律「き、気のせいじゃないかー?」

唯「あれー?そうかな・・・気のせいかな?」

律「そ、そうそう!気のせい気のせい!」

唯「う~ん、やっぱり太ってるような気が・・・ねぇりっちゃん。ちょっと体重計に乗ってみなよ」

律「え、えぇ!?嫌だよ!!」

唯「いいからいいから!ほら」

律「わわっ!」

ギシッ・・・ギィ・・・

唯「は、80キロ・・・」

律「うわあああああああああ!!」

唯「りっちゃん・・・」

律「うぅぅ・・・太ってることは分かってたんだよ・・・でもまさかここまでとは・・・」

ガチャッ

紬「こんにちは」

唯「あ、ムギちゃ・・・」

律「ムギィィィィィ!!」

紬「わっ・・・ど、どうしたの?」

律「私めちゃくちゃ太っちゃったよぉ~!どうしよぉー・・・」

紬「あらあら・・・」

唯「ね、ねぇムギちゃん・・・」

紬「なぁに?唯ちゃん」

唯「ムギちゃんもちょっと太ったような気が・・・」

紬「!!」

紬「き、気のせいじゃないかしら・・・?」

唯「じゃあ試しに体重計乗ってみようよ」

紬「・・・遠慮しておくわ」

唯「りっちゃん!ムギちゃんを押さえて!」

律「ほいきた!」ガシッ

紬「は、離して~・・・!」

唯「ほ~ら観念して・・・どれどれ」

ギシィッ・・・ギッ・・・

唯「95キロ・・・」

紬「・・・・」

律「ムギ、私より太ってんじゃん!」

紬「うぅ・・・」

唯「自分では太ってるのって中々気づかないもんだよねー」

律「ていうか唯!気づいてるんならどうしてもっと早く教えてくれなかったんだよ!?」

唯「だ、だって~・・・私の気のせいだったらどうしようって思って・・・」

律「こんだけ太ってて気のせいなわけないじゃん!まぁ気づかない私たちも私たちだけどさ・・・」

唯「あれ?そういえば澪ちゃんは?」

律「もう来るって言ってたけど・・・」


ドスン、ドスン、ドスン・・・ガチャッ

澪「ゼーッ、ゼーッ・・・あぁ、もう皆来てたんだ。コフーッ、コフーッ」

唯・律・紬「・・・」

澪「こふーっ・・・いやー最近なんだかやけに息切れするな・・・運動不足かな?」

律「おい澪・・・」

澪「なんだ?律」

律「何も言わずにこの体重計に乗れ」

澪「は、はぁ・・・?なんでいきなりそんな・・・」

律「唯!ムギ!」

唯・紬「ラジャー!!」ガシッ

澪「えっ!?ちょっ・・・やめろよ!二人とも!離せ!」

紬「大人しく体重計に乗ってくださいぃ~・・・!」

唯「すぐ終わるから!すぐ終わるから!」

澪「だからやめろって・・・うわわっ!」

ギシッ・・・ギィッ・・・・メタタタタタッ!

律「うわーっ!!メーター振り切ったぞ!!」

唯「市販の体重計じゃダメだよ!」

紬「こっちの大型動物用のを使いましょう!」

律「ほら、澪!もう一回!」

澪「嫌あああああああああ!」

ギシッ・・・ギィッ・・・

唯「ひゃ・・・160・・・キロ・・・」

紬「すごい・・・」

律「澪・・・お前がナンバー1だよ・・・」

澪「いやあああああああああああああ!!」


澪「ひっ・・・ひっく・・・」

律「そ、そんなに泣くなよ澪・・・」

紬「澪ちゃん落ち着いて」

澪「こんな現実みたくないよぉ・・・」

唯「大丈夫だよ澪ちゃん!私、ダイエット手伝ってあげるから!」

紬「そういえば唯ちゃんだけ太ってないわね」

律「そうだな。唯も一緒にケーキやらお菓子やらバクバク食べてたのに・・・」

唯「いや~ほら、私は太らない体質だから」

澪「一人だけズルいぞ!このっ!」

バシンッッッ!!!

唯「も゛ッ!!!」

ドンガラガッシャアァァァァァァァァァアアン!!


律「お、おい!今のはやりすぎだろ澪!唯吹っ飛んだじゃんよ!」

澪「そ、そんなに力を入れたつもりは・・・」

紬「二人とも大変!」

律「どしたムギ!?」

紬「唯ちゃんの様子が変なの!」

澪「え!?」

唯「ひゅっ・・・ひゅっ・・・」

律「ホ、ホントだ・・・!何か呼吸がおかしいぞ!」

唯「ひゅっ・・・ゲホッ・・・・ゴプッ!」

ビチャビチャビチャ!

律「う、うわぁっ!血ぃ吐いたぞ!!」

澪「あ、あ、あ・・・そんな・・・」

律「ムギ!救急車呼べ!!」

紬「は、はい!」

ピーポーピーポー・・・


―病院―

律「くそ・・・手術まだ終わらないのかよ・・・」

紬「唯ちゃん大丈夫かしら・・・」

澪「ひっく・・・うぅ・・・私のせいで・・・私のせいで・・・」

憂「澪さん、自分を責めないでください・・・わざとじゃなかったんでしょ?」

澪「わざとじゃないにしても!私が悪いんだ!ちくしょうっ!!」

ドゴォンッ!!・・・グララララ・・・

ざわざわ・・・な、なんだ!?・・・地震!?・・・
  震度5はあったぞ・・・ざわざわ・・・

律「おい澪やめろ!他の患者さんたちに迷惑だろ!?それに今手術中なんだから・・・!」

澪「ご、ごめん・・・コフーッ、コフーッ!」


それから数時間後・・・

ウィーン・・・

医者「ふぅ・・・」

憂「あ、お医者さん出てきたよ!」

律「ホントだ!先生!」

紬「先生!」

澪「コフ先生ー!」

ドスンドスンドスンドスン!グラグラ・・・

医者「うぉっ!?な、なんだね君たちは・・・!」

律「唯の友人です!それで先生!唯は・・・」

医者「あ、あぁ・・・とりあえず手術は無事に終わったよ」

紬「本当ですか?よかった・・・」

医者「でも・・・しばらくは集中治療室から出られないだろうね」

澪「そ、そんなに酷いんですか!?」

医者「全身数箇所の骨折・・・それに加えて折れた肋骨が何本か肺に突き刺さっていたんだ」

澪「・・・」

医者「でも心配しないで。安静にしてリハビリをちゃんとすればまた元通りの生活ができるから」

澪「ほ、本当ですか!?」

医者「あぁ」


澪「よかった・・・」

医者「それにしても災難だったね。ダンプに轢き逃げされたんだって?」

律(げ、原因がすり替わってる・・・!)

医者「犯人、早く捕まるといいね。それじゃ僕はこのへんで」

澪「ありがとうございました先生・・・」


紬「手術、無事に終わってよかったわね」

澪「あぁ・・・本当に良かった・・・」

紬「こんなことを二度と起こさないためにもダイエットしなきゃね」

澪「うん・・・」

律「なぁどうせなら競争しようぜ!」

澪「え?競争?」

律「そう!3人別々に一ヶ月ダイエットやってさ、それで一番痩せた人が勝ちって事で!
  そのほうがやる気とか出るだろ?」

紬「それはいいかもしれませんね」

律「だろ?・・・澪は?」

澪「ん・・・律がそういうなら」

律「よーしじゃあ決定!それじゃ二人とも一ヵ月後部室で体重測定な!」



そして1ヵ月後・・・

律「おーっす澪ー!」

澪「あ、律・・・」

律「ダイエットちゃんとしたかー?」

澪「し、したよ!そういう律はどうなんだ?」

律「んふふー♪見てわかんない?」

澪「あ、ちょっと細くなってるな・・・」

律「だろー?がんばったんだぜー!」

澪「あ、ところでムギは・・・?」

律「ムギはちょっと遅れるってさ。だから私たちだけで先に体重測定しようぜ」

澪「うん・・・」

律「じゃあまずはわたしからな。・・・どれどれー」

ギシッ・・・ギィ・・・

澪「68キロ・・・だな」

律「12キロ減か・・・まぁ一ヶ月にしちゃかなりできたほうだよな」

澪「律はどんなダイエットしたんだ?」

律「ん?そりゃもうひたすら運動よ!あとは食事制限とか」

澪「なるほど。王道だな」

律「ふふん♪やっぱり王道が一番確実なんだよ」

ガラガラッ

紬「ごめんなさーい。遅れちゃった」

律「あ、ムギ遅かったな・・・って、え?」

紬「どうかした?(スラ~~リホッソリ)」

澪「な、なんかメチャクチャ痩せてないか・・・!?」

律「ちょ、ちょっと体重計乗ってみて!!」

紬「えぇ、分かったわ。・・・よいしょっと」

ギシッ・・・ギィ・・・

澪「え?・・・・・よ、よよよ45キロ!?」

律「あ、ありえない・・・!だって1ヶ月前は90キロだったろ!?ということは・・・・45キロ減!!?」

澪「半分減ってる!!!」

律「ありえないって・・・・人間じゃない・・・」


澪「な、なにやったんだムギ・・・?」

紬「私はこれを使って痩せたの」

律「なにこのスーツ・・・・」

紬「家の会社で開発されたダイエットスーツよ。」

澪「ダイエットスーツ・・・?」

紬「えぇ。これを毎日30分着ているだけで劇的に痩せることができるの」

律「な、なんだよそのすっごいアイテム!そんなんあったなら教えてくれたっていいのに!ちょっとかして!」

紬「あっ!ちょっとまって・・・!」


律「よーし装着完了!・・・で、この後どうすればいいの?」

澪「あ、ここになんかスイッチがついてるぞ」

紬「あっ・・・押しちゃだめ!」

澪「え?」

ポチッ

ヴヴヴヴヴイイィッィィィィィン!!オン!ゥオンっ!!ゥオッホン!!ブワワワワワワワワワギャギャギャ!!キュキュキュキュギュッ・・・・!

律「ぎゃああああああああ何これぇ!?熱いいぃ!!!あっあっあっ痛い痛いっ!!!!死ぬ!!あっあっ締め付ける!!!いやああああああああああ!!助けて!!!」

紬「澪ちゃんスイッチ止めて!」

澪「う、うん・・・!」

ポチッ

律「はぁっ・・・はぁっ・・・ひっく・・・痛い・・・痛いよぅ・・・・」

紬「ごめんなさい・・・それ普通の人には刺激が強すぎて没になった商品なの・・・私は大丈夫なんだけど・・・」

律「そういうことは早くいってよぉ・・・・」

律「さ、気を取り直して最後は澪だな」

紬「そうね」

澪「ね、ねぇ・・・やっぱり計らないとダメ・・・?」

律「当たり前だろー!?ほら、早く乗った乗った!」

澪「あっ・・・ちょ、ちょっと!」

ギシッ・・・ギィ・・・・

律「どうだムギ?」

紬「ひゃ・・・159キロ・・・」

律「え!?」

澪「あうぅ・・・・コフーッ!」

律「ちょ、ちょっとちょっと!1キロしか減ってないじゃん!」


律「おい澪!ちゃんとダイエットしたのかよ!?」

澪「し、したよ!!」

律「じゃあどんなことしたんだ?」

澪「・・・・朝バナナと納豆ダイエット」

律「・・・他には?」

澪「それだけ・・・」


律「・・・・・バカー!食って痩せられるなんてそんなおいしい話あるわけないだろー!?あんなのテレビのでっちあげだよ!!」

澪「うぅぅ・・・・」

律「なぁ澪・・・お前、完全に怠け癖ついちゃってるよ・・・」

澪「うっ・・・」

律「いつもは私が澪に怒られるのにさー、立場逆転しちゃってんじゃん・・・」


澪「ひっく・・・ひっく・・・こふ・・・」

律「あ・・・な、泣くなよ・・・」

澪「ぐすっ・・・うえぇ・・・」

紬「澪ちゃん、泣かないで」

澪「ムギ・・・」

紬「大丈夫よ。私がついてるわ。きっと痩せられるから。だから泣かないで」

澪「ムギ・・・・うわああああああああああんムギイイイイィィィィィ!!」

ガバッ!

律「ムギ!!避けろーーーー!!」

紬「え?」

ドッッスウゥゥゥゥゥゥウウン!!!!プチッ・・・

律「ムギイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!」

律「ムギ!!大丈夫かー!?澪どけ!!」

澪「ち、違う・・・違う・・・・私はただムギに抱きつこうと・・・」

律「いいからどけ!!」

ボヨンッ!

澪「あうっ!」

律「おいムギ!!しっかりしろ!!」

紬「・・・・・・」

律「おいムギ!!・・・・澪なにやってるんだ!?はやく救急車!!」

澪「あ・・・う、うん・・・」


ピーポーピーポー・・・・


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最終更新:2010年01月27日 00:53