澪「なっ、ゆ、唯!誰からそれを」

律「きゃはっ☆」

澪「おまえかーっ!!」

唯「ねえ、なんで自転車のれないの?」

澪「な!なんでっていわれても……」

律「澪は子供のころから痛いの嫌いだったからなー。
   最初の練習で転んで泣いて、それっきりなのだ」

澪「ううう」

唯「そうなんだ。澪ちゃんかわいそう……」

澪「うっ、本気で哀れんだ目で見るなー!」

澪「ぶつぶつぶつ……」

唯「澪ちゃんがどんよりモードに」

律「ところでムギは自転車のれるのか?」

紬「私も乗れないのー。移動する時は車があるし、危ないから練習するなって言われて」

澪「ムギいいいいっ!!」 がばっ

紬「きゃっ!?」

澪「心の友よおおおおおっ」 ぎゅうぎゅうぐりぐり

紬「あらあら?あらあらあら //// 」

澪「そうだ、自転車なんかいらないんだー!」

紬「私たちはこの足で生きていくのよー♪」

澪「そうだ!その方がダイエットにもいい!」

紬「そうよ、ダイエットよ!ダイエット!」 ふんす

澪「ダイエーット!」

紬「トぉー!」



律「なんか変な連合ができつつある」

唯「でも自転車ないと不便じゃない?今度みんなで練習しようよー」

紬「するっ!」 キラキラ

澪「ムギーっ!?」 ガビーン

律「15秒で連合解消か……」

澪「ううーっ」 ウルウル

紬「あ、澪ちゃん!どうしよう」 オロオロ

唯「澪ちゃんも一緒に練習しようよ、ね!」

澪「や、やだっ!」

唯「えー、なんでー?」

澪「だって、だって転んだら痛いんだぞっ!!」

唯「大丈夫だよ!私も自転車乗ってるけど転んだことないし!」

澪「乗れるようになるまでに転ぶんだよおっ!!!!」 ドカーン


律「しょうがないな、じゃあ澪抜きでやろうぜ」

澪「えっ」

唯「うーん。まあ澪ちゃんがいやなら仕方ないね」

澪「あっ……」

唯「集合場所はどうしよっか?」

律「へへー、あたしいいとこ知ってんだー♪」

唯「ムギちゃんち自転車はあるの?」

紬「ええ、その日までに用意しておくわ!あとプロテクターも!」

唯「プロテクター!なんかかっこいい!着たい!!」

紬「ふふっ、じゃあ唯ちゃんの分も持ってくるわね」

律「じゃあ3人で集合な!そんで、場所は……」


澪「……」



~~~~~~~~~~~~にちようび!~~~~~~~~~~~~~~~



律「やってきました自転車公園っ!!」

紬「へえ、こんな所があるのね!」

唯「アスファルトで舗装された道が、自転車の練習コースになってるんだね!」

律「ムギ、いま何時?」

紬「30分前ね。少し早くついちゃったから」

律「じゃあ少し待つか」

紬「ええ♪」

唯「どしたの?早く練習しようよー」



澪「あ、あれえ?みんなじゃないか!いやあ、ぐうぜんだなあ!」


唯「あ、澪ちゃん!!」

律「そろったな」 ニヤニヤ

紬「ええ♪」 ニコニコ


澪「いいか、偶然通りかかったんだからな!お父さんの自転車の修理を頼まれた帰りで」

律「わーかったわかった。ほらムギが偶然多く用意してくれたプロテクターつけて」

澪「な、なんだよ!こんなのつけて何させるつもりだよっ」

律「そりゃもちろん……自転車の練習だー!!!」 どーん

澪「うわあああっ、律にうまいことはめられたああ!」 がーん



唯「わーい、これで皆で一緒に練習できるね!」

紬「そうね、うふふ♪」

澪「それにしても、結構本格的だな、このプロテクター」 ごそごそ

紬「ええ♪なんでも、競輪の選手さんが使うのと同じものなんだって」

澪「へえ……うん、これでいいかな」 パチン

唯「うわあ、澪ちゃんカッコいい!ロボコップみたい!!」

澪「そ、そうかな?」


     クスクス>


澪「!?」


<クスクス


澪「!??」








律(そりゃあ、公園でこんなフル装備してりゃ目立つわな)

澪「や、やっぱりやめるー」 ウルウル

律「でも澪、それ着とかなきゃ転んだ時痛いぞー?」

澪「うううー」 ウルウルウル

紬「そうねえ、肘と膝とグローブだけつけるのはどう?澪ちゃん」

澪「あっ、そうか!それならあまり恥ずかしくない…かも!」

律「いやいや、ジャンプ台で一回転して背中から着地した時に……」

澪「どこにそんなジャンプ台があるんだっ!」 ポカ

律「あたー♪」


唯「えー、脱いじゃうのー?カッコよかったのにー」

紬「うふふ、約束どおり唯ちゃんのも用意してあるのよ?ほら」

唯「わーい!」 ごそごそ

唯「じゃきーん!ユイコップさんじょー!」


     クスクス>


唯「ふんす!」


<クスクス


唯「ふんすふんす!」


澪「つ、つよい……」

唯「じゃあ練習はじめよっか!」

澪紬「おー!」

唯「じゃあ、乗り方をおしえます!」 ふんす

澪紬「おねがいします!」

唯「こう、最初はバランスをとって、ぐおーってこぐのがポイントです!」

澪「……いや、だからそのバランスの取り方を教えてほしいんだけど」

唯「えー?そんなのわかんないよー」

澪(こ…これだから!これだから乗れるやつはっ!) ギリギリ


澪「……よし、律!おさえててくれ!」

律「はいよ」

澪「……」 ぐっ

律「のりなさいよ」

澪「た、体重かけたとたんガターンとかなったりしないよな!?」

律「……?……!」

律「馬じゃないんだから、片足地面につけたまままたぎなさい!」

澪「な、なにっ!?その発想はなかった……」

紬「自転車って、奥が深いのね……」

律「いやいやいやいや」

澪「よ、よしっ、自転車をまたいだぞっ!」

律「おー、ヨクヤッターナ」

澪「よしっ、律、しっかり押さえてろよ!!はっ」 パッ

ゆらゆら

澪「わあっ!はあはあ」 トトッ

澪「よっ」

ゆらゆら

澪「あっ!やっぱりだめだー」 トトト

律「……あの、澪さん。なにやってんすか」

澪「なにって、地面から足はなしてバランス取る練習」

律「ええー……」

紬「とととっ、難しいわね、これは!」 むふー

唯「がんばれ、ムギちゃん!」 むふー

律「ムギもマネすんなー!いまのは悪いみほん!」

唯紬「えー」

律「唯も止めろよ!!」

唯「えー、でも信号待ちの時とかバランス取ったりしない?」

律「いやするけどね?するけど今練習する必要ないよね!?」

唯「あー、そっかー。てへへ」

律「まったく……」 げっそり


唯「自転車はね、走った方が安定するんだよ!」 ふんす

澪「嘘だッッッ!!!!!」 ギリッ

唯「ひい!ごめんなさい、嘘ですっ」 ぶるぶる

律「うおおおい!脅すなそこおおお!!」

紬「唯ちゃんよしよし♪」 なでなで

唯「はううう、こんな怖い澪ちゃん始めてみたようううう」 ぼろぼろぼろ


澪「いいか、止まった時よりも走った時に転んだ方が痛いんだっ!」

澪「だから、私は止まった時に完全にバランス取れるようになってから次のステップに進むッ!!!」 キリッ

律「……雑技団にでも入る気かおまえは」


紬「でもなんとなく理屈はわかるわ♪」 スッ

唯「あっ、五百円玉だ!」

紬「澪ちゃん、この五百円玉を立てられる?」

澪「そんなの…」 パタン 「あれ」 パタン 「このっ」 パタン

紬「うふふ、じゃあその五百円玉を転がしてみて?」

澪「ああ」

コロコロコロ~~

唯「ああっ、倒れずに安定して転がっていったよ!」

律「そうそう、こういうことなんだよ!なあ?」

紬「ジャイロ効果っていうのよ♪」



律「さ、わかったろ?澪。この通り、走った方が安定…」

澪「……立った!見ろ、五百円玉だって立てるんだ!!」

律「うおおおい、意地になんな!」


律「そういうわけで、走ろうと思います」

澪「うううう」 ガクブル

唯「だいじょうぶだよ、澪ちゃん!プロテクターでミオコップになってるから!」

澪「それでもこわいものはこわいんだっ!」

律「よーし、いくぞー。それこげっ」

澪「わ、わわわっ、おさえて!おさえろおっ!」 ヨロヨロ

律「押さえてるぞー、てかもっとスピード出せっ!」

澪「むちゃいうなあ!!わととっ」



唯「おー、ムギちゃんすごい!走れてる走れてる!」

紬「きゃー、きゃー!すごいわ唯ちゃん、これすごい!」 スイー



律「ほら、見ろ!ムギが安定してるのもスピード出せてるからなんだぞ!」

澪「う、運動神経の違いだろっ!!」

律(こいつは……) ビキビキ


紬「まっすぐになら走れるようになったわー♪」

唯「澪ちゃんはどんな感じー?」



澪「っとおっ!」 ダン

澪「はあ、はあ、はあ」

律「こんな感じー。1mは進めるようになったかな」

澪「ううううう」


紬「澪ちゃん……」

唯「うーん」


唯「でも、澪ちゃん、転んでなくない?」

澪「えっ?」

唯「危なくなったら、ちゃんと足つけてるじゃん」

澪「……そういえば。小さいころはもっと転んでたような気も」

唯「きっと、大きくなったから、運動神経も発達したんだよ!だからスピードあげても大丈夫!」 ふんす

律(そんな適当な説得で納得……)

澪「そうか……そうだよな!」 ふんす

律「したー!?」 ガビーン

澪「ん?どうした律」

律「いやいや、唯の言うとおりだな!うん!」

澪「よし…うん!やってみる!」



唯「よーし、私たちもがんばろ、ムギちゃんっ!」

紬「ええっ!」


澪「ん…よっ、とっ!」 ヨロロロ

律「がんばれがんばれ勇気だせいけるいける絶対いけるって!」

澪「お、お、おおおっ!!」 キコ... キコ....

律「安定してる安定してる!」

澪「安定って、うわまだよろける!よろっ」 キコキコ

律「ブレエエエエエエエエエエエエエエエエキ!!!!!!」

澪「え……わ、木いいいいいいいいいいいっ!!!」


キキーーーーッ!!!


律「……次は前を見る特訓だな」

澪「あ、ああ……」 ドキドキ


唯「澪ちゃーん!」

紬「大丈夫!?すごい音したから」

律「ああ、大丈夫っていうか、澪が乗れた」

唯「乗れたの!?澪ちゃん、すごい!やったじゃん!!」

紬「おめでとう、澪ちゃん!」

澪「い…いやあ、いやあ」 テレテレ

唯「私もムギちゃんと走ってて、いいところ見つけたんだ!」

律「ほう?」

唯「こっちこっちー!」


パタパタ トテトテ


澪「わっ」

律「なるほど、坂道かぁ」

澪「いや、早い早いまだ早い」 ガクガクブルブル

律「うわーい」

紬「そんなことないわよ?澪ちゃん」

澪「ムギ……」

紬「私も最初は怖かったんだけど、実際この道を走って、気がついたことがあるの」

律「気づいたこと?」

紬「坂道を下るときは……ペダルに気を取られなくてすむのよっ!」 バーン

唯「そういわれてみたら、なるほどなんだよ!」 バーン

律「おお、なるほどー。」

澪「え?え??」

律「つまりな?初心者は足と手一緒に動かすのが難しくて詰まることが多いけど、」

紬「坂道なら手の動きだけに集中できるということなの♪」

澪「あ……なるほどっ!」

唯「ふふーん♪」 ふんす

律「……発見したの、ムギだろ?」

唯「ぶすー」

紬「ギアも軽くした方がいいみたい。最初の立ち上がりで躓くのが少なくなったから」

澪「ギア…ってどこ?」

律「ここここ。数字が小さいと軽いギアに……って、6速…」

澪(?)

律(ヨロけるわけだよ……)

律「よーし、坂道をくだるぞー」

澪「お、おおっ!」 ドキドキ

律「3速なら走りはじめもスムーズなはずだ」

澪「おおっ」

律「こぐのは最初だけで充分。あとは坂道だからこがなくても進む!」

澪「おおっ!」

律「危ないと思ったらブレーキ。スピード出すぎた時もブレーキ。安全でしょう?」

澪「おおおっ!!」

律「よしいけええっ!」

澪「おおおおおおーーーっ!!!」 ダッ

シャーーーーーーーーー


2
最終更新:2010年07月14日 21:57