__ /: : : : : : : :‐. 、
          /: : : : : : : : : : : : : : : :\
.      /: : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ: :ヽ
      /: :/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
     . : /: : : : : :! : : : :\: : : : : : : :ヽ: :.ハ
    /: : |: : : : : : :!: : :|、: : :\: : : : : : :l: : :ハ
    : : : |: : : : : :/-、: l- \: : ヽ: : : : : : : : : :.
    l: : : :l: : : : :/  _ヽ:':、  \: :、: : : |: : : :!: |
    |: : : :|:_:, イ イ゙"ハュ、ミ:.、  '心、: : |: |: : |: !  
    |: : : :`r 、:|  弋リ  ヾ:、  ゞ''\:|:/: : :V     
     : :!: : :l ヽ       `     /': : : : :|
.    |: |!: : l:\ ,_         '  _,.イ': : : : :/
.     l: | 、: |: : : :.ヽ    =='   ,.イ: : : :./l
    ヾ、 \: :/: : : ヽ、     ./: : : : :./: |
        |/: : : |: :.〉 >- '" /: : : : :/!: /
       /: : : : !:./l \/  .|: : : :./:/、'_
        |: : : : :レ / ハハ    |: : : /   "'' ‐- 、_
      __|:/|: : //ィゞ!l、.ヽ /l: :./           ハ
    /  |' .|: // 〈//|!| ヽ.〉': : :/ |          |
    !     |;' ヽ. / i |レ'./,イ:.:/___| !        |
    |   l ヽ / 〉! .| |-'レ |!: !\   l   /      |
    |   |' /  |. | l | |  | N /   | /         |



昼休み、教室


姫子「え?」

澪「ちょっ、コラ唯!!(た、立花さん怖そうなんだから絡まないでよ~)」

姫子「な、なになに?いきなりどうしたの」

唯「あのねあのね、律ちゃんも男らしいとこあるけど、悪ガキって感じなんだよね」

律「ガーン」

唯「でもねっ、姫子ちゃんは”漢”って感じでカッコイイんだよ!!」ふんす!

紬「”漢”と書いて”おとこ”と読むって奴でゲスね!」ムフー!

律「どこの人だよっ!」

姫子「アハハ」



放課後、廊下

姫子「男らしい……かぁ」ボソ

私の家族は5人兄弟と親と、あと犬(セル♂)と猫(シオ♀)のいわゆる大家族。

しかも兄弟は兄貴4人、つまり女は私一人だけ。

その影響でか、昔からどうしても男っぽいとか怖いとか……

小学生の頃まではあまり気にならなかったけど、中学生くらいからもっと女らしくなりたいと思うようになった。

だから必死に勉強して女子高に入って、自分のこと”俺”って言ってたのを”私”って言うようにしたり、あと髪も伸ばしちゃったりして……

姫子「でも、やっぱり私には無理なのかなぁ」トボトボ




梓「部活に遅刻しちゃうよ~!」バタバタバタ

姫子「ん?」

梓「えっ!?にゃあっ!!」ドン!!!ドサっ

姫子「ああァんっ!!何すんだコノ…」ギぃロぉんっ

梓「ひぃっ!」ビクビクぅっ

姫子「(は!しまった!!攻撃されるとつい喧嘩を買ってしまう癖が!!)」

姫子「(うう、毎日男の中の弱肉強食の世界で生きてきたから……)」

姫子「あ、アハハハ~ごめんよ~大丈夫だったかなァ~?」チラ

梓「ヒグっヒグっ……ス、スビバセン……ひうっ……ごべんなざいぃぃ……許して…うぅ…下…さいぃ……」グスグス

姫子「(めっちゃ泣いてるううううううううう!!)」

姫子「わわっ、べ、別に怒ってないからさ!」


ヒソヒソ……  何あれ? カツアゲ?やだァー

 ヒソヒソ……  先生呼んだほうがいいかな?


姫子「(や、やべっ、早くなんとかしないと…)」

姫子「ほ、ほら立てる?」

梓「うう……こ、腰が抜けて……立てまぜん~~~」グスグス

姫子「ええっ!?」


姫子「そ、それじゃあさ、どこに行くところだったの?そこまで連れてくからさっ」

梓「あの……け、軽音部……です」グスン

姫子「あ……(そっか、この娘は……)」

姫子「よっしゃ、んじゃそこまで」

グイ

梓「えっ?……にゃっ」


ヒソヒソ……  何あれ? お姫様抱っこ?いいなァー

 ヒソヒソ……  あの先輩、カッコイイ……


梓「///」ドキドキ……



部室

唯「あずにゃん遅いね~」

律「もう食べちゃおうZE!」

唯「え~駄目だよぅ!今日はあずにゃんの大好きなたい焼きなんだから~!」

紬「あらあら、優しいわね唯ちゃん」

唯「えへへ~」

澪「いつもはさっさと食べてるけどな」

唯「いやぁ照れるなぁ~」

澪「(褒めてないっ!)」

ガチャッ

「あのぉ~」

唯「あ、あずにゃん!!」ガタッ

紬「……が」

律「姫子にお姫様抱っこされてやって来た」

澪「これがホントの……」

唯律紬「「「……えっ?」」」

澪「な、何だよっ!!///」

律「ハイハイ、んで何で梓が姫子のお姫様になってんだ?」

姫子「え?」

姫子「(どうしよう……つい睨みつけたなんて言えねぇ)」

梓「……あ、あの、私が廊下を走ってたら先輩にぶつかって……それで勝手に驚いて……腰が抜けちゃって……」

姫子「(……ん?あれ?)」

律「なんだよ~、梓ちゅわんにもそんな可愛い所があったのね~ん」ニヤニヤ

梓「う、うるさいです!!///」

姫子「(この娘、私を庇ってくれた……後輩に気を使わせちゃったかな……ハァ)」

梓「あ、あの、す、すいません、もも、もう大丈夫なんで……///」

姫子「おぉっとゴメンゴメン!」

姫子「よ~いしょっと」


紬「あら?どうしたの唯ちゃん?」

唯「あずにゃんズルイ!!私も姫子ちゃんにお姫様抱っこされたい!!」

姫子「えええっ!?」


澪「ま、まぁ確かにお姫様抱っこは憧れるシチュエーションの一つだよな」

律「いや、澪じゃ無理でしょ。だっておも」

澪「う・る・さ・い!!」ドゴっ!

律「あいてっ!!うう……澪のツッコミは重いぜ……」

澪「」ギロっ

律「ち、違うっ!今の違う!!」

姫子「フフっ」

唯「あっ、姫子ちゃんが笑った~」

姫子「あははっ。はぁ~、アンタ達、教室にいる時より面白いな~特に秋山さん。」

澪「え!!あ……ご、ごめんなさい……///」

律「なーんで澪が謝るんだよっ」ベシっ

澪「あいてっ」

律「澪ちゅわ~んが本当の自分を見せるのは私だけだもんね~」つ ぷにぷに

紬「あらあらあら」

澪「な!///」

澪「そ、そそんなことないー!!」バッ

律「きゃー」ドタバタ

澪「待てー!!」ドタバタ

姫子「ははは……いつもこんな感じなの?」

唯「そだよー」

梓「は、恥ずかしながら……」///

姫子「へ~……いいな」ボソ

梓「え?」

姫子「あ、いやぁ私の兄弟って私以外全員男でさ、こうやって女の子同士でっていうのがいいなぁって……」

唯「へ~!そうなんだ!!」

紬「私もわかります!いいですよね、女の子同士って!」ムフー!

梓「(たぶん、ムギ先輩の”いい”は違う意味だと思う……)」

姫子「それじゃ、私もう行くね」

梓「(あ……)」

唯「え~!もっとお話しようよ~」ぶーぶー

姫子「え、でもすぐ練習するんだろ?」

唯「あはは~大丈夫大丈夫、私たちってティータイムが主な活動だもん。ねっ、あずにゃ~ん」スリスリ

梓「……そ、そうです!!せ、先輩も一緒にどうですか!!」ズイっ

紬「(あらあら?)」ニヤリ

唯「おおっ、いつも練習をしたがっているあずにゃんが!!やっとティータイムの重要性を分かってくれたのねっ!」おーいおいおい

梓「ち、違います!きょ、今日は……えと……今日は先輩にお世話になったから……そのお礼に……ですっ!!」

姫子「お世話って……そんな私は別に……」

律「ま~ま~、たまにはいいんじゃない?な、姫子」

姫子「律ちゃん……(頭にたんこぶが……)」

姫子「そうだな、今日はバイトも無いし……お邪魔させてもおうかな///」

唯「わ~い!」

梓「!」ぱぁぁ

澪「よ、よろしく~」ビクビク

紬「ウフフフフ(うふふふふふふふふ)」


唯「へ~お兄ちゃんが4人もいるんだ!!」モグモグ

紬「私、テレビで見たことがあるわ!!大家族って言うのよね!!感動的だったわぁ~」

姫子「そんないいもんじゃないよ……毎日戦場だし……」ハァ

唯「え?何で~??」ゴックン

姫子「洗面所、テレビ、トイレ、風呂、こたつ、ごはんのおかわり、犬(セル♂)の散歩、猫(シオ♀)の世話etc……」

姫子「家族全員武闘派だから、何を争うでも先に手が出てそれはもう血で血を洗うような大喧嘩……」ゴゴゴゴ

澪「ヒィっ」ガタガタ

姫子「あれ?もしかして秋山さんこういう話は駄目な人?」

澪「う、うん」

唯「澪ちゃん!これくらいで怖がってちゃ駄目だよ!!そんなんじゃ律ちゃんがいくらあっても足りないよっ!!」ふんす!

澪律「「どういう意味だよ!」」

姫子「(おお、息がぴったりだ……)」


2
最終更新:2010年07月19日 23:27