澪「唯、起きろ。おい、唯!」

唯「ん……ん~……」

律「いつまで寝てんだよ」

唯「あれ……?私寝てた……?」

紬「うん、ぐっすりと」

唯「そっかー、ごめんごめん」

梓「さあ、練習しますよ」

唯「うん、練習しよう」

澪「あのさ、唯」

唯「なあに?澪ちゃん」

澪「この後、一緒に公園にデートに行かないか?」


唯「で、デート!?」

律「あっ、澪ずるいぞ!唯、澪よりも私とデートしようぜ!」

唯「りっちゃん!?」

紬「遊園地を貸しきって、私とデートしましょう?」

唯「ムギちゃんも!?」

梓「私と猫耳を付けて楽しいことを!」

唯「あずにゃんまで!?」

澪・律・紬・梓「「「「唯!」ちゃん!」先輩!」」

唯「う、うわああああ!!」

ダーッ!


バタン!

唯「はあ……はあ……。みんな、どうしちゃったんだろう……」

憂「お姉ちゃーん!」

唯「あ、憂。ってなんで裸エプロン!?」

憂「こういう格好すれば、お姉ちゃん喜んでくれるかなって思って……」

唯「あわああわわわ……」

憂「何か食べたいものある?お姉ちゃんのためなら、なんだって作るから!」

唯「やあああああ!!」

ガチャ!

ダーッ!

唯「はあ……はあ……。なんでみんな私にゾッコンなんだろう?」

さわ子「知りたい?」

唯「わっ!さわちゃん先生!?」

さわ子「なんでそんなに怯えてるのよ」

唯「だ、だって……」

さわ子「心配しなくても、私はゾッコンじゃないわよ」

唯「なんだ、よかったあ……」

さわ子「でも衣装は着てほしいわねえ。こんなのとか!」

唯「現実の衣装よりも際どい!!」

さわ子「シジミもあるわよ~」

唯「うわぁ……」

さわ子「ま、衣装のことは置いておいて。唯ちゃんはなんで今こんなことになってるかわかる?」

唯「そんなの、わかんないよ……」

さわ子「ここはね、唯ちゃんの夢の中なの。つまり、唯ちゃんの心象世界」

唯「心象世界?」

さわ子「だから唯ちゃんの心の奥底の願望のせいで、みんな唯ちゃんにゾッコンになってるの」

唯「そんな……」

さわ子「まあ、唯ちゃんが目を覚ませばこの世界から抜け出せるんだけどね」

唯「じゃあ、今すぐ目を覚まさないと!」

さわ子「無理よ」

唯「どうして?」

さわ子「今は秘密」

唯「さわちゃん先生のケチ!」

さわ子「まあまあ」

唯「どうすれば目が覚めるのか教えてよ~!」

さわ子「そんなことより、みんなが唯ちゃんにゾッコンなんて状況を無駄にするのは、もったいないと思わない?」

唯「え?」

さわ子「せっかくなんだから、思う存分みんなとイチャイチャすればいいんじゃない?」

唯「イチャイチャ?」

さわ子「ほら、さっそくお出ましよ」

唯「ん?」

和「唯ー!」

唯「あ、和ちゃん」

和「動物園のチケットがあるんだけど、一緒に行かない?」

唯「も、もしかしてデート?」

和「唯はデートがしたいの?」

唯「そういうわけじゃ……」

和「じゃあ、友達同士で動物園に行く。ってことでいいじゃない」

唯「……そうだね!」


……

唯「わあ!和ちゃん!キリンだよ!キリン!」

和「唯、楽しそうね」

唯「だって和ちゃんと動物園だもん!」

和「そう……。ねえ、唯」

唯「なあに?和ちゃん」

和「その……キス、しない?」

唯「えっ!?」

和「い、嫌ならいいの」

唯「うーん……じゃあ、今日はすっごく楽しかったからキスしてもいいかな~」

和「本当?」

唯「うん。和ちゃん、んー」

和「ん……」

パオ~ン!



……

唯「昨日はつい雰囲気のせいで和ちゃんとキスしちゃった……」

憂「お姉ちゃん」

唯「あ、憂……?」

憂「どうしたの?」

唯「その格好、何?」

憂「ギー太のコスプレ」


憂「これなら、お姉ちゃん喜んでくれると思って……」

唯「……私は、普通の憂のほうがいいかな」

憂「そうなの……?」

唯「うん」

憂「……わかった。着替えてくる!」



……

唯「今日は部室に行くのが怖いなあ……」

律「ゆーいっ!」

唯「あっ、りっちゃん!?」

律「放課後、映画見に行こうぜ!」

唯「映画?」

律「今話題のあれだよ!」

唯「ああ、あれかー」

律「どうする?もうチケットは取ってあんだけど……」

唯「……行くよ」

律「本当か!?じゃあ、放課後校門で待ってるからな!絶対こいよ!」

唯「うん!」


唯「ぐすっ……」

律「唯?泣いてるのか?」

唯「いい話だなって……」

律「ほら、ハンカチ」

唯「あいがと、りっちゃん」

律(泣いてる唯も可愛いな……)

ギュッ

唯「えっ、りっちゃん?」

律「映画が終わるまで、こうさせててくれ」

唯「りっちゃん……。うん、わかった」



……

唯「昨日もつい雰囲気のせいでりっちゃんと抱き合っちゃった……」

梓「唯先輩」

唯「あっ、あずにゃ……」

梓「い、一緒に遊ぼうにゃん♪」

唯「…………」

梓「あの……先輩?」

唯「なんで、そんな格好を……」

梓「猫の格好をすれば、喜んでくれると思って……」

唯「へ、へえ……」

梓「その……ごめんなさい!帰ります!」

唯「待ってあずにゃん!私、あずにゃんの家に行きたいな」

梓「唯先輩……」

唯「ほら、マシュマロ豆乳鍋だよ~」

梓「なにこれ……」

唯「さ、食べて食べて!」

梓「は、はい……」

モグモグ……

唯「どう?どう?」

梓「おいしいです!というか、唯先輩の作った料理ならなんだっておいしいです!」

唯「そう?よかった~」

梓「唯先輩」

ごろん

唯「な、なに?あずにゃん」

梓「膝枕、させてください。……撫でてくれると、うれしいです」

唯「あずにゃん……よしよし」

梓「にゃあん……」


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最終更新:2010年06月27日 01:35