唯「………」ぼー
和「…ゆいちゃん?」
唯「……なーに?」ぼー
和「お空になにかあるの?」
唯「…なにもないよー?」
和「…へんなの」
…
唯「うんたん♪うんたん♪」
先生「唯ちゃん上手ねぇ~」
唯「えへへ…」
和「…うんたん」
唯「あー!」
和「っ!?」ビクッ
唯「私のまねしてるー!」
和「…真似しちゃだめなの?」
唯「いいよ!一緒にやろう♪うんたん♪」
和「…やっぱりへんなの」
唯「のどかちゃんあそぼー!」
和「いいよ。なにしてあそぶ?」
唯「う~ん…いっしょにお空みよう!」
和「いいよ」
唯「………」ぼー
和「………」
唯「………」ぼー
和「…ねぇ」
唯「…なーに?」
和「…楽しい?」
唯「たのしい!」
ピンポーン
唯「はーい のどかちゃん!」
和「こんにちはゆいちゃん」
唯「どうぞあがって!ママ―!のどかちゃんきたー!」
唯母「あらあら いらっしゃい」
和「おじゃまします」ペコ
唯母「ずいぶん礼儀正しい子ね」
唯「のどかちゃーん!はやくはやく!」
唯母「まったく…うちの唯ときたら…」
唯「みてのどかちゃん!」
和「わぁ!かわいいねぇ。ゆいちゃんの妹?」
唯「そうだよ!ういっていうの♪」
憂「はじめまして。ひらさわういです」
和「よしよし。私はまなべのどかです」
唯「わたしはひらさわゆいだよ!」
和「しってるよ」
和「それじゃぁ私そろそろかえるね」
唯「えー!?もうかえっちゃうの?もっといてよ!」
和「でも、もう5時だし…」
唯「いやだのどかちゃん!かえらないで!」
唯母「唯!わがまま言わないの。和ちゃんのお母さんが心配しちゃうでしょ?」
唯「うう…ぐす…」
和「ごめんねゆいちゃん…またあそぼうね?」
唯「やくそくだよ?」
和「うん やくそく」
…
和「ゆいちゃんかぜでおやすみか…」
和「………」
和「………」
和「…お空でもみてよう」
和「………」ぼー
和「………」ぼー
和「…つまんないの」
唯「のどかちゃ~ん!」
和「ゆいちゃん!かぜはだいじょうぶ?」
唯「もう平気だよ~」
和「そっか…よかった」
唯「えへへ!心配かけてごめんね?」
和「いいよ」にこ
唯「わたしね。のどかちゃんがだいすきだよ♪」
和「わたしもだよゆいちゃん。ずっとなかよしでいようね」
唯「ねー♪」
…
唯「わたしたち明日で卒園なんだよね」
和「そうだよ」
唯「わたしたち同じ小学校にいくんだよね」
和「そうだよ」
唯「じゃあまた小学校でもなかよくしようね♪」
和「うん!よろしくね唯」
唯「のどかちゃーん!」
和「唯!やったね!私達同じクラスだよ!」
唯「クラス?クラスってなあに?」
和「同じおへやで勉強するってことだよ」
唯「ほんと!?やったー!」
和「やったー!」
…
唯「のどかちゃん いっしょに給食たべよ♪」
和「いいよ」
唯「~♪」
和「ごきげんだね なにかいいことあったの?」
唯「えへへ、今日の給食はカレーなんだよ~♪」
和「ああ…そういうことね」
唯「のどかちゃーん…」
和「唯?どうしたの?」
唯「しゅくだい教えて…」
和「また?少しは自分の力でやったほうがいいよ?」
唯「そこをなんとか!」
和「もう…しょうがないんだから」
唯「おお!ありがとうのどかちゃん!大好き♪」
和「はいはい…」
唯「…あ!あった!」
和「…どうやら私達別々のクラスになったみたいね」
唯「そんなぁ…寂しいよのどかちゃん…」
和「こればっかりはしょうがないわよ唯…」
唯「…のどかちゃんは私と離れるの寂しくないの?」
和「なにいってるの…。寂しいに決まってるじゃない」
唯「ほんと?嘘じゃない?」
和「嘘じゃないよ」
唯「の…のどかちゃーん!」
和「まぁこれを機会に自分の力で勉強することを覚えなさい」
唯「うぅ…はーい」
和「よろしい」
がら
唯「和ちゃーん!宿題教えてー!」
和「…嫌」
唯「えぇ!?なんで!?」
和「唯…たまには自分の力でやろうと思わないの?」
唯「いつも思うんですけど…その…忘れてしまいまして…」
和「はぁ…唯らしいわね」
唯「えへへ…めんぼくない」
和「大体家に帰ったらすぐに宿題をやる習慣をつければいいのよ」
唯「はい…ごもっともです」
和「まったく…いつもは家で何をしているの?
唯「えへへん!よくぞ聞いてくれました!」
唯「実は私、家でギターの練習をしているのです!」
和「…唯がギター?」
唯「そう!だからまったく勉強も宿題もしてません!」
和「いばって言うことじゃないわよ…でもなんでギターなんか…?」
唯「かっこいいから!」
和「…え?それだけの理由?」
唯「そうだよ。十分な理由だよ」
和「まぁ…唯らしいっちゃ唯らしいわね…」
ピンポーン
がちゃ
唯「はーい。和ちゃん!」
和「こんにちわ唯。遊びに来たわよ」
唯「どうぞ上がって♪」
唯母「あら、こんにちわ和ちゃん」
和「こんにちわ。お邪魔してます」ペコ
唯母「相変らず和ちゃんは礼儀正しいわねぇ」
唯「和ちゃん!じゃ~ん!」
和「おお。ギターだ」
唯「えへへ…かっこいいでしょ!」
和「かっこいいよ。何か弾いて見せてよ」
唯「うん!~♪」ジャカジャカ ジャン
和「………」
唯「えへへ…どうだった?」
和「…すごく上手だわ。すごいじゃない唯!」
唯「ありがとう♪勉強しないで頑張ったかいがあったよ!」
和「勉強もちゃんとしなさい」
唯「…はーい」
唯「………」ぼー
和「…なにぼーっとしてるのよ」
唯「あ。和ちゃん」
和「私達来月から中学生なのよ?もっとしっかりしなきゃ」
唯「えへへ…そうだね」
和「まったく…唯は昔から変わんないね」
唯「和ちゃんもだね。なんだか私のお姉ちゃんみたい」
和「お姉ちゃんか…その通りかもね」
唯「うん!…ねえ和ちゃん」
和「なに?」
唯「中学校でも私と仲良くしてくれる?」
和「…当たり前じゃない。これからもよろしくね」
唯「うん!」
唯「和ちゃ~ん…」
和「唯…また宿題?」
唯「なんでわかったの!?」
和「いつも通りだからよ…はい」
唯「おお!ありがとう和ちゃん!」
和「まったく…いつになったら自分でやってくるのかしら」
和「そう言えば唯…」
唯「んー?なーに?」
和「まだ家でギターの練習してるの?」
唯「してるよ!腕もだいぶ上達したよ!」
和「そうなんだ。今度聞かせてね」
唯「いいよ!楽しみにしててね」
ピンポーン
がちゃ
憂「はーい。あ、和さん!」
和「久しぶりね憂ちゃん。唯はいる?」
憂「ちょっと待っててください。おねえちゃーん!」
憂「………」
唯「…部屋にいると思うので勝手に上がってください」
和「ありがとう。お邪魔するわね」
こんこん
和「唯ー。遊びにきたわよ」
「……」
和「唯ー?部屋に入るからね」
がちゃ
唯「すぅ…すぅ…」zzzz
和「…寝てる」
唯「う~ん……っは!?」
和「…おはよう」
唯「和ちゃん…いらっしゃい」
和「…でももう帰る時間」
唯「えっ?今何時?」
和「夕方の6時だよ」
唯「そんな…ごめんね和ちゃん」
和「いいよ…また今度遊びに来るから」
唯「そうだ!一曲だけでも聞いていってよ!」
和「まぁ一曲くらいなら…」
唯「やった!それじゃあ…」
唯「~~~♪」ジャカジャカ ジャン
和「す…すごい!うまくなったね唯!」
唯「へへ~ん!プロになれるかな?」
和「…プロになりたいの?」
唯「うん!目指すは武道館!」
和「そっか…応援するわ」
唯「うん!ありがとう♪もし私が武道館で演奏する時は絶対見に来てね!」
和「わかったわ。約束する」
唯「うん!約束」
和「…じゃぁ私そろそろ帰るわね」
唯「うん。また明日ね~」
和「それじゃあお邪魔しました」
……
先生『えー…みんなに残念なお知らせがある…』
先生『…亡くなったそうだ』
~
和「………」
和「………」
和「…唯の嘘つき…プロになるんじゃなかったの?
…武道館はどうするの…?」
和「……嘘つき…」
それからの中学校生活はあっという間だった。
唯がいないだけでこんなにも毎日がつまらなくなるなんて
私にとって、それだけ唯はとても大きな存在だったんだ。
和「今日から私は高校生だよ。唯」
最終更新:2010年01月28日 03:14