澪「え?」

律「だーかーらー、澪は私のこと好きか?って聞いてるんだよ」

澪「・・・何それ、急に」

律「気になったから聞いてみた」

澪「そっか」

律「うん」

澪「・・・」

律「で?私のこと好き?」

澪「・・・律は?」

律「ん?」

澪「聞く前に、そっちが答えてよ」

律「何を?」

澪「だ、だから・・・その・・・」

律「うん」

澪「り、律は私のこと、さ・・・」

律「うん」

澪「す、好きなのか?」

律「澪」

澪「な、何?」

律「大好き」

澪「・・・そうか」

律「あ、やっぱりごめん」

澪「え」

律「大好きじゃ足りないや、それじゃ言い表せない」

澪「そ、そっか」

律「澪はさ」

澪「何?」

律「思ってること顔に出やすいよな」

澪「そう?」

律「そう」

澪「何で急に?」

律「さっき私が『やっぱりごめん』って言った時」

澪「・・・うん」

律「泣きそうだったぞ」

澪「そんなこと・・・ないもん」

律「それに、『大好きじゃ足りない』って言った時も」

澪「うん」

律「すごく嬉しそうだった、安心しきってたよ」

澪「そんなこと、無いってば」

律「そうなの?」

澪「そうだよ」

律「そっか、じゃあ澪は私が澪のこと大好きじゃなくてもいいんだ・・・」

澪「え?」

律「だって、そんなこと無いんだろ?何とも思わないんだろ?」

澪「それは、その」

律「いいよ、無理しなくても」

澪「えっと」

律「私は澪のことこんなに好きなのに、澪は私のことどうでもいいんだ・・・」

澪「いや、何ていうか」

律「どうしよう、澪じゃなくて私が泣きそうになってきた」

澪「・・・ごめん、嘘ついた」

律「え?」

澪「恥ずかしくて、嘘ついちゃった。ごめん」

律「どういうこと?」

澪「だ、だからさっきの話だよ」

律「さっきの話ってどれのこと?ちゃんと説明してくれなきゃわかんないよ」

澪「う・・・」

律「ねえ、澪」

澪「だから、私がさ」

律「うん」

澪「泣きそうになってた、とか嬉しそうだった、とか」

律「うん」

澪「本当は、その通りだったんだけど」

律「うん」

澪「何か、恥ずかしかったからそんなこと無いって言っちゃった」

律「そうだったんだ」

澪「・・・うん」

律「じゃあ、本当は私に大好きって言われて嬉しかったし、否定されたら悲しかったってことか?」

澪「・・・そうだよ」

律「澪、顔が赤いよ」

澪「うるさい」

律「澪は、可愛いな」

澪「ふぇ!?」

律「びっくりした、急に大声あげるから」

澪「い、今何て・・・」

律「うん?澪は可愛いな、って言ったよ」

澪「あ、そう・・・なんだ」

律「澪、もっと赤くなった。もう耳まで真っ赤だぞ?」

澪「うるさい」

律「あ、顔隠すなよー」

澪「嫌だ」

律「隠すなってー」

澪「嫌だってば」

律「澪は、私に可愛いって言われるのが嫌だったのか?」

澪「嫌じゃ、ないよ」

律「本当に?」

澪「うん」

律「でも、言われたら顔上げられない?」

澪「うん、恥ずかしいもん・・・」

律「そっか、じゃ今は言わない」

澪「・・・うん」

律「でもさ」

澪「何?」

律「今は言わないけど、また言ってもいい?」

澪「・・・何で?」

律「澪が・・・あ、これ『今は言わない』って言っちゃったから言えないや」

澪「・・・二人の時なら」

律「え?」

澪「二人きりの時だったら、偶には言ってもいいよ」

律「そっか」

澪「うん」

律「じゃ、二人だけの秘密だな」

澪「・・・うん」

律「落ち着いた?」

澪「まだちょっと、無理」

律「まだかよー」

澪「律が二人だけの秘密とか言うから・・・」ボソッ

律「ん?何か言った?」

澪「言ってない」

律「じゃ、私の気のせいか」


律「それでさ、ちゃんと私が答えたんだから答えろよ」

澪「何?」


澪「・・・うん」

律「澪、ずるい」

澪「え?」

律「『うん』じゃなくて、ちゃんと『好き』かどうかで答えろよ」

澪「・・・大、好き」

律「え?」

澪「私も、律のこと大好き・・・」

律「えへへへ、嬉しいな」

澪「律は、私に大好きって言われると嬉しいんだね」

律「当ったり前じゃん!それに澪だって嬉しいって言ってたじゃん!」

澪「うん、嬉しい・・・よ」

律「じゃ、私達は両想いだな!」

澪「え?」

律「違うのか?」

澪「え?でも、両想いって言ったら、友達とかじゃなくて、その」

律「そういうつもりだけど?」

澪「え・・・?」

律「私の言ってた『大好き』は、友達としてって意味じゃないよ」

律「そりゃ勿論、友達としても澪のことは好きだけどさ?」

律「でも、それ以上に一人の女の子として、澪のことが好きなんだ」

澪「本、当に・・・?」

律「うん、冗談でこんなこと言えないって」

律「それに、澪だってそういうつもりで私のこと『大好き』って言ってくれたんじゃなかったのか?」

澪「・・・そう、だよ」

律「やっぱり、そうだよな。だからさ、澪」

澪「うん・・・」

律「私の恋人になってくれない?」

澪「・・・私、さ」

律「うん」

澪「すごく、泣き虫だよ?」

律「知ってるよ。今までも、これからも、澪の涙は私が止めてあげたいんだ」

澪「すぐ、律のこと叩いたりするし・・・」

律「うん、私だけにしかしないよな。痛いけど、これも澪の愛情表現なんだなーって思ってる」

澪「すごく、我侭で・・・また律のこと困らせるよ・・・?」

律「いいよ、澪にだったらいくら困らせられても」

澪「それに、私達女の子同士なのに、いいの・・・?」

律「じゃあ澪は?嫌なのか?」

澪「嫌じゃ、ない・・・」

律「うん、私も嫌な訳ないよ」

澪「本当に、私でいいの・・・?」

律「澪でいい、じゃないんだよ。澪がいいんだ。澪じゃなきゃ、駄目なんだ」

澪「う・・・うぅっ・・・うぇぇぇん」

澪「わ、私も・・・律のこと・・・ずっと好きだった・・」

律「うん、嬉しいよ」

澪「でも、でも女の子同士だし・・・気持ちを伝えたら、気持ち悪がられるかもって思って・・・!」

澪「嫌われちゃうんじゃないかって思って・・・!律との関係が壊れるのが嫌で・・・!」

律「私もそういうこと、思ったよ」

澪「でも、一緒に居れば居る程律のことどんどん好きになって・・・苦しくって、怖くって・・・!」

律「うん、私もだよ」

澪「だ、だから・・・嬉しいよぉぉぉ!大好きだよ律ぅぅぅぅ!」ダキッ

律「あはは、澪は甘えん坊だなー」

澪「うわぁぁぁぁぁん!律ぅぅぅぅぅ!」

律「よしよし」ナデナデ


律「落ち着いたか?」

澪「うん・・・ぐすっ・・・」

律「じゃ、そろそろ離れるか?」

澪「やだ」ギュッ

律「これからはいつでもこうしていいからなー、何たって私は澪の恋人だからな」

澪「・・・うん」

律「澪?どうした?」

澪「律だって、気持ちを伝えたら私達の関係が壊れるかもって、思ったんだよね?」

律「うん、思ったよ」

澪「それでも、こうやって気持ちを伝えてくれたんだよね?」

律「うん、そうだな」

澪「やっぱり私、いつも律に頼ってばっかりだ・・・」

律「いいんじゃないか?それで」

澪「え?」

律「私はさ、そういう恥ずかしがりで臆病なところも含めて澪のことが好きなんだよ」

澪「律・・・」

律「だからさ、澪は私のこと頼っていいんだよ。澪に頼られなくなったら、私が寂しいしな」

澪「うん、ありがとう・・・」

律「今度こそ、涙も止まったし落ち着いたな」

澪「うん」

律「じゃ、晴れて恋人同士になったところで改めて澪に聞きたいことがあるんだけどさ」

澪「何?」

律「澪は、私のこと好き?」

澪「・・・当たり前だろ。どれだけ好きって言っても足りないくらい、律のこと大好きだよ」

律「うん、私も澪のこと大好きだ。これからは恋人として、改めてよろしくな!」

fin



最終更新:2010年07月26日 22:49