※読者

唯「ここから私たちの演奏シーンだよ!」

律「かきふらい先生、頑張ればこんな絵が描けるんじゃないか……」

澪「まんがタイムきららでも、私たちの演奏シーンをちゃんと描いてくれないかな……」

紬「澪ちゃん。それは、まんがタイムきららの読者の需要を何も考えてない発言よ」

澪「きらら読者の需要って……」

梓「このコマで、唯が振り向いて律と目を合わせるところが、たまりません」フゥ...

唯「こっちは、ジャンプ読者の需要を満たしてるみたいだね!」

澪「それもちょっと違うような……」

律「というか、梓に呼び捨てにされるのは違和感があるな……」



……

唯「今週もジャンプの発売日がやって来ました!」

律「……って、おい」

唯「どうしたの?」

律「掲載の順番が、かなり後ろになってるじゃないか」

唯「うん、そうだね」

律「そんな呑気に構えている場合か! このままだと打ち切り候補に入っちまうぞ!」

唯「えっ、そうなの!?」

律「知らないなら『ジャンプシステム』でググれ。アンケートの結果が反映され始めてるんだ」

梓「今週・来週あたり面白くなかったら、10週打ち切りが見えてきますね……」

唯「なんと!?」

律「という訳で、第五話を見てみるか……」ドキドキ



※誌面

聡「兄ちゃん、今日は出かけるの?」

律「あぁ、軽音部のヤツの家で勉強会。一人だけ赤点で追試をくらったバカがいてな」

聡「そんなら電子ドラム借りていい?」

律「却下。昔のジャンプでも積んで叩け」

聡「なんでだよ、ケチ!」

律「うるせぇ。お前が部屋に入ると絶対に散らかすから嫌なんだよ」

聡「そんな事ないだろ」

律「すっぽ抜けたスティックで蛍光灯を割られるのは、もう勘弁してくれよ」

聡「いつまでその話を引きずってるんだよ。俺がドラム始めたばっかりの時じゃんか、それ」ムスッ


ピンポ-ン

澪「こんにちは」

律「おぉ、澪……」

聡「こんにちは、澪姉さん!」ガバッ

澪「聡くん、元気にしてた?」

聡「はい、元気です。悩みと言えば兄がウザい事くらいです!」

律「こいつ……」プルプル

澪「あぁ、奇遇だね。私も同じ悩みを抱えてるんだ」

聡「一緒ですね。今度その悩みについて語らいましょう、二人で!」

澪「それはいい提案だな!」

律「澪、お前まで……」プルプル


(街頭)

澪「……で、今日は電子ドラムを貸す貸さないで喧嘩してたのね」テクテク

律「そういう事。結局貸してやったけどな、俺は心が広いから」

澪「本当に心の広い人は、そもそもそんな理由で弟と喧嘩しないよ」

律「……この人混みのなか、スカートをめくってやろうか?」

澪「さささ、最低だ!///」

律「冗談だよ」

律(それにしても聡のヤツ、最近やたら熱心にドラム叩いてるな……)




※読者

唯「りっちゃんと澪ちゃん、なんかいい雰囲気だね~」

律「私が男になると、なんか普通のカップルみたいだな」

澪「うーん、確かに。これはこれで恥ずかしいな……///」

梓「ただのカップルには興味ありません」

紬「この中に百合、レズ、あと梓ちゃんのためにBLがいたら、私のところに来なさい。以上!」

律「お前らは相変わらずだな……」

梓「んっ、待てよ……」

紬「よく考えてみたら……」

梓「澪先輩も男体化しちゃえば萌えるかも!」

紬「律ちゃんも女の子になれば、素敵なカップルになる気がするわ!」

律「お前ら、いい加減にしろよ……」

澪「特にムギ、冷静に自分の言ってる事を振り返ってみてくれ。おかしいだろ……」



※誌面

唯「という訳で、平沢家にようこそ!」パフパフ

律「そのラッパは何だよ……」

唯「いや、みんなを歓迎するために用意したんだ」

律「そんな余裕があるなら勉強せんか! お前の追試のために集まってんだから」

澪「ムギ君はもう来てるの?」

唯「あぁ、いるよ。俺の妹と意気投合しちゃったみたい」

紬「このコーヒー、モカの豆を挽くところから作ってるんだね。とても美味しいよ」ファサッ

憂「うわぁ、わかってくれて嬉しいです。お兄ちゃんは私のこだわりなんて気付いてくれなくて……」

唯「……ほら、ね」


律「そうだ、唯。いいもの見せてやるよ」

唯「えっ、何を?」

律「澪のパンツ」バサッ

澪「えっ……」

唯「!?」

紬(白、か……)キラリンッ

澪「きゃああああっ!!!!」バチ-ン

律「痛ぇ、本気のパンチだ!!」

澪「な、な、な、なんて事を!?」

律「いや、さっきの『心が広くない』発言を根に持ってたから」ヒリヒリ

澪「ふざけんな、バカ律!!」



※読者

梓「このスカートめくり、必要あったんですか?」

律「おそらく人気回復のためのテコ入れだな。澪は犠牲になったのだ……」

唯「澪ちゃんェ……」

梓「それはもういいです!」

紬「澪ちゃん、大丈夫?」

澪「あぁ、平気だよ。全国にパンツを晒すくらい、どうって事ないさ……」ハハッ

唯「澪ちゃんが打たれ強くなってる……」

律「ジャンプ誌上のサービスカットも三回目だからな……」



※誌面

澪「さて、ちゃんと勉強するぞ」

唯「早速この問題がわかりません!」

澪「どうしてわからないんだよ、中学校の範囲じゃないか……」

律「ぶっちゃけ唯の勉強を見るのは澪に任せとけばいいな」

律「妹の憂ちゃんとゲームでもしようかな?」

紬「すごいキッチンだね。タジン鍋まで置いてあるなんて」キランッ

憂「このフライパンは卵焼き専用なんです。他の料理の味を付けずに、プレーンオムレツを作りたくて」

律「……」

律「……マンガでも読むか」

律「……」ゴロゴロ

律(俺は、こんな事してていいんだろうか)

律(武道館でライブやりたいなんて、夢ばかり大きくて)

律(そのために努力してるかって言われれば、そりゃしてるけど)

律(俺より遅くドラムを始めた聡は、テクニックだけなら、もう俺とほとんど変わらない)

律(今だって俺の部屋で練習してるんだろ、ったく)

律(俺は……、唯の部屋でマンガ読みながらゴロゴロしてるだけ)

律(せっかく最高のメンバーでバンドを組めて、夢に一歩近づいたってのに)

律(何やってるんだろう。これじゃダメだよな)

唯「あぁ、さっきの公式をここで使うのか」

澪「そうそう。そのやり方なら難しくないよ」

律「なぁ、唯」

唯「ん?」

律「さっさと追試を終わらせて、練習しようぜ」

唯「律……」

律「なっ?」

唯「うん、わかった。早く部室に戻りたいね」

律「あぁ、そうだな!」

澪「そう思うなら、律も勉強を教えるの手伝いなさいよ」

律「無理だよ、俺も澪に教わったんじゃないか」

唯「あぁっ、だから律はいい成績だったのか!?」

律「バレたら仕方ない、その通りだ!」



※読者

唯「今週はここで終わりだね。みんな、感想をどうぞ!」

律「律がイケメンだな」

澪「澪がパンツだな」

梓「梓が出なかったな」

紬「なぜ憂ちゃんと澪ちゃんの絡みがないのか、むしろ紬を女体化して紬憂に活路を見出すべきなのか」

唯「はい、ありがとうございました!」

唯「それで、今週は第六話なんだけど……」

律「やっぱり掲載順位は後ろの方か」

梓「無理もないですよ。人気上位には『ワンピ』『ナルト』『鰤』あたりがいるから……」

紬「私としては、ジャンプで打ち切られて、まんがタイムきららに戻ってきてもいいと思ってるの」

澪「もう、どっちでもいいや……」アハハ

唯「澪ちゃんが達観してる……」



※誌面

ジャジャ-ン
ドコドン

唯「今の、いい感じじゃなかった!?」

律「なんか完璧だったんじゃないか!?」

澪「律のドラムは走ってたけどな」

紬「それでも、僕たちがバンドを組んで一番の出来だったと思うよ」キラリッ

唯「よーし、じゃあ休憩!」

律「ムギ、お菓子の用意だ!」

紬「任せてよ!」ファサッ

澪「……まぁ、いっか。気付いたら、結構長い時間が経ってるしね」

唯「ところで、さ」モゴモゴ

律「何だよ?」ズズッ

唯「最初の目標はライブハウスで演奏って言ったけど、どうすればいいんだろう?」

律「あー、確かに。どうすりゃいいのかな?」

澪「地道に実力を付けながら、イベントに出演する機会を探す、とか?」

紬「うちのライブハウスなら、僕がお願いすれば出られると思うんだけどね」キランッ

澪「えっ、本当に!?」

律「ムギってよくわからない力を持ってるよな……」

唯「うーん、でもムギの力だけを頼りにステージに立つのはちょっと……」

紬「そう言うと思ってね、こんなイベントの情報を持って来たんだよ」ファサッ

律「えーと、どれどれ?」

唯「……ティーンズ・ロック・フェスタ?」



※読者

唯「以下、ムギちゃんの説明が続くので省略します」

律「大体名前でわかるよな、どういうものか」

紬「あぁ、紬がどんどん『ストーリーの進行上で便利なキャラ』になっていく……」

梓「ムギ先輩はVIPのSSでもそういう役割が多いですからね」

律「梓の発言がメタ過ぎて、もうね」

唯「りっちゃん、突っ込みを放棄しちゃダメだよ!」

梓「律先輩……、突っ込み……、すなわち強気攻め……」

律「よし梓、いいから黙ってろ」



※誌面

唯「そんな訳で、TRF(ティーンズ・ロック・フェスタ)にエントリーする事にしたんだ」

憂「すごいね、お兄ちゃん!」

唯「何もすごくないよ、高校生までなら誰だって出演できるんだから」

憂「えっ、そうなの?」

唯「とはいえ、出場するバンドは全部、それなりに実力のあるバンドばかりだろうってさ」

憂「紬さんがそう言ってたの?」

唯「うん、だから恥ずかしい姿は見せられないよ。俺たちにとって、武道館への第一歩だからな」

憂「そっか。やっぱりすごいよ、お兄ちゃん」

唯「だから、すごくないって……」

憂「ううん、すごい」

唯「……わかった。ありがと、憂」


……

律「ただいまー」

聡「おぉ、兄ちゃん。おかえり」

律「……」

聡「どうしたの?」

律「いや、別に」スタスタ

律(TRFの事、わざわざ聡に話さなくてもいいよな)

聡「……何だ、あれ」

プルルルル

聡「おっと、電話だ。もしもし?」

聡「……」

聡「ティーンズ・ロック・フェスタ?」

聡「それ面白そうだな、梓!」



※読者

律「うおっ、マジか!?」

唯「意外な繋がりが明らかになったところで、今週は終わり!」

梓「この展開は予想していませんでした。今週は掲示板が荒れそうです」

澪「だんだん澪が空気になっている気がするんだけど」

紬「お色気担当だからいいじゃない。紬なんて……」グスッ

唯「うぅっ、泣かないでムギちゃん」ムギュッ

紬(あぁ、唯ちゃんに抱き付かれると幸せだわ……)

梓「ムギ先輩がヘブン状態ですね」



……

唯「そんなこんなで迎えた7週目ですが」

律「私たちが独自に入手した情報によると」

唯「『ジャンプらしくない』という読者の声を受けて」

律「編集部から大幅にストーリーのテコ入れが行われた模様です」

梓「それって完全に打ち切りフラグなんじゃ……」

律「言うな、それは思っても言うな!」

唯「さてさて、どうなったのかな?」



※誌面

律「みんなに提案したい事があるんだ」

澪「TRFに向けて?」

紬「どんな提案だい?」ファサッ

唯「律、言ってみろよ」

律「TRFは確かに中高生バンドだけのイベントだ。でも俺たちにとって、すごく大切な初舞台になると思う」

律「俺たちが、武道館のステージに立てるのかどうか、それを占う最初のチャンスだと思ってる」

律「だから絶対に、TRFで一番目立ちたい、一番すごいバンドだったって観客に言わせたいんだ」

唯「そうだな、みんな同じように思ってるよ」

律「そこで、観客の度肝を抜くパフォーマンスをするために、どうすればいいか考えたんだ」

澪「すごく難易度の高い曲を選ぶ、とか?」

律「違う……。あえて俺たちは、曲を選ばない」

澪「どういう意味?」

律「前のバンドが演奏した曲を、俺たちも演奏する」

唯「……はっ?」

律「いや、ただ同じ曲を演奏するだけじゃない。即興でアレンジを加えて、数段上のクオリティにしてやるんだ」

紬「そ、そんな事ができるのかい?」キュピ-ン

律「できるかどうかじゃなくて、やるんだよ。俺たちの力を合わせて!」

唯「でも、どうやって……」

律「そのための作戦も、ちゃんと考えてきた。まず、唯!」

唯「は、はいっ!」

律「ひとつ気付いた事があるんだ。唯には絶対音感がある」

唯「……絶対音感?」

紬「耳から聞いた音を、すべてドレミの音階で理解できる能力だよ」キリッ

律「唯の絶対音感を研ぎ澄ませれば、直前のバンドが演奏した曲を、その場でコピーする事ができるようになる筈だ」


唯「ほ、本当に?」

律「頼むよ、唯……」ガシッ

唯「律……」

律「俺の作戦を実現するためには、唯の絶対音感がどうしても必要なんだ」

律「いや、違う。俺たちの夢、武道館のためなんだ!」

唯「……わかった」

律「えっ?」

唯「頑張ってみるよ、律の言う通りに」

律「ありがとう、唯……」ギュッ


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最終更新:2010年07月16日 22:24