ピッピッピッピッピッ
憂「ごめんね、お姉ちゃんお母さんから電話」
憂「すぐに戻ってくるから待っててね」
唯「…………………」
憂「はい、もしもし」
憂「うん、今お姉ちゃんと一緒にいる」
憂「うん……」
憂「まだお姉ちゃんと一緒に居たいから」
憂「そんな事言わないでよ!!」
憂「もう切るね」
憂「バイバイ…………」
憂「ただいまお姉ちゃん」
唯「………………」
憂「…………お姉ちゃんのギター弾いてる姿見たいな」
憂「歌ってる姿も見たい……でも1番見たいのは」
憂「お姉ちゃんが笑ってる姿」
……
唯ちゃん…?唯ちゃん……?
唯「……ムギちゃん?」
紬「よかった……急に倒れるんだもんびっくりしたわ~」
澪「だ、大丈夫か?」
唯「あれ?部室?」
梓「唯先輩…………ぐすっ」
唯「あずにゃん何で泣いてるの?」
唯「………………」
律「何処か具合の悪い所はないか?」
唯「……私、倒れてたの?」
澪「あ、あぁ……」
唯「そっか……何か変な電子音聞こえなかった?」
梓「電子音?」
唯「うんピッピッピッピッって電子音、聞こえなかった?」
律「いや、聞こえてないけど……」
唯「そっか…あのね、私今日は帰っていいかな?」
紬「えぇ…」
唯「ごめんね……じゃあバイバイ」
梓「唯先輩…待って下さいギター忘れてますよ」
唯「うん…………え?」
梓「どうしたんですか?」
唯「ギー太が…ギー太が真っ黒だよ!」
澪「……え?」
唯「ギー太…真っ黒だよ……どうして?ギー太……なんで真っ黒なの?」
唯「ギー太…ぐすっ……こんなんじゃもう弾けないよ……」
紬「唯ちゃん……」
唯「何で…何で……真っ黒なの?」
澪「………………」
唯「ねぇ……何で?」
律「…………それはな」
さわ子「唯ちゃん居眠りしちゃダメよー」
唯「うぅ……」
和「やっと起きたわね昨日ちゃんと寝たの?」
唯「和ちゃん……?ここは教室?」
さわ子「まだ寝ぼけてるわね~」
唯「え……?だって私、部室にいたのに…」
和「夢でも見てたんじゃない?」
唯「また夢……あ、そうだ……ギー太が真っ黒になってて…私のギターは何処?」
和「音楽室に置いてたじゃない」
唯「見てくる……」
和「ちょっと今は授業中よ!」
唯「……………ギー太!」
唯「よかった……真っ黒じゃない……よかった」
さわ子「ちょっと唯ちゃんどうしたの?」
唯「さ、さわちゃん……」
さわ子「授業中に教室を飛び出して何かあったの?」
唯「ううん…もう大丈夫だよ……よかったギー太が無事で本当によかった」
さわ子「……?何かよく分からないけど教室に向かいましょう」
唯「うん!」
さわ子「急に教室から飛び出すんだもん、みんなびっくりしてたわよ」
唯「ごめんなさい……」
さわ子「いいのよ」
さわ子「じゃあ行きましょう」
唯「うん!……何だか急に暑くなったね!」
さわ子「そう?」
唯「うん、暑いよ……暑い暑い…」
さわ子「……?」
唯「さわちゃん…暑いよ……熱いよ熱いよ……」
唯「熱い…熱い熱いよさわちゃん助けて体が熱いよ!!」
さわ子「どうしたの?」
唯「あづっ熱い…熱い熱いよぉた、助け助けて熱いよ」
さわ子「唯ちゃん!どうしたの!?」
唯「熱いごほっごほっ息が出来なっ…ごほっ出来ない熱い…苦しいくるじいよぉさわちゃん助けごほっ助けて」
紬「唯ちゃん練習に疲れてすっかり寝てるわね~」
梓「はい、今日は沢山、練習しましたからね」
澪「そろそろ起こさないとな、もう暗いし」
律「そうだなー」
唯「…………熱いよ」
紬「寝言かしら?」
唯「助けて…熱いよ」
梓「悪い夢でも見てるんですかね?」
澪「みたいだな、起こしてあげよっか!」
紬「そうね~」
律「おーい、ゆーいー起きろー!」
唯「んっ………りっちゃん?」
律「大丈夫か?唸されてたみたいだけど」
唯「……まただよ」
紬「どうしたの?」
唯「ごめん…私、先に帰るね」
澪「あ、あぁ……」
唯「バイバイ……」
唯「………………」
憂「あ!お姉ちゃん!」
唯「憂……」
憂「待ってだんだぁ~一緒に帰ろ?」
唯「うん…いいよ」
憂「元気ないね…どうしたの?」
唯「………………」
憂「何かツライ事でもあったの?」
唯「うん…………」
憂「そっか…よかったら私に話して欲しいな」
唯「……………蝶々だ」
憂「蝶々?」
唯「ほら…空見て蝶々がいっぱい飛んでる」
憂「本当だ綺麗だね」
唯「うん、綺麗だね…あのね憂」
憂「どうしたの?」
唯「私…最近変な事ばっかり起きるんだ」
唯「口では上手く説明出来ないんだけど……」
唯「怖いんだ……」
唯「目が見えない夢を見たり右手と両足が動かなくなったり」
唯「いつの間にか別の場所にいたり…」
唯「体が燃えるように熱くなったり…ギー太が真っ黒になったり……」
唯「怖いんだ……」
唯「……………憂?」
唯「あれ?憂がいない……」
唯「憂!うーいー!」
唯「……何処に行ったの……」
唯「うーいー!」
唯「何で急にいなくなっちゃんだろ……」
唯「憂…ぐすっ……憂……うぅ…」
唯「何処にいるのー!ぐすっ……憂」
唯「憂……いなくなっちゃ嫌だよ……」
唯「さ、先にお家に帰ったんだよ……」
唯「先にお家に帰って私を驚かそうとしてるんだ」
唯「早くお家に帰ろう」
唯「きっと…憂がいるから」
唯「…………………」
唯「……あれ?何だろうあの黒い煙」
唯「火事かな?」
唯「……私の家の方向からだ」
唯「まさか……」
唯「憂……憂!」
唯「はぁはぁはぁはぁ……どうしよう私の家が…火事だ」
憂「お姉ちゃーん!お姉ちゃん…お姉ちゃん!!」
唯「う…憂!何処にいるの!?」
憂「お姉ちゃん!嫌ぁっ!お姉ちゃん…」
唯「憂ー!……何処にもいない…まさか……」
唯「誰かぁっ!誰かいませんか!?」
唯「どうしよう…憂が……憂が!」
唯「誰か…誰かいませんかぁっ!?」
唯「だ、誰もいない…」
唯「しょ…消防車に電話しなきゃ」
憂「お姉ちゃあああああん!」
唯「ケータイが……溶けてる……」
唯「これじゃあ…消防署に通報出来ないよ……」
憂「お姉ちゃん…お姉ちゃん!!」
唯「どうすれば……」
唯「私が憂を助けなきゃ……」
唯「でも……怖いよ」
憂「お姉ちゃん……お姉ちゃん……」
唯「…………勇気を出さなきゃ」
唯「待っててね憂」
唯「今から助けるからね……」
唯「げほっ…熱いよ熱い…げほっげほっ」
唯「憂ー!何処にいるの!?」
唯「げほっ…ごほっ…煙が…吸わないようにしなきゃ」
唯「憂ー!うーいー!」
憂「お姉ちゃん!」
唯「げほっ聞こえたごほっげほっ何処にいるのー!」
唯「今、助けるからね!!」
憂「誰かっ…誰かぁっ……」
唯「もう少し我慢しててね!!」
憂「助けて下さい……」
唯「待っててげほっ…私が助けるから」
憂「誰かお姉ちゃんを助けて下さい!!」
唯「………え?」
「まだ中に一人いるぞ!」「うわぁ~…マジかよ」「平沢さんの家、大変な事になってるわね~」「すっげー火事って始めてみた」「もー…不謹慎だよ~写メらないの~」
唯「熱い…体が……」
憂「消防士さん!まだ中にお姉ちゃんがいます助けて下さい!」
唯「憂……?ごほっ…熱いよ体が……熱い……あ……づい……死ぬ…………」
最終更新:2010年07月11日 21:16