キーンコーンカーンコーン

憂「じゃあまた明日ね!」

梓「うん、バイバイ」

純「最近、すぐ帰るね憂」

梓「きっと家事が忙しいんだよ」

純「偉いなぁ」





憂「早く帰ってウルトラマン見なきゃ」



部室

梓「こんちはー」

律「うーす」

澪「おー」

紬「今紅茶入れるわね」

梓「どうも……あ、唯先輩」

唯「ん?」

梓「最近、憂忙しいみたいですね」

唯「えー、そうかな」

梓「今日もすぐ帰りましたよ、家事じゃないんですか?」

唯「さぁ?最近結構部屋に籠ってるし、よく解んない」

梓「そうなんですか?」

唯「まぁ憂なら心配無いよー、家事をサボったりしてるわけじゃないし」

澪「むしろ唯がもっと手伝ったほうが良いんじゃないか?」

唯「最大の敵は出来の悪い味方なんだよ」

律「自慢気に言うなよ」

梓「……」



平沢家

ダイゴ『僕は救世主なんかじゃない!』

憂「わー……」ドキドキ

ティガ『タァッ!』

憂「スカイタイプは夜景に映えるなぁ……」



唯「ただいまー」

憂「わっ、わっ!」

ガタガタ

唯「憂?何か見てたの?」

憂「な、何でもないよ」

唯「ふーん……それにしてもおなか空いたよー」

憂「すぐご飯にするね」

唯「カレーが良い!」

憂「はーい、待っててね」

~~~~~~~

憂「出来たよー」

唯「みてみてー、スプーンを目に当ててウルトラマーン」

憂「!」


憂「も、もう……子どもみたいな事して」

唯「ごめんちゃい」

憂(解っててわざと……?まさかね)

唯「カレー美味しー!」

その夜、憂の部屋

レナ『今なら私……見えてないよ……』

ダイゴ『……』

憂「格好良い……」


レナ『ダイゴォォォォ!』

憂「ああっ!ティガが石像に……!」

憂「世界はおしまいだ……」ガク

ダイゴ『光よーーーー!!』

憂「!?」

少年『ぼくがティガだ!』

少女『わたしがティガよ!』

レナ『私が……ティガになってる……』

憂「おおおお」

ダイゴ『人は誰でも……自分の意思で光になれるんだ』

憂「うぅ……ぐすっ……」




唯(憂の部屋からすすり泣きが……)



翌朝

憂「お姉ちゃんおはよう」フラフラ

唯「か、顔色悪いよ憂……それに隈が」

憂「ちょっと寝不足なだけだから大丈夫だよぉ」


憂「心配してくれてありがとう、先に行くね」

唯「うん」

ガチャン

唯「やっぱり憂に家事を任せすぎなのかなぁ」

唯「昨日も何かあったみたいだし」

唯「よーし!もっと憂を手伝おっと!」フンス



教室

純「うぉーっす」

梓「おはよ」

憂「はよー」

純「なんか元気無いね」

憂「眠い……」ウトウト

純「優等生の憂らしくない」

梓「誰かさんは居眠りばっかりなのに」

純「誰がよ」

梓「憂大丈夫?」

憂「うん平気」

純「無視しないでよ」

憂「光になりたい……」

梓「……」

純「……平気じゃないでしょこれ」



体育

先生「ドッヂボールしまーす」

梓「おりゃー!」ブン

憂「……」バシッ

純「おお!片手キャッチ!」

憂「いくよ梓ちゃん!」

梓(くる!)

憂「ヘアッ!」ブン

梓「ふえ?」

ベチン!

純「梓、アウトー」

梓「ボールの速さより掛け声に驚いた」

憂(ウイバルト光弾……ふふふ)



放課後

憂「じゃ、またねー」

純「乙」

梓「ばいばい」

憂(今日はダイナを借りて返ろう!)

梓「やっぱり憂ちょっと変だよ」

純「そう?」

梓「なんか憂らしくないというか妙に浮かれてるような」

純「男でも出来たのかな」

梓「下品」

純「うるさいなー」



……

憂「ただいま」

憂「って、誰もいないんだけど」

唯「あ、憂おかえり」

憂「お姉ちゃん!?」

唯「今日は部活休んだんだー」

憂「な、なんで」

唯「いつもいつも憂にだけ家事をやらせて悪いからね、たまには私がやるよ」

憂「あ……ありがとう」

唯「お姉ちゃんに任せなさい!」フンス

憂(ありがたいけど……これじゃあリビングのテレビが使えないよぉ)

憂「じゃ、じゃあ私、部屋にいるね」

憂(ダイナ観たいし)

唯「えへへ……ご飯作るの手伝って」

憂「……」

唯「……ダメ?」

憂「お姉ちゃん、人として出来る事を精一杯しないとダメだよ」

憂(って、ダイゴさんも言ってた)

唯「お願ーい」

憂「……」

憂「……手伝うだけだよ」

唯「わーい!」



憂「ごちそーさまでした」

唯「結局ほとんど憂にやってもらっちゃった」

憂「まぁまぁ、最初から全部は無理だよ。洗い物よろしくねー」

唯「了解」

憂「部屋いくね」

唯「うん」

バタン

唯「……」

唯「食後の姉妹トークはどうしたのかな?」



憂の部屋

ウォウウォウダイナ♪

憂「正義のためたたーかえー♪ウルトラマンダーイーナーウォオー♪」

ダイナ『ジュワッチ!』

憂「ティガとは違って熱血漢な感じだ」

アスカ『ピッチャーは孤独だ……』

憂「つるのさんがこんなに格好よかったなんて」

ダイナ『ジョワ!』

憂「ミラクルタイプ強すぎるよね……でもストロングのがダイナに似合ってる」


唯「なんかブツブツ言ってる……」



翌朝

唯「うーいー、朝だよー」ユサユサ

憂「うーん……平沢憂浮上せず」

唯「遅刻するよー」

憂「むにゃ……」

唯(疲れが溜まってるのかなぁ?)

憂「はっ!」

唯「お、おはよう」

憂「もうこんな時間……ワープしなきゃ!」

唯「え?」

憂「あ……」

憂「お、お姉ちゃん先に行ってて!」

唯「う、うん」

唯(憂がおかしくなっちゃう……)

憂(危ない危ない……)

憂(夜中に観るのは危ないなぁ……なんとかしないと)

憂(しかし残りは本編後半と映画……我慢出来ない!)

唯「……って感じなの」

澪「憂ちゃんがねぇ」

唯「心配だよぉ」

律「唯にも姉らしいとこがあったんだな」

澪「茶化すなよ」

律「だが私は謝らない」

澪「……」ゴン

律「冗談なのに……」

紬「それで、唯ちゃんはどうしたいの?」

唯「憂の負担を減らしてあげたいけど、なかなか上手くいかない」

紬「でもその心掛けがあれば、きっと憂ちゃんもわかってくれるわ」

澪「うんうん」

律「やはりそういうことか」

唯「うん!頑張るよ!」



……

憂「あ、和さん。生徒会ですか?」

和「うん、毎日毎日会議で嫌になるわ」

憂「お疲れ様です」

和「みんなが憂みたいに素直なら楽なんだけどね、特に部長同士の意見の擦り合わせなんて大変よ」

憂「あはは、頑張ってください」

和「ありがと、じゃあ行くわ」

憂「あ、和さん、ちょっとだけメガネ借りていいですか?」

和「いいけど……壊さないでよ」ヒョイ

憂「分かってますよ……デュワ!」

和「……」

憂「ありがとうございました。一回やってみたかったんです」ペコリ

和(なんか段々唯に似てきたわね)




平沢家

憂「よーし、今日は帰宅一番乗り」

憂「お姉ちゃんが帰ってくるまでに映画観よう」

憂「DVDいれて、と」

憂「わ、派手な特撮……お金かかるんだろうなぁ」

憂「ダイナが負け……逃げた……そんな……」グス

アスカ『どしてティガは無敵だったのか……もしも本当にティガが無敵だったなら、俺はティガになりたい!』

イルマ『ティガは決して無敵ではなかった……彼は、人として出来ることをしただけよ』

憂「……」ドキドキ

アスカ『俺はもう逃げない!』

憂「いけーー!!」

ダイナ『デュアー!』

デスフェイサー『……』

憂「勝ったー!」

クイーンモネラ『……』

憂「そんな……こんなの……無理だよ」グス

少年『ぼくのお兄ちゃんが言ってた。人は光になれる、ティガになったって』

憂「え……?光が集まってる?」

ティガ『……』コクリ

ダイナ『……』コクリ

憂「わああ!ティガだーー!」

唯「ただいまー」

憂「わああ!お姉ちゃんだーー!」

唯「!?」

唯「う、憂?どうしたの!?」ドタバタ

憂「な、なんでもない!」ゴソゴソ

唯「何か隠した?」

憂「う、ううん……あはは」

唯(怪しすぎる……まさかえっちなビデオ?)

憂「さ、さぁてご飯ご飯」

唯(まさか憂に限って、ね)

憂(いいとこだったのに……また夜更かししなきゃ)

~~~


深夜

憂「やっぱりティガは格好いいなぁ……もうこの勢いで最終回まで観ようっと」

アスカ『この卑怯者をぶちのめすまで、俺は死なねぇ!』

アスカ『俺は今、君だけを守りたい』

憂「素敵……」ポー

ダイナ『俺は俺だ!ウルトラマンダイナだ!届けぇぇぇぇぇっ!!』

リョウ『アスカは……今も飛んでるわ……』

憂「…………」




唯「今日は何の声もしないなぁ」


2
最終更新:2010年07月10日 14:19