唯「こんな歌を私にも歌わせようとするなんて……」


澪「・・・・・唯」

唯「もう今度から澪ちゃんの事『りお』って呼んでやるんだから!!」


澪「確かに……唯の言う通りなんだ」

唯「やっぱり!!」

澪「そんなやましい気持ちで書いていたことは認めるよ」

澪「だけど、その相手は男とは決まってないだろ?」

唯「じゃあ、いったい誰を想像して作詞したっていうの?」

唯「何も知らなそうな顔してとんでもないむっつりだよ!しんじられんん!?」

澪「ちゅ…」

唯「…!!」

澪「唯のバカ…」うる…

唯「澪…ちゃん…?////」とろーん

澪「唯の口、ホッチキスしちゃった…////」

唯「ちょちょちょちょ!?いきなり何を////」

澪「唯が悪いんだぞ…唯が酷い事言うから…」

唯「いいいいみがわからないよ!」

唯「てかやっぱり変態じゃん!大体私にはそっちの気は」あせあせ

澪「もう一度閉じてやる!」

唯「んむ?!!!」

唯(わわわ…唇ってこんなに柔らかいんだ…)

唯(それに澪ちゃんの髪の毛良い匂い…)

澪(やっちゃったやっちゃったまたやっちゃった!!)

澪「ん…ぷは…」ドキドキ

唯「…………ほぅ////」ほわ~ん

澪「唯が酷いこと言うつもりなら何度でもホッチキスするからな////」

澪(何言ってるの私!)

唯(か、かわいい…!)

唯「……言うもん!私もっと酷いこと言うからね!」


……

律「うっわ、すげーの見ちゃったな…」

梓「は、はい…////」

律「あいつらー…これじゃ部室に入れないじゃないか」

梓「わぁ、またキスしてる…すご……わわわ…アレってアレだよね……」

律「………お前さっきから釘付けだな」

梓「え!?いやその…ふ、不潔ですよこんなの…!////」

律「………」


律(梓は小さいな…口も小さくて可愛いし…)ドキドキ

律「って私は何を考えてるんだ!」

律「いかんいかん、あいつらのせいで変に意識してしまう!」

梓「律先輩…?」


律「……なあ梓、やっぱりあいつらって変かな?」

梓「………本人達がいいなら…別に…」

律「そっか…そうだよな…」

梓「そんな事よりこれじゃ今日も練習できないじゃないですか…入りづらいなぁ…」

律(ふくれた顔も可愛いなぁ)

梓「律先輩、突入しましょう」

律(どんな感じなんだろう…ゴクリ…ちょっと位なら……)

律「梓…」

梓「え…?」

律(うわ!?な、なんでだきしめてんだ私!)

梓「なんですか?え?////」どきどき

律「……うりうりぃ!」

梓「いたー!!いたい!!痛いですって!!」

律「あ、ごめん…」

律(あ、あぶねぇ…)

梓「酷いですよ、もう!」

梓(びっくりした~…)

梓「ほら、気付かれちゃったじゃないですか…」

律「なあ、やっぱり変じゃないか?…あいつら女同士だぞ?」

梓「……律先輩は嫌ですか?」

律「え?」


紬「どんとこいでーす」キラキラ

律「うわあ!!」

梓「ひぃ!?」

律「い、いたのかよ!」

梓「い…いつの間に…」


……

唯「澪ちゃんいじめると泣きそうな顔になってかわいいんだよ~」

憂「へぇ~」

唯「でも今日は驚いたよ」

憂「へぇ~」

唯「唯の口をホッチキスしてやるって言ってね」

憂「へぇ~」

唯「いっぱいチューされちゃった!////」

憂「へ………へぇ?」ビキ

憂「お姉ちゃん……それ本当?」

唯「うん」

憂「で、お姉ちゃんも受け入れちゃったの?」

唯「うん」

憂「女の子同士なのに?」

唯「うん」

憂「私の事置き去りにして?」ゆらり

唯「う………うんたん♪」

憂「もう、お姉ちゃんごまかさないで」

唯「も、もちろん、憂の事も大好きだよ」

憂「お姉ちゃん////」

唯「二股かけちゃダメかな?」

憂「・・・・・」



──翌日 

澪「で?二人っきりで話したいって、いったい何の用なんだ?」

唯「あのね、澪ちゃん」

澪「昨日の夜に唯からメールで『放課後二人っきりで会いたい』って来たときはさすがにドキドキしたよ」

唯「憂がね……きっと許してくれないと思うから」

唯「私も、憂が私を好いてくれてること分かってるから」

唯「だからもうこんな関係は終わりにしない?」

澪「・・・・・」

唯「澪ちゃん……そんな目で私を見つめないで……」

澪「……そういう事か」

唯「えっ?」

澪「昨日はあんなにホッチキスしたのに……か?」

唯「あの時は私も舞い上がっちゃてて。でも一晩冷静に考えたら……」

澪「やっぱり……憂ちゃんの方がいいのか?」

唯「うん……姉妹だけど……ずっと一緒だったから」

澪「それは姉妹だからって訳じゃなく……なのか?」

唯「きっと私は憂の事を愛してしまってる。そんな気がするの」

澪「そっか……唯も憂ちゃんのことが好きなのか」

唯「も?」

澪「実は私もなんだ。私も憂ちゃんのことがいつの間にか気になっていたんだ」

唯「ええぇぇぇぇぇぇっ!?」

澪「これからは恋のライバルだな」

唯「じゃあ昨日はなんで私にホッチキスしたの!?」

澪「きっと唯は憂ちゃんと毎日のようにキスしてると思ったから」

澪「だから間接キスのような感覚でしてしまったんだ」

澪「それにお前達姉妹はよく似ているしな」

澪「さぁ、今日も憂ちゃんとのキスの予行演習相手になってもらうぞ?」

 ちゅっ

唯「!!!!!」

澪「もっと……もっとだ」

 ちゅっ

唯「とろ~ん////」

澪「かわいいぞ唯」

唯「澪さん……////」

唯「はっ!?」

唯「だ、ダメだよ!!こんなことしちゃ!!」

唯「お姉ちゃ……私とキスしていいのは憂だけなんだからっ!!」

  タッタッタッタッタ……




澪「ふふふっ。可愛かったぞ、憂ちゃん……」



──平沢家

憂(まさかあんな展開になるとは思ってもみなかったよ……)

憂(澪さんが私の事を好いてくれてたなんて)

憂「・・・・・」

憂(澪さんの唇……柔らかかったな~////)

唯「ねぇ、憂。お鍋噴いてるよ」

憂「うわぁっ!?」

唯「憂がボーっとするなんて珍しいね」

憂「うん。考え事してて……」

唯「ほほ~う。今日の夕ご飯はカレーですな」

憂「そうだよ。ちゃんと辛くないやつにしたからね」

唯「さすが憂。姉の好みを良く理解している!!」

唯「憂大好き!!」ダキッ!!

憂「お姉ちゃん。キッチンで抱きついたら危ないよ」

憂(やっぱり、私はお姉ちゃんが一番だよ////)

唯「んまい!!」テッテレー

憂「お姉ちゃん、ほっぺにカレーついちゃってるよ」ふきふき

唯「やっぱり憂カレーは世界一だね!!」

憂「お姉ちゃんったら////」

唯「この辛さ控えめなのがいいんだよ」


憂(そういえば、前に軽音部のみなさんが家に泊まりにきた時も夕食はカレーだったっけ)

憂(いつものくせでお姉ちゃんに合わせて作ったから甘々なカレーになっちゃって)

憂(お姉ちゃんはいつものように喜んでくれてたけど、ずいぶん余っちゃったっけ)

憂(でも……そういえば、澪さんだけはおかわりしてくれた……)

憂(まさかその頃から……?)


唯「憂?どうしたの?」

憂「へっ?な、何でもないよお姉ちゃん」

唯「そう?なんだかいつもの憂らしくないな~」

憂「そ、そうかな!?」

唯「もしかして……恋?」



最終更新:2010年01月11日 01:04