紬「・・・」ドキドキ・・・
律「・・・」ドキドキ・・・
おばさん「いらっしゃいませ」
律「あ、はい・・・(うわ、何喋ったらいいんだろ)」
おばさん「今空いているのがこの部屋とこの部屋、あとはこちらの部屋になりますね」
律「あ、はい」
紬(りっちゃんがさっきから『あ、はい』しか言ってないわ)
おばちゃん「・・・」
律「・・・」
紬「・・・」
おばちゃん「あのー?」
律「ぅはぃ!?」
おばさん「どのお部屋にしましょうか?」
律「え、えーと・・・」
律(案外、普通に対応してくれるんだな・・・)
紬(もっと怪しまれるかと思ったわ・・・)
律「えーと、んじゃこの部屋で」
おばちゃん「はい、SMルームですね」ニコッ
律「ぶっ!?」
紬「ここでいいの?」
律「いいいいいくない!やっぱりこっち!」
おばちゃん「はい、SMルームですね」
律「」
紬「えーと、じゃあここは?」
おばちゃん「はい、こちらはSMルームですね」
律「全部SMかよ!!」
紬(りっちゃん、どうしよう?)
律(う・・・)
紬(SM?ルーム?でもいいわよ?)
律(いや、まずいだろ。せめて普通の部屋にしようぜ?)
紬(SMルームって何?)
律(あああああとで教えてやるから///)
紬(本当?やったぁ)
律(それはいいとして、どうする?他のホテル行ってみるか?)
紬(でもここは女の子同士でも入れるっぽいわね)
律(そうなんだよなー。私達の年齢も気にしてないみたいだし・・・)チラッ
おばちゃん「?」ニコニコ
律(いっそSMルームにしちゃうか?)
紬(私はどこでもいいよ?)
「すみませーん」
律紬「?」クルッ
「これ、お部屋の鍵です」
おばちゃん「はい、確かに受け取りました。ありがとうございました」
「さようならー」
律「・・・」
紬「出て行くときもああやってフロントまで来ないといけないのね」
律「みたいだな」
おばちゃん「あのー」
律「はい?」
おばちゃん「普通の部屋がよろしければ、今空きましたよ?」
律「おぉ!本当ですか!じゃあそこでお願いします!(助かった!)」
紬「よかったわね、りっちゃん」
律「おう!」
おばちゃん「清掃があるから、少しの間そこでお待ちくださいね」ニコッ
律紬「はーい」
律「それじゃ、あっち行ってようぜ」
紬「うん!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
律「いやぁ、でも・・・よかったな」
紬「そうね・・・上手くいったんだよね?」
律「おう、追い返されるか不安だったけどな・・・」
おばちゃん「あら、それはどうして?」
律「どうしてって、ほら、女同士だし・・・って、うわぁ!?」
おばちゃん「うふふ、ごめんなさい。こんなに若い女の子が二人でくるなんて珍しくて、つい」
紬「やっぱりそうなんですね。でも・・・」
おばちゃん「なんですか?」
紬「いいんですか?女の子同士でも」
おばちゃん「女の子同士を禁止してるホテルの方が珍しいと思いますよ?」
律「え!?そうなの!?」
おばちゃん「えぇ。確かに2人以上は止められるかもしれませんけど」
紬「なんていうか、同性愛に寛容なんですね」
おばちゃん「あ、でもホモは駄目よ?」
律「へ?どうしてですか?」
おばちゃん「汚すから」
律「」
紬「え?汚すって?どういうk」
律「ムギ、いいから」
紬「でも」
律「いいから」
プルルルル・・・
おばちゃん「あら、電話だわ。きっと清掃が終わったのね」タタッ
律「・・・どうしよ」
紬「どうしたの?」
律「なんか緊張してきた」
おばちゃん「お待たせしましたー」タタタッ
律「あ、はい」
おばちゃん「それでは、こちらが鍵になります」
紬「はい、ありがとうございます」
おばちゃん「・・・」ニコニコ
律「えーと・・・それじゃ」
律紬「行ってきます!」
おばちゃん「はい、行ってらっしゃい」ウフフ
・・・
・・・
部屋!
律「・・・おぉう」
紬「ついに来ちゃったね」
律「だな・・・」
紬「あー!」
律「なんだ!?」
紬「りっちゃん、これなぁに!?」
律「え・・・?それはマイクだろ?」
紬「だよね?ということは、ここカラオケついてるの?」
律「みたいだなー」ヘー
紬「私ちょっとお風呂見てきます!」ビシッ!
律「あぁ。私はちょっとトイレいってくるよ」ガチャ
紬「はーい♪」
律(ムギのやつ、はしゃいでるなー)パタン
律(ムギの念願(?)も叶ったみたいだし・・・)カチャカチャ
律(ちょっと恥ずかしかったけど、これでよかったのかも)シュル・・・
律(それにしてもさっきは緊張したな・・・)ハァ
律(二人の秘密だぞ、なんて言ったら変かな・・・)
律(いやいや、やましい気持ちがある訳じゃないし別にいいよな)ストンッ
律(ラブホテルかぁ・・・)シャー
律(初めて来たけど、案外普通なんだな)
律(いや、そりゃそうか)
律(問題はこれからどうするか、だよなー)カラカラ
律(テンションの上がったムギはある意味澪よりも怖い・・・)フキフキ
律(それでいて唯よりもぶっとんでるし)シュル
律(ふーむ・・・)
律(今日はツッコミ役に徹することになりそうだなー)カチャカチャ・・・
律(あ、いや、そっちの意味じゃないぞ!?///)ガチャ
紬「・・・///」
律「お待たせー・・・おい、ムギ?」バタンッ
紬「りっちゃん、これ・・・///」
律「んー?どうしたんd」
テレビ「あん・・・!いやぁ、らめぇ・・・!」
律「」
律「って、おぉい!!早速かよ!!」
紬「テレビを・・・テレビをつけようと思っただけなの・・・」
律「わわわわかったから消そうな!!?」ピッ
シーン・・・
律「はぁ・・・」
紬「こ、怖かった・・・」グスッ
律「そ、そりゃテレビをつけたらAVでした、なんて
ホラー以外の何物でもないよ」ヨシヨシ
紬「あのね、テーブルの上に番組表が置いてあったの」
律「うん?あー、そういえばあったっけな」
紬「それでね、オンデマンドTVって書いてあったから・・・」
律「うんうん、それで?」ナデナデ
紬「スカパーみたいなヤツだと思ったの・・・海外ドラマやアニメが入るのかと・・・」
律「そっかそっか。そりゃいきなりあんなのが映ったら怖いよな」
紬「私、慌ててチャンネルを変えたの」
律「どうだった?」
紬「役者さんの人種が変わっただけだった」グスッ
律「最初に映ったのは洋物か、うん。よくわかった」
紬「りっちゃぁん・・・」ギュー
律「あーうん、よしよし」
紬「・・・」グスッ
律「・・・」
紬「・・・」スンッ
律「・・・」ナデナデ
紬「・・・」
律「・・・落ち着いたか?」
紬「うん、ちょっとビックリしちゃっただけだから、もう平気」
律「そっか。そういえば、お風呂見てきたんだろ?」
紬「あ、そうなの!お風呂がね、ミスト付きだったの!」
律「み、ミスト?ミストって、霧のやつ?」スゲー
紬「そう!しかも湯船にライトがついていて、七色に光るの!」
律「え、マジ!?」
紬「うん!すごかったわ。あとで一緒に入ろうね!」
律「おう!・・・って、え?///」
紬「あれ?駄目だった?」
律「いや、駄目じゃないけど、ほら、お風呂狭くなっちゃうだろ?」アタフタ
紬「結構広かったよ?」
律「あ、そう・・・(そりゃそういうホテルなんだから当たり前ですよねー)」
紬「・・・」ジー
律「いや、じゃないんだけどさ」
紬「どうしたの?」
律「ほら、こういうところで一緒にお風呂とか、恥ずかしい・・・」
紬「むー」チェー
律「・・・ま、いっか」
紬「え?」
律「いいよ、一緒に入ろうぜ。せっかくだもん、楽しまないとな」
紬「そうこなくちゃっ」ウフフ
律「っていうか、もう入っちゃう?」
紬「うん!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
律「ぅおー!」
紬「ね?すごいでしょ?」
律「あぁ!こいつはすげー!」
紬「こんなに楽しいお風呂は初めてかも」ウフフ
律「私もだよ。今度は澪達連れて来たいなー」ジャボン!
紬「でも大人数は断られちゃうんじゃない?」チャポンッ
律「3人くらいなら平気なんじゃないか?」
紬「え?3人?」
律「そうそう。二部屋借りて、どっちかの部屋に集まればいいじゃん?」
紬「なるほど!名案ね!」
律「だろー?」ヘヘーン
紬「あれ、これは何かしら?」
律「んー?なんだ、そのスイッチ」
紬「わからないわ・・・押してみていいでやんすか!?」
律「いいよ、っていうか何弁だよ!」
紬「いくでがんす!」
律「だから何弁!?」
ピッ!
パッ・・・
律紬「」
律「わっ、すげ」
紬「すごーい!!」
律「あ、あぁ。すごいな」
紬「電気が消えるただけで雰囲気変わるわね・・・」
律「あぁ、この変なライトが目立つな」
紬「あれ、このスイッチは・・・?」
律「まだなんかあるのか?」
紬「うん、これも押してみていい?」
律「おう」
ピッ!
パッ・・・
紬律「え゛」
紬「真っ暗になっちゃった・・・」
律「さっきまであんなに明るかったのに・・・。なんも見えないな」
紬「えへへ、りっちゃん」
律「ん?なんだ?」
紬「とぉ!」ガバッ
律「きゃあ!?」
紬「うふふ、りっちゃんってば『きゃあ!?』だって。かっわいー」クスクス
律「おぉい!///いきなり抱きつくなよ!ビックリするだろ!///」
紬『きゃあ!?』
律「マネすんなぁぁ!!///」パコーン!
紬「いたぁっ!」
律「あ!ごめっ、叩いちゃった」
紬「りっちゃん・・・」フルフル
律「ど、どうした?」
紬「私、もう死んでもいい!」
律「どうした!?」
紬「ほら、さっき言ってたでしょ?叩かれてみたいって」
律「あ。そういえばそうだったな」
紬「えへへ、叩かれちゃった・・・///」
律「えっと、よかったな」
紬「うん♪」
律「ホント、変なヤツ」ナデナデ
紬「変でもいいもん」エヘヘ
最終更新:2012年06月30日 23:46