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翌日

憂「ふう…昨日は焼き肉おいしかった…けど…」

憂(お姉ちゃんがいないと…なんか…)

憂「そうだ…律さんの家に泊まってたなら電話して挨拶しなきゃだよね…」

律『はい、田井中です』

憂「えっと、憂です!…そちらにお姉ちゃんはお邪魔してますか?」

律『あ、いや、えっと…来てないよ?』

憂「え?そ、そうですか…失礼しました」

憂(お姉ちゃん…澪さんか紬さんの家かな?)

唯「りっちゃんありがと…ケホ」

律「まあ憂ちゃんには悪いけど、今はしょうがないか…」

唯「私、もう万全だよ!帰って憂に…うう」フラッ

聡「あ、危ないです…」

唯「おお、ありがとう聡くん…」

聡「……は、はい…」

律「まだ無理するなよ?あ、澪たちにも口裏合わせてもらうか」

憂(澪さんの家にも紬さんの家にも、梓ちゃんの家にもいなかった…)

憂「で、でもお金だって1万円あるんだし野宿なんてことは…」


ピンポーン

和「あ、憂ちゃん?唯いる?」

憂「和さん…な、何の用ですか?」

和「昨日唯にケーキ代返してもらったんだけど、1万円も渡されちゃったの、これ返しておいて?」

憂「え…」

憂(お姉ちゃん…軽音部の皆さんの家にもいないしお金も持ってないなんて…)

憂「お、お姉ちゃん…」

和「憂ちゃん?唯、どうかしたの?」

憂「わ…私…どうしよう…昨日あんなに雨強かったのに…お、お姉ちゃん…」

和「どうしたの?唯に何かあったの?」

憂「の…和さん…っ」

和「それ、ホントなの?」

憂「は、はい…」

和「そういえば…昨日の唯、なにか思い詰めた表情してた…」

憂「そ、そんな…まさか」

和「だ、大丈夫よ!そんなことあるわけないわ!あ、唯本人に電話は掛けたの?」

憂「あ、そうだ…ちょっと掛けてみます!」

憂「あ、もしもしお姉ちゃ…」


さわ子「ゔあ゙~誰だゴルァ!」

憂「きゃっ!?だ、誰ですか?」

さわ子「その声は…憂ちゃんね?うっぷ…」

憂「ど、どうして先生がお姉ちゃんの携帯に?」

さわ子「あ゙あ゙…昨日の夜ね…
 飲み会の帰りに公園でちょっとリバースしてたら唯ちゃんのカバンを見つけたのよ」

憂「こ、公園…?」

さわ子「カバンは明日学校で渡してあげ…おええええええ!」

憂「そ、それでお姉ちゃんは?」

さわ子「はぁ…はぁ…いなかったわよ…ところで唯ちゃんお使いはちゃんと行ってこれたの?」

憂「お、お使い?」

さわ子「まあいいわ…あ、もう…ダメ…プッ…ツーツー」

和「な、なんで先生と話してたの?」

憂「大変だ…お姉ちゃんを探しに行かなきゃ…!」




……

唯「よし!もう大丈夫!」

澪「熱も引いたし、無理しなけりゃ平気だな」

紬「私が持ってきたおかゆも全部食べたしね!」

唯「うん!たくあん入りおかゆおいしかったよ!ちょっと全体的に黄色かったけど」

梓「あとは帰って憂と仲直りするだけですね!」

律「あ、そのことなんだけどさ!」

律「憂ちゃんになんかプレゼント買っていってやったらどうだ?
 物で吊るってわけじゃないけど…日頃の感謝もこめてさ」

唯「そうだね…私何か買っていくよ!」

梓「でもお金はあるんですか?」

唯「あうう…」

紬「あ、お金なら私が貸してあげるから…」

唯「ムギちゃんごめんね…絶対返すから!」

澪「相変わらずムギに世話になってばかりだなあ…」




デパート

唯「何がいいかなあ…」

梓「あ、ヘアピンとかどうですか?」

唯「うーん、こないだ新しいの買ったって言ってたし…」

澪「このノートとかどうかな、かわいくないか?」

律「プ、プリキュア…お前…」

澪「な、なんだよ、かわいいだろ?あ、じゃあしゅごキャラとかどうかな」

律「お前今いくつだよ!」

唯「うーん…あ、そうだ!」

紬「何か思い付いたの?」

唯「うん!ちょっと買ってくるね!」

律「ふう、まあこれでなんとかなりそうだな!」




和「ちょっと律!みんな!」

澪「え…の、和…?」

憂「皆さん…」

梓「う、憂まで…」

和「今の…唯でしょ!?」

律「う、うん…まあ」

憂「お姉ちゃん…やっぱり皆さんにお世話に…」

澪「ち、違うんだよ憂ちゃん、昨日唯は…」

憂「いいんです澪さん、お姉ちゃんをかばわなくても…私がちゃんと言いますから」

澪「いやそうじゃなくてさ…」

唯「おーい皆!買ってきたよ…って、う、憂…!」

憂「お姉ちゃん…」

唯「う、憂…どうしてここに?」

憂「和さんと探しに来たの…
皆さんの家に電話してもいないっていうし、和さんにお金渡したって聞いて…まさかと思って」


唯「憂~!心配してくれてあり…」

憂「触らないでよ!」

唯「う、憂…?」

憂「お姉ちゃん、考えなしに和さんにお金渡して、また律さんの家に泊まったんでしょ?」

唯「わ、私…」

憂「それで私に知られたくないから皆にまで嘘つくように頼んだんでしょ?
 先生まで巻き込むなんて…」

唯「ち…ちが…」

律「それは違うんだよ憂ちゃん!嘘ついたのは私で…」

憂「律さんにこんな嘘までつかせて…私、お姉ちゃんのこと見損なった…
 お姉ちゃんなんて…大嫌い!」

唯「…!」

唯「う…うい…あ、そうだ…わ、私、憂にプレゼントを…」

憂「プレゼントって…そんなお金がどこにあったの?
 私が渡したお金は全部和さんに渡しちゃったんでしょ?」

紬「そ、それは私が貸してあげたの…!」

憂「お姉ちゃん…紬さんにまで迷惑かけて…
 私、そんなプレゼントなんて受け取れないよ!」

唯「う…うい…」

憂「…和さん、帰りましょう」

和「で、でも」

憂「お姉ちゃんのこと、心配することなんてなかったんです。すぐに軽音部の皆に頼るんだから」

唯「憂…まってよ…」

憂「お姉ちゃん、それは返品して、ちゃんとお金は紬さんに返してね?
あと帰ってきたかったら帰ってきていいから。お父さんたちも心配するし…じゃあ先帰るね」

唯「う…」

梓「い、行っちゃいました…」

律「憂ちゃん…やっぱり私、唯が倒れたこととか話してくる!」


唯「いいのりっちゃん!」

律「唯…でもこのままじゃ…」

唯「いいの…悪いのは全部私だもん…憂の言ってることは全部正しいよ…!」

澪「でも唯…!」

唯「私…こ、これ、返品してくるよ…ごめんねムギちゃん…」

紬「謝らないで唯ちゃん…」

唯「皆も…昨日あんな風に言ってくれたけど、やっぱり私の頼るっていうのは皆とは違うんだよ…
 皆は私よりずっと大人で…私なんかただ甘えてるだけなんだよ…」

律「唯…」

和「ホントによかったの?憂ちゃん」

憂「…はい、ああして突き放さなきゃ、お姉ちゃんはわかってくれませんから」

和「そう…なの…」

憂「…私、今までお姉ちゃんが笑ってればいいと思ってたんです…」

和「え?」

憂「お姉ちゃんに嫌なことがあったら助けてあげて、
 それでお姉ちゃんが笑ってくれればそれでいいって…」

和「憂ちゃん…」

憂「だからお姉ちゃんは、すぐ人に頼る人間になっちゃったんです…
 そのせいで和さんにも迷惑を…」

和「憂ちゃん、それはちょっと違うんじゃない?」

憂「え?」

和「唯は確かに宿題とか試験勉強とか人に頼るとこもあるけど…
 ホントに大事なことは自分で頑張るわよ?」

憂「……」

和「たとえばギター…澪たちに教えてもらってばかりだって聞いたけど…
 自分で努力しなきゃあんなに上達しないわよ」

憂「あ……」

和「それに唯は、人にわざと迷惑かけるようなことはしないから…多分」

憂「多分…ですか」

和「だから憂ちゃん、もう唯に大嫌いだなんて言わないでね?
きっと何か訳があるんだと思うから」


憂「…はい」

憂(お姉ちゃん…帰ってきたら…もう一度話聞いてあげなきゃ…かな…)



……

唯「ハァ…ハァ…でも、ホントに返品しないでよかったの?ムギちゃん」

紬「ええ、それはやっぱり憂ちゃんに渡してあげて?」

唯「うん…ハァ…フゥ…」

律「私たちも一緒に行って昨日のこととか話してやるからさ、安心しろよ?」

澪「憂ちゃんだって、きっとわかってくれるよ」

唯「うん!皆ありがとう!…ケホッ…ハァ…」

梓「…唯先輩?」

唯(皆ホントにありがとう…でも私…多分憂にはもう好きになってもらえないよ…)

梓「先輩、着きましたよ?」

唯「…うん!」

律「じゃあ私たちは後から行くから、唯は先に行けよ?」

唯「…うん」

唯(だってもう…大嫌いだなんて言われちゃったし…無理だよ…)

澪「唯、頑張れよ!」

紬「唯ちゃん大丈夫よ!きっと憂ちゃんならわかってくれるわ!」
唯「うん」


ガチャ…バタン

唯「ただいま…」

(私、お姉ちゃんのこと見損なった…お姉ちゃんなんて…大嫌い!)

唯(もう…どうでもいいや…憂…ごめん…私…)

ドサッ



憂(お姉ちゃん…帰ってきた!)

憂(な、なんて言おう…ごめんね?おかえり?やっぱりおかえりだよね…)

憂「お、お姉ちゃん、おかえ…」


憂「お姉ちゃん?どうして寝てるの?疲れたの?」

唯「……」

憂「お姉ちゃん…?」




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最終更新:2010年07月03日 04:59