梓「っぷはあっ!!」
ガバッ
梓が身体を起こす
梓「はぁはぁっ・・・まただ・・・」
梓「はぁ・・・」
梓が机にうつぶせになっている
憂「おはよー梓ちゃん」
梓「おはよう憂」
憂「なんか元気ないね」
梓「・・・うん」
梓「実はこのところ毎日のように金縛りにあってるんだよね」
憂「金縛り?」
梓「うん・・・気づいたら身体が動かなくなってて何かが身体の上に乗っかってる気がするの」
憂「軽音部で疲れてるんじゃない?」
梓「・・・疲れるようなことしてないよ」
梓「お茶飲んでお喋りして・・・もっと練習してれば疲れてるって言えなくもないんだろうけど・・・」
―部室―
梓「はぁ・・・どうしたらいいんだろ」
ガチャッ
律「おーっす梓」
梓「こんにちは律先輩・・・ふぅ」
律「どうしたんだよそんな暗い顔して」
梓「それがですね・・・」
律「へー金縛りね」
梓「はい。どうしたらいいんでしょうか?」
律「まずは原因を探さなきゃだろ」
梓「原因・・・」
律「とりあえず今日は別の部屋で寝てみれば?」
梓「なるほど。試してみませんでした」
梓「今日はリビングで寝てみますね」
律「んー。してみれー」
……
梓「おやすみなさい」
スースー、寝息を立てている梓
スースー・・・
梓(あれ・・・目覚めちゃったのかな・・・)ボンヤリ
梓(身体が・・・)朦朧
ビギッ
梓(うっ・・・これは・・・)
梓「かな・・・し・・・バリッ・・・」
梓(動け・・・動け私の身体っ!)ググッ
ギギギキ
梓(駄目だ!動かない・・・)
ズン
梓「・・・う・・・」
梓(何かが私の身体の上にっ!)
梓「・・・やめて・・・くるしぃ・・・」
ふっ
梓「ぶはっ!」(やっととけた・・・)
梓「はぁ・・・はぁはぁ・・・」
梓「というわけで、寝る場所を変えても金縛りにあったんです」
律「ということはあれだな」
梓「はい」
律「霊的な何かだな」
梓「やっぱりそうなっちゃいますよね・・・やだなぁ・・・」
律「お祓いに行ってみたら?」
梓「お祓いですか」
ガチャッ
さわ子「お茶しにきちゃったー」
律「おーさわちゃん」
律「そうだ!さわちゃんちょっと車出してくれよ」
さわ子「はい?」
律「梓が金縛りで困ってるって言うからさ、お祓いしに連れてってよ」
さわこ「金縛りってお化けとか関係ないから」
さわ子「そのうち金縛りにあわなくなるから我慢しなさい梓ちゃん」
梓「そんな・・・」
律「さわちゃん冷たいなー」
さわ子「何よ・・・」
律「病は気からって言うしさ、とりあえずお祓い受けさすべきだろここは」
さわ子「やけに世話を焼くわね律っちゃん」
律「最近勉強ばっかで詰まらなかったから私もついて行こうかななんてね、たはは」
さわ子「そういうこと」
梓「酷いです律先輩・・・」
律「なーさわちゃん頼むよー」
さわ子「うーん・・・じゃあ土曜日でもいい?」
律「おっ、連れて行ってくれんの?」
さわ子「えぇ。土曜日のお昼からね」
律「了解~」
律「じゃあ土曜は午前中に練習いれとくか」
梓「土曜日まであと2日・・・はぁ・・・」
……
木曜
梓「うっ・・・ぎぎ・・・」
金曜
梓「やめてっ・・・ぅぅぅ・・・」
そして土曜日
梓「おはようございます・・・」ドローン
澪「酷い顔だな梓」
梓「もう限界です・・・はぁ」
紬「薬で眠っちゃうとか~」
律「危ないこと言うなってwww」
梓「もうむぎ先輩人事だと思って」
律「今日昼から私と梓とさわちゃんでお祓いに行くんだよ」
澪「なんだそれ」
紬「いいなぁ~」
律「こないだ約束したんだよ」
澪「私達も誘えよ」
律「お前達、あの時居なかったからさ。さわちゃんの車人数乗れないしさ」
律「それにお化けとか霊が出るかもしれないぞ~わっ!」
澪「ひぃっ」ビクッ!
律「ぶはははっ、それじゃ行くのは無理ダナ~」
練習後・校門前
澪「じゃあな」
紬「また月曜日ね」
梓「はい」
律「なんかお土産買ってくるなー」
梓「律先輩観光に遊びに行くんじゃないんですよ・・・」
律「へへへ。あ、さわちゃん来た」
ブロロ
さわ子「おまたー」
さわ子「ほら乗った乗った」
律「じゃあ行ってくるぜ~」
澪「あぁ」
バタン
バタン
さわ子「レッツゴー!」
律「レッツゴーゴー!」
ブゥーン・・・
車内
さわ子「ちゃんとお金持ってきた?けっこうかかるみたいよ!」
梓「えっ・・・」
さわ子「ちょっと、『えっ』じゃないわよ。お金ないならお祓い受けられないわよ・・・」
律「おい梓何してんだよ。とりあえず今いくらあんだよ」
梓「えっと・・・チャリチャリ」
梓「・・・4453円です」
さわ子「はぁ・・・」
さわ子「まぁいいわ。私が出してあげるわよ」
律「さっすが~。みんなのお土産代も頼むね!」
さわ子「馬鹿おっしゃい」
さわ子「あなた達、お昼はもう食べた?」
律「まだだよ」
さわ子「お腹、空いてない?」
梓「少し」
さわ子「じゃあ神社に行く前にどこか寄ってきましょ」
律「ラーメンがいいな!」
さわ子「ラーメンは駄目よ、重たいわ。うどんにしましょ」
律「えぇーうどんかよー」
梓「私はどっちでも」
梓(それより早くお祓いに・・・)
3人が乗った車が路肩に止まる
ギッ
さわ子「えーっと・・・カチカチ。この辺でうどんは・・・」
さわ子「一軒だけあったわ。うどん屋の競争を勝ち抜いた末の一軒ってわけね!」
梓(んなわけないって)
律「ねぇ、うどんやめようよー。さわ子の袖グイグイ」
さわ子「うるさいわねー、どうせ私があなた達の分も払うんだから決定権は私にあるのー」
さわ子「よし、じゃあ出発」
グッ
ブロロ・・・
キキィ
ギッ
さわ子「着いたわよ」
梓「早く食べて早くお祓いに・・・」
律「カレーないかな」
梓「なんでカレーなんですか」
律「うどん屋でカレーうどんがメニューにあったら、カレーライスも単品であるかもしれないだろ?」
さわ子「入るわよ」
ガラガラ
店「いらっしゃいませー」
さわ子「私は山菜うどんで」
律「じゃあ・・・ジロジロ・・・海老天うどんお願いしまっす」
梓「きつねうどんで」
店「はぁーい、少々お待ちをー」
梓(あまり混んでないし・・・)
ズゾッズズズッ
ちゅるんっ!
さわ子「もぐもぐ・・・あら、これは・・・」
律「うめー」
梓「ですね」ズゾゾッ
梓「もぐもぐ・・・」
律「ごちそうさまーグビグビ・・・ぶはっ、あーおいしかったー」
さわ子「おかわりまでしちゃってぇ~」
律「ぶはは、申し訳ない。でもおいしくてついね」
梓「ごちそうさまでした」
さわ子「それじゃあ行きますか」
キキィー
ギッ
さわ子「さぁ着いたわよ」
梓「なんだか緊張してきました・・・ゴクリ」
さわ子「何時から受けるの?」
梓「えっ」
さわ子「ちょっとちょっと!『えっ』じゃないわよ。予約よ予約!」
梓「予約なんてしてません・・・」
さわ子「・・・帰りましょうか」
律「わー、さわちゃん待った待った」
律「梓この野郎!」
ゴンッ
梓「あいたっ」
さわ子「とりあえず今日これから受けられるか聞いてみましょ」
梓「はい」
律「梓はしっかりしてるようでけっこう抜けてるとこあるよな」
梓「すみません・・・」
梓(律先輩には言われたくないし・・・)
さわ子「すみませーん」
受付「はい・・・」
さわ子「そうですか、ありがとうございます」
さわ子「梓ちゃん、大丈夫ですってよ」
梓「ありがとうございます!」パァァ
さわ子「明日だったらアウトだったんだからね」
梓「はい」
律「じゃあ梓がお祓い受けてる間私はその辺ブラついてるわ」
さわ子「わかったわ」
梓「律先輩がいるとお祓い失敗しそうな感じがしてたんで助かります」
律「うわ、ひっでー」
さわ子「ふふっ」
律「ぶらぶら・・・お。御守りかぁ。受験生だしみんなに学業の買っていくかな」
律「・・・じーっ」
律「・・・サッ」
「なに一個だけ恋愛のも買ってるのよ。抜け駆け?」
律「うわっ!ビクッ!」
律「さわちゃん!あの、これはただ手に取ってみただけだからさ!アセアセ」
スッ
律が恋愛成就の御守りを元の場所に戻す
律「はは・・・それよりさわちゃん、お祓いは?」
さわ子「それが時間がけっこうかかるみたいなのよ、だから出てきちゃった」
律「ふーん」
律「さわちゃんも御守り買う?」
さわ子「私はやめとくわ」
律「なんでさ、恋愛用の買っときなよ」
さわ子「わかってないわねぇ、そんなの買ったらガツガツしてるみたいで嫌じゃない」
律「諦めモードに移行したってわけか」
さわ子「違うわよ!」
グリグリ
律「いてて、ガガギゴ・・・」
律「さすがに土産っぽいものないね」
さわ子「そういう場所じゃないからね」
律「あ、でも向こうにアイス売ってるっぽい。行こうよ」
さわ子「うーん・・・」渋々
20分後
梓「あ、いたいた」
梓「お待たせしましたー」
梓が駆けてくる
律「おう、終わったか」
梓「はい」
さわ子「で、どう?」
梓「なんだか肩が軽くなったような気がします」
律「ま、気のせいだなそりゃ」
梓「・・・ムッ」
律「さてと、帰るか」
3人が駐車場にやって来る
ピピッ
ガチャ
むわぁ~
さわ子「うわ、あつっ」
ピッ
さわ子「今クーラー入れたから涼しくなるまでちょっと待ってね」
律「ウィッス」
律「さわちゃん面倒じゃなかったの?」
さわ子「どうしたの急に」
律「いやーせっかく午後から休みだってのに私たちを連れてきてくれてさ。そんなに生徒思いだったっけ?」
さわ子「失礼ね、もうっ!置いていくわよ」
律「ごめんっ!たははっ」
さわ子「でもなかなか鋭いわね律ちゃん」
律「えっ?」
さわ子「これ見て。パサッ」
さわ子が雑誌を律に渡す
律「あぁ温泉?」
さわ子「そうよ、行きましょ」
律「これから?」
さわ子「はい」
律「はいじゃないって。帰り遅くなっちゃわない?」
さわ子「最悪泊まればいいじゃない。温泉でリフレッシュするのもいいと思うわよ梓ちゃん」
梓「確かに・・・」
律「なに乗せられてんだよ梓ぁ」
最終更新:2010年07月23日 23:49