放課後

唯「へぇー、憂がそんな活躍を」

梓「まぁちょいちょい変なこと言ってましたが」

律「あれだろ、アドレナリン出まくってたんだよ」

澪「憂ちゃんそんなタイプか?」

紬「でも元気そうで良いじゃない」

唯「まぁねー」

梓「確かに元気ではありましたけど……ベース踏む時も土煙上げてましたからね」

律「ウルトラマンかよ」

唯「あははは」



ヨドバシカメラ

憂「……」ドキドキ

憂「お金を入れて、と……おお!カードが出てきた!」

憂「ウルトラマンメビウス……なんか可愛いなぁ」

子ども1「あっ」

憂「あ……」

子ども1「お姉ちゃん、早くスキャンしないと」

憂「あ、う、うん」

メビウス『セアッ!』

子ども1「あちゃー普通のメビウスか」

憂「ダメなの?」

子ども1「いや、ダメってことはないけど」

憂「君詳しいんだよね、教えてもらって良い?」

子ども1「い、いいけど」

店員(俺の方が詳しいよ)


憂「メビュームシュートだ!」

メビウス『セヤー!』

モチロン『ウギャー!』

憂「やった、やった!君のアドバイスのお陰だよ!」ギュウ

子ども1「べ、べべべ別に!」

店員(おい坊主、一万ポイントやるから代われ)

憂「メビウスがなんだか頼もしく見えるよ」

子ども1「時代はゼロだよゼロ、ほら」

憂「なんか不良みたい」

子ども1「そこが良いの!女の人にはわかんないかなー」

憂「君、生意気だねー」

子ども1「へっ!」

憂「ふふ」



平沢家

憂「ただいまー」

澪「おかえり」

紬「おじゃましてます」

唯「おじゃまされてます」

律「うむ、苦しゅうない」

梓「調子に乗っちゃダメです」

憂「皆さん……どうしたんですか?」

律「音楽室が空調点検でさ、追い出された」

唯「そのまま帰るのもなんだから、皆呼んだんだよー」

憂「そうなんだ、今お茶淹れますね」

唯「早く早くー」

梓「どうしようもないですね」

憂(皆さんがいたら迂闊に動けないなぁ)カチャカチャ

唯「夕方にテレビ観るなんて久しぶりだなー」

バンカイ! ナン……ダト?

紬「これは?」

梓「ジャンプ原作のアニメですよ」

澪「この時間帯はアニメかニュースが多いよね」

紬「へ~、私アニメってあんまり観ないから新鮮だわ」

律「昔はこの時間は特撮やってたんだよな。ウルトラマンとか戦隊とか」

憂「!!」

唯「そうなの?」

律「うん、土曜とか金曜とか、弟が観てたから一緒に観てたよ」

梓「だから少年みたいに育ったんですね」

律「ウェーイ! ちゃんと女の子っぽいのも観てたって!」

澪「たとえば?」

律「魔弾戦記リュウケンドーとか」

梓「男の子向けの雰囲気しかしないんですけど」

律「黙れ! 私に逆らうな! 私は常に正しい!」

梓「……」

唯「でもなんでやらなくなったんだろうね? 日曜の朝に仮面ライダーやってるのは知ってるけど」

憂(そうだそうだ!)

律「さぁ? 多分もう流行らないんじゃないか?」

憂「そんな事ありません!」

紬「憂ちゃん!?」

憂「あ、いや、その」

一同「……」ジー

憂「ほ、ほら、今の子がそういうの卒業しても、新しい子が入ってくるんじゃないでしょうか?」

紬「確かにね、ターゲット層は回転するものだわ」

唯「ほぇ?」

紬「あとは単純にお金がかかるんじゃないかしら?」

紬「小さい頃、父の繋がりで特撮映画の撮影を見せてもらったけど、凄く大掛かりだったもの」

梓「採算が合わなくなってきたと」

澪「かといって粗末なのを乱造すればファンが怒りそうだし」

唯(皆話が難しいよぉ)

律(とりあえず解ってるふりしとけ)

憂「つ、紬さんが観た映画って何だったんですか?」

梓(妙に食いついてるなぁ)

紬「よく覚えてないけど……何だか黒くて大きな……ゴ……ゴジ……」

憂(なんだ……ウルトラマンじゃないのか、残念)ガクリ


紬「怖くて泣いちゃった事は覚えてるわ」クスクス

律「あー、ヒーローショーとかで怪人が近くに来ると意外と怖いんだよな」

唯「へー、行ってみたいかも」

梓「そういうのを否定はしませんが、華の女子高生が集まってヒーローショー観覧ってどうなんですか」

唯「彼氏いない時点で全員同じだよー」

澪「それは禁句」

紬「さて、そろそろお暇しましょうか」

澪「そうだね、憂ちゃん、お茶ありがとう」

憂「いえいえ、大したことないです」

梓「律先輩、帰りますよ」

律「今こそ平沢家を……振り切るぜ!」

梓「なぜ普通にさよならと言えないのか」



その夜

憂「知らなかった……特撮ってそんなにお金が掛かるんだ」

憂「それに今の子達って他の事に夢中なのかな」

憂「うぅ……今の子になって私のウルトラマンに会いたかった」グスン

子ども1『ま、また来たら教えてあげるよ』

憂「でも……今の子も好きだよね、きっと」

憂「さぁコスモス観よう。映画の一作目が前日譚になってるんだよね」

憂「バルタン星人ってこんなにスマートだったかな?」

ムサシ『夢……? 僕も飛んでみたいけど……無理、だよね』

コスモス『……』

憂「わ! わ! いいなあ……コスモスに乗せてもらってる」

博士『数学ともう一つ……音楽は、宇宙共通なんだよ』

憂「なんだか……優しい話だなぁ」

バルタン『……』

憂「地球を奪う!? 全然優しくないよ!! いくら子どもの為とはいえ……」

憂「コスモス早く来て!」

ムサシ『嘘じゃない! 本当にウルトラマンに会ったんだ!』

憂「私も……もしこんな状況だったら、信じないのかな?」

憂「あぁ! 街が……」

ムサシ『ウルトラマンコスモス……ウルトラマンコスモス……!!』

コスモス『シュゥワッ!!』

憂「ほわー……」

バルタン『……』

コスモス『シェアッ!』

憂「おお……コスモス強い……」ドキドキ

コスモス『ハアァ……』

憂「赤くなった!?」

バルタン『……』

ネームレーネームレーハーハーノムーネーデ

憂「……」ポロポロ

ムサシ『真の……勇者……』

憂「涙が止まらないよぉ……優しさこそが強さなんだね」




唯「またブツブツ言ってる……」




翌日、部室

唯「というわけで、憂の様子はどうだった?」

澪「特に何も」

律「いつもの憂ちゃんだったよな」

梓「強いて言うならムギ先輩の話に食いついてましたね」

澪「物珍しかったからじゃない?」

梓「でしょうね」

紬「憂ちゃん、好きなのかしら?」

唯「何が?」

紬「特撮?」

唯「まさかぁ、そんなの観てるの見たこと無いよ」

梓「そう言えば憂ってあんまり趣味の話しませんね」

唯「家事が趣味みたいな部分あるからね」

澪「見習いなさい」

唯「ムギちゃんの淹れてくれた紅茶は最高だね」

紬「うふふ、ありがと」

梓「逃げたな」

律「ヌゲタカ」

澪「え、何が?」

律「アキヤマサン! ナゼェミテルンディス!?」

澪「訳が解らん」

律「いや、特撮は面白いよというアピール」

梓「奇人変人にしか見えませんよ」



ヨドバシ

憂「こんにちは」

子ども1「ど、どうも」ドキドキ

子ども2「にやにや」

子ども1「お前帰れよ」

子ども2「そう言うなって」

子ども1「まぁいいけど」

子ども2「お姉ちゃん、ガンバライドはやらないの?」

憂「仮面ライダーはよく解らないから……」

子ども2「ちぇ、そっちのが俺の守備範囲なのに」

憂「ふふふ、その内ね」

店員(なんなのあの坊主共)



平沢家

唯「……」コソコソ

唯「憂のいない内に……」ガチャ

唯「部屋はいつも通りだ」

唯「……」キョロキョロ

唯「本棚とかも特に変わりない」

唯「後は……クローゼットとか、鞄とか」

唯「夜中にブツブツ言ってるなんて変だよ」

唯「きっと何か秘密があるに違いないよ!」フンス

唯「…………」

唯「……やっぱり止めよう、こんなの卑怯だよね」

唯「頑張って憂に、直接聞こうっと」


憂(なんかよく解んないけど、ウルトラレア? ってカードが当たっちゃった)

憂(キラキラしてて綺麗だなぁ)

憂「ただいま」

唯「お、おかえり」

憂「最近お姉ちゃんのが早いね」

唯「そ、そうだね」

憂「すぐご飯作るからね、今日はミートソースだよー」

唯「ねぇ憂」

憂「?」

唯「えっと……最近、夜更かししてるみたいだけど、何かあった?」

憂「え……」

唯「たまに泣き声とかも聞こえるしさ」

唯「ブツブツ言ってる時もあるし」

唯「心配……なの」

憂「お姉ちゃん……」

唯「何も出来ないし、頼りないけど、お姉ちゃんなんだから少しは憂の役に立ちたいんだよ?」

憂(ごめんね……心配掛けて)

憂「あ、あのね……笑わない?」

唯「笑わないよぉ」

憂「ド、ドラマ観てたの」

唯「ふぇ?」

唯「ドラマ?」

憂「うん、それでちょっと声が出たり、泣いたりしてたのが聞こえたんだと思う」

唯「な、なんだ、そうだったの」

憂「心配掛けてごめんね」

唯「いいよいいよ、何も無くて安心した」

憂「ありがと、お姉ちゃん」

唯「あれ? でも何で夜中に? 普通にリビングで観れば良いのに」

憂「うっ……えっと」

憂「ほら、泣いてるのとかはしゃいでるのがお母さん達に見られたら恥ずかしいから」

唯「あ、なるほど」

憂(なんで私……正直に言えないんだろ)




憂「ふぅ、お姉ちゃんに心配掛けるのも悪いから、静かに観ないとね」

憂「でも考えてみれば」

憂「いつもすぐに寝るお姉ちゃんがなんで聞こえてたんだろ? 用事で起きてたのかな?」

憂「ま、いいや……ついにテレビ本編のスタートだよ」



ムサシ『リドリアスー!』

憂「……」ドキドキ

憂(そう言えばこの人、ヘキサゴンの旦那さんだ)

憂(ウルトラマンのお嫁さんとか良いなぁ)

ユメヲオイカケテ、スーベーテーガ、カーワールー

憂「あーいーはーどこにーあーるー♪」

憂「はっ、いけないいけない。静かにしないと」

コスモス『シュェア!』バッ

憂「コスモスはアクションが格好良いなぁ」

憂「荒ぶるコスモスの構え」バッ!





唯「今度は暴れてる?」


ドイガキ『カオスヘッダーはコスモスをコピーしたんだ!』

憂「そんな!」

憂「あぁ……コスモスが負けちゃった」

ムサシ『真の勇者……本当に勇気ある者!』

ムサシ『コスモース!!』

コスモス『ジュアッ!』

ナレーション『優しさと強さ、そして勇気が合わさった時、コスモスは新たな力を得たのだ』

憂「……」キラキラ

フブキ「カオスヘッダーだけを消し去ったのか!?」

憂「……!!」

憂(エクリプスモードが格好良過ぎて寝られないよ!)バンバン!

憂(静かに……静かに……)フンスー!!


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最終更新:2010年07月10日 14:21