憂「梓ちゃーん」ギュ

梓「もう、姉妹揃って……」


梓「急に泊まりに来いとか……」

憂「お姉ちゃんが友達のお家にお泊まりしにいったから寂しくて」

梓「ふーん……まぁ私も暇だったから良いけど」

梓「それより唯先輩、実は彼氏の家だったりして」

憂「それはないよー」

梓「言い切れないよ?可愛いし、男好きしそうなタイプだし」

憂「うんうん、お姉ちゃん可愛いよね」

梓「微妙に噛み合わないなぁ」


憂「梓ちゃん、晩ごはんは何が良い?」

梓「何でも」

憂「それが一番困るよ」

梓「う……」

憂「暑くなってきたし、冷麺とかでいいかな?」

梓「いいよー」

憂「じゃあさっそく買い物に行こう」

梓「あいあいさー」



スーパー

ンデンデンデ♪

梓(変な曲)

憂「えーと、これとあれとそれと」テキパキ

梓「たまには唯先輩が作ったりしないの?憂ばっかりで嫌にならない?」

憂「まぁいつもはお母さんいるから」

梓「会ったことないけど」

憂「うーん、タイミングがねぇ」

憂「それにお姉ちゃんはゴロゴロしてても可愛いし」

梓「可愛いのと家事しないのは関係ないでしょ」

憂「私が好きでやってることだから」

梓「ならせめてティータイムの片付けは唯先輩にさせよう」

憂「あはは、お手柔らかにね」

憂「梓ちゃんって辛いのダメ?」

梓「極端じゃなければ大丈夫だよ」

憂「じゃあちょっと辛めのスープにするね」

憂「お姉ちゃんがダメだから、こういう機会がないとなかなかね」

梓「うん……」

梓(考えてみたら唯先輩の話題ばっかりだなぁ)

梓(憂と一年以上いるのに、共通項が少ない)

梓(唯先輩以外の話……)

梓「ほ、ほらみて憂!逞しいスイカだよ!」

憂「え、う、うん」

梓「いやースイカは叩いて反響音がするのが良いんだよ」コンコン

憂「?」ニコニコ

梓(外した……)

憂「スイカ買わなくって良かったの?」テクテク

梓「い、いいよ別に」テクテク

憂「ふふ」

梓「何?」

憂「梓ちゃん可愛い」

梓「……」

憂「照れてる?」

梓「う、うるさいよ」

憂「ふふーん」

梓(機嫌良さそう……平沢姉妹は読めない)




憂「平沢冷麺始めました」

梓「なんか手伝うよ」

憂「いいよいいよ、お客さんなんだからゆっくりしてて」

梓「そういう訳にも」

憂「真面目か」ベシ

梓「……」

憂「あれ?」

梓「今ので憂のファンが五人は減ったね」

憂「がーん」

梓「本当に手伝わなくて良いの?」

憂「うーん……じゃあ洗濯物取り込んでくれる?」

梓「いいけど、良いの?」

憂「何が?」

梓「いや、その、下着とか」

憂「女の子同士だし……それに梓ちゃんはお姉ちゃんと裸のお付き合いをした仲でしょ?」

梓「まぁそうだけど、言い方がおかしいよね」

憂「『あずにゃんのおっぱい小さいけどぷにぷにだった』って」

梓「ち、小さくないもん!身長的にはそれなりにあるもん!」

憂「……」

梓「ごめんなさい嘘つきました」



ベランダ

梓「他人の洗濯物を取り込むのって妙な気分」

梓「メイドさんとかこんな気持ちなのかな」

梓「……」

梓「唯先輩、意外にえっちなの着けてるんだ」

梓「お母さん……のかも」

梓「……エロ親父か私は」

梓「先輩がCで憂がE寄りのDか」

梓「………………A舐めんなよ」

梓「虚しい」


梓「は~っぴぃ、にゅうにゃあ~♪」

梓「なんか耳に残る歌だったな」

梓「憂ー、畳んだよ」

憂「ありがとう、直すのは私がやるから置いといて」

梓「うん」

憂「テレビでも観ててね」

梓「では遠慮なく……」ガタン

梓(あ、リモコン落とした)

梓(くっ!ソファーの下に!)

梓(と、届かない……)モゾモゾ

梓(あと少し……)ゴソゴソ

梓(ぬおお!)ノビー

憂「くすっ」

梓「あっ……」

憂「狭いとこに入りたがるのは猫さんの習性だね」

梓「ち、違うよ!リモコン落としたから……」

憂「うんうん」ニコニコ

梓「うー……」

憂「はい、孫の手。これ使って」

梓「……ありがと」

梓(この場に律先輩とかがいたらもっといじられてたんだろうな)

律『ほれほれ、ボールだぞー』

澪『後輩で遊ぶな!』ガン

律『痛い!』

梓「……へへ」ニヤニヤ

憂(梓ちゃんが一人でにやけてる……)



憂「麺を茹でて、野菜切って、スープ作って」テキパキ

梓「早い……」

憂「慣れだよこんなの」

梓「そうだとしても熟練者の動きだよ」

梓「憂と結婚する人は唯先輩に感謝しなきゃね」

憂「へ?」

梓「あの人のだらけが憂の能力を鍛えた面もあるでしょ?」

憂「否定出来ないのが悲しい」



ヘキサゴンステキヤン?

梓「ろくな番組がやってない……」

憂「クイズ番組と面白映像番組ばっかりだね」

梓「もっと多様性と独自性を打ち出さないと」

憂「真面目か」

梓「……」

憂「……」

梓「真面目だ」

憂「真面目だったのか」

梓「暇をもて余した」

憂「あずにゃんの遊び」

梓憂(なんだこれ)



梓「ん?メール?」

純『暇なら電話しない?』

梓「ねずっちより忙しいから無理……と」カチカチ

憂「出来たよー」

梓「おぉ……凄い美味しそう」

憂「結構辛くなっちゃったかも」

梓「平気平気、ラー油がおかずになる時代なんだから」

梓憂「いただきまーす」

梓「……」ズルズル

梓「ぶふっ!」


梓「げほっ!ごほっ!」

憂「あ、梓ちゃん!お水!」

梓「んぐんぐ…………ぷはっ!」

梓「鼻から出すところだった」

憂「そんなに辛かった?」

梓「いや辛さより……変なとこに入ってむせた」

憂「びっくりしたよー」

梓「では改めて」ズルズル

憂「……どう?」

梓「超美味しい。私の嫁になる権利をやろう」

憂「ありがと、法が改正されたらお嫁にいくね」

梓「いやそこは流してよ」

憂「私のことは遊びだったのね!」

梓「冷麺美味い」

憂「梯子外された!」

憂「でも確かに我ながら上手くいったかな」ズルズル

梓「程よい辛さのスープに麺が絡んでしゃっきりぽん」

憂「しゃ、しゃっきりぽん?」

梓「言いたかっただけ」

憂「はぁ」

梓「ごちそうさまー!」

憂「お粗末」


憂「デザートもあるよ」

梓「そんな餌で私が」

憂「じゃーん、自家製牛乳寒天」

梓「にゃあ……」

憂「ぷるんぷるんだよー」

梓「わぁ……」

憂「はい、あーん」

梓「……」

憂「食べないの?」

梓(この姉妹はなぜこう……ああもう)

梓「あーん」

憂「美味しい?」

梓「甘ーい!」フンス

憂「良かった」

梓「もうひとくちー」

憂「いっぱいあるから遠慮しないでね」

梓「うん……はっ!」

憂「どしたの?」

梓「こうやって唯先輩は餌付けされていったのか」

憂「あはは、そうかも」


梓(結局平らげてしまった)

憂「梓ちゃんは食べ盛りだね」

梓「同い年でしょ……あ、皿洗いくらいやるよ」

憂「じゃあお願いしようかな、お風呂の用意するね」タタタ

梓「うん」

梓「さてと」カチャカチャ

梓(……まさか一緒に入る気かな?)

梓(ヤバい、なんか緊張してきた)

梓(女同士だっつーの、同級生だっつーの)

梓(落ち着け私、手のひらに人って三回書いてのむんだ)サッサッ

梓「人人人……えい!……ぺっ!ぺっ!洗剤つけたままだった!」

梓「うえぇ」

憂「ど、どうかした?」

梓「私の体内がすすいだ瞬間キュキュッとされるとこだった」

憂「?」

梓「何でもないよ」

憂「ならいいけど……すぐにお風呂沸くから待っててね」

梓「う、うん」

憂「お姉ちゃんのバスタオル使っていいから」

梓「了解」


……

梓「いけ!私のフシギバナ!はっぱカッター!」

憂「あぁ!私のゴローニャが!」

梓「どんなに虐げられようと、最初はくさタイプを選ぶのが私のジャスティス」

憂「私の丸っこいポケモンパーティの切り札……出番だよ、カビゴン!」

梓「……ユイ?」

憂「えへへ……ゴロゴロしてる辺りが似てるよね」

梓「何気に酷いよ」

ピンポーン

憂「あ、お風呂沸いた」



脱衣所

梓「……」ヌギヌギ

憂「さぁおーまえのー罪をー数えー♪」ヌギヌギ

梓(疑問を挟む余地も無いほど当然のような顔していらっしゃる)

憂「魂にー問い続けろ♪」
梓(一緒に入るのか……)

憂「ノーバディズ、パーフェクト♪」

梓(それにしても……スタイルに差が有りすぎ)ペタン

憂「さ、入ろっか」

梓「惨めだ……」


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最終更新:2010年07月07日 03:39