7月13日PM:14:30
唯「この箱はなにに使うのかな・・・・なにか入ってるけど・・・・開かない・・・」
梓「鍵・・・・入れるみたいですね・・・・・めんどくさいことばかりですね」
律「鍵ならここに・・・・・」
唯「りっちゃんナイスっ」
澪「なんで言わなかったんだ」
律「いやいや言ったよ・・・・ほい」ヒュン
梓「ありがとうございます・・・・これで・・・」ガチャ
紬「何が入ってた?」
唯「・・・・わあああああ・・・・ここここここれって・・・・・」
梓「・・・・・・ちょ・・・・これって・・・・・」
唯「拳銃・・・・・うわあああ」
律「に・・・・偽者だよ・・・・あはは」
紬「そ、そうよね・・・・この銃弾なんて入るわけ・・・・ないよね」
梓「と・・・とりあえず・・・・その危ないものをおいてください先輩・・・・・」
唯「う・・・うん・・・・あっ」カチャ
思わず唯は引き金を引くが弾は入っていなかった
澪「ひぃいぃぃいいい」
律「うおあっ・・・・・・・・アブねーぞ唯・・・・本物だったら・・・」
唯「弾入ってなかったみたい・・・・・えへへ」
梓「たぶんこれ使って殺せってことでしょう・・・・」
澪「・・・・・・・・」
律「・・・・・・・」
紬「・・・・・・」
梓「・・・ご、ごめんなさい、そういうつもりじゃ・・・・・」
澪「で、でもさ・・・・殺さなきゃ・・・・・死ぬんだろ?」
唯「だ、だから・・・・この中の誰でもないって・・・・」
律「もういいんだよ唯・・・・みんな分かってる・・・・・この中にいるってこと・・・・」
唯「そんなことないよっ・・・絶対ないっ」
梓「・・・唯先輩・・・・何を理由にそんなこといってるんですか・・・・・・もしかして唯先輩が・・・」
律「梓・・・・やめろ・・・・・」
梓「でもっ・・・・誰かのせいで私たちの命が危ういんですよっ・・・・その人がさっさと自殺でもすれば・・・・」
唯「あずにゃん・・・・」パシンッ
梓「・・・ったい・・・・なにするんですかっ」
唯「そんなのあずにゃんじゃないっ・・・・なんでどうして・・・・・あずにゃんの馬鹿っ」
梓「・・・・・そうやって・・・・自分は犯人じゃないみたいに装っているのが一番怪しいんです・・・・・・それに和さんに一番近いのは唯先輩じゃないですかっ」
唯「わ・・・・私はそんなことしないもん・・・・・誰かを殺すなんて・・・・しないもん・・・・」
律「・・・梓・・・・・やめろって」
紬「梓ちゃん・・・・ちょっと熱くなりすぎよ・・・・」
梓「・・・・・・・先輩方は生きたくないんですか?・・・・誰かのせいで死ぬ一歩手前まで来ているんですよっ」
澪「私たちは・・・生きたい・・・・・けどな梓・・・・私たちは部員の誰かを殺すなら・・・・死んだほうがいいよ・・・・・」
梓「・・・・そんなの・・・・・きれいごとですよ・・・・澪先輩なんて・・・・律先輩をさっき殺そうとしたのに・・・・」
澪「っ・・・・ぐ・・・・・それは・・・・」
唯「・・・・・・・・あずにゃんごめんね・・・」
ゴスッ
唯は手に持っていた拳銃で梓の後頭部を向かっておもいっきり殴る
鈍い音とともに梓は頭を抑えながらその場にたじろぐ
梓「ぎゃ・・・・・ぅ・・・・・」バタッ
律「おい唯っ・・・・・」
澪「ゆっゆ唯・・・・」
紬「唯ちゃん・・・・・」
唯「こうでもしないと・・・あずにゃん黙ってくれないから・・・・・」
梓「・・・・うぅ・・・・・う」
唯「ま、まだ生きてる・・・・こんなのあずにゃんじゃないっ」ボガッボガッ
律「やめろって唯っ唯っ」
澪「いやぁぁぁああああ」
梓「・・・・ぎょ・・・・ガハッ・・・・・ゃ・・・・・め・・・・て・・・・」
梓は手を伸ばして振り上げた唯の手を止めようとしたが、虚しくも鈍い音が何度も梓の脳内を揺する
そのままゆっくりし視界が暗くなり意識を失う
唯「・・・・はぁ・・・はぁ・・・・はぁ・・・・・」
律「唯・・・・殺してないよな・・・・・?」
澪「うわああああああああ怖い怖い怖い怖い」
7月13日PM:15:00
唯「・・・・・りっちゃん・・・・銃弾ちょうだい・・・・」
律「やだ」
唯「ちょうだい」
律「やだ」
唯「ちょうだい」
律「やだ」
唯「ちょうだい」
律「やだ」
唯「ちょうだい」
律「やだ」
唯「ちょうだい」
律「ラメッ」
唯「ちょうだい」
律「やだ」
唯「ちょうだい」
律「やだ」
唯「ちょうだい」
律「やだ」
唯「ちょーうだい」
律「やらねーよ今のお前なんかに」
唯「くれ」
律「だからやらねぇって・・・・」
唯「・・・・・・ククク・・・・あっはっはっは」
律紬「唯(ちゃん)・・・・・?」
唯「あはははは・・・・・みんな死ぬんだよ・・・・ここで・・・・みんなみんな死ぬんだ・・・・」
律「おいっ唯」
澪「いやぁぁっぁぁあああ」
唯「こ・・・・ここで死ぬんだあっはっはっはっはウゴッ」バタッ
辛うじて意識を取り戻した梓渾身のストレートは唯のあごにヒットしそのまま地面にひれ伏させた
それでもなお唯はピゥッピクッと痙攣を起こしながらも笑い声を響かせていた・・・・
梓は腕を下ろすと同時に再び気を失った
律「梓・・・・・・・・澪・・・・大丈夫か?」
澪「うぅ・・・・怖い怖い怖い怖い」
紬「みんな限界ね・・・・・・私も・・・・」
律「私がそばにいるから・・・・な・・・」ギュウ
澪「うぅぅ・・・・と殺し人殺し・・・・怖い怖い人殺し・・・・」
律「・・・・・・」
7月13日PM:15:30
静まり返った部屋の中で秒針が時間を刻む音だけが響いている
ただひたすらに・・・・・時間の経過を促すと同時に彼女らに絶望も促していた
澪も泣きつかれて寝てしまっていた
律「・・・・・ムギ・・・・・起きてるか・・・・」
紬「ええ」
律「私が犯人じゃないって本当におもうか?」
紬「はい」
律「嘘だな・・・・」
紬「私は嘘をつきませんよ」
律「それも嘘だ・・・」
紬「・・・・りっちゃん」
律「もう一度・・・・・みんなでライブしたいな・・・・ムギ」
紬「ですね」
律「・・・・・なんだかんだで・・・・毎日楽しかったよ・・・・みんなとしゃべってお茶飲んで・・・・時々練習して」
紬「・・・・・合宿して・・・・バイトして・・・・りっちゃんが風邪ひいたときにお見舞いもいったわね」
律「・・・・・だったな・・・・そのあと唯にうつっちゃって・・・・ライブあいつ泣きながら歌っててさぁ・・・・ククク」
紬「・・・でも次第に笑顔になって・・・・何回もふわふわ時間演奏して・・・・和ちゃんに・・・・」
律「和ってさ・・・・軽音部じゃないけど・・・・私たちにとってかけがえのない存在なんだよ・・・・」
紬「・・・・・・そうね」
律「影でいつもサポートしてくれたり、みんなでお茶飲んだり・・・・唯が暴走するのを簡単に止めたり・・・・」
紬「りっちゃん・・・・」
律「澪がさ・・・2年のとき和と仲良くなってちょっと寂しかったんだ・・・・それでつらく当たってさ・・・でも和は唯が軽音部に入部してすれ違いになっても何にも言わなかった・・・・強いよ・・・・ホントニ」
紬「和ちゃん・・・・・・」
律「だから・・・・和を殺したやつは絶対に許さない・・・・・ほかのやつが許しても・・・・・私は許さない・・・」
紬「同感ね・・・・私も許さないわ・・・・」
律「・・・・・・・それが例え・・・最悪な形だとしても・・・・・」
梓「・・・・ぅ・・・・・イタタタ・・・・・」
律「梓・・・・目覚めたか・・・・・」
梓「・・・・・・はい・・・・・あっ・・・・先ほどはすいませんでした」
紬「なんのことかしら・・・・ねぇ、りっちゃん」
律「だな・・・・梓のパンチ決まってたぜ」
梓「・・・あっ・・・・・・・唯先輩・・・唯先輩」
唯「・・・・・うぅ・・・・・うぅ・・・・うん」
梓「先ほどは殴ったりしてごめんなさい・・・・反省してます」
唯「・・・・えへへ・・・・・ごめんなんのことだかさっぱり・・・・とりあえず『ごめんにゃあ』って言ったら許してあげる」
梓「なっ・・・・・・ご、ごめんにゃあ・・・・///」
唯「可愛い~・・・・えへへ」ギュウ
梓「・・・・・///」
唯「あれ、あずにゃん頭から血が・・・・・あ・・・・ああああああっ」
梓「・・・・いいんですよ・・・そのかわり『ごめんにゃあ』って言ってくださいね」
唯「・・・・・うぅ・・・・・ごめんにゃあ」
梓「許してあげます」
唯「ごめんねあずにゃん」ギュウ
律「・・・・・仲いいなおまえら・・・・・」
澪「うぅ・・・・・・う・・・・・」
律「・・・・お前はよく気絶するよな・・・・・」
澪「・・・・う、うるさい・・・・怖かったんだ・・・」
律「・・・・私が・・・・」
「私が守ってやる」そう言いかけたが澪の「人殺し」が頭から離れず口をつぐんだ
澪「私が・・・なんだよ・・・・」
律「なんでもないっ」
澪「・・・・・なんだよ教えろよっ」
律「教えるかよっ・・・・(なにビビッてんだ・・・・私は人殺しじゃないだろ・・・・・澪に締められた首にまだ感触があって気持ち悪いな)」
澪「・・・・・なんなんだ」
7月13日PM::16:00
梓「あと・・・・2時間・・・・」
律「もうさ・・・・みんなで死ぬか・・・」
唯「・・・・そうだよ・・・・みんなでなら・・・・怖くない・・・怖くない・・・」
澪「・・・・そうだな・・・誰かを殺すなんて私にはできない・・・・誰かが誰かを殺すのも見たくない」
紬「そうね・・・・・」
梓「・・・・・駄目です・・・・そんなんじゃ駄目ですっ」
唯「あずにゃん・・・・(また始まった)」
梓「この中の誰かが犯人だとしてそれを分かっていながらそのままにしておいたら私たちも立派な犯罪者です」
澪「でも・・・・殺しても・・・・犯罪者だ・・・(またかよ)」
律「そうだぞ・・・・友達を殺せるかよ・・・・・(もういい加減いいだろ)」
梓「そんなんじゃ駄目です・・・・友達の不正を正してやるのが友達じゃないんですか?」
唯「あずにゃん・・・・」
紬「・・・・で、梓ちゃんはどうしたいの?」
梓「できることなら・・・・・自殺してほしいです・・・・・だから・・・・」スッ
梓は律に向かってアピールをした
律は察して梓に銃弾を投げる・・・・梓は器用に銃弾をはめ込むと、拳銃をコンクリートに滑らせて部屋の中央へ送る
唯「あぁあずにゃん・・・・」
梓「私は・・・・信じてます・・・・」
澪「これで・・・・・あとはそいつがどうするかだな・・・」
唯「・・・・・・でも・・・」
梓「・・・・・これで・・・いいんです・・・・・そう信じてます」
唯「でも・・・・6時過ぎたら死んじゃうんだよ?」
梓「・・・・みんなで死んだほうがいいってことです」
律「・・・・そういうことだ・・・・いろいろやり残したことはあったけどな・・・・」
梓「・・・・・・ライブ・・・・もう一回だけ・・・・せめて一回だけしたかったです」
澪「・・・同感」
唯「・・・・ギー太で演奏・・・したいなぁ」
紬「・・・夏休みにはまた合宿に行きたかったですね」
律「だな・・・・」
澪「でもまた泳いだりと遊んで終わるんだろ」
梓「・・・そうなんですか」
律「まぁ細かいことは・・・」
唯「・・・・・なんでだろう・・・・・死ぬってわかってるのに・・・・すごい落ち着いてる・・・・」
紬「・・・・そうね、なんだかみんなといると安心しちゃうものね」
梓「・・・・・・先輩方・・・・・私・・・・・最後にひとつお願いがあります」
律「・・・・・・・なんだよ」
澪「・・・無理なお願いは駄目だぞ」
梓「はい・・あの・・・死ぬ前に、真犯人・・・・・・・誰なのか・・・・知りたいです」
唯「・・・・・私も・・・・知りたい・・・・和ちゃんのためじゃなく自分のために」
律「でもどうやって・・・・・?」
梓「きっとこのゲームを仕掛けた人は私たちに犯人を突き止めてほしい・・・・だからいろいろとヒントを与えてるはずなんです」
『まずいことになった・・・あと少しなのに・・・チッ・・・こんなとこで死んでたまるか』
律「つまり・・・・・その・・・・ヒントを元に犯人を・・・・まるで探偵だな」
澪「・・・・・不可能じゃないけど・・・・後2時間」
梓「・・・・澪先輩、テープレコーダーとテープ全部こっちに送ってください」
澪「・・・・お、おう」
紬「・・・・・テープ・・・なにかヒントあったかしら」
――――――しばらくお待ちください
唯「・・・・う~ん」
紬「・・・特に変わったとこ・・・ヒントみたいなのは・・・・」
律「ないよな・・・・」
『まさか・・・・あれが分かったら・・・・・いやそれは大丈夫うまく言いくるめれるはずだ・・・・』
澪「・・・気になったんだが・・・・・答えを持つって・・・・なんだろう」
唯「・・・・それはきっと・・・・なんだろう」
梓「・・・・・答え答え答え・・・・・・・一体何を示しているんだろう」
律「・・・・・答え・・・・・なぁ・・・・もしかして・・・・・これかな・・・・」
紬「トランプ?・・・・・・もしかして」
『どうする・・・・くそっ・・・・・わからない・・・・大丈夫大丈夫』
律「エース・・・・A・・・・答えってAnswerだろ・・・・・だからそれかなって」
『くぅ・・・・あとはいろいろ揺さぶって話題を・・・・』
唯「・・・・・関係あるのかな・・・・・何も書いてないんでしょ?」
澪「だから怪しいんじゃ・・・・・」
梓「えっと・・・ジョーカーにはなんて書いてあったんでしたっけ・・・?」
律「血は答えを導く・・・・だな・・・・」
紬「つまり・・・・エースには血を垂らせば・・・・なにか文字が浮かび上がるかもね」
梓「それですね・・・・血・・・・・」
律「・・・・澪の血・・・・・固まってるけど・・・・いけるかな・・・・・」ゴシゴシ
澪「血はいやだぁぁぁあ」
律「こんなときにガタガタ言うなよ」
唯「どうだった?」
律「・・・・・反応なしだわ・・・・・・」
『完璧・・・・勝った・・・・・あとは・・・』
梓「ほかのカードもやってみたらどうですか」
律「そうだな・・・・」ゴシゴシ
紬「・・・・・どうだった?」
律「だめだわ・・・・裏も表も・・・・やっぱり新鮮な血じゃないと・・・・」チラッ
澪「ち、血はだめなんだぁぁぁああああ」
唯「澪ちゃん・・・・」
律「まぁしょうがない・・・・っ」
律は指を強くかんだ・・・・・親指からは鮮血が流れ出た
梓「そこまでしなくても・・・・」
律「犯人・・・・知りたいんだろ?ならいいんだよこれくらい」ヌリヌリ
紬「・・・・りっちゃん」
律「・・・・う~んだめだな・・・・これはだめだわ」
最終更新:2010年01月28日 22:32