※読者

律「なんか、感動的っぽくなってるぞ」

唯「いい話だね~」

梓「青春って感じで、たまらないです」ハァハァ

紬「梓ちゃん、汚れた欲望を感じるわよ……」

梓「ムギ先輩には言われたくないです。きららを読んでる時のムギ先輩に比べたら!」

律「正直、どっちも変わらんけどな……。対象が違うだけで、業の深さは同じか」



※誌面

律「よっしゃ、みんな心は一つだ。目指すは武道館!」

唯「そのために、まず俺はギブソンを買う!」

澪「そのために、まず……」

紬「バイト、だね……」カチッカチッ

律「仕事しようか……」カチッカチッ



梓(……武道館? ギブソン?)チラッ

梓(この人たち、バンドやってるのかな?)

梓(ギブソンより、ムスタングの方が俺は好きだな)ギュッ

梓(まぁ、何にしても……)

梓(俺には関係ない話だな……)スタスタ



※読者

梓「ついについに私が登場!」ガタッ

唯「第二話の最後か、意外と早かったね~」

梓「やっぱり人気があるから出番が早まったんですね!」フンス

律「まぁ、そういう大人の事情もあるだろうけど……」

梓「あぁぁぁ、それにしても梓カッコいい! 梓最高!」

紬「黙れ腐女子」

梓「何ですか百合先輩」

律「……なぁ、唯」

唯「……うん」

律「ムギのテンションが底辺だし、梓の知りたくなかった一面が見えちゃうし、澪は自殺しそうだし」

唯「この連載が始まってから、色々と酷いね」



※読者

唯「ねぇ、りっちゃん」

律「何だ?」

唯「先週号のアンケートハガキをよく見たら、新連載について質問があるよ!」

律「本当だ、どれどれ……」



新連載「けいおん!」について質問します。

1.主人公の平沢唯と一緒に暮らす憂というキャラクターがいるとして、憂は弟がいいですか? 妹がいいですか?

2.その他要望があれば自由にお書き下さい。



唯「応募してみよっか。あっ、当然『面白かったマンガ』は『けいおん!』の番号を書いてね」

律「でも〆切を過ぎてるんじゃ……」

唯「今日の8時必着だから間に合うよ!」


※妹の方が多いかな



……

唯「そんなこんなで!」

律「早くもジャンプでの連載3回目を迎えました」

唯「みんなの様子はどうかな?」

澪「週末は富士山の樹海まで旅行してたんだ、もちろん一人で」アハハ

梓「お気に入りの絵師さんが律唯のイラストを書いてました、もちろん801板で」ハァハァ

紬「早く『けいおん!』を読みたいわね、もちろんまんがタイムきららで」ショボ-ン

律「うん、まぁ、みんな頑張れ」

唯「さてさて、今週はどんな話かな?」



※誌面

唯「ついに!」

澪「……」シラ-

唯「ついに!」

律「……」ニコニコ

唯「ついに!」

紬「……」ファサッ

唯「手に入れたぜ、ギブソン!」

律「やったな、唯!」

澪「ようやく楽器も揃って、練習ができるように……」

紬「じゃあ記念にティーパーティーといこうじゃないか」キラリンッ

澪「……えっ?」

律「おぉ、いいね。今日のお菓子は?」

紬「マドレーヌを持って来たよ。紅茶はアールグレイでいいかな?」ファサッ

唯「マジで毎日お菓子つきなんだな……。この部活、最高じゃん」

律「さぁ座れ座れ~」

澪「……」プルプル

澪「ちょっと男子、ちゃんと練習しなさいよ!」


唯「……なぁ、律」ヒソヒソ

律「はいはい」ヒソヒソ

唯「もしかして澪ちゃん、合唱コンクールなんかで張り切っちゃうタイプ?」ヒソヒソ

律「その通り。中3の時なんか凄くてさ……」ヒソヒソ

澪「そこっ、聞こえてるぞ!」

律唯「ふぁ~い」クスクス

澪「まったくもう……。私たち、武道館に行くんじゃなかったの?」

律「行く行く、絶対に行ってやるよ」ヘラヘラ

唯「武道館でライブするために、まずはマドレーヌを……」ヘラヘラ

澪「いい加減にしろっ!」



※読者

梓「唯律……。いや、律唯か!」ハァハァ

律「なんか梓の病気が悪化してるな」

唯「よくわかんないけど、ジャンプの自分に負けた気分だよ……」

律「私たちが今ここで抱き合っても、梓はあんなに喜ばないしなぁ」ギュムッ

唯「りっちゃ~ん」チュッチュッ

紬「それは私が悦ぶわ!」ガバッ

梓「落ち着いてください百合先輩、漢字がおかしいです」

澪「私の性格も、ずいぶん変な設定に変わってるな」

律「……はぁ?」

唯「澪ちゃんは、本物とまったく同じ性格だと思うよ?」

澪「……えっ、私、客観的に見たらこんな感じ?」

律「その通りだ」

唯「だね」

紬「うん」

梓「ダメですよ皆、澪先輩がまた自殺未遂をしたらどうするんですか」

唯「今度は成功しちゃったりして!」

律「……唯、その発言はさすがに謝った方がいい」



※誌面

(下校中)

唯「とは言ったものの……」テクテク

律「ん?」

唯「武道館って遠い目標すぎて、どうすりゃいいかわかんねーよ」

律「確かに、そうかもしれないなぁ」

澪「まず身近な目標から作ってみたらどうかな。文化祭とか、ライブハウスとか」

唯「……ライブハウス?」

澪「小さめの会場だけど、お金を払って見に来てくれるお客さんの前で演奏できるんだ」

律「ライブハウスで力を付けてプロになるバンドも多いな」

唯「へぇ……」

唯「よしっ!」

唯「最初の目標は、ライブハウスで演奏だな!」キラキラ

律「ちなみに、一応聞いておくぞ?」

唯「うん!」

律「ライブハウス、行ったことあるか?」

唯「ない!」

律「やっぱり……」ハァ

紬「それじゃ、うちが経営してるライブハウスに寄って行くかい? ちょうど近くにあるんだ」キラリンッ

唯「えっ、マジで?」

律「いいじゃん、行ってみようぜ。なっ、澪?」

澪「う、うん……」



……

ジャ-ンジャ-ン
ドコドンドコドンシャン
ウォ-ウォ-ウォ-

唯「音量でけぇ!!!」

律「思ったよりも広いな~」

紬「最大で500人収容できるからね」ファサッ

律「あれ、澪は?」

澪「うおおおおおおおっ!!!!」

唯「……澪ちゃん?」ポカ-ン

律「あぁ、澪はライブ会場だとテンション上がっちゃうから」

唯「そ、そうなんだ」

律「ほら、唯も。こんな所に来て、盛り上がらなきゃ損だぜ?」

唯「……それもそうだな!」


ワイワイガヤガヤ

「なぁ、次のバンドのギター……」

「知ってるよ、まだ15歳の中学生だってな……」

「おっ、出て来たぞ」

「あの背が低いヤツかな?」



律「一人だけ、妙にちっこいのがいるな」

澪「あのギター、ムスタングだ」

唯(俺と同い年くらい……。いや、年下?)




「やっぱりそうだ。あいつが……」

「中野梓だ」



※読者

唯「ここで迫力のあずにゃん演奏シーン!」

律「かきふらい先生が、すべての画力を振り絞って描いたのが伝わってくるな」

唯「SSじゃ表現できないけどね……」ボソッ

律「そんで最後のコマ、唯が梓の演奏に圧倒されて感動して、今週は終わりだな」

澪「よかった、今週の私は変なシーンがなかった……」ホッ

紬「澪ちゃん、そんなに心配なら読まなければいいのに……」

梓「ああああああああああああああああっっっっ!!!!」

唯「わっ、あずにゃん!?」

梓「梓カッコいい! 梓最高! むしろ私最高!」ジタバタ

律「落ち着け、発言がメタ過ぎるぞ」

梓「これは、これは唯梓か! 唯梓なのか!」ハァハァ

唯「えーと、私はどうすれば?」

紬「梓ちゃんに抱きついてみればいいと思うわ」

唯「う、うん。あずにゃーん♪」ギュッ

梓「ちょっと邪魔しないでください、唯先輩」キッ

唯「」

梓「あぁ、唯攻めの梓受けか……」ハァハァ



……

唯「4週目!」

律「毎週恒例になってきたな、みんなでジャンプ読むの」

梓「今週はどんな話でしょうね!」ニコッ

律「もう私は梓の笑顔を直視できないよ……」

唯「その奥に邪悪なものを秘めてるからね……」

澪「じゃ、じゃあ見てみようか」

紬(なんだかんだ言って澪ちゃんも気になるのね)



※誌面

ピンポ-ン

憂「はーい。あっ、和さん」

和「おはよう、憂」

憂「今日はずいぶん早いですね?」

和「唯に頼まれたのよ。もうすぐ中間テストだから、朝勉強を教えろって」

憂「でも、まだ6時……」

和「た、確かにちょっと早く来すぎたかもしれないけど!」

憂「お兄ちゃん、まだ寝てますよ?」

和「えっ、本当に?」

憂「はい」

和「……」イラッ

和「ちょっとお邪魔するわよ」ズカズカ

憂「あ、わっ、和さん!?」

和「妹に朝ごはん作らせといて、私に勉強見ろとか言っといて、まだ寝てるとは何事だ!!」ズカズカ

バタンッ

和「起きなさい、唯!」

唯「んー……」ゴロン

和「って、アンタ」

唯「何?」ムニャ

和「なんでギターと一緒に寝てるの?」

唯「……えーと」

憂「お兄ちゃん、昨日はギターの練習しながら眠っちゃったみたいで。私が布団かけておいたんです」

唯「あー、そういえば……。ありがとな、憂」

憂「えへへ、どう致しまして」

和「つまり、寝たのに気付かないくらい練習してたってこと?」

唯「まぁ、そういうこと」

和「驚いた……。唯が何かにそこまで夢中になったの、初めてじゃない?」

唯「そうだっけ?」

憂「小学生の頃、野球の道具を揃えただけで辞めちゃったことがありましたね」

和「中学のサッカー部も仮入部で辞めたわね。走りたくない、とか言って」

唯「うぅっ……」



※読者

律「ここで憂ちゃんが登場か~」

唯「憂は女の子のままなんだね」

律「ジャンプの連載マンガにしては、女キャラの比率が多い気がするな。『いちご』『トラブル』枠じゃないのに」

唯「その役割は、澪ちゃんが引き受けてくれました!」

澪「や、やめてくれ……」ビクビク

紬「ところで、この憂ちゃんと和ちゃん、仲が良さそうね……」

律「ありゃ、珍しくムギが熱心に読んでるな」

紬「唯ちゃんの愚痴を言い合って意気投合する二人……」ブツブツ

紬「ある日、憂ちゃんが何気なく言った『和さんの妹だったらよかったのに』の一言をきっかけに、急接近して……」ブツブツ

紬「むぎゅううううう!!!!!」

律「先週の梓に続いて、今週はムギか……」ハァ




※誌面

(登校中)

和「でも本当に意外だわ、アンタがそんなにやる気を出したの」

唯「まぁ、俺もやればできるって訳よ」フンス

和「何かあったの?」

唯「何か、ってほどでもないけどな」

和「やっぱり何かあったんじゃない」

唯「……昨日、軽音部のみんなとライブハウスに行ったんだよ」



(回想中)

律「何だよ、あのチビ! とんでもないテクニックじゃねーか!」

澪「すごい、すごい、すごい! こんなの、初めてだよっ……///」カァッ

唯「ギターソロ……」

唯「ヤバい、カッコいい……」

紬「彼は、中野梓。このライブハウスによく出演してるんだ」キリッ

律「ムギ、知ってるのか!?」

紬「うん、変わり者だからね。毎回違うバンドに呼ばれて演奏するから『渡り鳥』なんて呼ばれてる」キリッ

澪「そんなの、簡単な事じゃないよ。ギターを身体の一部みたいに弾ける人じゃなきゃ、そんな器用な真似はできない」

紬「何より驚くのがね、彼はまだ中学生なのさ。僕らよりも、年下なんだ」キリッ

唯「……信じられない」ゴクリ

唯(中野梓、何者なんだ!?)

(部室)

唯「という訳で、俺もあんな風になりたい」ズイッ

律「唯が思いっきり影響されてやがる……」

唯「さぁさぁ、練習しようぜ!」ジャラ-ン

律「しかも昨日よりちょっと上手くなってやがる……」

唯「家でも練習したからな、そりゃもう、たっぷりと!」

律「すごいな……。おっ、そろそろオヤツの時間だ」

唯「いやいや、セッションしようぜ! 俺のパートは覚えてきたし!」

律「えっ!?」

澪「そうだよ。ダラダラ過ごしてたら、あのライブハウスのステージに立つのも夢で終わっちゃう」

紬「僕らはその先を目指すんだろう? ティータイムはもうちょっと後にしようか?」ファサッ

律「……あれ、俺もしかして孤立してる?」


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最終更新:2010年07月16日 22:23