翌朝

憂「おはよう……」

唯「お、おはよう」

唯(くらっ!)

唯「どうしたの?」

憂「ちょっと……」

唯「ほ、ほら、こんなにも明るい良い天気なんだから元気出して!」

憂「明るい……光……アスカ……」グスッ

唯(えー)

憂「うぅ……悲しいよぉ」

唯(もしかして好きな人に振られたとか!?)

唯「う、憂、また良い人に会えるはずだよ!別れは出逢いの始まりだよ!」

憂「お姉ちゃん……ありがとう」



教室

和「憂が振られた?」

唯「多分」

律「もう一度言ってみろ……私はそいつをぶっ殺す!」

澪「はいはい、危険人物は撤去」ズルズル

律「離せ!私を誰だか知らないのか!?私は田井中律だぞ!!」

澪「知り尽くしてるよ」

紬「本当なの?」

唯「確証は無いけど」

和「じゃあ唯の早とちりかもしれないわね」

唯「それならそれで良いんだけど」

紬「ふふ」

唯「なーにー?」

紬「お姉ちゃんらしい唯ちゃんって新鮮ね」

唯「むー」

和「拗ねない拗ねない、褒められてるんだから」

澪「まぁ憂ちゃんなら引きずる事もないと思うけど、しばらくは唯が支えてあげなよ」

唯「うん!」

律「私は鬼のように男を愛してきた、だから私が憂ちゃんをサポートしよう」

澪「……」

律「あ、ごめん、嘘です。流してください」



ヨドバシカメラ

店員(女子高生がウルトラマンコーナーに……珍しいな)

憂(せめてダイナの人形でも買って帰ろう)

憂(フラッシュタイプだけか……ん?)

憂(なんだろう、あれ)

子ども1「行け!ウルトラマンゼロ!」

ゼロ『ジュワ!』

子ども2「ウルトラマンしか使わないのは甘え」

子ども1「うるせぇ」

憂(大怪獣……バトル?)

ゼロ『デュワー!』

子ども1「やったー!」

憂「……」ウズウズ

子ども2「お姉ちゃんもやるの?」

憂「へっ!?う、ううん、見てただけだよ」

子ども1「やるんならいらないカードあげるよ」

憂「や、大丈夫だから……」タタタ

子ども2「かっこつけー」

子ども1「うるせぇ」

憂(何あれ凄く面白そう)

憂(でも今日はとりあえず帰ろう)

憂(ん……ウルトラアクトが二千円!?)

憂(買うしかないよ!)

店員(あの子、選別してる……出来るな)



……

憂「ただいま」

唯「おかえりー、遅かったね」

憂「買い物してたの」ニコニコ

唯(良かった、機嫌良いみたい)

唯「ご飯出来てるよ」

憂「わーい」

唯「今日は一人で作ったもんね!」フンス

平沢母「そうね、野菜切ってサラダ作った以外はお母さんがやったけどね」

唯「あぅ……バラさないでって言ったのに」




憂「マン兄さんと御対面」ガサゴソ

憂「か、かっこいい……」

憂「こんな良いものがたった二千円なんて、どうかしてるぜ」

憂「BANDAI様ありがとうございます」

憂「ところでこのマントは何だろう?」

憂「かっこいいから良いや」

ゾフィー「説明しよう!憂ちゃんは作品順に視聴しているため、まだ銀河伝説を知らないのだ!」

ゾフィー「ゆえにブラザーズマントも知らないぞ!」

ゾフィー「いたいけな少女にネタバレする輩は私が敗北を教えてやる!」

ゾフィー「なお初代~ゼアスまでは視聴済みという設定だ!説明終わり!」シュワッチ!

憂「ヘアッ!」

憂「シュワッチ!」

憂「許さんぞバルタン星人!くらえ八つ裂き光輪!」

憂「……」プルプル

憂「楽しい」

憂「動かしてるだけでウルトラマン気分だ」

憂「でも子どもみたいだよね……」

憂「……あ、ガイア観ないと!」




唯「バルタン……?八つ裂き……?」ブルブル



翌日

梓「はよー」

純「グッ、モーニン」

梓「うざ」

純「おい」

憂「止めなよー地球から見れば小さいことだよ」

純「え」

憂「地球を救うには人間を消すしかない……悲しいけど」

純(憂、頭でも打ったの?)

梓(いや知らないよ!)

憂「人は海を知ろうとはしない……」



……

唯「はぁー……最近憂が解らないよ」

律「おい唯!平沢家の妹は何をするんだっけ!?」

唯「野菜を切り裂き……」

律「聞こえねぇよ!」

唯「野菜を切り裂き!食事をもたらす!」

律「きっついなぁ、お前の期待に応えるのは」

唯「出来るよ……だって憂は、憂だから」

和「……」

紬「……」

澪「気はすんだか?」

律「おう」

和「もう面倒だから直接憂に聞きなさい!」

唯「えー」

和「えー、じゃないの」

紬「まぁまぁ」

澪「何か唯なりに心当たりとか無いのか?男関係以外で」

唯「んー、私やお母さん達は別にいつもと変わらないし」

澪「じゃあやっぱり憂ちゃん自身の事か」

唯「話してくれたら良いのにー」

和「だから聞きなさいってば」



……

憂「……」コソコソ

子ども2「あ、昨日のお姉ちゃん」

子ども1「マジかよ」

子ども2「お前顔赤いぞ」

子ども1「うるせぇ」

子ども2「ま、ほっといてやろうぜ」

子ども1「お、おう」

憂(ふむふむ……ああやってプレイするのか)



唯「おかえり~」

憂「ただいま~」

唯「ご飯にする?お風呂にする?それとも……」

憂「あ、お風呂入る」

唯「はいよー、沸いてるよー」

憂「ありがとー、お姉ちゃん大好き!」

唯「どういたしまして」

憂(お風呂でアグルごっこしよ)


憂「良いお湯だったー」

唯「憂」

憂「なにー?」

唯「悩み事があるならいつでも言ってね?私はお姉ちゃんなんだから、何でも聞くからね」

憂「うん?あ、ありがとう」

唯「よし!んじゃあ晩ご飯食べよう!」

憂「おー!」

~~~

憂「お姉ちゃんなんだったんだろ……ま、いっか」

憂「続き続き」

藤宮『アグルの光も合わせろ……ちょっとはマシに戦える』

我夢『藤宮……』

藤宮『俺にはもう、守るものは無い』

憂「寝るタイミングが無い……」


アツコ『ガイアが……変わる』

ガイア『デェィア!』

憂「わあぁ」キラキラ

ガイア『ジョワーーー!!』

憂「スプリームヴァージョンは無敵だ……」キラキラ

藤宮『俺はもう一度戦いたい』

藤宮『アグルーーー!!』

ガイア『デュア!』

アグル『……』

憂「つ、ついに二人のウルトラマンが並び立ったよ!」

我夢『どうして僕を信じてくれたんです?』

コマンダー『理由などいるか?』

憂「ふえぇ……」ウルウル

民衆『ウルトラマンは人間だったんだ……』

憂「正体がバレちゃった」ハラハラ

コマンダー『地球の怪獣からエネルギーを集めて、もう一度君達をウルトラマンにする……名付けて、オペレーション・ガイア!』

憂「め、目が放せないよ!」

アツコ『どうしていつも何も言わずに行っちゃうの?見送るくらい……させてよ』

我夢『……いってくるよ』

憂「はぁはぁ」

藤宮『俺達はなんで二人なんだろうな』

我夢『え?』

藤宮『悪い意味じゃない、どちらかが倒れても、もう一人いる』

我夢『藤宮……』

藤宮『俺はお前と戦えることを、誇りに思う』

憂「はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ!!」フンスフンス!

我夢『来るぞ!』

藤宮『ああ!』

我夢『ガイアァァァ!!』

藤宮『アグルーーー!!』

憂「ガイアァァァ!」

~~~

唯「なに!?」ビクッ

~~~


玲子『ウルトラマンが戦っています!私達の……地球のために!』

憂「頑張れ……頑張れっ!」

ガイア『いくぞ!』

我夢『そうか……これだ、これなんだ……おーーい!!』

憂「地球は……地球はウルトラマンの星だったんだ……」



翌日、体育

先生「今日はソフトボールです」

純「私の球が打てるかな?」

梓「打ってやる!」

女子「梓のホームラン予告だ!」

ズバンズバンズバン!

先生「スリーストライク、アウト!」

梓「にゃあ……」

女子「あらら」

憂「大丈夫だよ」

梓「打てそう?」

憂「ギリギリまで頑張って、ギリギリまで踏ん張ってみるよ」

女子(憂かっけー)

憂「愛さえ知らずに育った純ちゃん、叫びはあなたの涙なの?」

純「意味わかんないし、酷いし」

憂「自惚れた邪悪な投球……大切なものを守るため、一球も通さない!」

女子「憂ってあんな熱血キャラだった?」

梓「さぁ……」

純「大した自信だけど」

ズバン!

先生「ストライク!」

純「打てなきゃ負けよ?」

憂「ヤバイなぁ不味いなぁピンチの連続」

純(ささやき戦術?そんなのには乗らないよ)

憂「そんな時……」

純「ふっ!」

ガキン!


先生「ファール!」

憂「いたた……」

純「ふふん」

女子「当てた方の手が痛むとか、どんだけ重い球投げてんのよ」

梓「憂ー!無理に大きいの打たなくていいよ!」

憂「梓ちゃん……」

梓「合わせていこう、合わせて!」

憂「守るものなら……いくらでもあるよ!」

梓「ダメだ、会話通じない」

憂「すいませんちょっとタイム」

憂「はぁー……」

女子「腕あげて何してんの?」

梓「平沢姉妹は常識では測れない」

憂(スプリームヴァージョン……気分!)

憂「いつでもいいよ」

純(雰囲気が変わった……?威圧感の中に潜む仏の様な優しさ……呑まれたら負ける!)

女子「二人だけスポーツ漫画状態だね」

梓「だねー」

憂(そんな時……ウルトラマンが欲しい!)

純「であっ!」ビュン

憂(ウルトラマン……)

憂「ガイアー!」

カキーン!


女子「さ、サヨナラホームラン!?」

純「うそぉ……」

憂「フォトン・ストリームに砕けぬものは無いよ」

梓(何言ってんだろ)

純「くっ……負けたわ」ガクリ

憂「立って純ちゃん、あなたがいたから強くなれたとやっと解った」

純「憂……」

女子「イイハナシダナー」

梓「うん?うん……うん」
先生「いいから平沢は塁を回れ」


3
最終更新:2010年07月10日 14:20