キーンコーンカーンコーン

憂「おはよう、純ちゃん」

純「んー…おはよう」

憂「大丈夫?眠そうだね」

純「昨日夜にちょっとね…」

憂「夜に?」

純「…んーん、何でもない」

憂「あんまり夜更かししちゃ駄目だよ?」

純「分かってるって」

純「憂はホントお母さんだね」

憂「あ、あんまり嬉しくはないかも…」

純「褒めてるんだって、お母さんみたいにしっかりしてるなーって」

憂「まぁ…私がしっかりとしないとね(お姉ちゃんが大変なことになるから)」

純「あ~、そっか(唯先輩が大変なことになるからか)」



放課後

キーンコーンカーンコーン


梓「よいしょ」イソイソ

憂「梓ちゃんは今日も部活?」

梓「うん、早く行ってお茶会阻止しないと」

憂「ふふっ、そっか」

純「私も今日はジャズ研だ」

憂「頑張ってね、二人とも」

純「ん、じゃねー」

梓「ばいばい、憂」

憂「ばいばい」


純「軽音部はライブの準備してるの?」

梓「あっ…律先輩のことだから怪しいかも…」

純「相変わらず大変そうだねー」

梓「そこら辺は純の所が羨ましいよ」

純「じゃあ先輩取り替えっこしようよ」

純「澪先輩ちょうだい」

梓「だめっ、律先輩だったらいくらでもいいけど」

純「あっ、後で律先輩に言っちゃおー」

梓「にゃっ!?そ、それはダメ!」

純「あははー」






憂「……」

憂「私は帰らなくちゃ」



スーパー


憂「んー、今日の夕食は何にしようかな…」

憂「あっ、これお姉ちゃんの好きなやつだ」

憂「じゃあこれと、これにしよ♪」

憂「ふふっ、お姉ちゃん喜ぶだろうなぁ…」



憂「すいません、お会計お願いします」

女「はーい……ってあれ?」

女「憂?」

憂「あっ」

女「中学以来じゃん!久しぶりー」

憂「うん、ここでアルバイトしてるの?」

女「そうだよ」

憂「すごいね、アルバイトしてるなんて」

女「えー、そう?」

女「高校生なら普通でしょ?」

憂「あっ…そうかな」

女「そうだよ、憂はしないの?」

女「欲しいものとかあるでしょ?」

憂「うん…でも忙しいから…」

女「あぁ、部活やってんの?」

憂「え?」

女「うん?」

憂「あっ……うん」

女「そっか、それなら仕方ないね」

憂「あはは…」


……

トントントントン

ジャージャージャー


憂「……」

憂(…なんで嘘ついちゃったんだろう)

憂(部活なんてやってないのに…)

トントントントン…

憂(部活にアルバイトかぁ…)

グツグツグツ


憂(でも私には…これしかないし…)


Prrrr、Prrrr

憂「あっ、お姉ちゃんからだ」

憂「もしもしお姉ちゃん?」

唯『あっ、憂』

憂「どうしたの?」

唯『あのね、今日みんなでデニーズでご飯食べてくるから』

唯『私の分の夕食は作らなくていいよ』

憂「えっ…」



グツグツグツ


唯『うい?』

憂「……う、うん分かった」

憂「じゃあ作らないでおくね」

唯『ごめんね』

憂「別にいいよ、軽音部の皆さんと楽しんできてね」

唯『うん、ありがとう憂』

唯『じゃあね』

ピッ
ツーッツーッ


憂「……」

グツグツグツ

憂(…しょうがないよね)


……

憂「いただきます」

シーン…

憂「……」モグモグ

憂(お姉ちゃん…軽音部の人たちと仲良さそうでよかった)


憂「……」モグモグ

憂「……」モグモグ

憂「……」

憂「……」

憂(お腹すかないや…)

ジャージャージャー


憂「……」

憂(いっぱい残っちゃった)

憂(明日のお弁当にすればいっか…)

憂「……」


ジャージャージャー


憂「……」

憂「……」

憂(部活、か…)

憂「……」

憂「……」

憂(お姉ちゃん遅いなぁ…)


憂「……」

憂「……」

憂「……」

憂「……」

憂「……」


ガチャッ


憂「!」


唯「ただいま~!」

憂「お帰りなさい、お姉ちゃん!」

唯「あっ、憂にこれあげる」

憂「これは…?」

唯「スティッチのぬいぐるみだよ」

唯「帰る途中にみんなでゲームセンター行って取ったんだ」

憂「へ~、ありがとうお姉ちゃん」

憂「あっ、お風呂わいてるよ」

唯「うん、じゃあ行ってくるね~」トテトテ

憂「ふふっ」

憂「かわいいな~、スティッチ」

憂「お姉ちゃんがくれたんだし、大切にしないと…」ギュッ

憂「……」


唯『帰る途中にみんなでゲームセンター行って取ったんだ』


憂「……」

憂「……」ギュ~ッ

憂(いいなぁ…)



翌日

キーンコーンカーンコーン


純「憂ー、お昼食べ…」

純「って、何その量は!?」

憂「昨日夕飯作りすぎちゃって…」

梓「これ一人で食べれるの?」

憂「うーん…」

純「少しちょうだい」パクッ

憂「あっ…」

純「モグモグ…」

純「うん、憂の料理は美味しいね」

憂「……」ジーッ

純「…憂?」

憂「…本当に?」

純「え?」

憂「本当に美味しかった?」

純「あっ…うん、普通に美味しいよ」

憂「えへー」ニコ~

憂(誰かに美味しいって言われるの久しぶりだな~)

純「憂、どうしたの?」

梓「さぁ…」



放課後



純「ふぁ~…」

梓「純、ちゃんと掃除しなよ」

純「うぅ…眠い…」

純「ゴロゴロしたぃ~…」

梓「制服汚れるって」

憂「よいしょ、よいしょ」テキパキ

純「…憂はすごいねー」

憂「え?」

純「だって料理や掃除がすごいできるじゃん」

純「同じ女として憧れちゃうな~」

憂「そ、そうかな…」

梓「なんでもできるしね、憂は」

梓「うらやましいよ」

憂「う~ん…」



キーンコーンカーンコーン

純「あっ、チャイムだ!」

純「ジャズ研行こっと」

梓「まだ掃除終わってないよ?」

純「もうほとんど終わってんじゃん」

純「それに梓だって、早く行かないとお茶会始まっちゃうんでしょ?」

梓「む~…」

憂「後片付けは私がするから、二人は部活に行きなよ」

純「えっ…」

梓「そ、それはさすがに悪いよ」

憂「いいのいいの、二人は忙しいんでしょ?」

憂「私がやっておくから」

純「そう?…なんかごめんね」

憂「気にしないで、部活頑張ってね」

梓「うん…ありがと」

梓「行こっか?」

純「…じゃあ憂の好意に甘えちゃう」

純「ありがとね」

憂「うん、ばいばい」



梓「早くしないとお茶始まっちゃうよ」

純「…本当に練習やってんの?」

梓「や、やってるもん!」


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最終更新:2010年07月26日 00:12