憂「おねーちゃん、朝だよーっ」

唯『うーん、お早う憂ー』

憂「朝ごはんできてるよ」

唯『うん、今行くよー』

唯『……』

唯『ぐう』

憂「お姉ちゃんったらー」


憂「どう?お姉ちゃん美味しい?」

唯『おいしい!』

憂「ふふっ、良かったー」

憂「あっ、お姉ちゃんお口についてるよっ」

唯『憂とってー』

憂「いいよっ」フキフキ

憂「はい、取れた」

唯『ありがとー憂!』

憂「えへへっ」

憂(お姉ちゃん、かわいいなー)


憂「そろそろ学校行かなきゃ」

唯『うん!』

憂「今日もいい日だといいね」

唯『きっと楽しい一日になるよっ』

憂「そうだねっ」

唯『ねー、憂?』

憂「なあにお姉ちゃん?」

唯『手つないでいこっか?』

憂「えーっ、なんか恥かしいよー」

唯『いいじゃん』ギュッ

憂「お姉ちゃん…///」


唯『あっ、和ちゃんだ!』

憂「ほんとだっ、お早う和ちゃん!」

和「あっ、お早う憂」

唯『おはよー』

和「今日も姉妹で仲良く登校なの?」

憂「うん、私達いつも一緒だからっ」

唯『仲良しだもんねっ』

憂「えへへ」

和「そうなんだ」

憂「それじゃあ、和ちゃん、お姉ちゃんをよろしくお願いします」

和「ええ、それじゃまたね憂」



憂の教室!

梓「それで、『ふざけるなっ』て澪先輩が律先輩にげんこつしちゃって」

純「あははっ、あの二人、いつもそんな感じなんだね」

梓「でも、ホントは仲がいいから出来るんだろうねー」

憂「お姉ちゃんも、澪さんと律さん、仲が良くて羨ましいって言ってたよっ」

梓「?」

純「お姉ちゃん?」

憂(あっ!いけないっ、つい言っちゃった!!!)

憂「あっ、いやっ、なんでもないのっ!」

梓「なんか憂って、たまにおねえ…」

純「あっ!先生来たよっ」

憂「えっ、じゃあ私、席に戻るねっ」

憂(またやっちゃったよ、気をつけなきゃ…)



憂の家!

憂(今日はハンバーグ、お姉ちゃん喜んでくれるかな?)

唯『憂ー、ごはんまだーっ?』

憂「もう直ぐだからちょっと待っててね」

唯『早く食べたいよー』

憂「お姉ちゃんったら、食いしん坊さんなんだからぁ」

唯『だってぇ、憂のごはん美味しいんだもん!』

憂「ふふっ、ありがとうお姉ちゃん!」


憂「それでお姉ちゃん、軽音部の方はどお?」

唯『すごく楽しいよっ、ムギちゃんの淹れてくれるお茶は美味しいし』

唯『毎日出してくれるお菓子も美味しいよっ!』

憂「食べ物以外は?」

唯『律ちゃんは楽しいし、澪ちゃんとムギちゃんは優しいし』

唯『あずにゃんもすっごく可愛いよ!』

憂「軽音部なのに、音楽の話は無いの?」

唯『あっ、そうだった、私達軽音部だもんねっ』

憂「お姉ちゃんったらーっ」

唯『えへへっ』

憂「うふふっ」

憂(お姉ちゃんと一緒だと楽しいな)




学校!

憂「あっ、律さん!」

律「えっ?」

憂(あっ、つい気安く声かけちゃった)

律「あっ、確か梓の友達のー」

憂「憂、平沢憂です」

律「憂いちゃんか、名前覚えてくれてたんだ、ありがとう」

憂「軽音部の皆さんの名前はみんな知ってますよ」

律「梓の奴、クラスで私達の噂してるんだなーっ」

憂「えーっ、梓ちゃん変な事言ってませんよー」

憂「軽音部楽しいって」

律「えへっ、そっか」


澪「おーい、律、おいてくぞーっ!」

律「あー、今行くよっ」

律「じゃあね、憂ちゃん」

憂「はい…」

憂「」

憂(お姉ちゃんのいる部活だもん、知らないわけないもんっ)

憂(お姉ちゃん…)


和「憂、こんな所にいたのね」

憂「和ちゃん…」

和「ちょっと話があるの」

憂「話って?」

和「唯のことよ…」

憂「私もっ、私も和ちゃんとお姉ちゃんの事話したかった!」

憂「和ちゃん以外、お姉ちゃんの話聞いてくれなくて」

和「……」

憂「昨日はね、お姉ちゃん、軽音部がんばるぞって張り切っちゃって」

憂「家でも寝るまでギターの練習してるんですよっ!」

和「……」

憂「張り切りすぎて、部活遅くならないといいんですけど」

和「……」

和「もうそろそろ終わりにしたいの」

憂「!!!?」


憂「終わりって……どういうことですか?」

和「もう私達高校生なの、わかるわよね?」

憂「……」

和「私はもう直ぐ大学生」

和「何時までも続けられないの」

和「こんな、妄想ごっこ!」

憂「!!!?」

憂「……何を、言ってるの和ちゃん?」

憂「変な和ちゃん」

憂「生徒会や勉強で忙しすぎて、おかしくなっちゃたのかなぁ?」

和「お願い憂っ!大切な話なの」

憂「そんなの知りませんっ」

憂「私、お家に帰って、お姉ちゃんの為に色々しなくちゃ」

憂「帰りますっ!!!」

和「待ってよ憂っ!!!」




憂の家!

憂(和ちゃんのバカ)

憂(和ちゃんのバカっ!!!)

憂(お姉ちゃんの為にお料理するの)

憂(お姉ちゃんの為にお洗濯するの)

憂(お姉ちゃんの為にいい子でいるの)

憂(両親にほったらかしにされてるから)

憂(仕方なく炊事をしている訳じゃないっ!!!)

憂(両親の気を引くために)

憂(必死にいい子でいる訳じゃないよっ!!!)

憂(私はそんな寂しい子じゃないっ!!!)

憂(だって、だって、私には、お姉ちゃんが)

憂(大好きなお姉ちゃんがいるからっ!!!)

憂「……」

憂「ううっ、うっ、ぐすっ」ポロポロ


唯『ただいまーっ!』

憂「あっ、お姉ちゃんだっ!!!」

唯『あれっ?憂泣いてるの?』

憂「えへへっ、ちょっとね」グスッ

唯『可愛そうな憂、さあこっちにおいでっ』

憂「おねーちゃーん」ダキッ

唯『よしよし、いい子だね憂』

唯『憂にはお姉ちゃんがいるよ』

唯『寂しい事なんて、何もないんだよ』

憂「お姉ちゃんっ!おねえちゃんっ!!!」

憂「お姉ちゃんは、ずっと私と一緒だよねっ!?」

憂「離れ離れにはならないよねっ!?」

唯『心配しなくても、ずっと一緒だよ』

憂「よかったーっ!お姉ちゃん大好きっ!!!」

唯『私もだよっ、憂』




学校!

和「憂っ!」

憂「和ちゃん…」

和「昨日の話の続きなんだけど…」

憂「そんな話っ、したくありませんっ!」

和「憂…」

憂「決めたんですっ!私達は、ずっと一緒にいますっ!!!」

和「そんな訳にはいかないわっ」

和「きっとこれは変な事なの、もしかしたら病的なものかも…」

憂「ははっ、何を言ってるんです?いい加減にしてくださいっ!」

憂「いくら幼稚園から付き合いの和ちゃんでも」

憂「それ以上変な事言うと、私っ……許しませんよ」

和「……」

和(そう、私がいけないんだわ)

和(憂ちゃんに罪は無い、私がもっと早くに止めてあげればこんなことに…)




憂の教室!

梓「それでね、扇風機が壊れちゃって」

純「うっわー、最悪っ!聞いただけでこっちまで熱い」

梓「でもその時ムギ先輩が氷を持ってきててー」

純「えっ、そんな重いものをわざわざ?」

憂「あのさ、ちょっといいかな?」

梓「えっ、なに?」

純「改まっちゃってどうしたの?」

憂「例えばね、例えばの話だよ?」

梓「うん」

憂「私にお姉ちゃんがいるとしてね」

純「でも憂って一人っ子だよね?」

梓「だから例えばって、憂言ったじゃん」

憂「そのお姉ちゃんは、とっても可愛くてね」

憂「でも、ちょっとのんびり屋さんでー」


憂「私がいつも面倒を見てあげるの」

純「お姉ちゃんなのに?」

憂「うん、でも、私もそれが嫌じゃないというか」

憂「むしろ楽しみで、お姉ちゃんと私はいつも一緒にいるの」

純「憂はしっかり者だからね」

梓「それで、その話がどうしたの?」

憂「お姉ちゃんは軽音部に入ってるの!」

梓「えっ?」

憂「軽音部のみんなも、お姉ちゃんの事が大好きなんだよっ!」

憂「もちろん、お姉ちゃんも軽音部の事が大好きなのっ!!!」

梓「何言ってんのっ、憂っ!?」

憂「梓ちゃんのことも大好きで、あずにゃんって呼んで抱きついたりしてねっ!!!」

純「憂っ!ちょっと声が大きいよっ!」


ガヤガヤ

純「あー、みんなこっち見てるよー」

純「憂っ、興奮しすぎだよっ!」

純「落ち着いて」

憂「えっ?あっ……ごめん」

梓「」

梓「なんかさ」

憂「?」

梓「なんか変だよ憂」

憂「えっ?」

梓「あずにゃんって何?軽音部にお姉ちゃんがいる?」

梓「……」

梓「気持ち悪い」

憂「!!!?」


2
最終更新:2010年07月01日 21:17