…彼女は琴吹紬さんだよ」

梓「よろしくでーす」

紬「よろしく……」

梓「普段は何してるんですかー?」

紬「…………」

私より身長高いんだから後ろに隠れても意味無いと思うよ琴吹さん。

唯「あんまり質問しないとっとと歩く」

梓「はーい!」

憂「琴吹先輩おはようございます」

紬「せ、先輩……」

唯「あ……琴吹さんこの子も一緒にやる事になったからバンド」

紬「うん…これで五人だね…」

梓「琴吹さんもやるのー!?何やるの?」

唯「ピアノだよ」

梓「私が思った通りだ!」

憂「お姉ちゃんがギターだよね?」

唯「う、うん」

梓「私と平沢先輩がギターで琴吹さんがピアノ…ベースとドラムは誰ですか?」

唯「ベースは秋山さんドラムは田井中さんだよ」

梓「へー早くやりたいなぁ」

憂「私もお姉ちゃんが演奏してる姿見たい!」

唯「それは随分先になるかもね」

紬「軽音部が出来なかったらどうするの…?」

唯「そん時はそん時また別に考えるよ」

紬「うん……」

唯「あ…それと梓ちゃんは昼休みの時間、私達の教室に来てよ」

梓「いいですよー昼休みですねー」

梓「学校着きましたねーじゃあ私達は行きますからね」

憂「バイバイお姉ちゃん琴吹さん」

唯「うんバイバイ」

紬「バイバイ……」

唯「私達も行こっか」

紬「う、うん……」


律「唯ちゃんとムギちゃんおはよー」

唯「唯ちゃん?」

紬「ムギちゃん…?」

律「うん!唯ちゃんとムギちゃん」

唯「そんな呼ばれ方された事無いからびっくりした…」

紬「私も……」

律「これからはこう呼ぶね私達友達だからね~」

そっか友達か……。

唯「私達って友達なんだね…」

律「うんうん友達!」

紬「うん…どうかしたの?」

唯「いや…何でも無いよ…」

律「あ!あの鏡見せてー」

唯「今はダメだから」

律「ケチー」


さわ子「おはよう!」

唯「あ…先生来たよ」

律「うん!」

さわ子「平沢!軽音部復活する事になったぞ」

唯「ほ、本当ですか?」

さわ子「私が顧問だ!よかったな」

紬「やった……」

律「これでバンドやれるね!」

嬉しかった…軽音部が復活すると聞いて私は凄く嬉しかった。
山中先生が顧問になる事はマイナスだけどね。

昼休みになり私達は教室へ集まった。

梓「先輩!来ましたよ」

唯「うん、知ってる」

律「この人が梓ちゃん?」

梓「あ、ギターの中野梓でーすよろしくお願いします」

澪「あぁ…よろしく」

梓「軽音部復活したんですよねー!」

唯「うん、これでみんなでバンドやれるね」

紬「うん……」

澪「頑張ろうなみんな」

唯『な、何これー!!』

梓「あれ?何か聞こえましたよ」


勝手に話しかけたらダメって言ってるのに…。

梓「何か聞こえませんでした?」

律「あのねー鏡が喋るんだよ」

梓「白雪姫なら見た事ありますよー」

まぁ…梓ちゃんには隠す程の事でも無いような気がするし…見せてやろうかな。

唯『みんな!ちょっとこれ見てよー!』

唯「梓ちゃんちょっと今からある物を見せるから驚か無いでね」

梓「どんとこいでーす!」

澪「見せるのか…?」

唯「うん…軽音部のメンバーだけの秘密だから誰にも喋ったらダメだよ」

梓「はーい!」

私達以外、教室に誰もいない事を確認すると私は鞄の中から鏡を………何これ。

唯「ちょっとみんな…鏡がヤバイ事になってるよ!」

紬「鏡がどうしたの?」

唯『みんな鏡が……』

唯「ヒビが入ってる…」

上から下へ大きなヒビ。
向こうの私の顔は真っ二つに割れていた。

澪「と、とりあえず見せてみろ」

唯「ほ、ほら…」

紬「……………」


唯「どーいう事?」

唯『わ、私…鏡が鏡が……』

唯「そっちも割れてるんだ…」

唯『うん…』

梓「何ですかこの鏡…何で勝手に喋ってるんですか?」

唯「今それはどーでもいいよ…」

紬「セロハンテープ…」

唯「無理無理くっつかないって」

澪『どうかしたのか?』

唯『澪ちゃん鏡が…』

律『本当だ…ヒビ入ってる…』

澪「どうする?」

唯「どーしようも出来無いでしょ…」

梓「え?え?…秋山さんに田井中さん…え?何ですかコレ怖いんですけど…」

紬『唯ちゃん…コレ』

ヤバイまた…大きなヒビが入った。
私は何もしていないのに…。

律「ど、どんどん…酷くなってくよ!」

唯「どうしよう…どうしよう……」

梓『唯先輩…鏡にまた一つヒビが…』

梓「あれ?私?ちょっとコレ意味わかんない…鏡が私が喋った…」


唯『割れちゃうのかなぁ…?』

律『わからない……』

梓「何で鏡の中の私が喋ったんですか?怖いなぁ…コレ怖い」

梓『わ、私だ…』

梓「話しかけて来たよ……なんで?」

唯「ごめん梓ちゃんちょっと黙ってて」

また大きなヒビが入った…。
不吉だ…鏡に入ったヒビは4と言う数字に似ている。


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最終更新:2010年06月06日 23:10