さわ子「そう。ゴレンジャイ」

唯「・・・・・・って何ですかぁ?」

さわ子「5人の力を一つにする、桜高軽音部に古くから伝わる特訓法よ」

唯「へぇ~」

さわ子「去年は4人だったからできなかったけど、梓ちゃんが加わったから今年はやるわよ!」

澪「またさわ子先生が良からぬことを企んでいる」

律「でも、なんか面白そうだな」

梓「どんな特訓法なんですか?」

さわ子「フフ・・・・・・ アレを見なさい!」ビシッ

唯「おぉ!? いつの間にか音楽準備室に着替え用ボックスが5つ!」


さわ子「ルールは簡単よ。5色のユニフォームをそれぞれ好きに着て、色が被らなかったら終わり」

律「なーんだ、簡単じゃん!」

さわ子「フフフ・・・・・・ そう上手く行くかしらね?」

紬「さわ子先生~ 準備できました♪」ヒョコ

唯「ボックスの中からムギちゃんがっ!」

さわ子「ムギちゃん、ご苦労様」

澪「ムギ一人でこれ全部準備したのか・・・・・・」

紬「ユニフォームもちゃんと皆さんの分を用意しましたから」

澪「手際良すぎだろう」

唯「あー!」

律「お? どうした唯」

唯「見て見て! このピンクのユニフォーム、すっごく可愛いよ~」

梓「え、ええ・・・・・・(うわ・・・・・・ダッサ・・・・・・・)」

澪「そ、そうだな・・・・・・(無いわ・・・・・・うん・・・・・・無いわ・・・・・・)」

唯「そーだ! ちょっと待ってて!」ゴソゴソ

桃唯「じゃーん! モモレンジャイ、参上!」

梓「ぶふっwwwww」

律「あっはっは、結構似合ってるぞ」

澪「(わ、私もこれからあれ着るの・・・・・・?)」

梓「ふっwwwぐwwww(駄目だwww笑いがwwww)」

紬「素敵・・・・・・」ポッ

澪「えっ」

梓「えっ」


さわ子「さ! じゃあこれから始めるわよ!」

桃唯「おー!」

紬「おー!」

律「まあ面白そうだし、やってみるか!」

澪「(着たくない・・・・・・ううう)」

梓「って言うかこれ、軽音と何の関係が・・・・・・」

さわ子「制限時間は6時間! それじゃスタート!」

さわ子のその合図と共に、それぞれボックスに散っていく5人。

夏の日曜日の正午、戦いの火蓋は切って落とされた。


(着替え中)

桃唯「どれにしようかな~」

律「よーし、お前らちゃんと合わせろよ!」

澪「色は合っちゃ駄目なんだろ?」

律「わ、分かってるよ! 心を合わせろってこと!」

梓「(あ・・・・・・・意外といいかもこれ)」

紬「♪~」


(2分後)

律「準備できたぜー」

紬「こっちも準備できたわ」 唯「こっちもー」 梓「OKです」 澪「こっちもだ」

さわ子「じゃ、一発目行くわよ!」

律「行ってみよ!」

テンテンテテーン♪

唯「アカレンジャイ!」フンス

テンテンテテーン♪

紬「キレンジャイ!」キリッ

テンテンテテーン♪

律「アカレンジャイ!」シャキーン

テンテンテテーン♪

梓「ミドレンジャイ!」ピシッ

テンテンテテーン♪

澪「あ・・・・・・アオレンジャイ」ヒョコ

赤唯「あ・・・・・・」

赤律「ああぁ~! 被っちまった!」

緑梓「うわ・・・・・これ惜しいですね」

黄紬「あらあら」

青澪「(恥ずかしいよ・・・・・・この格好)」

赤律「ピンクは唯がそのまま着るかなって思ったんだよなぁー」

緑梓「ああ、それはありますね。私もそれでピンク着るのやめましたし」

赤唯「ええっ! そうなのぉー!? ・・・・・・でも、一回目でこの調子ならいけそうだね!」

赤律「だな! 頑張ろうぜ! 次だ次!」

青澪「被ったお前らがそれを言うか」


(着替え中)

唯「う~ん、どうしようかな・・・・・・(何着ればいいんだろう・・・・・・)」

紬「♪~(可愛いからこれにしようっと)」

律「さて、どうしたもんか・・・・・・(また赤は・・・・・・いや、それは無いな)」

梓「あ・・・・・・この服(さっきは笑ったけど、これもいいかも)」

澪「・・・・・・(早く終わらないかなこれ・・・・・・)」


(2分後)

さわ子「みんな準備できたー?」

一同「はーい」

さわ子「じゃ、2回目スタート!」

律「行ってみよ!」

テンテンテテーン♪

唯「キレンジャイ!」フンス

テンテンテテーン♪

紬「モモレンジャイ!」キリッ

テンテンテテーン♪

律「ミドレンジャイ!」シャキーン

テンテンテテーン♪

梓「モモレンジャイ!」シュピッ

テンテンテテーン♪

澪「ミドレンジャイ」ヒョコ


緑澪「あ・・・・・・」

緑律「あ~ 澪と被っちまったかぁ」

桃梓「ムギ先輩と被っちゃいましたね」

桃紬「ピンクの梓ちゃんも可愛いわ」

黄唯「みんなペアルックだ・・・・・・ いいなぁ~」

緑澪「いや、ペアじゃ駄目だろ」

桃梓「なかなか難しいですね、これ」

緑律「ああ。軽く見てたけどマジで6時間くらいかかるかもな」

桃梓「(その6時間を練習に当てた方がよっぽど良い気が・・・・・・)」

黄唯「頑張ろ頑張ろ!」

緑律「そだな。よーし、次行こうぜ!」


(着替え中)

唯「むむむ・・・・・・(う~ん、難しいな・・・・・・)」

紬「(りっちゃんと澪ちゃんも緑の服似合ってたなぁ・・・・・・)」ポッ

律「んー・・・・・・(着替えないで行くのもアリなのか?)」

梓「あっ(家のカギ閉めたっけ)」

澪「・・・・・・(あー、もういいかこの色で)」


(2分後)

さわ子「準備できたー?」

一同「はぁーい」

さわ子「じゃ、3回目スタート!」

律「行ってみよ!」

テンテンテテーン♪

唯「ミドレンジャイ!」フンス

テンテンテテーン♪

紬「ミドレンジャイ!」キリッ

テンテンテテーン♪

律「ミドレンジャイ!」シャキーン

テンテンテテーン♪

梓「キレンジャイ!」シュタッ

テンテンテテーン♪

澪「モモレンジャイ」ヒョコ


緑律「うわ!」

黄梓「これはひどい」

緑唯「あはは、ムギちゃんとりっちゃんがお揃いだね」

緑律「お前もだっつーの」

緑紬「私たち緑トリオね! 何だか嬉しいわ」

桃澪「しかし緑ばっかりだなぁ」

黄梓「もの凄く地球に優しそうな戦隊ですよね」

緑唯「地球を守るゴレンジャイだもん! 環境に優しくなくちゃ」

桃澪「地球を守ろうとするベクトルが違う気がする」



気を取り直して再び挑戦する軽音メンバーたち。

しかし、ことごとく色が被ってしまう。


7回目:青唯 青紬 黄律 赤梓 赤澪

黄律「またツーペアかぁ」

赤梓「一直線に並ぶと信号みたいですね」


12回目:桃唯 黄紬 赤律 桃梓 緑澪

緑澪「今度は唯と梓か・・・・・・」

桃唯「あずにゃ~ん♪ やっと私たちもお揃いになったねっ」ギュッ

桃梓「わっ! お、お揃いじゃダメなんですってばっ!」

桃唯「やっぱりあずにゃんと私は一心同体なんだね~」ギューッ

緑澪「そりゃこれだけやったら色も被るだろうよ」

桃梓「ちょっ、頬を擦り付けないでくださいよっ! もう!///」

黄紬「いい・・・・・・」ポー



事が起こったのは、15回目の挑戦の時。

(着替え中)

唯「うう・・・・・・(もう何着ていいかわからないよぅ)」

紬「♪~(今度はどれにしようかな~)」

律「うーん・・・・・・(ダメだ、全然わからん)」

梓「あ・・・・・・(髪、伸びたなぁー)」

澪「・・・・・・(疲れた・・・・・・)」


(2分後)

律「んじゃ行くぞー」

一同「おー」

律「行ってみよ!」

テンテンテテーン♪

唯「アカレンジャイ!」フンス

テンテンテテーン♪

紬「ミドレンジャイ!」キリッ

テンテンテテーン♪

律「モモレンジャイ!」シャキーン

テンテンテテーン♪

梓「キレンジャイ!」ドン!


桃律(おお!?)

赤唯(来たこれ!)

緑紬(後は澪ちゃん!)

黄梓(信じてます・・・・・・澪先輩!)


テンテンテテーン♪

澪「あ・・・・・・アカレンジャイ」ヒョコ

桃律「・・・・・・」ズルッ

赤唯「・・・・・・」ガクッ

緑紬「・・・・・・」ペタリ

黄梓「・・・・・・」ドテッ




赤澪「えっ・・・・・・」


桃律「はああああああああ!?」

赤唯「澪ちゃ~ん、そこは青だよぉ~」

緑紬「青以外考えられないわ」

黄梓「なんで赤なんすか! 澪先輩!」

赤澪「えっ・・・・・・いや、その・・・・・・」

桃律「青だろぉー澪ぉ! なぁーんで赤なんだよ!」

赤唯「はぁ~ 信じられないよ・・・・・・」

緑紬「みんなの気持ちがひとつになると思ったのに・・・・・・ううっ」グスッ

黄梓「赤→緑→ピンク→黄色ですよ? 後は青しかないじゃないっすか!」

赤澪「いやいやいや! お前らちょっと待て!」


赤澪「なんで私だけ悪いみたいになってるんだよ!」

赤唯「だって、澪ちゃんが青じゃないから」

桃律「あの流れなら普通は青で出るよなぁー」

赤澪「分かるか! そんなん!」

黄梓「察しましょうよ・・・・・・そこは青って」

緑紬「ひょっとして、(ボックスの)中に青の服が入ってなかったの?」

桃律「本当か!? 唯、ちょっと見てみろ!」

赤唯「(ガラッ)ううん! すっごい入ってるよ青の服!」

黄梓「あるじゃないですか青! なんで着なかったんですか!?」

桃律「青あるのに青着ないって・・・・・・ どんなセンスしてんの?」

赤澪「いや・・・・・・ いやいやいやwwww ちょっと待てよ!」

赤澪「おかしいだろ! 赤だったら唯も被ってるのに」

赤澪「それに、私から行ってたら外してたのは唯になってたんだぞ」

黄梓「それは・・・・・・まあ・・・・・・」

緑紬「言われてみればそうね」

桃律「確かにそうだな・・・・・・ 澪、お前だけのせいにして悪かった」

桃律「でも、4人目まで上手いこと行ったから、澪も合うだろうって勝手に思っちゃったんだよな」

赤唯「そだね。私達が澪ちゃんに期待しすぎたんだね」

黄梓「ええ、澪先輩なら青で出てくるわけが無いとあの時点で判断するべきでした」

緑紬「ごめんね澪ちゃん。勝手に期待しちゃって」

赤澪「(なんか・・・・・・これはこれで腹立つな)」


桃律「ああ~ でも今のはホント惜しかったな」

赤唯「うん。私、あずにゃんが黄色で出た時に『来たこれ!』って思ったもん」

緑紬「私も思ったわ。これはいけるって」

黄梓「私もです」

桃律「だよなぁー。私もこれはいけると思ったよ」

一同「・・・・・・」

赤澪「いや・・・・・・私はいったとは思ってなかったよ」


気を取り直して再び挑戦する5人。

順番を変えて試してみるが・・・・・・


18回目:黄澪 桃唯 赤紬 黄律 青梓

桃唯「澪ちゃんとりっちゃんかぁ」

黄律「次だ次。次行くぞ!」

青梓「最後ってつまんないですね。律先輩の時点でテンションが・・・・・・」

黄澪「だろ?」


19回目:赤澪 青唯 桃紬 赤律 緑梓

青唯「あれ? また澪ちゃんとりっちゃんだよ」

赤律「澪~ ちょっとは合わせろって」

赤澪「お前が私に被せてるんだろ!」

桃紬「まぁまぁまぁまぁまぁ」


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最終更新:2010年07月29日 00:55