ゾロゾロ ピタッ
律「さて、到着ー!」
唯「アイアイサー!」
梓「早くインターホン押しましょうよ」
律「そう急かすでない!」ポチッ
ピンポーン
澪ママ「はい」
律「あ、田井中ですけどー お見舞いに来ましたー」
澪ママ「あらーごめんなさいね ちょうど今病院行ってて」
澪ママ「あがって待ってる?」
律「あ、今人数いて邪魔になっちゃうんで」
澪ママ「そう?じゃあ明日は行くように言っておくわね」
律「おねがいしまーす それじゃ」
プツッ
唯「りっちゃん、どうだった?」
律「今澪病院行ってていないってさー 私1人じゃないから邪魔になるんであがるのは断っといた」
梓「そうですか… それじゃ仕方ないですね」
唯「じゃあさっきの話の続きを!」
律「だーかーらっ さっき話した以上でもそれ以下でもねーって」
梓「なんか先輩イマイチテンション低くないですか?」
律「はあ?」
梓「初めての彼氏、そして放課後デート!それなのにやけに淡々としてるというか」
律「んな事ねーよ」
梓「あやしいです!」
律「いいからさっさと帰るぞ!」
ゾロゾロ
アオーン!オン!オン!オン!
…
トボトボ
澪(あーあ 思ってたよりも遅くなっちゃったな…)
澪(木曜で平日なのにあんなに混んでるなんて)
澪(うう、寒い!まだ3月だもんな 年寄りが風邪ひくのも無理ないか)
澪(でもあんだけ待って貰った薬が頭痛止めじゃ損した気分だ…)
澪(薬局にでも寄ってバファ○ン買えばよかった)
ガチャ
澪「ただいまー」
澪ママ「おかえりなさい」
澪ママ「そういえば律ちゃんとお友達がお見舞いに来てくれたのよ」
澪ママ「大人数だからってあがらずに帰っちゃったけど あとでお礼言っときなさい」
澪「うん 悪いことしちゃったな」
澪ママ「ご飯はどうする?」
澪「ご飯はいいや 明日に備えて寝ちゃう」
澪ママ「わかったわ」
タッタッタッタッタッタッタ カッチャン
澪「携帯はっと」ゴソゴソ
パタッ
澪「そういえば病院行くからって電源切ってたんだっけ」ポチッ
澪「さて、と みんなにメールを」
ヴーン ヴーン ヴーン
澪「わっ 電源切ってたからセンターに溜まってたのか」
唯『澪ちゃんはやく元気になってねー!!』
梓『とても心配してます またはやく一緒に練習したいです!』
紬『澪ちゃん大丈夫?私にしてあげられる事はとても少ないけど… 何でも相談してね』
澪「唯… 梓… ムギ…」
律『お前がいないと調子狂うんだよ!だから明日は来いよ!絶対だぞ!!』
澪「りつぅ」ポロポロ
澪「グスッ みんなありがとう」
ピッピッッピッピッ
澪『ありがとな、唯 元気出たよ』
澪『迷惑かけてごめんな梓 明日は練習しよう』
澪『そんなに気負わないでくれ ムギにはすごく助けられてるからさ』
澪『ホントお前は私がいないとダメだな!明日は行けそうだよ』
澪「よし、と じゃあ明日に備えて寝よう」パチッ
zzz zzz
チュンチュンッ
澪「いってきます」
澪ママ「いってらっしゃい 気をつけてね」
ガッチャン
澪(やっぱり律に会うのはちょっと気まずいな…)スタスタ
澪(で、でも 律に会えない事自体の方がもっとつらい!)スタスタ
律「お!みーっお!おっはー!」タタッ
澪「!!」ドキッ
澪「お、おっす」
律「もう具合は大丈夫なのかー?」
澪「ああ、昨日病院で薬貰ってきたからな」
澪「あとさ、見舞いありがとな ちょうど病院行っててごめん」
律「きにすんなってー!私達けいおん部の友情は最強だぜー!!」ビシイッ
澪「朝からテンシュン高いな」ハハハ
律「んー」ジッ
澪「なっ、なんだよ」ヒキッ
律「いや、ここ最近元気なかったけどまだ本調子じゃないみたいだからさ」
律「まだいつもの澪じゃないなーって」
澪「そっ、そうか?」ドキッ
澪(やっぱりまだ心のつっかえが取れてないんだよな…)
澪(それに私が律にしてきた事への答えはでてないんだし…)
澪(律はこうやって明るく振る舞ってくれるし私といてくれる)
澪(でも本当は嫌なんじゃないのか?こんなすぐ暴力振るう女なんて)
澪(私は今回だって、律やムギ、みんなの好意に甘えてた)
澪(結局、何一つとして成長してないんだ…)
澪(あああ!どんどんネガティブな方向に考えちゃう!)
澪(律たす…け…)ハッ
澪「…」テクテク
律「…」ジローッ
律(なーんか暗いんだよなー)
律(ちっくしょー 私も澪やムギみたいに気の利く女だったらー)
…
ガラガラッ
紬「あ!澪ちゃん、りっちゃん!おはよう」
澪「心配かけたな、おはよう」
律「おっす!」
澪「唯は…」キョロキョロ
澪「やっぱまだ来てないか」ハハ
律「最近ギリギリばっかだもんな」ヒヒ
紬(よかった~ 澪ちゃん、元気になったみたい!)ホッ
キーンコーンカーンコーン
ドタドタドタドタ!ガラガラッ!
唯「セーッフ!!」ズザー
唯「あ!澪ちゃん!おはよー!」
律「もはやお約束だな…」
唯「澪ちゃん元気になったんだね!」
澪「心配かけて悪かったな、もう大丈夫だ」
唯「よかった~!全員揃ってこそ私達けいおん部だもんね!」
澪「ああ!」
キーンコーンカーンコーン
先生「これで授業は終わりです」
起立!礼!着席!
ガラガラッ ピシャ
唯「今日も疲れた~!やっと放課後だよ~」ノビーッ
律「爆睡野郎が何を言うかっ!」ビシッ
唯「あいたー!」ドタッ
澪「昨日は休んじゃったからな 今日はがんばるぞ!」
紬「おー!」
ジャジャ、ジャジャ、ジャーン!
唯「うぃ~ 疲れた~」ドサッ
律「お疲れー(今回は月曜程じゃないけどけっこういい感じだな)」フウッ
紬「みんなお疲れ様~(澪ちゃん、立ち直れたみたいね!)」ニコッ
梓「合ってましたし復調してきましたね!」ビシッ
澪「休み明けだからいい運動になるな(数日前より気分楽になったな)」フキフキ
ガチャン
澪「ただいま」
パタパタ
澪ママ「おかえりなさい」
澪ママ「あ、そうそう!友達から映画のチケット貰ったのよ~」スッ
澪「へえ 何時の?」
澪ママ「明日なんだけど… 昨日のお礼も兼ねてりっちゃん誘ってきたら?」
澪ママ「枚数2枚しかないからお友達全員の分はないけれど」
澪「いいよ、ママがパパと行ってきたら?」
澪ママ「それが私もパパも用事が入っちゃって」
澪「まあ明日は部活もないし…(どうしよう)」
澪ママ「気にせずいってらっしゃい」ススッ
澪「えっと、じゃあ貰っとく ありがとうママ」
澪ママ「いえいえ そろそろ夕飯だからね」パタパタ
澪「うん」
タッタッタッタッタッタッタ カッチャン
澪「ふうっ」ボスッ
澪(映画のペアチケットか)
澪(明日っていきなりすぎないか)
澪(まあせっかくママから貰ったんだし誘ってみるか)
澪「よいしょっと」パカッ
ピッピッピッピッ プルルルルル プルルルルル
…
ガッチャン
律「今帰ったぞー」
ドタドタ
律ママ「馬鹿やってんじゃないの!」
律ママ「そういえば澪ちゃんどうだった?昨日休んだんでしょ?」
律「あー大丈夫 まだ本調子じゃないみたいだけど普通に元気だった」
律ママ「そう、よかったわ 晩御飯までもうちょっと待っててね」パタパタ
律「あいよっ」
テッテッテッテッテッテッテ カッチャン
律「あーづかれだー」
律「明日はいよいよ土曜日か…」
律「(明日の準備しなきゃな)よっと!」
ヴーン ヴーン ヴーン
律「ん 電話か」パシッ
ピッ
律「もしもーし」
男「あ、男だけど」
律「お、おう」
男「明日はいよいよ映画ですね!楽しみで電話してしまいましたよ!」アハハ
律「ハハハ そうだな、明日は映画だ」
男「で、集合時間なんですけど、電車が11:47発なので11:40でいいですよね」
律「いいんじゃない じゃあその時間に駅の噴水前って事で」
男「はい!じゃあ楽しみにしてます」
律「おうよ じゃあ、また明日な」
男「それでは!」
ピッ コトン
律ママ「ごはんよー」
律「今行くー」
ガッチャン!テッテッテッテッテッテッテ
…
プルルルルル プルルルルル
澪「なかなか繋がらないな」
プルルルルル プルルルルル
澪「うーん」
ガチャッ
澪「おっ!律、わた」
オカケニナッタバンゴウハ、ゲンザイツウワチュウデス
澪「って通話中かい!」
ピッ ゴトン
澪ママ「みおー、ご飯できたわよー」
澪「はーい」
ガッチャン タッタッタッタッタッタッタ
…
律「ふ~食った食った」ゲフッ
聡「ねえちゃん行儀わりー 彼氏できて女らしくなると思ったのに」
律「うっ、うるせーぞぉ!わたしゃ既に十分女らしいっつーの!」
聡「へへーんだ」
律「ったく!まあいい、ごちそうさまでした!」
律ママ「はいはい 明日遊びに行くなら勉強しときなさいよ」
律「へーい」
テッテッテッテッテッテッテ ガッチャン
律「ん?」
ピカピカッ ピカピカッ
律「携帯に着信か 男か?」
パカッ
律「み、澪!?何だろ?かけなおすかー」
ピッ プルルルルル プルルルルル
…
澪「ごちそうさまー」
澪ママ「はい そういえばりっちゃん誘ったの?」カチャカチャ
澪「いや電話通話中だったからさ あとでかけなおすつもり」
澪ママ「そう ただ明日いきなりだからねえ… りっちゃんも用事入ってるかもね」ジャー
澪「だなー まあその時は仕方ないから別の誰か誘って行くよ」
澪「じゃっ、明日家空ける分勉強してくる」
澪ママ「がんばってね」
タッタッタッタッタッタッタ ガッチャン
澪「さて、60Pまで進めちゃうか」
ヴーン ヴーン ヴーン
澪「ん、電話だ」
パッ パカッ
澪「律か!かけなおしてきたんだな(予定空いてるのかな)」ドキッ
ピッ
澪「もしもし」
プルルルルル プルルルルル ガチャッ
律「お!澪、どったの?」
澪「かけなおしてくれたのか」
律「まーな さっきはごめんごめん で、どったの?」
澪「それがさ、明日の事なんだけど」
律「!!」ドキッ
澪「ん?どうかしたか?」
律「いや、別にー」
澪「明日さ、予定空いてないかな?」
律「明日かー…」
澪「何か用事入ってるのか?なら無理強いはしないけど…(やっぱダメだったか?)」
律(うーん 言っとくべきかなあ… でも後々の事考えると…な)
律「わりっ!ちょっとした野暮用があってさ!明日は無理なんだ」
澪「そ、そうか」ズーン
律「ごめんって 明後日なら大丈夫だけど」アセッ
澪「いや、そこまでしなくてもいいさ 明日なんていきなりだもんな」
澪「無理言って悪かったよ」
律「そんな事ないって!私こそごめんなー」
澪「急に誘ったのは私の方だからさ 用件はそれだけ」
律「そっか じゃあまた月曜な!」
澪「うん、じゃあな」
ピッ
澪「はー やっぱダメだったか」
澪「仕方ない、他の人を誘おう!」
ピッピッ
澪「あ、唯?明日予定空いてないかな?」
唯「ごめーん!明日は久しぶりにお母さんとお父さんが帰ってくるから無理なんだよぉ」
澪「そ、そうか 残念だけど次の機会によろしく」
ピッ
澪「次は梓っ」
ピッピッ
澪「あ、梓?明日の予定空いてたりしない?」
梓「すいません先輩、明日明後日は家族で出かける予定がありまして…」
澪「そ、そうか… いきなりごめんな また今度」
ピッ
澪「うう」
最終更新:2010年07月29日 23:42