梓「やだ!私ったら何考えて…」

梓「…考え…て…」

そして真顔になって、ローターを隠している引き出しを見つめた…。


↓出す?出さない?


※出す!



そっと引き出しを開ける。

梓「… … …」

梓は手に取って思わずうっとりしてしまった自分に気が付いていなかった。

昨夜の様にこの器具が与えてくれる快楽が欲しい。半ば無意識にスイッチを入れ、その振動を手の平で味わう。

梓「あっ…」

手の平から伝わる振動だけで、梓のスイッチも入ってしまった。パジャマや下着を脱ぎ去るのももどかしい。

ベッドの上で座り込んだまま上着のボタンを全て外す。フロントホックのブラも止め具を外しただけ。そしてその振動する部分を軽く乳首に押し当てた。

梓「ひゃんっ!あっ!んんんっ!」

微振動がまるでザラザラした猫の舌のような感触で乳首を包み込む。

梓「ふっ…うううんっ!」


↓そのまま乳首をor別の箇所


※別の場所~♪



梓「はぁ…はぁ…はぁ…」

一旦ローターを乳首から離し、そのままなぞるように下腹部へ。

梓「…んっ…」

ゴロンと仰向けに寝転がるとローターの先端は臍辺りで止まる。無駄な脂肪の一切ないその腹は細やかな振動をそのまま子宮に伝えた。

梓「…凄い…、こんな所でも感じる事が出来るんだ…」

変な所で思わず感動した。だけどもっと感じる箇所がそのすぐ下にあるのでここで止める訳にはいかない。

梓「…んはっ」

臍の上にローターを残したまま、パジャマのズボンごとパンティーを膝辺りまでズリ下げる。大きく足を広げる事は出来ないけど、逆に何だか拘束されているような気分を味わった。

再びローターを手に取り、その箇所を目指して這うように動かした。


股の間に潜り込ます様にローターを持った手を差し入れる。

梓「あっ…はうっ!」

そしてその部分に今度は強めに密着させると、手元のコントローラーの強度設定を…。


↓上げる?そのまま?


※上げる



梓「!んんんんうっ!!!」

強度を上げた途端、まるで電気が走ったかのような衝撃が来た。

梓「やっ…あっ!凄…いっ!」

脳天まで突き抜ける、足先の感覚が消えて無くなったと思える程の痛いぐらいの快感がその箇所から一気に溢れ出る。

梓「あああっ!んんんうっ!!!やああああっ!」

涙目になりながら首を左右に振る。片方の手でシーツを握り締めて歯を食いしばった。

もう何も考えられない。視界が白く染まって…。

梓「イくっ!イッちゃうっ!!!!あ、あ、あ、あ…」

そしてそのまま、梓は失神した…。



梓「あっ!あんっ!あああっ!やっ!また…っ!」

気が付くと、梓は何度もローターで絶頂を繰り返していた…。愛液はシーツを汚し、顔も涙と涎でグショグショになっている。

梓「まだ!もっと!もっとイきたいの!」

四つん這い状態でクリトリスを刺激し、自らの指をしゃぶりながら、そして時にはお尻の穴にまでその快楽の追求は及ぶ。

梓「あっ!!!!またイっちゃうっ!やああああああっ!!!」


そして退廃した一人だけの夜は明けた…。


梓「… … … …」

夜明け…。梓は放心したように全裸でベッドに横たわっていた。傍らには電池が切れて動かなくなったローターが転がっている。

梓「… … …」

無性に泣きたくなった。幾らなんでもこれでは痴女である。だけど一度覚えた快楽は…。

梓「…どうしよう…私…」

腕で顔を覆う。情けなさ過ぎだ。ふだん唯先輩に『しっかりして下さい』とか言っていた自分はどこに行ったのか…。



梓「…最低だ私」



梓「… … … …」

横目で、自分を此処まで狂わせたローターを眺める…。





コマンド

  捨てる

  捨てない



※捨てない




梓「… … …」

無言でローターを手に取り、キレイに拭くと再び引き出しに入れる…。

梓「…もう動かないんだし、別に捨てなくてもいいよ…ね?」

言い訳のようにそう呟いた。動かなければ使うことも無いし、電池さえ買ってこなければ…。

そして、一晩中その上で乱れたベッドの惨状を目にして。

梓「…また、洗濯しなきゃ…」


シーツを洗濯し、干してから梓はシャワーを浴びて仮眠を取った。昨夜は一睡もせずに乱れた代償だ。倒れそうなぐらいの眠気が襲ってきた。

そしてまさに泥の様に眠った。気が付けばもう夕方前。そろそろ両親が帰ってきてもいいぐらいの時間である。

梓「あ…」

携帯にメールが数通来ていた。唯先輩からだ。明日の部室での練習と、最新の方には返信が来ない事の心配をする文面まで。

梓「くすっ…唯先輩らしい」

思わず笑顔がこぼれた。そして返信を返した。色々と適当な当たり障りの無い理由で返信が遅れたと書いて。


次の日、メンバー全員が集まっての練習はコレといった出来事も無く終わり、それぞれが帰途に着く。

梓「それでは先輩方、私はここで」

まだ高い太陽が照りつける中、梓は自宅への帰路の途中の雑貨店で買い物を済ます。

そしてレジで支払いを済まそうとした時、レジのすぐ横に電池が置かれているのに気が付いた。

梓「… … …」

↓買う?買わない?


※やっぱ買っちゃった



梓「…これ…、いや、うん」

思わず手にとって買ってしまった電池。買ってしまったのはいいが、アレに規格が合うのかどうか…。

梓「ううん!違う!別にアレの電池として買った訳じゃないから!」

もし合わなかったら別の電池として…等と、心の中で言い訳をする。

そして…。


↓電池は合う?合わない?


※合っちゃうんだなこれが



梓「…入っちゃった…」

電池を入れ替えた途端、元気に復活して激しく動くローター。そして内心『しまった』と思う梓。

梓「…これじゃあ、またやってしまうじゃない…」

慌ててスイッチを切って隠すように握り締める梓。

梓「やっぱり…、今から元あった部室に返そうかな…」


↓返しに部室へor返さないでそのまま


※返さない



梓「やっぱり駄目!部室に持って行ってどうするのよ?もし私がコレを置いてるのが誰かにバレたら…」

最悪の結末を想像した。

梓「…もしそうなったら、皆と会えなくなっちゃうかも…」

本来の持ち主が誰かは知らないけど、今のコレはこのまま私が持っておくべき…。

と、そう勝手に結論付けてしまう梓であった。




深夜、電池を入れ替えて再び動くようになったローターを前に考え込む梓。

梓「…このままで…本当にいいの私?」

理性的な部分はこれ以上ローターを使用した自慰に対しての危機感を訴えている。

だが、同時にこれを使った時の快楽を知ってしまった身体は使う事を欲していた…。

梓「… … …うぅ…」


↓自慰する?しない?


※する



梓「…うん、だけど…これで最後にしよう…」

全裸にはならない、パンティーだけの姿でベッドの上に寝転がると手でローターを掴む…。

梓「…んくっ…」

ゆっくりとソレを口に含んだ。まるで飴玉をしゃぶるように唾液を絡ませながら舌の上で転がす。

梓「…んは…っ、んちゅ…」

最低レベルに設定した微振動が舌先に心地いい。妙にローターが愛しく感じた。

梓(…男の人にしちゃう女の人って、こんな感じなのかな…?)

しゃぶりながら梓は何となくそう考えてしまう。そして片方の手でそっと胸を揉み始めた。

梓(…は…っ、んっ)


↓じっくりor早急に


※じっくり



口に咥えたローターを引き抜くともう片方の乳房へと持って行く。唾液で濡れたローターをまるで舌先が胸を責める様に。

梓(んんっ!)

小さな乳輪の上で円を書くように、そして乳首に当たらないように這い回らす…。

梓(はぁ…ん…)

自分でももどかしい責め。だが我慢すればするほど次に来る快感の波は激しい事を知っている。左の乳房はやさしく揉みしだき、右の乳房は乳輪部分のみをローターで責め続ける。

梓(はっ…あっ…あっ…)

このままだとコレだけで軽くイきそうになる。


↓もう少し胸を責め続ける?それとも?


※それとも



梓(あっ…)

ローターで乳首を嬲る事なく、その先端をそっとパンティー越しの割れ目へと移動させた。

梓(凄い…濡れてる…)

既に軽く触って分かるぐらいにその部分は濡れ、染みを作っていた。ゆっくりとローターを押し当てると。

梓(んんっ!!!あは…っ!)

押し当てた瞬間、軽く身体がビクッと跳ねる。乳房を揉む手を口元に持って行き、軽く曲げた人差し指を噛む。

梓(は…っん…、んっ、ああっ!)

まるで快感が外に逃げないように、太股でローターを持つ手を挟み込む。濡れたパンティーが『クチュッ』と音を立てた…。

梓(あっ…、ふぅっ)


↓もっとorじっくり


※もっと



梓(あ…んんっ!はっ…、はぁ…)

既にパンティーの上からなぞるだけでは我慢できなくなってきた。梓はパンティーを履いたまま少しだけずらすと。

梓(…もっと…ここを…)

露になった割れ目の中心に潜り込ます様に、ローターを密着させた。

梓(ひっ…んっ!うんんっ!!!)

伝わった刺激に腰が跳ね上がる。そして刺激に反応した身体が勝手にうつ伏せ状態に。

梓(ひゃん!)

枕に顔を埋めて声を抑える。腰はまるでそこに居ない誰かを誘うように高く上げて艶かしく蠢いた。

梓(ああああっ!キちゃう!凄…いっ!)

涙目になりながらもその表情は悦びに満ちており、ローターを持つ手は更に刺激を与えようと溢れる愛液をかき回しながら淫核へと導かれる。

梓(ふぅぅぅっ!!!)

先端に触れた途端、まるで猫が伸びをするように腰を高く上げた状態で背筋がピンと伸びた。

梓(あ、あ、あ、あ…)


↓ローターの強度を強く?そのまま?


※そのまま



ローターの強度は操作しなかった。いや、快楽に呑まれて出来なかった。

梓(あ…っ!ふうっ!)

歯を食いしばって断続的に襲い来る絶頂寸前の波に耐える。そしてどういった拍子だろうか?少しだけずらしていたパンティーが突然元あった位置に戻り始める。

梓(…え?…あっ!)

指で押さえなくても固定されるローター。そして少しずつ蠢いてローターは梓の濡れた割れ目の内部、処女膜が存在する穴の部分へと軽くその身を埋めた。

梓(ひぃっ!ああああっ!やだ!)

コードで繋がっているのでそれ以上の侵入は無いものの、新たな快楽の場所に梓は戸惑った。

梓(んんんんっ!あっはぁっ!はーーーーっ…!)

フリーになった手でパンティー越しにクリトリスを嬲り始める。もう片方の手は乳房に伸びて可愛らしく主張する乳首を摘む。

梓(私もうっ…!もう…っ!)


↓思わず誰を想う?軽音メンバーで


※唯以外誰がいる



梓(先輩…、…唯先輩!)

絶頂寸前、突然梓の脳裏に唯が浮かんだ。唯先輩が私を気持ちよくしてくれている。

梓(あああっ!先輩!唯先輩ぃぃぃっ!!!)

そう想った瞬間、これ以上無いぐらいの絶頂感が梓を包んだ。四つん這いの姿勢で唸る猫のように痙攣しながら上り詰めた。

梓(はぁーーーー…!はぁーーーーっ…!んはぁ…!)

そのままの状態で倒れこみ、口を大きく開けて肺と脳に酸素を送り込む。股間では未だにローターが蠢いていたがそれすら気にならない位の絶頂感…。

梓(…唯先輩…私、先輩でイッちゃいました…)

完全に力の抜けた放心状態であるが、そっと自らの股間に埋もれているローターを引き抜いた。目の前に持ってくると、愛液まみれのソレは部屋の薄い照明に照らされた。

梓(…唯先輩の…)

何を思ったか、梓は自らの愛液まみれのソレを口に含む。そうする事でまるで唯の大事な部分を愛撫しているような気がしたからだ。

梓(ん…っ、くちゅ…、は…っ、あ…)

まるで男の人のアレを口に含むような動き…。

僅かにする自らの塩っぽい味が絶頂の余韻に包まれた梓を更に狂わせた。

梓(…はぁ…、くふ…っ、んはっ…ぁ…)

梓(先輩…の…、気持ちいいですか唯先輩…?んぁっ!)

今の状態の梓の目は現実ではなく、妄想の中の唯を見つめていた…。


そして、夜が明ける…。




朝…。

梓「うわああああっ!!!」

思わず昨夜の事を思い出し、部屋で頭を抱えて苦悩する梓の姿がそこにあった。

梓(どうしよう!何で私唯先輩で…!?)

もし目の前に唯が居たら卒倒して倒れるレベルだ。

梓(うわあああ…、どうしよう…、どんな顔して会えば…)

当の唯はまさか梓の脳内で自分がこんな事になってるとはまったくと知らないのだが…。

梓(そうですよ!今頃私の苦悩なんて知らずに家で『ほーーげーー…』とか言ってる筈なんだからっ!)

まったくと意味の無い逆ギレをする梓。

梓(私の気持ちなんてこれっぽっちも…気付いてない筈なんだから!)


どうやら今日も真夏日の晴天で暑くなるようである…。



夏休みも中盤…。
休みの間はそれぞれがローテーションを組んで部室のトンちゃんの世話をしており、(主に唯と梓がメインだが)今日は梓の番である。

梓「はぁ…、あなたは気楽よね…」

水槽を掃除して餌を与える。与えられた餌を食べているスッポンモドキのトンちゃんに梓は愚痴をこぼしていた。

㌧『?』

まるでこちらの気持ちが分かったのか分からないのかは不明だが、水槽越しにトンちゃんは首を傾げた。

梓「…う…、まぁ、唯先輩に対する私の気持ちは絶対に気の迷いなんだから…」

亀相手に心のモヤモヤを打ち明ける梓。傍から見れば亀しか相談相手が居ない少女と思える非常に寂しい光景である。

まぁ、事実人には絶対言えない愚痴を亀に溢している時点で、その認識は間違っては居ないのだが…。

梓「そりゃ、私だって唯先輩の事は…だけど…」

唯「私が、なーに?」

梓「何ってそれは…って!わあああああああああっ!!!」

素っ頓狂な悲鳴を上げて梓は床に尻餅を突く。何時の間にか背後に唯先輩が立っていたのだ。

唯「び、びっくりしたぁ~」

梓「び…!びっくりしたのはこっちですよ!どうして居るんですか!」

唯「え?あれ?今日は私が当番じゃ無かった?」

梓「先輩の当番は明後日の練習の日です!」

唯「そうだったっけ~?あ、トンちゃんヤッホー!あずにゃんにキレイにしてもらったんだ~」

相変わらずと言うか何と言うか…。唯先輩のその挨拶にトンちゃんは口を開けて答えた…。


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最終更新:2010年06月26日 23:06