ミーンミンミン
外に出るとまだまだ夏の熱い陽射しは私たちを照らし、うるさいくらいセミが鳴いていた
でもいつの間にかセミの鳴き声も聴かなくなって、いつの間にか夏が終わってるんだよね
ついさっきりっちゃんがみんなと急に行きたい場所があると言って私たちを連れ出した
行き場所がわからないまま私たちは歩き電車に乗りそしてまた歩いた
律「この辺かな」
りっちゃんがそう言う頃にはもうすっかり日が暮れていた
澪「こんなとこまで連れてきてしょうもないことだったら許さないからな!」
律「んなことわかってるよー」
梓「せめて何が起こるのか教えてくださいよ」
律「まーもうすぐわかるよ」
紬「えーなになにー?スゴくドキドキするわあ」
なんだろう
そして"それ"が見え始めた時、私たちは驚愕した
夜空いっぱいに輝く星たちが私たちを包んだ
澪「すごい…」
正直本当に言葉にならなかった
律「いやー夏休みに一回はみんなで見たいなって思ってたんだけどさ、なかなか都合合わなくて」
散々と光る星が私たちを魅了する
律「すごいだろ?」
その後はずっとみんな黙って夜空を見上げていた
星も花火も似ている
夜にしか輝けない
私たちも一緒
輝けるのは今のうちだけなんだ
この景色もまた明日には思い出になってるんだろうな
唯「ねえ、みんな―――――――――――………
始業式
さわ子(ついに始まるわ…2学期が)
ガヤガヤ
さわ子(この扉を開いた瞬間始まる…)
さわ子(一歩を一歩踏み出すのよさわ子!)
ガラガラガラ
ガヤガヤ
律「あー!さわちゃん久しぶりー!」
さわ子「起立!礼!」
「おはようございます」
さわ子「今日から2学期です。夏休みはたくさん勉強できましたか?受験に向けてまたこれからも頑張ってくださいね!あと体調管理にはちゃんと気を付けるように、でわ!」
澪(早っ…)
律「……先生?」
さわ子「な、ななな何?」
さわ子(それから先は言わないで)
律「なんかさー、」
さわ子「やめ――――、」
律「太った?」
紬「そう言えば…」
さわ子「………」
律「ご……ごめんなさい…つい…」
さわ子「そうよ」
律「え?」
さわ子「その通りよ」
澪(律のやつ新学期早々なにやってんだよ!)
さわ子「…………せいよ」
さわ子「あなたたちがなかなかティータイムやってくれないから自分で買って1人ティータイムやってたらこの有り様よ!!全部あなたたちのせいよ!バカ!」タッタッタ
律「やべ…」
クラスがシーンとしてしまった
ただ私はスゴく可笑しかった
こうして私たちの2学期は始まったのであった
放課後音楽室
律「やっちまったな…」
澪「お前も女なら気持ちくらいわかるだろ!」
律「悪い…」
澪「ったく…」
2学期が始まったってことはそろそろ文化祭が始まる
そしてその文化祭が終わったら私たちは一旦休憩
だからこの1ヶ月は悔いが残らないように練習しなきゃ!
梓「あのー…そろそろ練しゅ」
唯「練習しよっ!」
梓(え・・・・)
律「おいおいどうしたんだよ唯」
唯「もう文化祭まで時間無いんだしちゃんとやろーよー!」
澪「そうだな」
律「えー」
澪(まさか唯がこんなこと言うようになるなんてな…成長したな)
梓(唯先輩…)
その日の帰り
唯「じゃーねー!」
みんなと別れ、私はあずにゃんと二人になった
梓「あのー」
唯「ん?」
梓「先輩変わりましたよね」
唯「そうかなあ」
梓「なんていうか立派になったっていうか…」
唯「べ、別にあずにゃんにそんなこと言われても嬉しくなんかないんだからね!」
梓「ツンデレですか」
唯「そうです!」フンス
唯「…でもまあ、なんかもっと時間を大切にしなきゃなって思ってさ」
梓「……」
唯「一秒でも多く"五人で"演奏してたいから」
梓「先輩…」
唯「なんて私が言うセリフじゃないよね、あはは…」
梓「そんなことないです」
唯「本当に?」
梓「私すごく嬉しいです」
梓「私も先輩とずっと一緒に…」
梓(できることならずっと一緒に)
唯「とりあえず文化祭、絶対成功させようね!」
梓「もう風邪引かないでくださいよ?」
唯「わかってるよー」
唯「バイバイあずにゃん!」
そして私たちはそれぞれの帰路に着いた
梓(そうか…もう終わっちゃうんだ)
梓(早かったなあ二年間)
梓(色々あったな…)
梓(今となっては本当に感謝してますよ、先輩)
梓「戻れるなら戻りたいな…」
文化祭前日
本当あっという間
まだ昨日夏休みじゃなかったっけ?
いや違うなもっとだ
昨日入部したようなそんな感じがする
律「いよいよか…」
紬「早かったねー」
澪「明日で終わりか…」
唯「最後くらいお茶にしようよ?」
澪「それもそうだな」
お茶をしている間は特に交わす言葉はなくてみんな感慨にふけているようだった
それもそうだよね…
1つのことが終わろうとしているんだもん
どんなに良い大学に行けても、どんなに良い会社に入っても、お金持ちになっても、もう二度とこの一瞬には戻ってこれないんだから
みんなの顔を見るとどんどん思い出が浮かんでくる
楽しい思い出も、ちょっと辛い思い出も
澪「あ、あのさ…写真撮らないか?」
紬「いいわね!撮りましょう写真」
澪「よし、セルフタイマーOKっと」
律「早く早く!」
澪「待て待て!」
ジリジリジリ
もう本当に終わっちゃうんだね
明日は絶対泣かない
私は心の深くにそう決めた
カシャッ
文化祭当日
律「みんな体調は大丈夫かー?」
澪「OK!」
紬「大丈夫!」
梓「大丈夫です!」
唯「大丈夫大丈夫!」
律「よし!」
律「ではでは、最後に軽音部部長より言いたいことがある!」
やめてよ…りっちゃん
泣きそうだよ
澪ちゃんなんてもう目がうるうるしてるんだよ?
律「よくここまでやってくれた。あとはこの文化祭を成功させるだけだ」
律「なーに、心配することないさ。みんな一緒なら大丈夫だから」
バタン
和「そろそろ時間よ」
律「あっ、はーい!」
和「頑張ってね」
和(あの唯がとうとうここまでね……よく頑張ったって言いたいけど今はまだ早そうね)
律「よっしゃー!いくぞー!」
一番りっちゃんが泣きそうな顔してるじゃん
って私もひどいんだろうなあ
そういえば全部ここから始まったんだよね…
全部の思い出がここに詰まってるんだ
澪「おい、唯!早く行くぞ!」
唯「あ、待って!」
タッタッタ
もうここに取りに来る忘れ物はない
じゃあね
さわ子「ついにこの日が来たわね!みんな」
律「さわちゃん…」
さわ子「悔いのないようにね!」
澪「先生…」
さわ子(私の時もこんな感じだったからみんなの気持ちすごいわかるわ)
『次は放課後ティータイムによるバンド演奏です』
始まりがあれば終わりがある
それは当然のことなのに
それがわかってるのに悲しいんだ
でも今日は泣かない!
だってそしたら気持ち良くあずにゃんに軽音部渡せないもん
あずにゃんだって私が泣いてたら気持ち良く進級できないもん
だから今日は泣かない!
『キャー』
『頑張れー!』
一年生のあの日軽い気持ちで入った軽音部
一生懸命みんなでバイトして買ったギター
顧問探し
楽しい海での合宿
一回目の文化祭
新歓ライブ
新しい部員
二回目の合宿、文化祭、新歓ライブ
今年は山にも行った
受験勉強
花火大会
私たちを包んだ星空
瞳を閉じればいつもそこにはそれがある
みんなと笑いあった日々が
みんなと演奏した日々が
それがもうすぐ終わろうとしているんだ
ねぇ、あの日の私
私、
ちょっとは変われたのかな
ジャーーン♪
パチパチパチ
沸き上がる歓声と拍手
そして、私たちはとうとう最後の曲を迎えた
最終更新:2010年07月20日 22:16