そして季節が過ぎ
また春が来た
大学生になってからはなかなか暇な時間が無かったものの、軽音部のことはメールや電話で部活の状況を聞いた
あずにゃんの話ではどうやらなんとか新入生が入ったらしい
これで心置き無く大学に通える
そんなある日のことだった
憂「お姉ちゃん、ちょっといいかな」
私は憂によびだされた
憂の顔から察するに楽しい話ではないんだということがわかった
憂「………」
唯「どうしたの?」
憂「実はね、」
「軽音部…廃部になっちゃったの」
一瞬耳を疑った
唯「そんな…」
唯「で、でもあずにゃんは新入生入ったって」
憂「実際見た?」
唯「いやだって…」
憂「梓ちゃんはお姉ちゃん達に心配かけないように嘘ついてたの」
唯「そんな……だっていつでも相談乗るからねって私…」
憂「自分から聞くような努力はしたの?」
唯「そ、そんなこと言われても…」
唯「とりあえず、あずにゃんに話聞いてくる!」
タッタッタ
喫茶店
梓「お待たせしました」
唯「………」
梓「話っていうのは…」
唯「軽音部…廃部になったんだって?」
梓「わかっちゃいましたか…」
唯「どうして何にも言ってくれなかったの?」
梓「……」
梓「最初は私だって頑張りましたけど…なかなか上手くいかなくて…」
梓「それでもいつかきっと入ってくれるって思ってたんですけど…」
唯「でもなんで嘘なんてついたの?」
梓「わかりませんか?私の気持ち」
唯「私達を安心させるため?それはおかしいよ」
梓「ち、違います!」
唯「じゃあなに?」
梓「私一人の力でやりたかったんです」
梓「だ、だいたいいいじゃないですか、どうなったって!私の部活なんですし」
唯「………」
梓「それに私は十分二年間楽しめましたし」
唯「違う…」
唯「それは違うよ」
バンッ
梓「せ、先輩!?」
唯「もういいよ!」
タッタッタ
梓「………」
嘘だよそんなの…
だって対バンする約束したじゃん
あんなに目を輝かせて言ってたのに
それでも私は怒ってしまった
多分頼りない私のせい
どこで間違えちゃったんだろう
やっぱり高校生は楽しかったなあ
できることなら、
もう一度過去に戻ってやり直すのにな
もう一度……
「戻りたい?」
唯「え……?」
「まったく・・・・あなたって人は・・・」
聞き覚えのある声
私は後ろを振り返る
だが影に隠れて顔が見えない
「いい?チャンスは一度だけよ」
チャンス?何の話?
唯「え、ちょっと意味が…」
「変えてきなさい」
「未来を」
唯「うわっ!」
私は目映い光に包まれた
「あなたならできるはずよ」
「唯ちゃん」
……
「…………わさん」
さわ子「平沢さん!」
唯「うわあっ!」
「あははははは」
え?
紬「唯ちゃんまた…」
澪「まったく新学期早々居眠りか」
律「唯らしいな」
そんな…
唯「りっちゃん!今私何年生?あと今日何日?」
律「はあ?高三の4月8日だけど…」
唯「わ…私…」
本当に戻ってきちゃった………!
さわ子「……」ピキピキ
唯「さわちゃーーん久しぶりー!」
さわ子「あとで職員室来てもらえるかな?」ピキピキ
唯「うん!行くよ!」
澪(なんという肝っ玉…!)
職員室
さわ子「あなたねえ…もう受験生なのよ?自覚持ちなさい!」
唯「ごめんなさい…」
いや本当に戻ってきたって確証はまだないな
夢の可能性もあるし
というか夢の確率の方が高い
さわ子「あなたどんな夢見てたの?」
唯「未来の夢……かな」
それとも私は今過去の夢を見ているのかな
さわ子「そう……」
そういえば、さっきの声…どことなくさわちゃんに似てたような
唯「ねぇさわちゃん」
さわ子「ん?」
唯「さわちゃんて魔法使いなの?」
さわ子「あなたの未来の世界って魔法が使えるの?」
唯「だよ…ね」
さわ子「バカ言ってないで早く戻りなさい!いいわね?」
唯「はーい」
唯「失礼しましたー」
ガチャ
さわ子「魔法使い………ねぇ」
教室
ガラガラガラ
律「おっ唯どうだった?」
唯「普通に怒られちゃったよ」
律「そっか…」
紬「唯ちゃんどんな夢見てたの?」
唯「夏休みから始まって、文化祭、卒業式あと…」
紬「あと…?」
唯「ううん、それだけ」
言えない
言った方がいいのかな
って言っても所詮は夢の話かもしれないし
いやいや、あれはあり得るかもしれない未来だ
やっぱり言うべきか
澪「私達泣いてたか?」
唯「泣いてた…みんな」
澪「そっか…」
律「私は私は?」
唯「りっちゃんかっこ良かったよ?」
律「本当に!?」
唯「うん!」
さて…どうしようかな
私がここに戻ってきたのは未来を変えるため
あの時私が思っていたのは軽音部廃部の阻止だ
そして今は高3の4月
だとすると、私がやるべきことは新入生の勧誘
そして確実に三人は入部させること
でもできるのかな
前だってできなかったのに…
でも、絶対変えなきゃ・・・・!!
待っててあずにゃん
私、頑張るからね
後編へつづく・・・・・
最終更新:2010年09月12日 23:52