唯「ねぇ、澪ちゃん」
澪「ん?どうしたんだ唯?」
唯「澪ちゃん作詞の『私の恋はホッチキス』ってあるじゃない?」
澪「うん。結構自信作なんだ///」
唯「私なりにその歌詞を解釈したんだけど……」
澪(唯なりの解釈か……きっとかわいい感じになってるんだろうな)
澪「ぜひ聞かせてくれないか?」
唯「いいよ」
唯「まずね」
なんでなんだろ 気になる夜 キミへの
この思い 便せんにね 書いてみるよ
唯「今時メールがあるのに手書きってところが澪ちゃんらしいよね」
澪(な、なんか棘のある言い方だな……)
澪「まぁ、好きな相手のメアドしらなかったり、ラブレターに憧れる思いを表現したつもりなんだけどな」
唯「で、次なんだけど」
もしかして 気まぐれかもしれない
それなのに 枚数だけ 増えてゆくよ
唯「どんなこと書いたらラブレターごときに何枚も書き連ねることがあるんだろうね?」
唯「しかも気まぐれって……きっと明日になったら忘れてるよ」
澪「好きっていう気持ちが嘘じゃないか確かめるために、たくさん書くんだよ
相手に伝えたい事もたくさんあるの!」
唯「へ~。書いてるうちに冷めないことを祈ってるよ」
澪「・・・・・」
唯「で、そのまた次なんだけど」
好きの確率わりだす計算式
あればいいのに
唯「まぁ、ここは飛ばしちゃってもいいよね」
澪「え?……そこ飛ばしちゃうの?」
澪(けっこう自信あったんだけど……)
唯「だって数学とか私、頭痛くなっちゃうし」
澪「・・・・・」
キラキラひかる 願い事も
グチャグチャへたる 悩み事も
そーだホッチキスで とじちゃおー
唯「サビだね」
澪「う、うん」
唯「きっとホッチキスの『キス』とKISSをかけたんだよね」
澪「おおっ!?分かってくれたのか!唯!」
唯「うん。頭の中がふわふわ時間の澪ちゃんが考えそうな事だと思って」
澪「いちいちつっかかってくるよな?」
唯「黙ってて澪ちゃん!問題はこっからなんだから」
唯「願い事とか、悩み事とかどうでもいいからキスしちゃえって」
唯「澪ちゃんはその想い人との間をキスで繋ぎ止めようとしてるわけだよね?」
澪「いや……別にそういうわけじゃ……」
唯「私がキスしたらいちころよ!!っていうわけ?」
澪「だから、そんなつもりはないって」
唯「このビッチ!!」
澪「!!」
はじまりだけは 軽いノリで
しらないうちに あつくなって
もう針がなんだか 通らない
ララ☆また明日
唯「もう恥ずかしくって聴いてられなかったよ」
澪「そんな!?」
唯「どんな気持ちでこの歌詞書いたの?」
澪「いや……だから……その」
唯「キスしてたら熱くなってきて止まらなくなっちゃった///」
唯「って感じでしょ」
澪「お、おい!ずいぶんな解釈だな」
唯「しかも最後にはキスが通じなくなったから、明日もっとすごいこと期待しててね///」
唯「って誘ってるんでしょ?」
澪「唯……いったいどうしちゃったんだ?」
どうしようかな 読み返すの はずかしい
あれこれと 便せんにね 書いたくせに
唯「結局冷めてるじゃん……」
澪「あるだろ?昔かいたポエムとか読み返したら、当時はこんな事思いながら書いてたんだって思い出すと恥ずかしくなる事って」
唯「ポエムを書くこと自体がありえないよ」
澪「・・・・・」
気持ちごと ゴミ箱行きじゃなんだか
この胸がせつないから 持ってようかな
唯「その黒歴史満載のポエムを許せるほどの図太い神経を手に入れるまではゴミ箱に捨てずに持ってるってこと?」
唯「何年先の話?私だったら思い出したくもないと思うけど」
澪「なぁ……唯。もうやめにしないか?」
唯「だめだよ!私は澪ちゃんの真意がしりたいの!!」
澪(貶されてるとしか思えない……)
今の気持ちをあらわす 辞書にもない言葉さがすよ
唯「ググれ!!」
澪「もうどうにでもしてくれ……」
ワクワクしちゃう 計画とか
グダグダすぎる 展開とか
ぜんぶホッチキスで とじちゃおー
唯「またでたよ、キスでどうにかしちゃおう作戦……嫌だ嫌だ最近の若者は……」
澪「唯も同年代だろ……」
今日のできごと 思い出して
いつも心がキュンとなって
もう針がないから買わなくちゃ
ララ☆また明日
唯「はい!本日一番の問題発言きましたよ奥さん!!」
澪「誰に言ってるんだよ……」
唯「思い出してるってことはこれは回想シーンだよね」
唯「しかもムフフな事後の!!」
澪「ちょっ!!」
唯「一番のサビでキスじゃもう繋ぎ止められなくなったからそれ以上ってことはもうアレしかないじゃん!!」
澪「どっからそんな発想が出てくるんだよ!!」
唯「しかも『もう針がないから買わなくちゃ』のところの『針』は暗にコンドームの事を言ってるんだよね?」
澪「待て待て!!」
唯「若い時はしかたないと思うけど。買い置きがなくなるほどしちゃうなんて絶倫だね澪ちゃん」
澪「・・・・・」
唯「こんな歌を私にも歌わせようとするなんて……」
澪「・・・・・唯」
唯「もう今度から澪ちゃんの事『りお』って呼んでやるんだから!!」
澪「確かに……唯の言う通りなんだ」
唯「やっぱり!!」
澪「そんなやましい気持ちで書いていたことは認めるよ」
澪「だけど、その相手は男とは決まってないだろ?」
唯「じゃあ、いったい誰を想像して作詞したっていうの?」
澪「・・・・・律だ」
唯「りっちゃん……?」
紬「話はすべて聞かせてもらったわ!!」
唯「ムギちゃん!?」
梓「澪先輩!!私達に相談してくれないなんて水臭いです!!」
澪「梓っ!?」
……
律「なぁ?澪」
澪「どうしたんだ?そんな深刻そうな顔して」
律「唯から聞いたんだけどさ、お前の作詞って私の事を想像して書いてるんだろ?」
澪「……ああ」
律「夜な夜な私の事想像して、あんな恥ずかしい妄想を炸裂させてるんだな」
澪「嫌……なのか……?」
律「ああ!嫌だねっ!!」
澪「!?」
律「そんな事を歌になんかせずに直接私に言ってくれればいくらだって……」
澪「り、律!!」
律「……私だって、澪とそんな風になったらどれほど幸せか、考えなくもないんだぜ」
澪「いいのか……?」
律「先に唯に『私の恋はホッチキス』の真意を言い当てられたなんて……
私が一番に気づいてやりたかったのに……」
澪「じゃあ、今夜はおしおき……だな」
律「ふでペンでもボールペンでもなんでも使っていいから私をむちゃくちゃにしてくれ!!」
澪「ふふっ。TAPPULi可愛がってやるぞ」
…
律「ベッドの上じゃ大胆だなんて……普段のお前からは想像がつかないよな」
澪「こんな私の一面を知っているのは世界中探したって律だけなんだからな///」
律「……うん///」
澪「さぁ、二人だけのドリームタイムの始まりだ……」
おわり
最終更新:2010年01月11日 00:56