唯「あずにゃーんおっはよー!」バッ
ヒョイ
唯「うう…あずにゃんひどいよぉ…」
梓「唯は抱きついてきすぎ。ただでさえ最近暑くなってきてるってのに」
唯「だってあずにゃんかわいいんだもん!」フンス
梓「暑いものは暑いの!」
唯「ええーいいじゃんー」
梓「む」キッ
唯「わかったよぉ…」シュン
梓「よろしい」
唯「むー」ジー
梓「そんな顔してもダメ」
唯「あずにゃんのいじわるぅ」
梓「はいはい」
梓「そういえば昨日出た数学の宿題やった?今日の小テストの範囲のやつ」
唯「もっちろん!」エヘン
梓「嘘っ!?」
唯「あまり私を舐めないでいただきたいものですなアズニャン君」フンス
梓「じゃ、じゃあ、『0≦θ<2πのとき、不等式cosθ>-1/2を解け』」
唯「『0≦θ≦2/3π,3/4π<θ<2π』」
梓「ありえない…」
唯「フフン、お姉ちゃんに教えてもらったからね!」
梓「ああ、そういうこと」
梓「というか前から思ってたけど、なんでこんなへっぽこのお姉さんが憂先輩なんだか私は不思議でたまらないわ」
唯「でへへー」
梓「いや唯のこと褒めてないから」
梓「あのさ、唯も少しは憂先輩を見習ったらどうなの?」
梓「勉強頑張るとか、家事できるようになるとか、ぐうたらしないでギターの練習するとかさ」
唯「えー」
唯「だってお姉ちゃんは『唯は何もしなくていいよ、全部私がやるから!』って」
梓(なんつー駄目姉妹)
梓「だからそれじゃ駄目なんだってば…」
純「いやいや、唯が憂先輩みたいになったらわたしゃあ泣くよ」
梓「」ビクッ
純「どうしたの梓?」
梓「…純、いつからいた?」
純「やだなー私なら最初からいたじゃん」
唯純「ねー」ヤイヤイ
梓(なんという存在感の薄さ…)
梓「で、なんで唯が憂先輩みたいになったら泣くのよ?むしろ大歓迎じゃない」
純「梓は何も分かってないなー」
梓「はあ?」
唯「Bコード!」フンス
純〔ちょっと耳貸して〕ヒソヒソ
梓「う、うん」
唯「Dコード!」フンスフンス
純〔私が今から言うとおりのことを唯に言ってみて〕
梓〔へ?〕
唯「あ、あれれ、Cコードってどうだったっけ?」
純〔「唯、初めて抱きつかれたときから好きでした。一生あなたのお世話をします、付き合ってください」〕
梓〔ちょ、ちょ、なななにを言って〕チラ
唯「?」
純〔大丈夫だって、もし全部言えたとしても私がちゃんとフォロー入れるからさ〕
純〔そ・れ・に、あくまで私の言ったことをそのまま唯に言うだけなんだから問題ないって!〕
純〔ねっ〕
梓〔わ、わかった。たただ、これは決して決して私の本心というわけじゃ…〕
純〔はいはいわかったわかった〕
梓「ゆ、ゆ、ゆ、ゆい!」
唯「ふえ?」
梓「は、はははじ…ラララルラーナニヲシヨウカナーピッカピッカーハーレタニチ
梓(こんな時に電話なんて誰から…)
アックティッブポジティーブチャレンジスールヨー
梓(しかも非通知…)
トリマジブンカイギーテーマハセイシューンアタマツーカウカラサメテネー
唯「どうしたのあずにゃん、出ないの?」
梓「ちょっとごめん」ピッ
唯「いいよー気にしないで?」
梓「もしもし…?」
『………』
梓「あの、もしもし?」
『……ブツ………』
梓「あのっ、もしもし!」
『ブツ……ブツブツ…ブツ……』
梓「はい?」
『……………………………………………』
梓「で、電話切りますよっ?」
『……………………………………………』
梓「ちょっと!ふざけるのもいい加減にしてください!!」
唯「あずにゃん…?」
梓「あはは、大きな声出してごめん。間違い電話みたい」
梓「気持ち悪いしもう切るよ」
唯「………」
pi
憂「…ゴキブリの分際であんまり舐めた真似してると…捻り潰すよ……?」
梓「ひぃっ…きゃああああああああああああ」
……
梓「うぅ……ここは…私の部屋……?」
梓「そうだ…昨日憂たちとプールに行って…唯先輩たちに会って……」
梓「……」
梓「それにしても変な夢だったなぁ」
梓「唯先輩が2年生で私と同じ学年なんて」
梓「それで憂が…」
憂『…ゴキブリの分際であんまり舐めた真似してると…捻り潰すよ……?』
梓「…なんか寒気がしてきた」ゾワゾワ
梓(何があっても憂だけは敵に回さないようにしよう……)
数日後
八月某日 音楽室
ガラガラ
梓「こんにちはー」
シーン
梓「今日は練習があるからって張り切って早く来たけど」
シーン
梓「やっぱり4時間前到着は早すぎだよね」
梓「あははは」
梓「あははは」
梓「あー、何してよう」
梓「あ」
梓(そういえばトンちゃんの餌やり!)
梓「今日はまだご飯あげてないからお腹空かしてるよね」
梓(確かトンちゃんの餌はこのあたりに…)ガサゴソ
梓「あったあった」
梓「ふふっ、トンちゃー……ああああ!」
梓「そういえばトンちゃんは今私の家にいるからここにはいないし…」
梓「なにやってるんだろ私…」
梓「はぁ」
梓(昨日の夜遅くまで張り切って練習してたから寝不足なのかも)
梓(先輩たちが来るまで冷房掛けて寝てようかな)
梓(うーん、でもなあ…)
みーんみーんみーん
ふぁいっおーふぁいっおー
ぶろおおおおおおおお
梓「……」
ガシャンガシャン
梓「ねちゃおーねちゃおーそーねちゃおー」ボウヨミー
ピッ
ごおおおおおおお
梓「そふぁーにごろにゃーん、っと」ゴローン
梓「ぐう…」
一時間後
唯「ふっふっふ、約束の時間よりずいぶん早く着いちゃったよっ」
唯(最近は家でギー太を弾こうとしても憂にいつの間にか勉強させられちゃうし)
唯(今日はたくさん弾いてあげないとっ)
唯「ふんふ~んふふんふ~ん♪」
唯「あ、鍵開いてる…」
唯「誰だろ?」
唯(澪ちゃんは今日午前中は家で夏期講習の宿題やってるって言ってたし)
唯(りっちゃんはどうせまだ家で寝てるかゲームとかしてるに違いないし)
唯「ムギちゃんかあずにゃん、かな?」
唯(ドアの前で立ってても暑いだけだし部室に入ろう)
がちゃ
唯「おっはよー!」
唯「わー、あずにゃん!」
唯「あーずにゃん!」ダキッ
梓「」
唯「あ、あれ?」
唯「あずにゃん?」
梓「」
唯「し、死んでる…」
梓「すぴー」
唯「やーめた」
唯(あずにゃんすごく気持ちよさそうに寝てるよぉ)
唯(起こしちゃうとかわいそうだからギー太は弾けないよぅ)
唯「うーん」
梓「すぴー」
唯「……」ジー
唯(熟睡してるあずにゃんかわいいなぁ)
唯「……」ジー
唯(触って起こしちゃったらかわいそうだよね)
唯「うーむ…」
唯「そうだ!」
唯「膝枕なら大丈夫だよね!」フンス
唯「よいしょ」モチアゲー
唯「頭を太ももの上に…」
唯「っと」コテン
唯「ふふ」
唯(あずにゃんの頭ちっちゃくてあったくてかわいいよお)
唯「なでるぐらいはいいよね?」
唯「こう、かな?」
なでなでなで
梓「…むにゃ…にゃ……」
唯「ふふ」ニコニコ
なでなで
唯(あずにゃんがあったかくてなんだかちょっと眠くなってきちゃったよ)
唯(そういえば、私も昔に…)ウトウト
唯(お母さんに膝枕…してもらった……こと………)ウトウトカクン
唯(帰ったら…私も憂に……)
唯「…ぐう」
最終更新:2010年07月21日 23:24