憂「そんな……」

純「そうかなーっ?別に気持ち悪くなんか無いよ」

憂「えっ…」

純「こんな姉妹がいたらいいなー、なんて」

純「誰もが一度は考える事じゃない?」

純「私だって澪先輩みたいなお姉さん欲しいし」

憂「純ちゃん…」

梓「違うよっ!」

梓「憂のはそんなんじゃないよ」

梓「私、さっきはちょっと怖かった」

梓「もう変な話はしないで」

憂「ごめんね、梓ちゃん…」

憂「」

憂(ううっ、お姉ちゃん…)




憂の家!

憂「お姉ちゃん!おねえちゃんっ!!!」

憂「帰ってきてっ!」

憂「今日は早く帰ってきてっ!」

憂「そうじゃないと、私おかしくなりそうっ!!!」

憂「おねーちゃーんっ!!!!」

シーン

憂「お姉ちゃん?」

憂「なんで今日に限って帰りが遅いの?」

憂「早く出てきてお姉ちゃんっ!!!」

憂「早くっ、早くっ!」

憂「私寂しくて死んじゃうっ!!!!」

憂「おねえちゃんっ!おねえちゃんっ!!!」

憂「おねーちゃーーーーんっ!!!!!!!!!!!!!」

憂「うぁあぁああ、ううっ、ああぁ、ひぐっ、ぐすっ」ポロポロ


私は小さな頃から寂しかった

両親は仲が良いし、お金持ちだった

だけど私を愛してはくれなかった

いろんな物を買ってもらった

素敵な学校にも入れてもらった

だけど、私と一緒にはいてくれなかった…

寂しかった私にも友達がいた

一つ上の和ちゃん

私は和ちゃんをお姉ちゃんにしたかったけど

和ちゃんはやっぱり他所の子

和ちゃんには和ちゃんの姉弟がいて

和ちゃんは違う人のお姉ちゃんだった

だから私は自分でお姉ちゃんをつくった

はじめは和ちゃんとのお遊びだった…

でも、今は違う、お姉ちゃんがいなければ……わたし……



ガチャ

憂(あれっ?玄関の開く音?)

憂「何方ですかーっ?」

唯「ただいま憂っ」

唯「ごねんね、ちょっと遅くなっちゃった」

憂「!!!?」


憂「お姉ちゃん?」

唯「!!!?」

唯「えっ!?」

唯「憂……」

唯「憂なんだよねっ?」

唯「本当に憂なんだよねっ?」

憂「そりゃそうだよ、でも、なんで?お姉ちゃん、まるで」

憂「現実にいるみたい…」

唯「ういーっ」ガバッ

憂「わっ!」

唯「会いたかったよっ、私、ずっと憂に会いたかったよっ!!!」

憂(お姉ちゃん、あったかいっ!)

憂(想像してたのよりずっと暖かいっ!!!)

憂「おねーちゃーん!!!」ダキッ

唯「ういーっ!!!」ヒシッ






ジリリリリリリリッ

唯「あっ、もう起きなきゃ」

憂『お姉ちゃん、起きてー朝だよっ』

唯「ありがとう憂っ」

唯「一緒に朝ごはん食べようね」

憂『うんっ』


憂『どう?お姉ちゃん、おいしい?』

唯「うん!憂の作ってくれるご飯はいつも美味しいよっ!」

憂『えへへっ』

憂『今日もお弁当作ったんだよっ!』

唯「ありがとう憂っ」

憂『今日は手をつないで学校に行こうねっ』

唯「えーっ、ちょっと恥かしいよ…」

唯「でも、いいよね、私達仲良しだからっ」

憂『うんっ///』




学校!

律「さあっ、飯にしようぜ」

澪「ムギのお弁当は相変らず凄いな」

紬「沢山食べなきゃ、力がでないからー」

紬「澪ちゃんのお弁当も可愛いわねっ」

澪「そんなことないよ」

律「今日はタコさんウインナーでちゅか?ウサギさんりんごでちゅかぁ?」

澪「バカにするなっ」ゴン

律「いでぇーっ!」ヒリヒリ

律「おっ、唯のはー」

唯「!?」


律「相変らず、なんか地味だなっ」

唯「そんなっ」

澪「おい律っ、人のお弁当に文句言うなよっ」

澪「唯は私たちと違って、自分でお弁当作ってるんだぞっ」

唯「私、不器用だから、あんまり色々作れないから…」

律「ああっ、ごめん唯っ!そんなつもりじゃ」

紬「私、唯ちゃんのお弁当好きよ」

澪「唯、私のとおかず交換しないか?」

唯「えへっ、みんなありがとうっ」

唯「」

唯(でも違うんだもんっ)

唯(これは私が作った下手糞なお弁当じゃないんだもんっ!)

唯(憂が作ってくれた、美味しくて素敵なお弁当なんだもんっ!!!)




放課後!

和「ちょっと唯、いいかしら?」

唯「えっ、和ちゃん何?」

和「ちょっと話があるの」

唯「話って?」

和「憂の事なんだけど…」

唯「あっ、私も憂の話したかったんだっ!」

唯「みんなの前では、あんまり出来ないからね」

唯「今日も憂の作ったお弁当美味しかったんだよー」

唯「みんな誉めてくれたし、律ちゃんなんか羨ましがってさー」

和「嘘っ!」

唯「!!!?」

和「もうこういうのはダメよ」

和「ちゃんと現実を見なくちゃ…」

唯「何言ってるの?和ちゃん?」


和「元から間違ってたのよ」

唯「和ちゃん?」

和「あんな遊び、するんじゃなかった…」

唯「遊びなんかじゃないよっ!本当にいるんだもんっ!!!」

和「それがいけないのよ、ちゃんと向き合わなくちゃ、自分とっ」

唯「和ちゃんのバカっ!そんな酷い事和ちゃんは言わないよっ!!!」

唯「私と憂と和ちゃんは、ずっと仲良し、いつも一緒だったじゃないっ!!!」

唯「なのに…酷いよ」

唯「そんな話、したくないよ…」

和「唯…」

和(私が全部悪いの…)

和(ごめんなさい唯…)




帰り道!

唯(今日も軽音部楽しかったなぁ)

唯(でも、家に帰っても楽しいんだ)

唯(だって、憂が待っててくれるもん)

唯(私の為にごはん作ったり)

唯(お風呂わかしたり)

唯(今日も、いろいろ憂とお話するんだ)

唯(だから)

唯(家に帰っても真っ暗じゃないし)

唯(一人でごはん作って、一人でごはん食べなくていい)

唯(憂いがいるから大丈夫だもん)

唯(私は寂しくなんか無いもん)

唯(一人ぼっちなんかじゃないもん)


私は小さな頃から寂しかった

両親は仲が良いし、お金持ちだった

だけど私を愛してはくれなかった

いろんな物を買ってもらった

素敵な学校にも入れてもらった

だけど、私と一緒にはいてくれなかった…

寂しかった私にも友達がいた

同じ歳の和ちゃん

私は和ちゃんにべったりだったけど

和ちゃんはやっぱり他所の子

一緒に住める訳じゃなかった

だから私は自分で妹をつくった

はじめは和ちゃんとのお遊びだった…

でも、今は違う、憂がいなければ……わたし……


ガチャ

憂「何方ですかーっ?」

唯(憂の声?まるで本当の声みたい)

唯「ただいま憂っ」

唯(あれ?私電気消し忘れたかな?)

唯「ごめんね、ちょっと遅くなっちゃった」

憂「!!!?」

憂「お姉ちゃん?」

唯「!!!?」

唯「えっ!?」


唯「憂……」

唯「憂なんだよねっ?」

唯「本当に憂なんだよねっ?」

憂「そりゃそうだよ、でも、なんで?お姉ちゃん、まるで」

憂「現実にいるみたい…」

唯「ういーっ」ガバッ

憂「わっ!」

唯「会いたかったよっ、私、ずっと憂に会いたかったよっ!!!」

唯(憂、あったかいっ!)

唯(想像してたのよりずっと暖かいっ!!!)

憂「おねーちゃーん!!!」ダキッ

唯「ういーっ!!!」ヒシッ


唯「もう離さないよっ!ずっと私達一緒だよっ!」ポロポロ

憂「当たり前だよっ、私達やっと会えたんだもん」ポロポロ

唯「ういー、本当に憂だっ、こんなに凄いことって無いよっ!!!」

憂「おねえちゃんっ!お姉ちゃんっ!」

憂「体温も匂いも、ちゃんとある、本当にあるっ」

唯「よかったぁ、ほんとうによかったよ…」グスッ

憂「そうだっ!お姉ちゃん、私の料理食べてっ!」

唯「うんっ!食べるっ、いっぱい食べるよっ!」

憂「一緒に寝て、私が起こしてあげるんだからねっ!」

唯「学校に行くのも一緒だよっ!」

憂「それからそれからね、お姉ちゃんとしたい事沢山ありすぎるよっ!」

唯「何でもしようっ!これからは二人で、楽しくっ」

唯「もう一人ぼっちじゃないんだねっ!!!」

ガチャ

和「おめでとう、二人とも…」


3
最終更新:2010年07月01日 21:18