音楽室



梓「……」パクパク

梓「……」 モグモグ

梓「……まずい」

梓「……」

ガチャッ

梓「!」

紬「あら?何してるの梓ちゃん」

梓「ムギ先輩…どうして…」

紬「トンちゃんにご飯あげようと思って」

梓「あっ…」

トンちゃん「…」プカプカ

紬「梓ちゃんもここでお昼ご飯?」

梓「……」

紬「…よかったら、私たちのクラスに来る?」

梓「…いいです…トンちゃんと一緒で」

紬「そう…」

紬「はいトンちゃん、ご飯よ~」

トンちゃん「パクッ、パクッ」

紬「うふふ、いっぱい食べてね」

紬「食べないと元気でないから」

梓「……」

紬「さてと、私はそろそろ戻りましょう」

紬「梓ちゃんは今日部活に来る?」

梓「…すいません、休ませてください」

紬「分かったわ、みんなには言っておくね」

紬「じゃあ…」

ガチャッ、バタン

梓「……」




屋上


純「……」

純「……」

純「……はぁ」

純(もうやだ…帰りたい…)

純「……」

唯「わっ!」

純「きゃっ!?」

唯「えへへ、ごめんね驚かせちゃって」

純「ゆ、唯先輩…どうしてここに…」

唯「ムギちゃんに外が気持ちいいから屋上行ってみなって言われたから」

純「え…は?」

唯「風が気持ちいいねー」

純「は、はぁ…」

純「……」

唯「…憂と何かあったの?」

純「!」

唯「憂ね、朝から元気なくて…」

唯「あずにゃんも部活休んじゃうし…」

唯「純ちゃんは何か知らない?二人と仲良いんでしょ?」

純「……知りません」

唯「…そっか」

純「……私」

唯「え?」

純「…なんでもないです」

純(私…二人のこと分かんなくなっちゃった…)




放課後


紬「今日も梓ちゃんは休みですって」

律「大丈夫なのか?あいつ」

紬「どうかしら…風邪とかではないみたいなんだけど」

澪「心配だな…」


紬「…ねぇ唯ちゃん」

唯「え?」

紬「唯ちゃんに一つ、お願いしてもいいかしら?」



帰り道


純「……」

純「お腹すいた…」

純(そういえばお昼何も食べてないんだった…)

純「……」グゥ~

純「うぅ…」

憂「あの…純ちゃん…」

純「!」

憂「……」

純「憂…」

純「……」

憂「……」

純「…バイトは?」

憂「今日はないよ…」

憂「ジャズ研は?」

純「…サボり」

憂「……」

純「…じゃあね」

憂「待って純ちゃん…」

純「憂は…梓の側にいてあげなよ…」

純「私なんてどうせ…」

憂「純ちゃんだって…ほっとけないし…」

純「憂はさ…どっちが好きなの?」

憂「え…?」

純「私と梓、どっちが大切なの?」

憂「そんな…どっちって…」

憂「決められるわけないよ!二人とも大切なのに…」

純「…嘘だよ」

憂「純ちゃん…?」

純「憂は私より…梓の方が好きなんでしょ?」

憂「なに言って…」

純「だってそうじゃん…昨日だって私を置いて梓追いかけたんだし…」

憂「…っ」

純「休みの日だって、よく二人で遊んだりするんでしょ?」

純「軽音部って共通の話題もあるし…」

憂「純ちゃん、それは違うよ!」

純「何が違うの!?そうでしょ!!」

純「ど、どうせ私なんて…憂にとってはただの顔見知り程度にしか思ってないんでしょ?」

憂「違うよ、話を聞いてよ純ちゃん!」

純「違くない!!憂は私より梓が好きなんだ!!」

純「私のことはほっといて梓の所に行けばいいじゃん!!」

憂「純ちゃん…」

純「それとも何?憂にとってはやっぱりお姉ちゃんが一番なの?」

憂「…!?」

純「そうだよね、憂はお姉ちゃん大好きだもんね!?お姉ちゃん以外必要ないんでしょ!」

純「どうせ私のことなんか眼中に……」


パシーーーン


純「っ?!」

憂「ひどいよ純ちゃん…どうしてそんなこと言うの?」ポロポロ

純「憂…」

憂「純ちゃんなんて大っ嫌い!!」タタタッ

純「……」

純「……」

純「…ははっ…嫌われちゃった…」

純「本当に…何であんなこと言ったんだろう…」ポロポロ




憂「……」

憂(どうしよう…あんな事するつもりじゃなかったのに…)

憂(もう私たち…昔の関係に戻れないのかな…)

憂「……」

憂(全部私のせいだ…私がちゃんとしていないから…)

憂(純ちゃんも…梓ちゃんも…)

憂(二人とも傷つけちゃって…)

憂「……」


ガチャッ


憂「ただいま…」

唯「あっ、憂お帰り~」トテトテ


憂「お姉ちゃん…」

唯「憂、ちょっと来て来て」

憂「え?」

唯「実は今料理作ってるんだー♪」

憂「料理…お姉ちゃんが?」

唯「うん、いつまでも憂に苦労かけるわけにはいかないしね」

唯「愛想尽かされないよう頑張らなきゃ!」フンス

憂「そんな…お姉ちゃんがすることはないよ…」

憂「私が全部やるから…ちゃんとやるから…」

唯「…憂」

唯「一人で頑張らなくたって…いいんだよ?」

憂「え…?」

唯「憂、いつも一人で何でも背負おうとするじゃん」

憂「……」

唯「アルバイトのことだってなかなか話してくれなかったし…」

憂「でも…お姉ちゃんに迷惑かけたくないし…」

唯「迷惑なんて全然!むしろ大歓迎だよ!」

唯「だって私は、憂のお姉ちゃんなんだから!」フンス

憂「お姉ちゃん…」

憂「……」

唯「…もともと私が憂に何でもやらせてたのが悪いんだよね」

憂「ち、違うよ…」

唯「ううん、そのせいで憂に気苦労ばかりかけてた」

憂「……」

唯「なので、今日から私は…」

唯「憂が誇れるような立派なお姉ちゃんになります!」

憂「……」

唯「…だから悩みがあったら何でも言って、全部受けとめてあげるから」

憂「お姉ちゃん…」

唯「憂は私の妹なんだから、甘えたっていいんだよ?」

憂「お姉ちゃん…お姉ちゃん…」グズッ

憂「うああああああああん!!」

唯「よしよし…」ナデナデ


憂「グズッ…私が…私のせいで…ズズッ…」

憂「純ちゃんと…っ…あ、梓ちゃんが…グズッ」

憂「私のせいで…ウグッ…」

唯「だいじょーぶ、だいじょーぶ…」

唯「憂は悪くないよ…誰も悪くないから」

憂「うぐっ…ふうぅ…っ…」

唯「憂は…今までずっと一人で辛かったんだよね」

唯「今日はたくさん泣いていいから…」

唯「明日は笑えるようにしようね?」

憂「グズッ…ウグッ…うああああああああん!!」

唯「よしよし…よしよし…」ナデナデ



……

Prrrr、Prrrr


紬「もしもし、唯ちゃん?」

紬「……」

紬「そう…そうだったの…」

紬「うん…分かってるわよ」

紬「……」

紬「大丈夫、きっと仲直りできるから」

紬「信じましょう、ね?」

紬「…うん、じゃあまた明日ね」

ピッ




純「……」


2号「にゃー!」

バシッバシッガシッ

フリーザ「…」

2号「ふしゃー!」

バシバシッドシッ

フリーザ「…」

2号「にゃー!」

ザクッ

フリーザ「…」ボロッ

2号「にゃー!?」


純「……」

純「……」

純「……」




翌日、音楽室


紬「重大発表~♪」

唯「待ってました!」パチパチパチ

律「な、なんだ?」

澪「さぁ…?」

紬「今日は部活を中止して、みんなに頼みたいことがありまーす」

律「えっ、お菓子ないの!?」

澪「頼み事って…なんだ?」

紬「それは私からじゃなくて、彼女から…」

ガチャッ

憂「こ、こんにちは…」




梓の家


梓「……」

梓「……はぁ」

梓「……」

梓(何もする気が起きない…)

梓(もう学校行きたくないよ…)

梓「……」


ピンポーン


梓「…?」


ガチャッ


梓「はい…」

澪「やぁ、梓」

梓「み、澪先輩?」

澪「体調はどうだ?みんな心配してるぞ」

梓「すいません…」

澪「…あ、あーそうだ!アイス買ってきたんだったー!」

梓「?」

澪「と、溶けないうちに中に入って食べよう、な?」

梓「は、はぁ…」

澪「梓の家はCDがいっぱいだなー」

梓「……」

澪「そ、それにしても今日は暑いなー」

梓「……」

澪「こ、こんなに暑いと体調不良になるのも仕方ないなー」

澪「私も気をつけなくちゃー」

澪「あははー」

梓「……」

澪「あ、あははー…」

梓「……」

澪「……」

澪(ムギ!私には無理だ!!)


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最終更新:2010年07月26日 00:16