律「最近、ムギとも梓とも仲良くなったし、けっこー楽しいんだけどさ」

唯「うん」

律「なんかさ、こう、幼なじみのぬくもりってのさ、感じたいのよ」

唯「わかるよりっちゃん! 私も一週間に一回はのどかちゃんからメガネを借りたくなるもん!」

律「それはただ迷惑なだけだろ」

唯「のどかちゃんのメガネをかけると、なんだか頭が良くなった気分になるんだよ」フンス

律「あーそれはわかるわかる」

律「澪にも色々アプローチしてるんだけどさ、勉強してるからっていつも断られるんだよね」

唯「澪ちゃん勉強熱心だもんね」

律「そのくせこの前ムギと遊んだら嫉妬してたし。まったく、黒髪の乙女の心はよくわかりませんな」

唯「じゃぁさ、りっちゃん」

律「ん?」

唯「今夜さっそく夜這いしてみればいいんじゃないかな?」

律「唯……どこでそんな言葉覚えたんだ?」

唯「ムギちゃんがつぶやいてたのを教えてもらったんだよ! 夜中に遊びにいくことを言うんでしょ?」

律「まぁ、そういうことなんだけどな……」

律「でもさ唯。イキナリ夜中に遊びに行ったら泥棒かと思われるぞ」

唯「あ、それもそうだね」

律「それに澪は怖がりだから、もしかしたら包丁でも持ち出してきて……」

唯「グサリ、と」

澪「ぎゃあああああああああああああああああ!!」

律「なんだ澪。来てたのかよ」

澪「保健室行ってくる……」

唯「澪ちゃん、音楽室に入って3秒で退場だね」

律「ああ」


紬「こんにちは~」

唯「あ、ムギちゃんおいーす」

律「おいーす」

紬「おいーす。あのね、りっちゃん唯ちゃん」

唯「なに?」

紬「私今日から沢庵和尚になろうと思うの!」キラキラ

律「たくあん……おしょう?」

唯「ムギちゃんの眉毛がたくあんなのは分かるけど、どうして沢庵和尚になるの?」

紬「それはね……これこれ!」キラキラ

律(バガボンド……?)

律(確か聡が持ってたよな……宮本武蔵の漫画だっけ)

唯「なんかこの人目が怖いよー」

紬「この漫画にね、沢庵和尚って人が出てくるの! すごくアグレッシブなお坊さんなのよ!」

律「へ、へぇ……」

唯「ムギちゃんはそのお坊さんになりたいの?」

紬「武蔵」

唯「へ?」

紬「お前はそんな風にはできてないよ」

唯「ムギちゃん……?」

律(重症だな……)

律「まぁムギ、沢庵和尚になるのは別に大学いってからでいいだろ。それよりさ」

紬「なになに? りっちゃん」

唯「夜這いをするんだよ、ムギちゃん」

紬「え……?」

律「おい唯。まだ決まったわけじゃ……」

紬「ほ、ホント!? りっちゃん夜這いしてくれるの? じゃあ今日私の家に来てくれる!?」

律(うわぁ……)

唯「違うよムギちゃん。りっちゃんが夜這いするのは澪ちゃんだよ」

紬「そうなの? なら、全力で協力させてもらうわ!」キラキラ

律(こりゃ間違いなく成功するな……)



律(そんなわけで、澪の家に睡眠ガスが撒かれて侵入出来たわけなんだけど……)チラチラ

律「なんで澪の部屋に10台もカメラが設置されてるんだよ……」

紬「りっちゃん! 頑張って!」

律「なぁムギ、もういっそここに来れば?」

紬「ダメよりっちゃん! 夜這いというものは一人が一人のところへいくものなのよ」

律「そうなのか……?」

紬「それに私、ここでちゃんとりっちゃんの夜這いがうまくいくように見届ける義務があるから」

律「そ、そうか……」

律(誰も頼んでないんだけどな……)



紬「ほら唯ちゃん、あずさちゃん、起きて起きて!」

唯「ふぁ……」ウトウト

梓「眠いですぅ」ウトウト

紬「ダメよ二人とも。せっかく特設ステージまで組んだんだから、ちゃんと見ないと勿体無いわ」

唯「ムギちゃん、ここ狭い……」ギュウギュウ

梓「汗かいてきたですぅ」ギュギュ

紬(天国……ここは私のヘヴン……! ヘヴンだわ……!」)




紬「じゃありっちゃん、好きなタイミングで始めて!」ハァハァ

律「あ、あぁ……」

律(澪、すっかり眠ってるな)

澪「……」スースー

律(ベッド……そういえば中学までは一緒に寝たりしてたんだよな)

律「…………」

澪「…………」スースー

律「添い寝するぞ、澪」サスサス

律(肌綺麗だなー)

律「よっこいしょ」

澪「……ううん」

律「やべっ!」

澪「……」

律(起きるか……?)

澪「……」スースー

律「ふぅ……」

律(澪、いいにおいするな。くんかくんかしちゃおうかな)

律「……」クンクン

律(やべーちょっとコーフンしてきたぞ)ドキドキ

律「さて、どうしたもんかね……」

律(とりあえず、こっちむいてもらうかな。寝顔見てみたいし)

律「よいしょ……」グッ

澪「……」コテン

律「おぉ……」

律(かわいいなぁ……流石私の幼なじみ!)ドキドキ

澪「……」スースー

律(ちゅーとか、してもいいのかな……)

律「……」キョロキョロ

律(やっちゃうか……!)

律「……ちゅっ」

澪「んっ」

律「んん……」チュゥ

澪「……」

律(どうしたんだろう私、なんか変な気分になってきた……)




 特設スタジオ

紬「おぉおおぉおぉお!」ガタン

唯「ムギちゃん、あちゅぃ……」ウトウト

紬「グッド! ベリーグッド!」

梓「ムギ先輩、どさくさにまぎれて胸触らないでくださいですぅ……」ウトウト

紬「あら梓ちゃん、ごめんなさい」

梓「わかればいいんですぅ……にゃっ!?」

紬「耳なら触ってもよかですか?」キラキラ

梓「にゃぅ……」ウトウト

紬「唯ちゃん、実は私アイス持ってるのよ」

唯「えぇっ! ホントに?」

紬「ホントよ。ほら、このクーラーボックスの中に……」ゴソゴソ

紬「雪見だいふく!」

唯「おぉおお! ちょうだいちょうだい! だいふくちょうだい!」

紬「ぱくっ」

唯「え」

紬「おいひいわぁ……」モグモグ

唯「そんなぁ……」ガビーン

紬「ゆいひゃん、口開けて」

唯「え?」

紬「くひうつひ、するから」

唯「あ、アイスくれるの?」

紬「あーん」

唯「あーん」

紬「ちゅぼっ」ムチュ

唯「!」ムグッ

紬「ちゅうちゅう」

唯「むぎ……むぎちゃ……」ムグムグ

梓「唯先輩、顔赤いですぅ」




 澪の部屋

律「んふぅ……」

律(澪、目覚まさないな……)

澪「……ん」チュウ

律「ぷはっ」

律「……」

律「胸、触っていいかな、みおちゅわん」

澪「……」

律「ほぅほぅ、是非とも触ってその成長を確かめて欲しいとな。なるほどなるほど」

律「じゃ、幼なじみを代表して私がもんでしんぜよう」モミモミ

澪「……んふぅ」

律(うわ、乳首立ってるじゃん……やっぱ澪も感じるんだな)

律「真っ暗だから不思議と恥ずかしくはないな。ドキドキするけど」

澪「んふぅ……」

律「おっ? ここが気持ちいのか?」クニクニ

澪「り、りつぅ……」

律「!」

澪「りつぅ……」

律(寝言か)ホッ


澪「りつぅ……」

律「はいはい。律はここにいますよー」ナデナデ

律(小さいころはいつも私に擦り寄ってきたっけ)

律「……」

律(今だって、別に甘えてくれたっていいのに、さ)

澪「……」

律「……」ドキドキ

律(そういえば、高校入ってからこんな近くで澪の顔見たことなかったな)


澪「……」スースー

律(やっぱかわいいなぁ。ファンクラブが出来るのもうなずける)

律(でも、今は私が独り占めだもんね)

律「……澪」

澪「……」

律「たまには、二人で遊びに行こうな。最近寂しんだぞ」ギュッ

澪「んっ……」

律「や、やわらかい……」

律(マシュマロみたいな、ってまさしく澪のことだよな)

律「よいしょ」スルスル

澪「……」

律(夜這いって……服脱がせばいいのかな? ムギに聞いとけばよかった)スルスル

律「それにしても、ふくよかな体だな……うらやましい」


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最終更新:2010年07月10日 21:30