さわこ「話は終わった?」
唯「あ、さわちゃん先生!」
律「おう、終わったぜ。」
さわこ「今後のそれぞれの部の活動についてなんだけど・・・。吹奏楽部のコンクールは2週間後、りっちゃんにはコンクールまで吹奏楽部に来てもらうわ。」
澪「まぁ、時間もありませんし、当然ですね。」
さわこ「それで、2週間の間は軽音部は自主練習の期間にするわ。」
紬「りっちゃんがいないとみんなで合わせることもできないですものね・・・わかりました。」
澪「ちょっと待って。先生、それは暫くの間は事実上活動停止になるってことですよね?」
さわこ「えぇ、そうなるわね。」
澪「じゃあ・・・。自主練の期間でもいいと思うんだけど、曲作りに専念するっていうのはどうかな。」
唯「曲作り?」
澪「あぁ、律が頑張っている間、私達もじっとはしていられないだろ?」
梓「いいですね!私も曲は作れませんが、ギターのアレンジを考えるくらいはできますし!」
唯「じゃあ私もあずにゃんと一緒にギター考えるね!」
紬「うふふ、なんだかいい曲が書けそうだわ♪」
澪「よし、じゃあ決定!場所は今まで通りムギのスタジオな!」
さわこ「そうそう、コンクールが終わった後の音楽室はやっぱり、ローテーションで使って貰うことになるわ。」
律「全然オッケー!」
吹「私達もそれで構いません。」
さわこ「それじゃ決まりね!」
吹「じゃあ、早速明日から練習に参加してもらうわね。明日は朝の9時に音楽室に来て頂戴。」
律「9時・・・わかりました。」
唯「明日は学園祭の次の日だから学校はお休みなのに・・・。大変だね。」
澪「それだけ時間がないってことだろ?」
吹「あら、休日の練習はコンクール前だけじゃないわよ?」
梓「そうなんですか?」
楽「はい。吹奏楽部の土日練習はない日の方が珍しいくらいですよー。」
律「うーん、聞けば聞くほど私達がどれだけ緩くやってきたかってのが身に沁みるなw」
吹「いいのよ。あなたたちが緩かったお陰で土日は音楽室使えてたんだから。」
律「う・・・本当にすみませんでした。」
吹「とりあえず、いままでのことは水に流しましょう。
田井中さんがこの話引き受けてくれたこと、本当に感謝してるわ。」
律「うん、それじゃお言葉に甘えて。水に流せるだけの演奏できるように頑張りますよ。」
唯「りっちゃんガンバ!」
律「おうよ!」
吹「うふふ。それじゃ、また明日ね。」
バタン
唯「行っちゃったね。」
律「あぁ。とりあえず、この楽譜の解読しようかな・・・。」
梓「・・・確かに、これは難解ですね・・・。」
紬「・・・打楽器の楽譜は独特でさっぱりね。」
律「コンクール、間に合うのかなー。いや、間に合わせるしかないんだけどっ。」
澪「律。」
律「うん?」
澪「頑張れ。」
律「・・・おう!」
次の日!
律「うわ、すげぇみんなマジで朝っぱらから来てる・・・!」
楽「あと5分くらいしたら出欠とりますからね、もうみんな揃ってるハズです。」
律「みんな真面目だな・・・(私達が休日練習に集まったら、唯あたりが遅刻してくるな、確実に)」
楽「真面目な子ももちろんいますけど・・・。みんな罰ゲームが怖いんですよ。」
律「罰ゲーム?」
楽「遅刻5回で罰ゲーム1回なんですよーw」
律「マジか・・・!罰ゲームって?」
楽「それは罰ゲームになってからのお楽しみです☆」
律「あ、やっぱ私も参加させられるんだな・・・ww」
楽「えぇ♪こういうところからみんなと同じでいた方が連帯感出ると思いません?」
律「うん、まぁ一理あるな。」
奏「おはよー・・・。」
楽「あ、奏ちゃんおはよー!ギリギリで罰ゲーム免れたね!」
奏「だよね、私もちょっと焦ってたんだww」
楽「奏ちゃん朝弱いもんねww」
奏「うん・・・wあ、田井中さんもおはよう。」
律「おう。おはような。」
「みんな揃ってる?」
一同「おはようございます!」
吹「おはよう。じゃあ早速だけど、これから出欠をとるわね。・・・阿部さん・・・荒井さん・・・」
……
吹「というわけで、今日はいつも通り2時間パート練習をした後に合奏ね。
各パートの練習場所は黒板に書いてあるから確認して頂戴。
ちなみに今日は視聴覚室が使えないからフルートとサックス、クラリネットは同じ教室で練習してもらうことになったわ。
あ、それと。いつも言っていることだけど、合奏の10分前には音楽室に戻ってきてね。
では、解散。」
律「まずはパート練習か。・・・そういえば楽って何の楽器なんだ?」
楽「私?私はクラリネットですよ。」
律「あー、なんか『っぽい』な!」
楽「えへへ、よく言われるwwでも田井中さんもドラムっぽいって言われません?」
律「うー悔しいがその通りだw・・・っていうか同学年だろ?敬語じゃなくていいよ。」
楽「えーと、うん!わかった!」
律「これも言わないとそのままだから言うぞ?」
楽「うん、なになに?」
律「田井中さんじゃなくて名前で呼んでくれ。」
楽「律・・・でいいのかな。」
律「違う、りっちゃんだ!」
楽「それあだ名じゃないの!?」
律「なんか最近はそっちの方がしっくり来るんだよなー。」
楽「オッケー、じゃありっちゃんって呼ぶね。」
律「おう!奏もだぞ!?」
奏「う、うん、わかったよ、りっちゃん。」
律「ふふーん♪」
楽「なんか満足げだねw」
奏「っていうか嬉しそうwww」
律「・・・あれ?」
奏「どうしたの?」
律「そーいや、吹さんってなんのパートなんだ?」
奏「吹さんはトランペットだよ。」
律「あー、やっぱ『っぽい』なー。」
奏「そうかな?吹さんはフルートとかも似合いそうだなー。」
律「っていうか一番『っぽくない』のが奏だよなー。」
楽「そう?私、奏ちゃんはパーカッション!って感じするけどなー。」
奏「それはねー。だって小学校の器楽部のときからずっと一緒じゃん。」
楽「あー確かにwwイメージが定着してるのかもねww」
律「そもそも奏は吹奏楽部っていうよりバスケ部って感じだな!」
奏「ちょwwwでもそれ、よく言われるよ。運動部っぽいとかね。」
律「そうそう、そんな感じ!」
楽「奏ちゃんずっとパーカッションなのにねwww」
奏「あはははwww」
律「あははww」
律「・・・。」
楽「どうしたの?」
律「いや、吹さん。パート練習いかないのかなーって。」
楽「あ、あぁ・・・。」
奏「吹さんはね、生徒指揮だからあまり楽器の練習はしないんだよ。」
律「生徒指揮って?指揮者か?」
奏「うん、去年までは市民吹奏楽団の人が指揮してくれてたんだけどね。
不景気で色々と仕事の関係が忙しいらしくて・・・今回は指揮を断られちゃったんだ。」
律「そうだったのか。」
楽「全然指揮してくれる人が見つからなかったときに、吹さんが自ら立候補したの。」
律「・・・。」
楽「吹さんだって、高校最後のコンクールでトランペット吹きたかったハズなのに・・・。」
律「・・・。」
奏「吹さんが覚悟決めてトランペット吹くの諦めたっていうのに、怪我しちゃうあたしって・・・。」
楽「それとこれとは話が別だよ、奏ちゃん!」
奏「うん、そうだよね・・・。」
楽「ほら、気にしない気にしない!」
奏「うん、ありがとっ。」
律「・・・。」
…
律「よっしゃー!!!」
音楽室で楽器の準備をしていた一同「!?!?」
律「練習するぜ!やってやろうじゃねぇの!」
楽「なんかよくわからないけど、気合が入ったんだね?」
律「おうよ!」
奏「りっちゃんは元気だね。」
律「スネアだろうがスネ夫だろうが叩いてやろうじゃねぇの!」
楽「やめてりっちゃんスネ夫は無実だよ!」
一週間後
吹「・・・。」
奏「・・・。」
楽「・・・。」
律「な、なんだよ?私間違えたか?」
楽「いえ・・・えっと、その。」
奏「その逆だよ。正直、りっちゃんが譜面渡されて一週間でここまで出来るなんて、思ってなかった・・・。」
律「え!?なんだよぅ!奏が言ってくれたんだろ?『田井中さんならできる』ってさー!」
奏「それはそうなんだけど。あれは『りっちゃんならギリギリ本番に間に合わせられる』って意味で言ったんだ。」
律「」
奏「まさか一週間でここまで叩けるようになるなんて思ってなかったよ。」
律「そ、そりゃあ私だってやるときはやるぜ!」
吹「確かにアクセントやフラムといった細かい表現に関してはまだぎこちないけど・・・。この調子でいけば、もしかしたら・・・!」
奏「りっちゃん、吹奏楽の経験があるとか?」
律「ないないwぶっちゃけ未だに立ちながらスネア叩くのに違和感があるぜ。ドラムではいつも座って叩いてたからなー。」
奏「確かに。体勢が変わるとちょっと叩きにくくなったりするよね。」
律「それにハイハットもシンバルもないし・・・。基礎練習もドラムとスネアじゃ結構違うのな。」
奏「そうか、色々とありがとう。」
律「それは言わねぇ約束だって。」
奏「あ、ごめん。」
奏「田井中さんの演奏、ホントね、雰囲気はすごいいい感じなんだ。」
楽「うん、そうそう。ただ、なんていうか・・・。」
奏「うーんと、単刀直入に言うとねー・・・。」
吹「走りすぎ、ね。」
律「(この人もバッサリだー!!)」
吹「何故走るの?」
律「それは私がドラマーだから。」
吹「よし、全国のドラマーに謝って来なさい。」
律「ごめんなさい、嘘つきました。」
最終更新:2010年01月22日 21:49