梓「あっ、メール、唯先輩からだ」

梓「たすけて」

梓「これだけ?変なの」

梓「どうせ律先輩たちとふざけてるんだろうな…」

梓「……」

梓(でも、本当に危険な目に遭っていたらどうしよう…)

ピッピッピッ

トゥルルルルル…トゥルルルルル…

梓「唯先輩、電話に出ないよー」

どうしよう…

1平沢家へ向かう

2ほっといて純ちゃんと遊ぶ

3あずにゃん体操はじまるよっ!

330

※3


梓「あっ、いっけないっ!」

梓「はーい好い子のみんな集まってーっ!!!」

梓「あずにゃん体操の時間だにゃんっ!」

梓「チャンチャラチャララン、チャンチャラチャララン…」

梓「先ずは両手を挙げて、背伸びの運動からっ!はいっ!」

梓「いちっ、にゃん、にっ、にゃん」

梓「さんっ、にゃん、しっ」

梓「もっとネコが背伸びをするようにだにゃん☆」



梓父「梓ー、何やってるんだー?」

梓父「こっ、これはっ!!!?」

梓父「かっ、かーさんっ!!!?」

梓父「大変だぁ、梓がっ、梓がぁ!!!」アワワ



梓「いちっ、にゃん、にっ、にゃん」



梓母「どうしたんですお父さん?」

梓父「どうしたんです、じゃないよっ!!!」

梓父「梓がっ!私の娘がっ!おかしくなってしまったぁ!!!!」


梓「次は両手を軽く握って前へ出し、交互に上げ下げする運動っ!」

梓「はいっ!」

梓「いちっ、にゃん、にっ、にゃん」

梓「さんっ、にゃん、しっ」


梓母「ああっ、何て事なのっ!!!」

梓父「お前が目を離してるからこういうことになるんだぁ!!!」

梓母「何言ってるの!?あなたこそいつも仕事って」

梓母「梓にかまってあげた事なんて、無いくせにっ」

梓父「何だとこの女っ!」バッ

梓母「何よその手は!?ぶつ気なの?いいわよっ、やって御覧なさいよっ!!!」


梓「いちっ、にゃん、にっ、にゃん」

梓「はーい、もっとネコがジャレつく様にするにゃん☆」

梓「さんっ、にゃん、しっ」


梓父母「ガミガミ、ギャーギャー」


梓(あれ?なんだか後ろが騒がしい気がするけど…)

1気になるなぁ、振り向いてみよっ

2だめだめ、まだあずにゃん体操の途中だにゃん☆

3あれ?何だろ?この体の底から湧きあがるパワーは!?

4しまったぁー!!!!アレがっ!アレが無いっ!!!!!!!

422


※4


梓「ああっ!!!しまったぁ!!!!なんてことだぁーーー!!!!!!」

梓「無いっ、ないよーーーーーーっ!!!!」

梓「猫耳を付け忘れてたぁぁあああああ!!!!」

梓「あれが無いと、私はあずにゃんなんかじゃないっ」

梓「ただの梓」

梓「ちっぽけでつまらない、タダの女の子」

梓「そんなっ!嫌だっ、いやだよーっ!!!」

梓父「そんな事は無いぞっ!!!」

梓「えっ?お父さん!?」

梓母「そうよ梓っ」

梓「お母さんもっ!!!」

梓父「お前はちっぽけなタダの女の子なんかじゃないっ!」

梓「えっ?そんなはずないっ!私なんてっ」

梓父「お前は私の、私達の、宇宙で一番大切な娘だっ」

梓母「そうよっ、梓っ、ごめんなさい、あなたが悩んでる事」

梓母「ちっとも気付いてあげられなくて…」

梓「おとうさんっ、おかあさんっ!」

梓父「お前はあずにゃんである必要なんてないんだ」

梓父「そのままのお前で、中野梓で、私達にとって、この世で一番大切なんだっ」

梓「う、ううっ」ポロポロ

梓母「よしよし、泣かないのっ、可愛いお顔が台無しよ?」

梓「えぐっ、そんなこと、今まで一度も言ってもらった事無いっ」グスグス

梓父「ごめんよ梓」

梓「いいのっ、私うれしいのっ!ありがとうお父さん、お母さんっ!」

梓「私、二人の娘に生まれてきて良かったっ!!!」

梓父「ううっ、梓」ポロポロ

梓母「この子ったら」ポロポロ

梓父(さっきまで妻と喧嘩したり、娘の事をおかしいと思った事が恥かしいな)

梓父(それにしても、つい最近まで家庭崩壊寸前だった我が家が)

梓父(こんな切欠一つで元に戻れるとは…)

梓父「梓、ちょっといいか?」

梓「なあに?お父さん?」

梓父「その体操、あずにゃん体操だっけ?」

梓父「それを教えてくれた人は誰なんだい?」

梓「これは、直接教えてもらったんじゃなくて、自分で作ったんだけど」

梓「あずにゃんって名前を付けてくれたり」

梓「体操のイメージをくれた人なら…」

梓「唯先輩って言うんだ」

梓父「唯先輩かっ」

梓父「その人に伝えてくれ、私が心から感謝していると」

梓「うん!」

梓「って、あれっ?いけないっ!唯先輩を助けなきゃっ!!!」

梓「その先輩が大変なのっ!」

梓「私、今から出かけなくちゃっ!」

梓父「そうなのか、気をつけろよ」

梓母「危ない事はしちゃだめよ」

梓「あぶないって事は、ないと思う…」

梓父「そうか、でも後で電話するからな」

梓「うん、行ってくるね」

梓(こんな言葉、普段ならうざったいだけなのに)

梓(不思議と今は頼もしい…)


梓「とにかく唯先輩の家へ行ってみようっ」


……

梓「たしかココが唯先輩の家…」

梓「とりあえずチャイムを押してみよう」

ピンポーン

梓「……」

梓「誰もいないのかな?」

カチャ

梓「玄関は開いてるみたい」

梓「何方かいますかーっ!」

シーン

梓「唯先輩にもう一度電話してみようかな…」

ピッピッピッ

トゥルルルルル…トゥルルルルル…

梓「出ないけど家の中から着信音がする…」





梓「倒れてたりしたら大変、ちょっと入ってみようかな…」

梓「でもなんか怖い…明らかにこの家様子がおかしいいよ…」

梓「誰か呼ぼうかな…」

1イージーモード 律
僕らのりっちゃんが大暴れ、唯ちゃんを簡単に助けちゃうよ!
事件の謎なんてそっちのけだい!

2ノーマルモード 純
純ちゃんの行動力が道を切り開く?
梓と純ちゃん、お互い協力し合って平沢家の謎を解けっ!

3ハードモード 澪
怖がりの澪ちゃんははっきり言って邪魔
平沢家の謎なんて言っている場合じゃない!
とにかく死なないようにがんばらなきゃ!

4ベリーイージーモード 紬
ムギちゃんのパワーで、襲われてもへっちゃら
緊急時には琴吹家が何とかしてくれるよね!

最速

※1


梓「律先輩…怖いのとか平気そうだよね」

ピッピッピッ

トゥルルルルル…トゥルルルルル…

律「おう梓っ!」

律「今ちょうど梓の話してたんだっ」

梓「えっ、そうなんですか?」

梓(誰かと一緒にいるのかな?)

梓「それより、唯先輩から『たすけて』ってメールが届いてっ」

梓「今空いてるのなら、唯先輩の家まで来てくれませんかっ?」

律「えっ、唯が!?」

律「どうせ、『お腹すいたー、助けてー』って事だろー?」

梓(うっ、私も同じこと考えてた)

梓「で、でもっ、電話にも出てくれないんですよっ!?」

律「そうなのか?まあ、どうせ近いからな、今からそっちに行くよっ!!」

梓「お願いしますっ!!!」

律「梓ーっ」

梓「うわっ、早かったですね」

梓(でも、この辺りで誰かと用事って、何だったんだろ…?)

律「それじゃー、唯救出作戦を開始するぞっ!」

梓「は、はいっ」

律「返事はイエッサーだあずさ隊員っ!」

梓「い、いえっさー…」

梓「(よろしくお願いしますっ)こんなんで大丈夫かなぁ?」

律「おいっ、考えてる事が口に出てるぞっ!!!」

1とにかく家の中に入る

2家の周りの様子を見る

3憂に電話してみる

4律先輩、胸に何か付いてますよっ


※1


最終更新:2010年07月27日 23:08